乃南アサのレビュー一覧

  • 水曜日の凱歌(新潮文庫)

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    太平洋戦争は末期に大空襲が幾度も起こり、原爆が投下され、多数の市民が死に街が荒野と化した。その印象は強烈に後世に伝わっているが、終戦直後の暮らしについては徐々に弱くなっているようだ。本著では思春期の少女の目を通してその悲惨さと、懸命に生きる特に女性の姿を描く。何も主張できず献身を強要され、犠牲になったのは婦女子で、戦後は女性の自立の幕開けでもあったことを暗く落ち込むことなく謳っている。2022.1.9

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    2022年01月09日
  • 躯 KARADA

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    面白かったです。
    現実世界でもそうですが、「デブ」「ハゲ」「ブス」など、誰かの何気ない一言で自分を見失ってしまうのは悲しいことだなと感じました。
    想像力に乏しいのか、それぞれのストーリーの終わり方だけ毎回「???」となってしまいました。

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    2022年01月03日
  • 暗鬼

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    人間の恐ろしさが如実に描かれており、後味の引く気味悪さがクセになります。
    重苦しい世界観ではありますがテンポが良く、また文章の作り方も巧いのでかなり読みやすいです。
    人を選ぶ作品だとは思います。

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    2021年12月24日
  • 来なけりゃいいのに

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    私は結構好き。
    普通だと思ってる人の普通じゃない短編集。
    読むごとにこれはすごい、強烈だわ、、、を更新してくる。
    なかでも表題作の「来なけりゃいいのに」と1番最初の「熱帯魚」が印象に残ってるかなぁ。
    人生、誰でも、何かをきっかけにして一気に脱輪してしまう。誰でも同じような境遇に陥りそうだけど、人生って怖い。

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    2021年12月14日
  • 幸せになりたい

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    イヤミスってこうゆう感じ?
    男性女性の主人公出てくるけど、たしかに共感はできない。こういう人もいるよなーくらい。
    後味は悪いかもしれんが、人間の幅広さを知れる点では、好きかも。
    強く生きようと思う。あと、因果応報だなって。悪いことすると帰ってくるんだなって。

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    2021年12月06日
  • いっちみち―乃南アサ短編傑作選―(新潮文庫)

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    短編の名手。もちろん長編も優れてるけど。日常の中に狂気を描くのも上手だ。ホラーと読むもコメディと読むも読者次第と思わせる。他の文庫本で既読のものもあったが時代遅れ感はない。『いっちみち』最初はつらい内容だったけどいい話です。主人公の女性は強くてすてき。

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    2021年12月05日
  • 女刑事音道貴子 鎖(下)

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    シリーズ物なので買った一冊。

    拉致された刑事の話

    事件が解決するまでスピード感はなかったが、緊張やドキドキが続いた。

    あの気の強い主人公がだんだん心が折れて行く様子がちょっとショックだった。
    そして怒りの対象がだんだん犯人から自身の仲間にまで移って行く様子は、なんとなくわかる気がする。

    主人公と元相棒の信頼関係は感動した。
    この信頼が主人公が心折れるのを食い止めたと思う。

    主人公と元相棒がまたコンビを組んで事件解決してくれないかなと思った小説でした。

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    2021年12月03日
  • 涙(下)

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    陶子と一緒に旅をしてる気持ちで一気に読みました。内容も描写も良かったです。また、他の作品も読んでみたくなりました。

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    2021年12月01日
  • 六月の雪

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    台湾にはまだ行ったことがないのだが、まるで旅している気分になれた。そして、行きたくなった。
    主人公よりは、基本的な歴史を理解していたが、その時代を生きてきたからこその、人間性、苦しみ、など歴史の裏に存在するそれぞれの立場での思いや気持ちなどが、この小説を通して、より理解でき、身近に感じられた。
    最後に衝撃的な事実を知らされるが、だからこそ、この物語の深みも余計に感じられる余韻が残ったのだと思う。

