乃南アサのレビュー一覧

  • 新釈 にっぽん昔話

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    変形昔話が6つ。

    「さるかに合戦」と「一寸法師」は、なかなかユニークでした。
    「花咲かじじい」「笠地蔵」はわりと原作。
    「三枚のお札」と「犬と猫とうろこ玉」は知らないお話でした。

    どれもちょっと現代風アレンジというか効かせてあって、おもしろく読めました。

    後書きで、乃南アサさんが東日本大震災で被災された方たちに何か自分にできることを、と思い、年齢性別問わず読んでもらえ、なんとなく暇つぶしでもいい、少しでも現実から頭を切り離してもらえればいいと思って「昔話」を…と書かれています。

    その思いがつまったほっこり、優しく、楽しい1冊でした。

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    2016年09月06日
  • 新装版 鍵

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    純粋にミステリーとしても楽しめたが、兄妹との関係が鍵となっていて、主人公の成長物語としても面白かった。

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    2016年09月06日
  • 涙(下)

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    ある日、突然愛する人と会えなくなる切なさ  恋人・親子 そんな事はあるはずがないと思っているから、唐突な別れに誰もが戸惑うのだろう。だからこそ、今の日常をだいじにせねば、と思う。次回東京オリンピックが騒がれている中、半世紀前の東京オリンピックを背景に事件は進むが、どちらの時代にも思いがある私が感慨深いものがあった

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    2016年08月19日
  • ヴァンサンカンまでに

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    同期の将来安泰くんをキープしながらもゲームと割り切ってた不倫。恋愛も失敗したくない、幸せになりたいって冷静なふりしながらも頑なに思ってる女性の物語。バブリー感はいまの感覚と違うけど、条件面で幸せになれるはずだから好きにならなきゃはうまくいかないし、こんな人とと思ってしまったら時間を重ねられない感じは分かる。

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    2016年08月13日
  • ライン

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    1990年に出版された「パソコン通信殺人事件」を大幅に加筆修正し、改題した作品。
    パソコン通信にハマる三浪の主人公・薫。
    パソコン通信にまつわる懐かしい描写が数多くあるが、Facebookやtwitter全盛となった2016年も、人間の本質みたいなものは良くも悪くも変わらないと痛感。

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    2016年08月05日
  • すれ違う背中を

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    シリーズものの真ん中だったことは知りませんでした!でも、あらすじなどがあるのでそのまま読み進めました。読み応えもある文章だし、主人公のキャラクターもしっかりしているので、楽しく一気に読んでしまったという感じです。このシリーズの前後も読みたいです。

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    2016年07月03日
  • 風紋 上 新装版

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    殺人被害者の家族と、加害者の家族のつらさ、苦しみがリアリティを持って描かれている。
    被害者や加害者家族に対するマスコミ取材にもリアリティがあり、嫌悪感を覚える。正直なところ、殺人事件が起こっても、加害者家族や被害者の過去を暴く権利はないし、知る権利だなんだといっても、単なるゴシップ趣味以上の何者でもない。どうせ、すぐに忘れられ、消費されるだけ。その辺りをどう描いていくのか、本当に犯人は彼なのか、下巻も楽しみ。

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    2016年06月30日
  • 晩鐘〈上〉 新装版

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    ネタバレ

    風紋(上・下)の続編。
    7年後のそれぞれを描く
    上・中・下の3冊

    前回の犯罪加害者の奥さんは
    気持ちよいほどの変貌を遂げる。
    子供は祖父母へ預け
    働いてはいるが自由奔放に生きる。

    一方、被害者の娘は・・・
    相変わらず心の傷が深く
    ひと言で言えば・・・
    ソロソロ立ち直っては?
    と言いたくもなるが
    たぶん・・・このかわらなさから
    物語が始まるんだろう。

    クドクド続くが
    先が気になって
    辞められない。。。
    これが「はまる」と言う事だろう。

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    2016年06月14日
  • 女刑事音道貴子 凍える牙

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    ネタバレ

    まだまだ警察組織でも
    男尊女卑は根強いのか?
    これってどの会社でも同じだけど・・・
    とは思いながら
    やけに女だから舐められる
    女だから馬鹿にされている
    が強調され過ぎで主人公も意識しすぎ。
    もっともココを強調しているから
    後々強面の女嫌いの相棒の
    ふとした際の優しさに
    「よかったじゃん」と思えるのだろうが・・・・

    さて、色々な犯人がいるが
    今回はオオカミ犬。
    あまりに忠実で
    あまりに気高く
    あまりに哀しい最後に
    犬好きとしては
    腹立たしい思いで読み終えた感がある。
    こんな事に犬使うな!
    (すっかり話に入り込んでいる証拠だが・・・)

    しかも、大火事出した犯人の動機が
    身勝手過ぎてあきれかえっ

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    2023年10月16日
  • 女刑事音道貴子 風の墓碑銘(上)

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    ネタバレ

    この作家の作品は
    読みやすい。
    売れるのが分かるなぁ~

    女刑事シリーズの第二弾?
    前回ほど女刑事も
    「女だから舐められてる。。」とか
    「女だから・・・」を強調せず
    その辺りもありストーリーに
    入り込みやすくなっている。

    上巻では
    と有るヘルパーの男性が浮上。
    彼の哀しい過去が明らかに・・・・

    滝沢のお父さんとの
    コンビも息が合ってきて
    下巻が楽しみである。

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    2016年08月17日
  • 女刑事音道貴子 風の墓碑銘(下)

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    ネタバレ

    こんな最後とは・・・
    苦労は人を大きくする。
    苦労は買ってでもしろって言うけど
    人格が歪むほどの苦労も
    考え物だ。

    相棒同士のやり取りでも
    見方によっては
    他人行儀な感じに取れるが
    意外とこういう一歩離れたなれなれしさって
    良い距離感だなぁ~と

    これでシリーズは終わりなのか?
    調べてみよっと!

