乃南アサのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ戦後のRAAについて、史実をもとにした小説。
主人公は14歳の少女。
元は7人家族だったが、兄は戦死、姉は空爆で爆死。
まだ小さかった妹は、空襲から逃げる最中、行方不明になってしまった。
主人公は、残された母と2人で、戦後の混乱期を生き抜いていく。
母は、RAAに通訳として雇われる。
RAAの施設に居住するから、嫌でもRAAの事情を間近に見てしまう。
空襲の被害にあい、たくさんの悲惨な死体を見てきた主人公は、これ以上、心が傷つくことはないと思っていたが、RAAの悲劇、理不尽さに心が少しずつ蝕まれていく。
特に母が、アメリカ人の将校と付き合い出したことには強く反発する。
ついこの前まで敵だった国の人、家族を死に追いやった国の人となぜ付き合えるのか、主人公は理解できない。
そうでもしないと生きていけない時代だったということは、14歳の主人公にはまだ理解できない。
特に戦争が始まる前までは、わりと裕福な家だったから、どんどん変わっていく母に戸惑うのだろうと思う。
しかし、価値観も生活スタイルも何もかも変わっていかないと、こんな混乱期に生き抜いていくのは難しかったのだろうと思う。
幕末から明治への変革期、そして、戦後の混乱期、時代に合わせて素早く変わっていくことは日本人に身についている賢さなのかもしれない。
生きていくたために、家族のために、アメリカ兵と付き合い出した主人公の母、RAAでアメリカ人を相手に身体を売る女性、パンパンになった女性。
誰が彼女たちを責めることができるだろうか。
全ては戦争、国家、激しく移り変わる時代の混乱期の犠牲になった女性たち。
そして、そういう女性たちの悲しみの上に、今日の平和が成り立っている。 -
Posted by ブクログ
ひたすら回想やら独白やらでとめどないので、苦手な人には厳しい。ていうか得意な人なんているのか。マンガで回想シーンで一冊終わった!みたいなんもあるけど、こっちはその上を行くぜ。
と言ってもけっこう好きだったのよ。なんか好き勝手言うタイプと、それを受け流すタイプ、みたいな。でもって溜め込んだものが崩壊して、、これはイジメとかなんとか、よくあるイメージで、そこまではある意味かもだけど、ラストへ向かって自己啓発した結果がなかなかに、痺れる。いや、なんかちょっと分からんでもないというのが怖い。誰しもこうやって抱え込んだものがあって、それがどうなるか分かりませんよ、と訴えるのであって。
後半のおっさんがくだを巻くのは、まぁ普通のオッサンだった。オッサン以外がこれを読まされるのはキツかろう。 -
Posted by ブクログ
どこかのサイトで紹介されてたので買ったみた一冊。
マエ持ち女二人組の話だった。
刑務所から出てきた女性二人の日常が書かれていた。
刑務所にいた過去を隠し、地味にいろんなものを捨てて生活していくのは大変だと思う。
罪を犯してしまったのだからしょうがないどんな思うけど
それができない人達がまた罪をおかしてしまうんだと思う。
この二人組の関係はすごく良かった。
お互い真逆のような性格なのにうまがあっている
友情を書いた小説じゃないと思うが、この二人の関係はすごく良かった。
この小説はまだ続きがあるみたい。
ぜひこの二人組の話を読んでみたいと思った小説でした。 -
Posted by ブクログ
自分がどうしたいのか、どう生きていきたいのかはっきりさせて、それに向かって生きていくのが一番大切なんだろうと思わされた。
多少周りの人がかわいそうと思ってしまうことがあったとしても、自分の幸せを追求する。そのために、頭を使って…。
ただ、むりやり自分の思うように積極的に行動するのではなく、とにかく、チャンスを掴むことが大事ですね。
感想としては、面白かった!
最初は未芙由に同情してたけど、いつの間にか恐ろしくなった。解説で、本当のウツボカズラは誰か?と最後に書かれていた内容を読んで、またゾッとした。その恐ろしさ、ゾッとする感じの読後感も良い!
ちなみに怖い話では全く無いです。 -
Posted by ブクログ
友人から面白いと勧められた本。
娘が沖縄の宮古島に旅行に行くと聞き、母親の萄子は封印していた自分の過去を思い出す‥‥。
警察官の婚約者、奥田勝が、結婚式を控えて準備を進めていたある日、行方不明になってしまう。それは、彼が慕ってきた警察の先輩、韮山の娘の死に関係しているらしく、萄子の元に勝から「自分のことは忘れてくれ」と一本の電話を残して、音信不通になってしまう。
乃南アサの本は初めて読みました。婚約者のお嬢様暮らしの世間を知らない萄子の心の葛藤や執念、それを目の当たりにする家族の気持ち、娘を殺された韮山の怒りや悲しみ、焦り、親に隠していた娘の本当の姿を知った衝撃や葛藤が、ぐいぐい迫ってまるで映像を見ているような心理描写に長けていて一気に読んでしまいました。
確かに大好きだとしても、萄子のように、あそこまでは追いかけられないな。納得できないままでも、そのままうやむやになってしまいそう‥‥。 -
Posted by ブクログ
主人公は19歳の女子。母親が病死後すぐに父親は再婚したことから家を出たいと思っていたところ、母親の遠縁にあたる叔母が気分転換になればと呼び寄せる。長野から東京へ出てきた主人公は叔母の家に居候するが、ほとんど顔を合わせることのない叔父、滅多に家に帰ってこない大学生の長男、常に不機嫌な高校生の長女、そして常に何処かへ外出している叔母と、家族の団欒が全くない家族に驚き、観察し始める。
そして、家族が崩壊していく一方で主人公は自分の目論みをしたたかに実現していく。
自分の意思も何もなく、どうしたら良いのかわからないと言うだけの主人公。頭が悪いんじゃないかと思っていたがそんなことはなく、したたかに事を自分の思い通りに誘導していく。居候された家は主人公にいろいろ絡め取られたような感じ。
こういう女子、いるんだろうなぁと思った。