乃南アサのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ家庭調査官とは、"少年たちの声を聴く"仕事である。
具体的にどのようなことをしているのかを初めて知った。
事件を起こす少年少女たちには、様々なバックグラウンドがあることを知りました。その上で何故、事件を起こしてしまったのかをミステリーを読んでるかのように考えながら、読み進めました。
貧困、発達障害、家庭問題など現代の社会問題に直結していて、とても考えさせられるトピックが多かったように思える。
1つ1つの問題に対して、自分の意見をしっかり持ちつつ、自分ならどのように考えるのかを考えながら、時間をかけて読んだ1冊。
社会問題について考えたい人には、是非オススメの1冊です。 -
Posted by ブクログ
とても久しぶりの作家さん。
以前はたくさんの長編物を読んだ。
タイトルからして、「母親」をテーマにした短編集。
「セメタリー」
「ちびまる子ちゃん」や「サザエさん一家」は架空の理想の家族。
太陽である、母親がどんなに頑張ったか、地方の後取りの嫁はどんなに大変か・・・・わかる~
「ワンピース」
ひきこもりがたくさん増えている現在に、まさにあり得る話。
「ビースト」
見捨てられない母親の気持ちはよくわかる、けど、いうべきことはちゃんと言わないと!
最後があまりにも悲惨すぎる・・・
「エスケープ」
なんとも、薄気味悪さが残った。
「アフェア」
離婚した女性の生き方と、離婚した男性の生き方 -
Posted by ブクログ
ネタバレ乃南さん、久しぶりな気がするなぁ。
母が出てくる話5つの短編。
◆セメタリー
ちびまる子ちゃんのお母さんをイメージしながら読みました。
なんとなく想像のつく展開で、その通りの結末だったけれど、読後はすっきり。お母さんガンバレ。
◆ワンピース
離れて暮らす引きこもりの兄から再婚の連絡。
怖い怖い、気持ち悪い、兄も再婚相手も人の心があるとは思えない気持ち悪さ。
とっとと逃げ出して、2度と関わりあいたくない。
◆ビースト
出戻ってきたシングルマザーと二人の孫に振り回される、母親。イライラしながら読みました。そしてあんな最後とは・・・
◆エスケープ
胎児、子ども目線の話。あんまり好きじゃない。 -
Posted by ブクログ
*「カメラアイ」を武器に群衆の中から手配犯を捜す警視庁刑事と、広域捜査を担当する刑事。ビル爆発事件で怪我を負いながら、また凶悪犯の逮捕へと奔走しながら、そのうえで、離婚、介護という人生の壁を乗り越えていく女性刑事二人の物語*
いやー、面白かった!
展開が早くて、あっという間に引き込まれました!
なにより、脇役含め登場人物がみなさん個性豊かで魅力的。全員のスピンオフ作って欲しいくらい笑
物語の主軸が二つあるので、しっかり読まないとやや混乱する所もありましたが、その分全く飽きることなく最後まで一気読み。
しかも、そのままの流れでも十分面白いところを、終盤唐突気味に「緊立ち!」がやってきたので -
Posted by ブクログ
どれだけの時間が経ったのだろう。
私は仲間に見捨てられたのだろうか。
いや、始めから仲間と思われていなかったのかも知れない。
音道貴子は限界を迎えていた。
自分を過酷な状況へ追いやったアイツと組まなければ私は警察を恨むこともなく、あの人と幸せな時間を過ごせただろうに…。
呪いのように縛り付けられた鎖は音道貴子の身も心も蝕んでいく…。しかし最後の一線を踏み留めてくれたのは、かつての戦友であった。
感想です。
本作は上下巻の長編で貴子の救出はまだかまだかと様々な感情を巡らせながら、ようやく読み終えました。読後は胸を撫で下ろす安堵と若干の苛立ちは残りましたが、これまでの音道貴子シリーズでも人情 -
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ2作目。
前作がおもしろかったので、読むのを楽しみにしていたが、ようやく読めた。
いろんな人がいろんな考えで生きているんやなあ。
とにかく大変な仕事だというのが伝わってくる。
当たり前のように食い違う話。ウソ、投げやり、感情爆発、泣く、お金。
読んでるだけで疲れてくるよなあ。しんどい。
でもちょっとしたところから、解決への道筋を見つけていく庵原調査官はすごいな。
ちょいちょい出てくるくりりんとのシーンがとてもよい。ほっこり。
こういうスペースがあるから、かのんさんも頑張れるのだろう。安心できる場所、大事。
当事者たちが最終的にどうなったのかははっきりとは書かれていないが、それがいい。