乃南アサのレビュー一覧

  • 家裁調査官・庵原かのん(新潮文庫)

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    ネタバレ

    家庭調査官とは、"少年たちの声を聴く"仕事である。
    具体的にどのようなことをしているのかを初めて知った。

    事件を起こす少年少女たちには、様々なバックグラウンドがあることを知りました。その上で何故、事件を起こしてしまったのかをミステリーを読んでるかのように考えながら、読み進めました。

    貧困、発達障害、家庭問題など現代の社会問題に直結していて、とても考えさせられるトピックが多かったように思える。
    1つ1つの問題に対して、自分の意見をしっかり持ちつつ、自分ならどのように考えるのかを考えながら、時間をかけて読んだ1冊。

    社会問題について考えたい人には、是非オススメの1冊です。

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    2025年03月25日
  • マザー

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    とても久しぶりの作家さん。
    以前はたくさんの長編物を読んだ。

    タイトルからして、「母親」をテーマにした短編集。

    「セメタリー」
    「ちびまる子ちゃん」や「サザエさん一家」は架空の理想の家族。
    太陽である、母親がどんなに頑張ったか、地方の後取りの嫁はどんなに大変か・・・・わかる~

    「ワンピース」
    ひきこもりがたくさん増えている現在に、まさにあり得る話。

    「ビースト」
    見捨てられない母親の気持ちはよくわかる、けど、いうべきことはちゃんと言わないと!
    最後があまりにも悲惨すぎる・・・

    「エスケープ」
    なんとも、薄気味悪さが残った。

    「アフェア」
    離婚した女性の生き方と、離婚した男性の生き方

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    2025年02月24日
  • 六月の雪

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    台湾の歴史を知らなかったのでとても勉強になりました。未來が台湾を旅行する1週間の話がメインでした。認知症の祖母のために行った旅行で新しく語学留学という道を見つけることが読んでいて嬉しくなります。

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    2025年02月15日
  • しゃぼん玉

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    ひったくりを犯した翔人が、逃走するところから物語が始まる。

    逃避行の最中、宮崎県の山深い村に着く。
    ここで出会う、老婆、老爺、村の人々。
    この出会いが、彼の心を変えていく。

    最後の老婆とのやり取りは、涙なくしては読めない感動的な作品。

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    2025年02月02日
  • マザー

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    ネタバレ

    乃南さん、久しぶりな気がするなぁ。

    母が出てくる話5つの短編。
    ◆セメタリー
    ちびまる子ちゃんのお母さんをイメージしながら読みました。
    なんとなく想像のつく展開で、その通りの結末だったけれど、読後はすっきり。お母さんガンバレ。

    ◆ワンピース
    離れて暮らす引きこもりの兄から再婚の連絡。
    怖い怖い、気持ち悪い、兄も再婚相手も人の心があるとは思えない気持ち悪さ。
    とっとと逃げ出して、2度と関わりあいたくない。

    ◆ビースト
    出戻ってきたシングルマザーと二人の孫に振り回される、母親。イライラしながら読みました。そしてあんな最後とは・・・

    ◆エスケープ
    胎児、子ども目線の話。あんまり好きじゃない。

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    2025年01月14日
  • マザー

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    ネタバレ

    母と言う呪縛という言葉がピタリとはまる。
    5つの短編はどれも面白い。
    母親とは全てを受け入れ家族や子供たちに尽くすことが当然とされ、自己の犠牲により差し出したものに感謝の一つも与えられない。母というだけでジワジワと首が締められているような息苦しさを感じる。
    ラストの短編の佐野さんがやっと一人になり、人生を楽しむことができて良かった。佐野さんの最期の顔は微笑んでいたようにおもえた。

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    2025年01月07日
  • 女刑事音道貴子 凍える牙

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    初めて読んだのは今から27年前のこと。
    二輪バイク免許取得のきっかけになりました。
    私の人生が変わりました。本当に感謝。

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    2024年10月07日
  • 女刑事音道貴子 花散る頃の殺人

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    内容(ブックデータベースより)

    『凍える牙』で、読者に熱い共感を与えた女性刑事・音道貴子。彼女を主人公にした初の短編集。貴子自身がゴミ漁りストーカーに狙われて、気味悪い日々を過ごす「あなたの匂い」。ビジネスホテルで無理心中した老夫婦の、つらい過去を辿る表題作など6編。家族や自分の将来に不安を抱きつつも、捜査に追われる貴子の日常が細やかに描かれる。

    令和6年9月25日~27日

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    2024年09月28日
  • 緊立ち 警視庁捜査共助課

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    396ページ
    1800円
    9月17日〜9月19日

    登場人物がそれぞれにキャラがはっきりしていて、混乱することなく読み進められた。犯人逮捕に至る経緯から目が離せず、おもしろかった。警察官といっても、人間で、普通の人と同じように結婚したりしてなかったり、離婚したりしなかったり、そんな当たり前のことが描かれていたんだけど、それぞれの家庭がどうなるんだろう、と興味をそそられた。それぞれの今後の話も読んでみたい。

