乃南アサのレビュー一覧

  • 六月の雪

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    欖李花(ランリーファ) 
    マングローブ樹種の一種である欖李は、海水と淡水が混じる場所にしか育たない。
    台湾の北部の海岸近くにたくさん植わっている。
    雪を見たことのない台湾の人たちからまるで雪が降り積もっているかのように小さな白い小花がたくさん咲く。

    ストーリーは、けがで入院した主人公の祖母が、幼少期にすごした台湾の思い出の場所を写真に撮って見せようとひとりで旅立つ。
    50年も日本人が住んでいて、たくさんの建造物やサトウキビ工場を建て、豊かになった時代があり、日本が戦争に負け蒋介石率いる中華民国がやってきて、日本語・台湾語を禁止され、たくさんの虐殺もあった。

    今まで知らなかった台湾の歴史に触

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    2023年07月06日
  • 晩鐘〈下〉 新装版

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    長編風紋の続編。こちらも長編でしたが、のめり込んですいすい読めました。内容は重く、自分が
    知らないだけで、現実に有り得る内容で、深く考えさせられました。最初から影のある少年大輔、彼の言動からずっと嫌悪感を持って読んでいましたが、最後の最後、数ページで大輔はまだたったの12年しか生きていない子供だったんだ…なのになんて重い人生を生きさせられていたんだ…と気付かされました。私も偏見を持ちながら読んでしまっていたのか、とショックを受けました。

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    2023年06月19日
  • しゃぼん玉

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    ネタバレ

    とても読みやすく、おもしろく一気読みしました。
    翔人はお婆ちゃんと出会えてよかった。
    村のみんなとも。
    もちろん強盗や怪我を負わせたことは許されることではないし、自分が被害者の立場だとしたら許せないと思う。
    やっぱり人の温かさは心を動かすなと思った作品でした。
    最後もお婆ちゃん生きてるみたいで本当によかった。

    待ってくれてる人がいるというのは幸せなことだなと思いました。

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    2023年06月02日
  • いつか陽のあたる場所で

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    この作品を読む度に感じるのは、作者からの作品に対する愛情。必死に生きる芭子に地の文や登場人物たちを通して常に励まし、温かく見守っているように思える。芭子の俯きがちな人生観は共感する部分も多い。だからこそ、繰り返し読みたいと思ってしまうのかもしれない。
    このタイトルもたまらなく素敵!

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    2023年05月28日
  • 女刑事音道貴子 凍える牙

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     乃南アサの長編小説。僕がこの作品に出会ったのは、筆者を知り、どうやらこの作品が面白いと言われている様なので手に取ったという経緯だ。なのでシリーズかしている事も知っていたが、「風紋」や「晩鐘」程では無いだろうと軽い気持ちだった。
     冒頭からファミレスの焼死体、牙の後、という不穏空気に一気に引き込まれる。
     貴子と滝沢のコンビも魅力的で、滝沢の皮肉な親父感(皇帝ペンギンはピッタリ)は、男社会の嫌な部分を凝縮している。それに負けない貴子の強さ、また素の部分はギャップを感じ魅力的におもう。
     彼女はバイクを愛用しており、カーチェイスならぬバイクチェイスはまるで映像を見ているかの様な描写力だ。女性刑事

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    2023年05月24日
  • 晩鐘〈下〉 新装版

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    ネタバレ

    風紋から7年後、加害者と被害者の家族のその後を描いた名作。
    母を殺された真裕子。新聞記者・建部。父が殺人者となった大輔。それぞれの人生は途方もない道筋を辿っていく。
     レビューをわけていない為、3冊通した後の感想をわけて掲載する。

    自身の作品で、衝撃的な殺人事件を加害者、被害者の立場から表現した作者が、同じ舞台、続編という形で、それぞれの家族がどの様に生きているのかを描いた作品。
     それぞれの救済は。
     被害者の家族、母親、祖父母がいたたまれない。母親についても鼻につく描写が前作から多かったが、事人の息子が妹を殺害してしまう程の罰を与えた筆者に恐怖を感じる。
     最後まで読み進め、読者ごとに心

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    2023年05月21日
  • 来なけりゃいいのに

    ネタバレ 購入済み

    イヤミス全開

    映画「シャボン玉」から、久々に乃南アサさん作品を読みたくなり、コツコツ読み始めました。こちらの短編は、イヤミス全開ですね。ラストの話、お局様の迷走ばなしですが、掃除のおばさんに高圧的な態度を取ってたら実は、、、などんでん返しが待ってましたね。やはり人によって態度を使い分ける人って、後でしっぺ返しが来ますね。ちょっとザマァと思ってしまった。こなけりゃいいのにもインパクト大でした。そういう仕掛けだったんですね。この話、好きだなあ。

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    2023年04月11日
  • 来なけりゃいいのに

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    すごく嫌なヤツではなく、「あぁ、いるいる…」と思うような嫌なヤツが大集結。一歩間違えれば自分もそちら側に行ってしまうんではないかと思うような。最後までスッキリなんてさせてやらないぜ、という気合い(?)を感じた。