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    2021年09月20日
  • 犬棒日記

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    乃南アサさんのエッセイ。小説は多少読んでいたけど、エッセイは初。
    「犬棒」とは、「犬も歩けば棒に当たる」を略したようで、乃南アサさんが、外で出会った人達…時に知り合いだったり、完全にゆきずりの人だったり、顔だけは知っている人だったり…そんないろんな人とほんの一瞬すれ違いで見えたものを書いたエッセイだ。
    「犬も歩けば棒に当たる」という諺は、どちらかというと、運のいいことに出会った、という意味でとらえてきたが、辞書を引いてみると、棒に当たる=痛い目をみる、という意味の方が先にくるらしい。
    そして、このエッセイはその通り、どちらかといえば痛い目寄りの内容になっている。
    全てが痛い話ではないにしろ、ど

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    2021年09月10日
  • 暗鬼

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    怖い。こわい怖い〜って思いながら読んだ。昔は読み終わりがスッキリしないものは好きではなかったけど、怖さや気持ち悪さを楽しめるようになった。面白かった。

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    2021年09月08日
  • 六月の雪

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    主人公の未來と一緒に台湾の歴史、日本の統治下にあった時期前後の混乱を勉強しました。
    表情の乏しい台湾人、豊かな台湾人、何が彼らをそうしたのか⁈
    祖母の故郷台湾を一人で訪れた未來が出会った台湾の人々、食べ物、景色、歴史遺産が観光ガイドの様に物語を紡いでくれました。

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    2021年08月30日
  • 六月の雪

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    祖母の生地台南への旅、吹雪の時代を生きた人と、雪解後に育った若者との出会いの中で知る日本統治と国民党時代の日々。台湾の歴史と人々の思いに触れられる一冊
    六月の雪は汽水に咲く欖李花(ランリーファ)

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    2021年08月20日
  • 水曜日の凱歌(新潮文庫)

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    8月に入りもうすぐ終戦記念日と思い手に取った。
    戦後の日本に翻弄されながらもたくましく生きる女性達の話でした。
    鈴子の気持ち、お母様の生き方、唸らされた。

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    2021年08月14日
  • 犬棒日記

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    通りすがりに出会ったことは、面白いとかへぇーとか思ってもまるで夢のようにぼやけて忘れてしまう。自分が感じた感情は覚えていても、詳細はどこかへ飛んでいってしまう。
    こんなに書けるなんて…… すごいです。

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    2021年08月11日
  • ウツボカズラの夢

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    ネタバレ

    ドラマが放送されていたのは数年前なので、うる覚えだが、隆平のキャラがドラマとは少し違う気がした。
    尚子も未芙由に依存している描写があったような気がするが、小説では割とあっさりしている印象だった。

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    2021年08月09日
  • 来なけりゃいいのに

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    女って怖い、、などと単純な感想を持つだけでなく人間誰しも多かれ少なかれこういうことを考えてるんだなと改めて感じた。そんな感情が蠢くオフィスという環境が改めて凄いものに思えてきた。

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    2021年08月05日
  • 水曜日の凱歌(新潮文庫)

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    ネタバレ

    これまであまりなかったテーマなのではないかと思う。戦争モノでは、実際に戦争に駆り出された世代か、その親世代からの目線の物、もしくは、戦時中幼い子供で、戦後苦労した世代の目線の物ならいろいろあった。本作は、戦争が終わった当時多感な思春期(12,3歳?)だった主人公の少女が、戦後、進駐軍相手に体を売って生きた女性たちを目の当たりにして成長してゆく、という設定。
    主人公の少女の母は、夫を亡くし、戦後の厳しい状況を、焼きつくされた東京で生きぬかなければならなかった。体を売ることはなかったものの、亡き夫の友人や、そのツテで知り合った進駐軍の中佐を利用しながらしたたかに世を渡る。母のたくましさ、したたかさ

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    2021年07月30日
  • 来なけりゃいいのに

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    どの話もどっかの日常で普通にありそうな話なのにちょっとした違和感を徐々にいれてきていて読み進めていくにつれて面白かった
    物語を読んだ後にその物語の題名を見直して意味がやっとわかる瞬間がすき

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    2021年07月15日
  • いつか陽のあたる場所で

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    ネタバレ

    刑務所からでてきた2人の女性のお話
    自分には想像したこともないような世界の話だった。芭子が「多くの人は犯罪を犯す前に踏みとどまる」と言いながら激しい後悔に襲われているのを見て、刑期を終えただけで終わりではないということを痛感させられた。
    シリーズものだということ知ったので次を探してみたい。

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    2021年07月07日