あらすじ
天使のような笑顔を浮かべると、出会う者はみな思わず「可愛い!」と声を上げてしまう。大人たちを自分の魅力のとりこにし、望むものを手にしてきた小学1年生の少年、拓馬には、ある秘密の「趣味」があった。場所はたそがれの競馬場──。純真、残酷、妖艶、粗暴、嘘言……。正常と異常の狭間に立つ幼児たちの危うい心理を描きだした、現代の「恐るべき子どもたち」ともいうべき7編。
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Posted by ブクログ
これが、「子供」の恐ろしさか!と心底ぶるぶるした記憶が。
その当時は、自分もまだ成人していなかったので、「大人」にとってどれだけ「子供」が脅威になるか、本当の意味では理解していなかたんじゃないかと思うのですが、それでも、そんな「大人未満」にもその怖さは伝わるほどの内容でした。
冷蔵庫が壊れて捨てられて、その後、新しい冷蔵庫がやってくるのを見て、「壊れると、新しいものに変わるんだ」との認識を、人間にも置き換えてしまうとか。三つ編みの少女の無垢なあざとさとか、怖いなあと思います。
子供って、純真なだけじゃないんだな。なんて、当たり前のことを思わせる一冊。
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時に加害者、時に被害者な子供達による7つのお話 ほぼ全ての作品が結末が読めてしまうシンプルなストーリーの反面ある意味期待通りな展開で王道の後味の悪さを感じた。
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子供をテーマにした短編集。題名とは裏腹に、ある意味カテゴリーはホラー。登場する子供みんなこわっ!性悪説。その親も怖いけど。どれもゾクリとする。
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物語のキーになるのが少年少女。
天使のようなほほえみでオトナたちを翻弄するのが小気味よかったり気持ち悪かったり。
乃南作品は後を引かないし残らない。
ただ、最後の一作がケッコウ可愛いと言うか好きだった。
タマシイを取り戻す、その方法論がなかなか秀逸。
完全なファンタジーなんだけどちょっと気に入りました。
ということで、★4つ。
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どのお話にも「子ども」が出てくる、日常にありそうでなさそうな少し怖い短編7つ。
新米の保母さんの話は、職業柄「あぁ、あるかもな…」と思ってしまった。
この作者の短編はどれも人物の心理がリアルで、怖いけどはまる。
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乃南アサらしさが散りばめられた短編集。
ちょっと怖いこどもたちの生態。
あの笑顔の裏で考えていることを知ったら、あなたもちょっと怖くなるはず。
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とにかく怖い。読んでいて子供が怖くなってくる。
子供は純粋で心がキレイで・・・・というは絶対に嘘だ!と思ってしまう・・。
賢くて、自分の居場所や立場を意外に感覚で分かってるのかもなぁ。
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ホラー(かな?)短編集。主人公はみな子供。
「こどもはみんな無邪気な天使」なんて信じたら大間違い。無知は無垢ではなく残酷な一面を持つ。いいと悪いが区別できないんじゃなく、悪いことを悪いと知らないのも罪なのだから。
自らも「無垢な」こどもであった時期があるはずなのだが、人はみなそれを忘れ、かわいらしい天使の微笑みの裏側を見落とすのだ。
ホラー、と言うほど怖くないかもしれないけど、ぞわっとする。
…ほら、その傍らに眠るおさなごのすべてを貴方は知っているのか?
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またも乃南さんの短編。子どもを題材にしたもの。全部で7編。「さくら橋」と「泡」がヒット。純粋さからくる残忍さっていうのかな。無知だからこそ訪れる結末みたいな。しかもその重大性も認識できないという。こういうの好み。乃南さんの短編、いいね。
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乃南アサは、人物の描写に長けたひとだと思う。それは大人のみならず、子供の描写に対しても言えること。子供が、その無邪気さゆえにしてしまう行動の怖さやダークサイドが存分に描かれているオムニバス。怖。
Posted by ブクログ
2014.6.23
こわい。子供の素直さが、感受性の強さが、何を生み出すのか。危うさと隣り合わせな大人の言動。向き合うって何って接し方を考えさせられる。
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何とも後味の悪いお話の数々。
思っている以上に子供ってずる賢さを持っていて、自分の評価を知っている。
しかし大人よりは経験や感性が出来上がっているわけではないので、行き過ぎてしまう。やりすぎてしまう、大人から見ると残酷になってしまう。
でも、そんな子供に育て上げているのは結局は周りの大人。
少しリアルに感じる所もあり薄ら寒くなった。
特に表題のトゥインクルボーイは、現実にいそうだと感じた。
うーん。読み返したいとは決して思わない作品。
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全編が子供にまつわる話。そしてその子供全員が純粋とはかけ離れた怖い子供達。
子供は純粋で可愛い! なんて考えの人は読むとキツい、嫌な話しかない。
そうでなくてもこの気味悪さは心に来ると思う。
短編だからサッとオチがつくのは分かるけど、あまりにも呆気なく話が終わるのがちょっと残念かな。
オチが有ったり無かったり、読み手の想像任せの話もあるし。
「坂の上の家」はちょっと酷い。
「さくら橋」は良かった。
ひたすらに子供が怖いんだけど、その原因は環境なんだよね。
大人がどういう環境で子育てをするかにかかってるから子供に罪はないというか。
そんなことを考えさせる本だった。
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子供の無邪気なまでの、考えの及ばない犯罪。
「泡」が一番怖い。
いくら幼い子供でも、命が漠然としか想像できなくても、自分の魂を取り返すために、父親と共謀して母親を死なせるなんて、無謀すぎる。
どの話も、結局子供だけが悪いんじゃなくて、そんな風に子供を育てた親と環境も悪いと感じる。
Posted by ブクログ
大人の価値観だけで子供を判断してはいないだろうか。子供は子供なりの価値観がある。子供の純真さの裏側には「悪」が存在する場合もある。
しかしその「悪」はあくまでも大人の価値観によるものであり、子供にとってはそうではないかもしれない・・。そう思うととても恐ろしい。
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「恐るべき現代の子どもたち」とうたっているけど、これは恐ろしいとかそういうのじゃない気がする。
結局は歪んだ子どもを作り出すのは、親でしょ。
恐ろしいんじゃない、可哀相だ。
Posted by ブクログ
◆あらすじ◆
天使のような笑顔を浮かべると、出会う者はみな思わず「可愛い!」と声を上げてしまう。
大人たちを自分の魅力のとりこにし、望むものを手にしてきた小学1年生の少年、拓馬には、ある秘密の「趣味」があった。
場所はたそがれの競馬場───。純真、残酷、妖艶、粗暴、嘘言……。
正常と異常の狭間に立つ幼児たちの危うい心理を描き出した、現代の「恐るべき子どもたち」ともいうべき7編。
Posted by ブクログ
子どもを主題に書いた短編集。子どもの人間味溢れる姿が描かれている。気に入らないからと犯罪を犯したり、親の育て方で人格がおかしくなったり、無知は罪と言える作品まで、後味が悪いのになぜか続きが読みたくなる作品が多数掲載されている。かなり軽く読めるので頭を使いたく無い時にもお勧め。