乃南アサのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ乃南さんの作品とはとても思えない、異色な純文学?社会小説?だった。
でも、上巻から暗い。。暗いというか、ダメすぎて、一瞬でも同じようなダメ人生を味わったことがある人がこれを読むと、ちょっとそのときのことを思い出して、たぶんイヤな気持ちになるかも。
でも、主人公が少しずつどん底から上がってくる期待感もあって、下巻に突入!またここで、どん底に突き落とされる。
生きるのがつらいなら、明日のことは考えずとりあえず今日だけのことを考えなさいっていう、おばあちゃんの言葉が最高によかった。
明日のことなんてわからない。希望になるか、脅威になるか、それはそのときのその人の気持ち次第。
ほんと、そうだなーと思った。
この作品は、おばあちゃんとアンナがいい味をだしている。
彼女たちなしには、成り立たない。
アンナが吐いた最後の一言を思い出すと、ホロリと泣ける。
なんだろう、あの感触。
私もいつかどこかで、同じような気持ちを何度か味わったことがあるような気がする。
『あー、今まで生きてきて、よかったなー、って。。』
…だって(泣)。 -
Posted by ブクログ
下巻
次郎、君子それぞれに手にした、いびつではありながらも安住を手にしながら次郎は汝窯に魅せられてしまい歪んでいく周囲との関係。
青磁や汝窯に関する専門的な記述は上巻の入り込み易さからするとへこたれそうになったが、全ては最後への助走。
途中読んでいて次郎は何を求めているのか分からず、日本が敗戦から顔を上げわき目もふらずがむしゃらに復興していく様やそこからくる歪みなどの時代背景と君子の生き方が重なってそこから物語に入っている方がずっと読みやすかった。
しかし最後に家族を守るために殺人まで犯した次郎が逃れられなかった孤独を救ったのは次郎を狂わせさらに孤独に追い込んだと思っていた汝窯。
しばらく余韻に浸るほどよかった。 -
Posted by ブクログ
小説+法解説というちょっと新しいスタイルの一冊。
作者によると、裁判員制度の開始により当事者でなくても犯罪と関わることになるかもしれないから、ある程度の知識と心の準備をしておくことが必要だと。
移動中の暇つぶしとして持って行きましたが、おもしろくて往復の移動中に読み終わりました。
法解説のために書かれたような話もあったけれど、さすが乃南アサでぐいぐい引き込み読ませてくれました。
「あいつの正体」「その日にかぎって」あたりがよかった。
法解説もわかりやすく、興味深く読めた。心理状況も裁くポイントになるということで、小説というスタイルがとてもマッチしていたと思う。もっと続編希望。 -
Posted by ブクログ
読んでいて、これほど自身の心理をことごとく言い当てられた気にさせられることはまず無い!という、“男”であれば誰でも痛感する感想が、この作品への評価として筆頭に挙げられますw
余り女性には読んで欲しくないな~、と…ww というのも、男って生き物の心理っちゅうか、心の奥底にあるものが、こうもあからさまに赤裸々に描写されていると、そんな気にもなってしまうというものw それが、女性作家の手によるものとくれば尚更にw
断じて、自分はこの主人公のような女ったらしではないんだけど、それでもこれだけ身につまされてしまう、ということは、実際に女をとっかえひっかえしてるような男がこれを読んだら、絶対にカノジョの目に触れないところへ隠すか、処分してしまうしかないのでは?と思わせるほどの、淡々とした“男という生き物の心理に関する詳細な研究成果”描写はスゴすぎる♪
ストーカーすらも軽く超越しているかのような“女の意思”側からの描写に、恐ろしくなることは間違いない♪ -
Posted by ブクログ
最近本棚の整理を決意。
以前買って読んだんだけど、処分するか否か?という審査を始めた。
要するにもう一度、残すかどうかという観点でしっかりと読もう、というもの。
乃南作品は、さらさらと読めるんだけど自分の中では評価があまり高くはなく。
標準点以上ではあるんだけど図抜けた作品はないというか、残らない。
ただその中で、ぼやっと覚えていたのがこれ。
なんか、うっすらと寒気がするような不気味な話だったような‥
と、読み進み、思わずの一気読み。
いやこれ、すごいわ。
洗脳の基本というか、ものすごい論理詰めの恐怖。
文章は軽く、さらさらと流れるように、でも芯から冷えるような物語。
よかったよかった。
これはぜひ、残さねば。 -
Posted by ブクログ
主人公は、高校を卒業したばかりの
19歳の未芙由(みふゆ)。
母を病気で亡くし、
父は、早々に再婚し
たった一人の弟も、新しい母親に懐いてしまって
孤立した未芙由は、もはや、家にいることが
できなくなってしまった。
そこに、遠い親戚の東京のオバ、尚子が
上京しておいで、お母さんとは、仲が良かったのだと
連絡が入り、
一人、長野の田舎町から、
都会の一等地、渋谷の豪邸、鹿島田家へと招かれ
同居がはじまる。
その尚子の、何不自由のなさそうな
セレブリティなニオイ。
それとは裏はらに、バラバラな尚子の家族たち。
鹿島田家の人々と、なんとか馴染んでいきながらも
馴染めない孤立感と悲壮感を抱えながらも
たった1つの夢を秘かに、しかも強固な気持ちで抱いていた未芙由の
驚くべき、正体が、じょじょに明かされていく。
ええええええ!!!!!!!
と、叫んでしまった場面が
3回くらい起こる。
度肝を抜く家族間ミステリィは
乃南アサならでは!!の素晴らしい表現力。
や、すごいわ。
すごい。
オモシロすぎた!!★5つ!!