乃南アサのレビュー一覧

  • 女刑事音道貴子 風の墓碑銘(下)
     現在のところ、音道貴子シリーズ最終巻。
     相方の滝沢刑事との絶妙のコンビが活躍する。上巻に引き続き、息の長い展開が続くが、事件は最終章で急転直下、突然に解決する。
     犯人像を徐々に絞っていったり、といった展開ではないが、これはこれで楽しめる内容になっている。
     音道刑事のその後が気になるが、現在の...続きを読む
  • 女刑事音道貴子 鎖(下)
     犯人の潜伏先(音道の監禁先)特定から事件解決までを描く下巻。
     タイトル「鎖」には、音道刑事自身が鎖に繋がれて監禁されていたという意味合いがまず読み取れる。しかし、それとは別に、本作では人と人との切っても切れない関係というか、相互依存の関係というか、そのような人間模様が浮き彫りになって描かれている...続きを読む
  • 女刑事音道貴子 鎖(上)
     女刑事音道貴子シリーズ第3弾。「凍える牙」で音道の相棒として活躍した滝沢刑事も登場する、上下巻合わせて800ページを超えるシリーズ最大長編。
     担当部署は全く異なるのだが、今回は捜査中に音道自身が拉致されるという事件が発生。その結果、滝沢刑事も事件に加わるという設定。
     刑事事件が起きた場合、1組...続きを読む
  • ボクの町
    新米警察官の交番勤務研修でのお話。

    個人的に働き出して半年経ち、いろいろと思うところはある。
    会社の中の規律とかそういうのに疑問を持ったり、
    学生時代はよかったなーと振り返ったり、
    はたまた何のために働いてるんだろう?
    仕事のやりがいって何?幸せなんだろうか?

    とかとか・・・
    負の...続きを読む
  • 火のみち(上)
    満州から命からがらで故郷に戻った南部家族、9人いた家族が日本の地を踏めたのは7人だったしかし、満州から帰ってきた家族を暖かく迎え入れる場所は無し。
    何とか親戚のボロ小屋で暮らすことに、勿論食べ物もなければ働く場所もない、母親は病気を抱え働くことができない身の時姉は家族の為働きに出が二度と家族と暮らす...続きを読む
  • 水曜日の凱歌(新潮文庫)
    戦後を生き抜く女性のお話。
    恥ずかしながら、この本を読むまでRAA(特殊慰安施設協会)という存在を知らなかった。
    終戦を迎えたことは1つの区切りではあるけど、それまでの思想や環境が変わっていく中でどう生き抜いていけばよかったのか、深く考えさせられた。
    女性は強いとか、女性はあざといとか、そんな...続きを読む
  • 水曜日の凱歌(新潮文庫)
    どうしてこう、いつの時代も男はバカなのか……。

    ごめんなさい、そう思わずにはいられない話でした。

    戦争に負けた日本に、戦勝国のアメリカ人がいっぱいやってくる。
    だから、頼まれもしないのに、慰安所を作った……。
    そういうこと、我慢できねーのかよバカが、と女の私は思う。
    きっと日本男子は、自分たちが...続きを読む
  • 地のはてから(下)
    乃南アサの描き方がすごい。

    読んでるうちに感情移入どころか、その本人になってくる。笑笑
    わたしはトワです。って。なる。ホントに。

    とわになって物語に翻弄される。

    知床開拓に来た家族の苦労話、苦戦話なんだけど。わたしが動き出す。夫や家族、バッタ、冷害その他いろんなものに振り回されて、それでも家族...続きを読む
  • 花盗人