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    2023年03月26日
  • 暗鬼

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    ぞわぞわと不気味な恐怖が走る。洗脳ってこんな風にされていくのか…という初めての体験。
    元々この家で生まれた人はどのようにして育ったのだろう…そこも読んでみたくなった。

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    2023年03月26日
  • 駆けこみ交番

    ネタバレ 購入済み

    ほっこり

    以前等々力に住んでいたので、この地のほどよい心地よさを思い出しました。新米警官の聖大くんと、わけありのお年寄りチームのとどろきセブンの交流が微笑ましいです。ラストのお話に出て来るガンさんも、いぶし銀のようないい味を出していました。

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    2023年03月25日
  • 晩鐘〈上〉 新装版

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    まさかあの時の加害者家族が、今度は被害者家族になるなんて…。7年前の事件が読んでいる方にも未だに未解決に感じ、あの時の被害者はいつかは幸せを感じる時を過ごせるようになるのか…。いろいろな思いを感じながら読んだ上巻。これから中、下とどう進み結末を迎えるのか。

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    2023年03月12日
  • 女刑事音道貴子 凍える牙

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    何も言うことがないくらいすごい面白かった。
    引き込まれて読み終わりました。
    最初は、滝沢刑事と音道貴子のコンビで、なんとなくうーん…って感じだったんだけど、中盤からどんどん引き込まれて行った。
    さらに疾風が出てくる頃にはもう、どうなる?次はどうなるの??って気になって気になって。
    音道貴子シリーズは読もうと決意しました。
    凍える牙はけっこう前に発刊されてたんだ。なぜ今まで気づかなかったんだろう。もっと早く飲みたかったー。

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    2023年03月12日
  • チーム・オベリベリ (下)

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    残りページ数的にそろそろ見通しがたってもいいのでは?と心配しながらそのまま読み終わっちゃいました。「赤い人」だとどんどん道やら畑やらできていったかのようなスピード感で語られてますが、実際開拓してた人たちにしてみたらそんな簡単な話ではなかったんでしょうね。

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    2023年01月26日
  • 風紋 下 新装版

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    東野圭吾の手紙を思い出させる題材。
    どんな形であれ、主人公真裕子には幸せになってほしいと願う。
    長編ではあったけれど、読み出したら止まらなかった。

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    2023年01月26日
  • チーム・オベリベリ (上)

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    「熱源」が男性視点なのに対してこちらは女性の開拓使。女性の方が男性より視野が広いと言われるように、熱源が「俺が!俺は!」なのに対してこちらは家族や村全体を見通した語りになっているのが面白いです。豚とひとつ鍋は六花亭のお菓子で有名ですが、こんな風にワイワイした感じで詠まれたのですね。

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    2023年01月24日
  • 不発弾

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    6つの短編集。
    どの短編もうるっときたり、ぐっときたり。話それぞれが濃くて感情移入しやすかった。
    「かくし味」はラストのオワッって感じが良かった。「夜明け前の道」はほのぼの出来て「福の神」はうるっときた。
    この3つがお気に入り。

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    2022年08月22日
  • 躯 KARADA

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    自分が中学の時に足が太いって男子に馬鹿にされた時の怒りと悔しさ、そして周りの目への恐怖を思い出しました。そんな作品

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    2022年08月11日
  • 女刑事音道貴子 凍える牙

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    オオカミ犬?警察ものなのに?
    あ、ファンタジーかあと思った。
    いやすみません、そのオオカミ犬が主人公達を凌ぐ存在感となる。
    後半の疾走感たるや。
    オオカミ犬にとても会いたくなる一冊。

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    2022年08月01日
  • 女刑事音道貴子 風の墓碑銘(下)

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    相変わらず音道シリーズは面白い。

    滝沢とのコンビ復活で、過去、滝沢に助けてもらった音道が、さぞかし滝沢に友好的なのでは?と思ったけど、やっぱり音道は音道だった。
    奈苗との女同士特有の?ドロッとした感じとか、昴一とのギクシャクとか…今回も音道が二重三重に大変な状態だったのだけど、犯人の呆れる様な動機や開き直った物言いの前には、大した事ではなかったかの様に思えた。
    今回の滝沢は音道をそれなりに認めて大人の対応を頑張ってたけど、音道が大人気なかったかな。(色々あったから仕方ないけど).それも含めて、これからも音道を応援したいな。

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    2022年06月15日
  • 女刑事音道貴子 鎖(下)

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    ネタバレ

     殺人グループに捕まり人質になった音道貴子、自分の持ってた手錠をされ鎖に繋がれ、レイプされそうになりながらも7日間生き延びた。殺人グループでありながら音道貴子を陰で支えた中田加恵子。最後に音道に元気を与えたかつての相方滝沢刑事。この3人の物語。エピローグで、音道の恋人昴一が元凶の刑事星野をぶっとばすシーンは溜飲をさげます。また、音道と中田の2人の間に芽生えた信頼関係がこの物語の先に光を投げかけています! 乃南アサ「女刑事 音道貴子 鎖(下)」、2003.12発行、文庫、再読。解説は川本三郎。

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    2022年06月13日