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    2024年09月19日
  • 戸惑いの捜査線 警察小説アンソロジー

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    7人の作家さんのアンソロジー。

    色々な部署の話で、とても新鮮で面白かった。
    ルームシェアの話が1番好きだったので、もしシリーズ化などしていれば読みたいと思った。

    オススメです。

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    2024年09月11日
  • しゃぼん玉

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    心が温まった。人は何歳からでもやり直せる。たとえ家庭環境に恵まれなかったとしても今後の人生で誰に会うかによって変わってくると思う。菜豆腐食べてみたい。

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    2024年09月05日
  • 緊立ち 警視庁捜査共助課

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    *「カメラアイ」を武器に群衆の中から手配犯を捜す警視庁刑事と、広域捜査を担当する刑事。ビル爆発事件で怪我を負いながら、また凶悪犯の逮捕へと奔走しながら、そのうえで、離婚、介護という人生の壁を乗り越えていく女性刑事二人の物語*

    いやー、面白かった!
    展開が早くて、あっという間に引き込まれました!
    なにより、脇役含め登場人物がみなさん個性豊かで魅力的。全員のスピンオフ作って欲しいくらい笑

    物語の主軸が二つあるので、しっかり読まないとやや混乱する所もありましたが、その分全く飽きることなく最後まで一気読み。

    しかも、そのままの流れでも十分面白いところを、終盤唐突気味に「緊立ち!」がやってきたので

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    2024年08月15日
  • 女刑事音道貴子 鎖(上)

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    面白くてつい読んでしまった。

    音道貴子シリーズ第三弾。

    星野という軽佻浮薄な刑事と組んだ貴子が誘拐される。どうなるのか先が気になる。

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    2024年07月30日
  • 水曜日の凱歌(新潮文庫)

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    満州からの引き揚げ時に女性を差し出した話は知っていたが、戦後日本で公的な慰安所が作られたことは知らなかった。
    搾取される側と、する側、どちらも同じ国の人間でつらい。

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    2024年07月29日
  • 女刑事音道貴子 凍える牙

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    直木賞受賞作にハズレなし!
    深夜のファミレスで男の身体が炎上!
    いきなり引き込まれる場面から始まり、
    最後は疾風と音道と共に
    一緒に走り抜けた感あり。

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    2024年07月22日
  • 女刑事音道貴子 凍える牙

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    ◯好きなフレーズ
    実に静かな表情をしていた。襲おうという気配など、微塵も感じられない。むしろ、無様に転んだ貴子を労るような、もう諦めるのかとでも言いそうな顔。
    誇りの高さ、嘘や裏切りを許さない厳しさ、そして、孤独感。あまりにも静かな、遠い眼差し。

    疾風

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    2024年06月30日
  • 女刑事音道貴子 鎖(下)

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    どれだけの時間が経ったのだろう。
    私は仲間に見捨てられたのだろうか。
    いや、始めから仲間と思われていなかったのかも知れない。

    音道貴子は限界を迎えていた。
    自分を過酷な状況へ追いやったアイツと組まなければ私は警察を恨むこともなく、あの人と幸せな時間を過ごせただろうに…。

    呪いのように縛り付けられた鎖は音道貴子の身も心も蝕んでいく…。しかし最後の一線を踏み留めてくれたのは、かつての戦友であった。

    感想です。
    本作は上下巻の長編で貴子の救出はまだかまだかと様々な感情を巡らせながら、ようやく読み終えました。読後は胸を撫で下ろす安堵と若干の苛立ちは残りましたが、これまでの音道貴子シリーズでも人情

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    2024年04月25日
  • しゃぼん玉

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    すごーい面白かった。
    久しぶりに一気読み。
    なんか何のことはないようなお話なんだけど、すごい面白い。
    さすが乃南さん。

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    2024年04月15日
  • 雫の街―家裁調査官・庵原かのん―

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    連作7番目の最後の作品「はなむけ」、泣かされてしまいました。かのんさん、ルール違反しても、みんなを助けました。

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    2024年03月23日
  • 雫の街―家裁調査官・庵原かのん―

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    ネタバレ

    シリーズ2作目。
    前作がおもしろかったので、読むのを楽しみにしていたが、ようやく読めた。
    いろんな人がいろんな考えで生きているんやなあ。
    とにかく大変な仕事だというのが伝わってくる。
    当たり前のように食い違う話。ウソ、投げやり、感情爆発、泣く、お金。
    読んでるだけで疲れてくるよなあ。しんどい。
    でもちょっとしたところから、解決への道筋を見つけていく庵原調査官はすごいな。
    ちょいちょい出てくるくりりんとのシーンがとてもよい。ほっこり。
    こういうスペースがあるから、かのんさんも頑張れるのだろう。安心できる場所、大事。
    当事者たちが最終的にどうなったのかははっきりとは書かれていないが、それがいい。

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    2024年03月20日