    実は2度目でした^ - ^

    読み進めるうちにあれ?
    実は2度目でした^ - ^
    ですがやはり面白かった。グロテスクな表現や言葉ではなく文章を読むことで自分なりに自由に思い描けるのでそこも深く楽しめました。まだ読んでない方が羨ましいです。たくさんぞくっとして下さい^ - ^
  • 風紋 上 新装版
    重い。心理的負担が凄い。ある日、母が殺された。その事件を巡る家族や警察や報道の物語。こう書けば1行ですむ話だが、上巻だけで2冊分ありそうなビックリの分厚さで、淡々と、延々と、詳細に事件を追っていく。リアリティが過ぎる。遺体の描写など一瞬ウッとなるくらい。もうとにかく母を殺された女子高生、真裕子が悲痛...続きを読む
  • 不発弾
    後味悪めが3編、スッキリ系が3編の短編集。一番好きなのは『かくし味』。煮込みが絶品の老舗店に通い詰める男の話。この主人公の気持ち、めっちゃわかる。私もお店の人とは話したいけど、常連客とは絡みたくない。『福の神』も小料理屋の話でじんわりいい話。『幽霊』も良い。『夕立』はオチはイマイチだけど、ポケベルや...続きを読む
  • 涙(下)
    主人公は刑事である婚約者と東京オリンピック後に式を挙げる予定だったが、オリンピック直前に電話で自分のことは忘れるよう言われ姿をくらましてしまう。混乱する主人公に彼が殺人事件の容疑者であるということも知らされる。しかも被害者は婚約者とコンビを組んでいた老刑事の娘だった。
    主人公は婚約者の潔白を信じなが...続きを読む
  • 結婚詐欺師(上)

    引き込まれる

    昔の小説ではあるが、小説慣れしていなくても読みやすかったです。どうしようもなくクズな主人公とその周りの心の弱った被害者たちが印象的
  • 女刑事音道貴子 未練
    同シリーズ物の2冊目の短編集。
    題名の「未練」、
    刑事としては起きてほしくないであろう「館川古物商殺人事件」、
    前作の長編「鎖」での出来事後の貴子の心情を書く「山背吹く」、
    残忍に殺された幼児と犯人の背景を書く「聖夜まで」、など
    読んでいて個人的には全体的に”やるせなさ”や”無力感”のようなものがテ...続きを読む
  • 女刑事音道貴子 鎖(下)
    今作での鎖の意味として巻末の解説にもあるように、
    物理的な鎖、運命の意味の鎖、親子の絆の意味の鎖、社会のしがらみの意味の鎖など
    様々な意味で用いられて、最初タイトルを見て重いなと思ったが、読んでみてなるほどと納得がいった。
  • 女刑事音道貴子 花散る頃の殺人
    警察は男社会
    そしてその中で刑事をやることの厳しさ、
    頑固な女性に対するデリカシーのないむくつけき男、その中で
    音道貴子は頑張る
    悲しいくらい応援する
    一生懸命応援している自分がいる。音道貴子シリーズ好きです。
  • 水曜日の凱歌(新潮文庫)
    1945年8月15日、日本にとっての第二次世界大戦は幕を下ろす。
    しかし、単純に、「戦争が終わった=平和が戻る」ではなかった。
    敗戦国・日本には占領軍がやってくる。物資は不足している。戦争で失われた人材も数知れぬ。
    人々は「戦後」がどうなるのかをはっきりとは描けぬまま、見えない新時代へと、いわば、ハ...続きを読む
  • 水曜日の凱歌(新潮文庫)
    主人公は14歳の女の子。話は昭和20年の春から始まる。空襲で家を失い兄や妹も失ったが、かろうじて母とは再会し2人で生きていくことになる。そして終戦を迎え、母は英語力を買われある団体に雇われる。それは政府からの要請による、進駐軍を相手にする慰安婦を世話する組織だった。最初は主人公はそれがどういう施設な...続きを読む
  • いつか陽のあたる場所で
    軽い感じに書かれてるけど、けっこう重たいお話し。
    不思議なくらい読みやすい?馴染みやすい?
    文章でした。

    女の友情とか男の友情とか言うけど、芭子と綾香の関係は
    まさに、人間同士の友情って感じがして
    少し羨ましくも思えてしまいました。

    綾香があんなに頑張ってるなんて全然気づかなかった!
    不器用で、...続きを読む
  • 女刑事音道貴子 風の墓碑銘(上)
    内容(「BOOK」データベースより)
    貸家だった木造民家の解体現場から、白骨死体が発見された。音道貴子は、家主の今川篤行から店子の話を聞こうとするが、認知症で要領を得ず、収穫のない日々が過ぎていく。そんな矢先、その今川が殺害される…。唯一の鍵が消えた。捜査本部が置かれ、刑事たちが召集される。音道の相...続きを読む