    スラスラ読めて
    2日で読破できちゃった。
    (仕事しろよ!)

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    2016年08月17日
  • 風紋 上 新装版

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    ネタバレ

    まだ上巻だけしか読んでいないが・・・
    重いなぁ~。
    殺人の被害者家族も
    加害者家族もその親族も・・・
    その時を境に人生の全てが変わってしまう。

    この本では痴情のもつれからの
    殺人だったから
    独り身の私の人生では
    「絶対に無い~ない」と
    簡単に考えてしまうが
    車の運転をしている毎日だから
    加害者になる可能性がある。
    自転車で通っている息子がいる。
    と言う事は被害者になる可能性も有る。
    誰になにが起こっても
    本の中の家庭と同じになる。

    紙一重の生活を送っているんだ。
    と改めて考えさせられた。

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    2016年06月08日
  • 風紋 上 新装版

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    ネタバレ

    ひたすら辛かったです。
    母を殺された真裕子の絶望と孤独。父も姉も自分勝手な行動をとっているようにみえる。
    犯人は逮捕されたけどまだ隠していることがありそうだし、でもそれが明らかになったとしても遺族に幸せが訪れるわけでもないだろうし。犯人の妻の生活も崩壊。
    刑事と記者の目線でも物語は進む。怖くて、とにかく見守るしかない、という感じ。下巻へ。

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    2016年06月06日
  • 美麗島紀行

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    出たのを知って、文庫化されるまで待とうと思いつつ結局ハードカバー買ってしまった作品。台湾紀行だと思ってたが、中身は作者の台湾認識について、という方が正しかったかも。
    作者も含めて改めて多くの日本人が台湾のことを全く理解してないことを認識。その点においては、彼女のようなそれなりに影響力ある人がこういうものを表すのは、理解を含めるのにとても良い。一方で個人的期待感から言えばハードカバー買うほどではなかった。自分の中では既に身をもって体験したことの追認だったし、作者の視点が(敢えてなのかもしれないけど)限定的過ぎる気がする。理解することは大事だけど、これもまた偏った理解のひとつに過ぎないのと思う。そ

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    2016年06月01日
  • 涙(下)

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    ハイスピードで読み終えました。
    辛い辛い毎日。ずーっと辛いばっかりで苦しいストーリーです。
    昔、まだ成人していない頃、好きだった人の住んでいるところにはるばる訪ねていったらすでに婚約者と一緒に暮らしてたという場面を思い出して本格的に息苦しくなりました。
    また、石垣で本格的な台風にあい、1日延泊してコテージに隔離された事、翌朝に軽トラックが仰向けになっていた事など思い出しました。
    この物語は結局、想像できないほど辛くても生きるという事を訴えたいのでしょうか。
    でも最初から最後まで辛いばっかりなんて、それじゃああんまりなので、なんとか楽しくなる様に頑張ろうと思います。

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    2016年05月27日
  • 女刑事音道貴子 鎖(下)

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    下巻はまるっと監禁された貴子の犯人たちとの駆け引きや、救出作戦でした。もう限界に近い貴子も、助ける方の滝沢も、私も焦れに焦れました。下巻のクズは堤と加恵子の育ての両親でした。まさか、彼女にあんな壮絶な過去があったとは……。無事に救出されると判っていても、やはり、その場面ではほっとして滝沢の不器用な優しさにもニンマリ。次の巻からは昂一さんの出番ももっと増えるといいなあ。

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    2016年05月18日
  • 女刑事音道貴子 鎖(上)

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    音道貴子シリーズ長編第二弾。この前の短編ではおひとりさまでしたが、なんと恋人ができていた。序盤、凄惨な殺人現場の後は、新しく組むことになった相棒・星野の描写が多くて読むスピードが上がらなかったけど、皇帝ペンギン滝沢が登場してからは一気でした。滝沢が貴子のことをきちんと評価し、信頼していることが嬉しくて『いい刑事です』と言い切った場面では、胸が熱くなった。それにしても、星野は本当にムカつく。乃南先生、クズ男の描写がうますぎです。

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    2016年05月17日
  • 女刑事音道貴子 嗤う闇

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    女刑事音道貴子シリーズ5作目。全4編の短編集。
    3作目の「鎖」から続いている恋人、羽場昂一との距離感が絶妙。読んでいるこっちがヤキモキしてしまう。本筋とはあまり関係ないのだが。。。と思っていたら、表題作「嗤う闇」で、なんと昂一がレイプ事件の被疑者になってしまう。意外な結末になってしまうのだが。
    こういった展開とか、心情の移り変わりが巧みに描かれていて、本当に人物を身近に感じることができて面白い。
    あと、もう一作あるので、楽しみだ。

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    2016年05月14日
  • 美麗島紀行

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    司馬遼が偉人たちから見た上からの台湾の紀行文というのなら、これは庶民目線の紀行文だ。また台南に行きたくなった。

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    2020年07月27日
  • 岬にて―乃南アサ短編傑作選―

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    14の短編たち。14人の女達がそれぞれの想いを生きている。苦しい、辛い、哀しい、ホッとしたり思いつめたり、私にはよく分からない心情も有るけれどそれも彼女の世界。少し重たい世界達でした。

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    2016年04月12日