乃南アサのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ひょんな事から乃南著書ゲット~♪
タイトル作含む5話を収録した短編集です↓
1)魅惑の輝き
2)彫刻する人
3)忘れ物
4)デジ・ボウイ
5)家族趣味
各話を通してのテーマは「没頭するあまり一線を越えた人々」でしょうか。「誰しもが犯罪者になれる、通常・異常のFine line」って感じでしょうか。(Fine Lineの上手い言い回しってなんだ?)
前者のほうがいいな。やっぱりアイデアは一番最初に出た奴がベストだな。
1)魅惑の輝き:宝石に魅入られて借金を重ねる、ちょっと頭のネジの飛んだ(言うならばさっこみたいな?)女の話。返済できなくても宝石のためにサラ金の自転車操業を繰り返して、いざピンチって言うときにたまたま襲われてたまたま殺してたまたま大金を見つけてまた宝石・・・って本当にネジ飛んでるな。
2)彫刻する人:肉体改造に精を出す男の話。これは・・・わかる・・・気がする。楽しいよね、肉体改造。あー、人生一度でいいから腹を割りたい。トレーニング中って一つでもルーティーン落とすとかなり焦る。あれ、他人から見ると異常なんかな。部活人なら誰でも経験あると思うんだけどな。
3)忘れ物:これは!!ま、言っちゃえば「救急病院に運ばれた子供を見て医者が一言:これは私の息子です!」の小説版なんですが、いやー、短編だからこその情報の欠如をうまく使っている!まいった!
4)デジ・ボウイ:最後の手紙はマジで泣ける。やらしい話をしちゃえば、この後の家族関係とか、慰謝料とか、この男の子たちが築いたピュアな友情だの尊重だのを吹き飛ばす大人のいやらしい世界が待ってるんですが、そういうとこ省いてくれて感謝!男子同士の友情のみ描いてくれて感謝!こういう素直な感情とか、「世間一般」て言う物差しをあてられていない独特の意見とか、やっぱいいよね、子供って。
5)家族趣味:主人公の最初のほうの一言、「女はいずれ出産するのだから、健康の内に出産し、早く子育てを終え自由の身になりたい」、はちょっと衝撃でした。かと言って彼女のように30後半でもバリバリ浮気できる自信は皆無ですが。それから読んでる途中で旦那と息子が入れ替わって「えっ!?」っと思ったけど、結局それに関するトリックなし。がっかり。自分の読み間違いかー。
本当に話が良かったのか、自分の青春中男子大好きパワー炸裂なのか、「デジ・ボウイ」が一番好きです。
ただね~、短編集の上手さとしては「忘れ物」がダントツベストですね!
それから「彫刻する人」に感化されて昨日から起きがけに腹筋腕立て始めました。いつまで続くのやら・・・
そういう意味ではかなりいい部類の短編集に入るのかと。
そういえば「うまいっ!」って短編集はなかなか出会えないから本当幸運だったな。ありがとうっ!いちろー!! -
Posted by ブクログ
短篇集。
これもすべてが、シャープでスマートで面白かった。乃南さんの書く短編は、最後の落とし方が鋭くて、ユニークで。あっけなくて、面白い。
「彫刻する人」なんかは特に、そう感じた。
乃南さんの話に出てくる、女の人も男の人も女子も男子も、老女も老翁も、みんなすべてが「本物」みたい。気持ち、というか視点がそれに近い。
表題作の「家族趣味」は、怖かった。そして悲しかった。哀しかった。
「家族」――理想の家族像――をつくることが、趣味。そこには人の温もりがまったくない、ということに、まったく考えを及ばせなかったことで、なにもかも失ってしまう。これも展開が隙なく、意外で最初から最後まで楽しめる本です。 -
Posted by ブクログ
これが、「子供」の恐ろしさか!と心底ぶるぶるした記憶が。
その当時は、自分もまだ成人していなかったので、「大人」にとってどれだけ「子供」が脅威になるか、本当の意味では理解していなかたんじゃないかと思うのですが、それでも、そんな「大人未満」にもその怖さは伝わるほどの内容でした。
冷蔵庫が壊れて捨てられて、その後、新しい冷蔵庫がやってくるのを見て、「壊れると、新しいものに変わるんだ」との認識を、人間にも置き換えてしまうとか。三つ編みの少女の無垢なあざとさとか、怖いなあと思います。
子供って、純真なだけじゃないんだな。なんて、当たり前のことを思わせる一冊。 -
Posted by ブクログ
かなり面白かった。
父親が戦死、
満州から引き上げるときに、兄弟を次々と亡くし
母親は心身ともに弱り。
残された子供たち。
中学生だった南部次郎は、荒れ狂う日々を送り
それでも、妹を守るため、家族を守るために必死だったがため。
ところが、母が亡くなり、
親切にしてくれた大人がいたと、喜んだのもつかの間、
12歳の妹を、売れと言うのだ。
殺人を犯してしまう次郎。
10年の刑期が始まっても、短期で、どうしようもない「怒り」は、そのまま
すぐに拘束されてしまい、独房へ。
姉は、金の工面をするといい、連絡取れず
弟は行方不明。
残った妹は、デパート勤務をはじめる。
その妹にチャンスがめぐってくる。
女優への道。
この女優への道が、とてつもなく面白い!
この次郎が、そんな妹との手紙のやりとりのなかで
だんだん世間を分かろうとし、勉強をしたいと思い
刑務所の勤めのなかで「器」を土から作ることをはじめたのがキッカケで
夢中になることを覚える。
刑期を終えた次郎が生きる道は・・
妹が生きる道は・・
さ!下巻へ!