乃南アサのレビュー一覧

  • すれ違う背中を

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    ムショあがりの女性二人を綴った三部作、二作目。

    やっと自転車がうまくこぎ出せた感じ。
    でもやはり大きな事件は特にない。

    このまま何事もなく日常を送って欲しい、
    そう願い続け一気読み。

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    2014年09月14日
  • 地のはてから(下)

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    下巻も引き続き、
    不運が続く。

    ただ主人公が大人になってきたので、
    子供のときのような周りに振り回されるだけではないから、ちょっと穏やかに感じる。

    個人的にはアイヌの男性との恋物語が
    気になったが、結末はなくても良かったような。想い出はそのままキレイであってほしい、私の願望か(苦笑)。

    いい後味が残る大作でした。

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    2014年08月31日
  • 地のはてから(上)

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    北海道開拓団の一家族の物語。
    もう悪いことが起きないでと願ってしまうほど、
    いろんな「!?」と息をのむ不運が
    続く、続く。

    辛く、苦しいが、
    「生き抜く」というその強さから
    目が離せない。

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    2014年08月31日
  • 不発弾

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    相変わらずの乃南さん。
    「かくし味」はなにかのアンソロジーで読んだけど、血の気が引いちゃうような最後が気に入っている作品。
    あとは…「福の神」が、まさかの感動展開だったのには驚いた。
    個人的には「夕立」はもう少し説明がほしいところ。ただただかわいそうな教頭と少し悪い女子高生の話、というだけの印象になってしまった。。

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    2014年08月22日
  • 涙(下)

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    萄子がこれだけ世間知らずで、頑固で、甘ったれたお嬢さんなのは、これはやはり乃南アサの作戦なのであって…。こんな娘さんだからこそ、川崎や熱海や九州の炭鉱町や、そして宮古島までも勝を追いかけて行くし、そこですっかり浮いてしまって自己嫌悪にも陥る。いく先々で出会う女性たちや、のぶ子とも、そして再会した勝とも違う人生を生きていくしかないことを、はっきり分からせる人物設定なのだと思った。読者である私は「こんなにまでして勝を追いかけて。周りに迷惑をかけて。淳を傷つけて。私ならこんなことはしない。」と思いながらも、結局はこの世界に引き込まれていくのだ。

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    2014年07月31日
  • 涙(上)

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    乃南アサさんの小説を読んでいると、刑事も被害者も、ただストーリーの為だけに存在するのではなく、生きて、汗をかき、笑い、涙し…そして、関係ないことを考えたり、時代に流されたりする、普通の人間であることを実感できる。謎が解ければ終わり、という、安いミステリーではない。

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    2014年07月31日
  • 自白 刑事・土門功太朗

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    土門刑事が、静かに着実に容疑者を追い詰める。
    派手なアクションやトリックはなし。
    70年代80年代のざわざわした雰囲気をしっかり描写できる地の文の力と、土門刑事の骨太のキャラクターで、独特の読みごたえになっている。
    乃南アサ、女を描いても、男を描いても、うまい。
    やはり侮れない…

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    2014年07月18日
  • ボクの町

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    巡査見習いの聖大は、あまちゃんでガキで、読んでいてイライラすることもある。
    だけどなぜイライラするか考えてみると、自分も聖大みたいだからなんだなぁ。
    仕事が自分に向いてるのかわからないし、報われない感じもするし、なら生活のためだからと割りきろうとしても、そういう訳にもいかない。
    使命感とか天職なんていう言葉を追いかけたい葛藤…
    ヒーローが出てこないから、この小説は魅力的なんだ。

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    2014年07月13日
  • 夜離れ

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    女の怖ーい面にフォーカスした短編集。どれも結婚が絡んでいる。どれも面白いが特に「祝辞」の驚きのエンディングと、ストーカー女の登場する「青い夜の底で」は素晴らしかった。表題作「夜離れ」の主人公だけが少し違った感じで、この作品で終わっているのがなんともニクい構成。

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    2014年04月17日
  • 女刑事音道貴子 鎖(上)

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    ネタバレ

    音道貴子がかっこいい。
    よくある、結果をぼやけさせたまま終わるような話ではなく、明確にきっちりと終わらせてくれてよかった。
    事件の流れも常にこちらとあちらが分かりやすく進行して、長いお話なのにどんどん読めた。
    ただ、立てこもり中のテレビで「捜査中の音道が拉致された」と報道されたときに「休暇中だったんじゃないのか!」ともう一悶着あるのかと期待してしまったのにスルーされたのが残念だった。

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    2014年04月11日
  • 地のはてから(下)

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    大正の初期に知床の地に入植した一家の娘「とわ」を主人公にした一代記。「おしん」のオンエアは見ていないが、さながら知床版「おしん」と言った感じの苦難の歴史。
    これが私の父と10歳程度しか違わない世代の物語とは到底思えない。
    「生きること」を真摯に問う長編小説。

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    2014年04月07日
  • 花盗人

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    名前には見覚えがあって、でも初めて読んだ作家さんの短編集だった。直木賞作家さんでした。テーマと切り口が斬新で、10編それぞれに「えっ」と思わせる意外性があり、面白かった。受賞作も読んでみようと思う。

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    2014年03月01日
  • 地のはてから(下)

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    26.02.2014
    上巻の一家の移動が想像しようとしてもしきれないほど気の遠くなるもので、読み終わった今も思い出す。荷車、汽車、船、そんなに昔じゃないのに途方もない移動をしていたのかと思うと胸が苦しくなるほど。
    とわの生き方は強くて逞しくて、いつか幸せにと願ってしまう。きっとこんな女性がいたのだろう。
    重いけど、読み応えのあるいい小説。

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    2014年02月27日
  • 死んでも忘れない

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    社会派ドラマな小説でした。
    見た目は幸せな本当の家族に見える一家が、いろんな災難にあい、ぶつかっていき、最後に本当の家族になれた。というストーリー。

    実際、こんなに災難が一気にくるわけないのだろうけど、災難が災難を呼び、チェーンリアクションのように崩壊していく様を読んでると、ホント一人一人の登場人物に同情しちゃう。
    してもいないことの濡れ衣をきされて、でもそれに立ち向かって負けない姿をよむことに救われた気がした。

    結局、「話さなかった」ということが事態を悪くして、信頼も信用もお互いできなくなったんだよね。

    友樹くんが現れて、この家族が救われてよかった。
    人がヒステリックにお互いを憎しみ合

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    2014年02月16日
  • 女刑事音道貴子 風の墓碑銘(下)

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    (上巻から続く)

    あえて難を言えば、
    前作で書かれた滝沢家の家庭の事情、
    そしてそれに音道刑事が巻き込まれたことに関する話が、
    不自然なくらい全くでてこなかったことが、
    謎だ。

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    2014年01月29日
  • 女刑事音道貴子 風の墓碑銘(上)

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    ペンギンからアザラシに出世(?)した滝沢刑事と
    再びコンビを組む音道刑事。
    何だかんだぶつかりながらも、
    阿吽の呼吸になってしまうのが楽しい。

    二転三転するストーリー展開も秀逸だし、
    捜査線上に登場してくる人物の描き方もうまい。
    短編も悪くないが、
    これぐらいのボリュームがあった方が
    読み応えがあって良い感じ。

    (下巻へ続く)

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    2014年01月29日
  • ヴァンサンカンまでに

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    おもしろい!
    自分自身、不倫したり二股かけてる訳じゃないけど、妙に共感できる部分が多々あった。
    女性らしく描写も細かいからリアル。こういうことあるある、こういう人いるいる!みたいな。
    20代後半になって、いろんな出会いがあったりして、また考え方も変わっていくんだろうな。って、自分自身と重ねながら読み終わった。 

    ますます乃南さんのファンになった。
    ただ、さらっと終わったので、もっと読みたかったなー。

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    2014年01月25日
  • 女刑事音道貴子 嗤う闇

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    久々の滝沢刑事の登場にもかかわらず、
    かっこいいところなしで、ちょっと残念。

    全体的にいい感じに落ち着いていて、
    発酵していてなめらかな感じ。
    音道貴子が大人になってきた、ということなのか。
    その大人っぷりが頼もしい。

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    2014年01月19日
  • 女刑事音道貴子 未練

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    衝撃的な前作の余波はどこにいった?
    と肩透かしを食らってしまうが、
    大丈夫、ちゃんとその件は、後で出てきますから。

    事件性はほとんどないが、
    最初の「未練」が一番ぐっと来たかな。
    おいしいカレーが食べたくなるいい話だ。

    というよりは、他の話が少し辛すぎる。
    「山背吹く」も話としては良かったけど、
    音道貴子の諦観がちょっと胸が痛い。

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    2014年01月10日
  • 涙(下)

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    面白かった!婚約者の失踪、舞台が国内の様々な場所に飛ぶあたり、松本清張の作品を彷彿とさせるものがある。久々に大満足できた乃南作品。

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    2013年12月24日