乃南アサのレビュー一覧
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親不孝で女性や老人を狙った強盗致死やひったくりを繰り返してきた伊豆見。山の中に放り出され、夜明けに老婆と遭遇しそこから2人暮らしの生活をしていく中で伊豆見が改心していく話。
温かい食べ物やお風呂、布団が子供頃に与えられなかった伊豆見にとっては、その環境で生活させてもらえたことでそのありがたみを感じられたし、山仕事をして成果を上げヒゲ爺や老婆スマに褒められたことで成功体験を詰めたことは彼を大きく動かしたのだと感じた。自分の親と同じ状況の豊昭、心に大きな傷を負ったであろう美知と出会い、他人の気持ちを考えるという体験もして、彼の考えが大きく変わったと感じた。
田舎の生活の中で、彼にとって必要な人生を考え直す社会勉強ができたのだと思う。彼の状態をしゃぼん玉という言葉で表現するのも納得した!彼がしゃぼん玉から生まれ変わって伊豆見として新しく人生を生き直してほしいと心から思った! -
Posted by ブクログ
ネタバレ・いっちみち
ハードな人生の先に見える光を描きつつ、それがあのコロナ禍で世界が一変する直前という……
心がぎゅっとなりすぎて息ができなくなりました。
・青い手
バキ童チャンネルから知ったリップグリップ岩永さんがYouTubeで「不気味すぎた現代文の問題」として話していたのを見て知りました。
オーディブルで聞いてみて背筋が凍るほど面白かったのでぜひ読んでみたいと思っていました。
クンレイコウが薫霊香だと知って余計怖くなりました。
読めば読むほど気づいて怖くなる良い話です。
材料として蜂蜜と梅肉が入っていることに気づいた時が一番ゾッとしました。
・団欒
死体を目の前に団欒する家族の話。
愛犬の遺体を埋めるときと女性の死体を埋める時のギャップ…
不都合なところは一切見ないようにして、エピソードトークにできると思っているところなどとにかくゾッとしました。 -
Posted by ブクログ
読書中、映画を見ているようだった。
主人公の辛い感情に共感し、婚約者を追いかけて訪ねた街の描写はまるで色つきで浮かび上がる。
宮古島で台風に遭遇した一夜はその時の空気感まで伝わってくる。
新しい生活を始めた元婚約者を見つけ出すための一年間余りは、主人公にとって、人間的な幅や物の見方を成長させた期間だったといえる。事件は起きないにこしたことはないが、でも、色々な世界を見た彼女はとても魅力的な人になっている。
時代背景も適宜織り込まれていて、昭和の一時代を理解する教材としても最適。
作者の勉強量や様々な境遇の人に向けられる視点のあたたかさに、他の作品を読むのも楽しみになった。
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Posted by ブクログ
内容(ブックデータベースより)
事件の原因は、私が探る!
少年少女たちは、なぜ罪を犯してしまったのか? その原因を探るのが「家裁調査官」である。福岡家裁北九州支部の調査官・庵原かのんは、自転車窃盗、JKビジネス、バイク暴走、女性暴行など毎日数多くの事件に直面していた。当事者である子どもたちの声に耳を傾けるうちに、彼女はそれぞれの事件の〝深い根〟に気が付き、そして……。
心理描写の名手が満を持して放つ、待望の新シリーズ。
かのんが出会った少年少女たち
田畑貴久…15歳の中学生。深夜、自転車窃盗事件を起こす。
小林郁人…16歳。公園の池の鴨を、ボーガンで殺傷する。
常松沙耶香…女子高校生。売春と同級生への売春斡旋を行う。
七堂隼…17歳の職人見習い。5人に対して傷害事件を起こす。
徳永ミゲル…15歳の中学生。無免許でバイクを暴走させる。
高山朋樹…高校1年生。女性への不同意わいせつを繰り返す。
岩瀬大祐…18歳。ゴミ捨て場であるものを拾ってしまい……。
令和8年6月2日~10日 -
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阿季子を害しようとしたのは誰か?というサスペンスものを読んでいると思っていたのだが、阿季子がどれだけ幼馴染たちの反感と恨みをかっていたのか、という話になっていた。こわいこわい…
第1話 この前の同窓会で阿季子と喧嘩した由記だったが、北海道から新居を祝うためにやってきた。阿季子の家にちょうど荷物が届いた。阿季子のパネルの顔に穴がたくさんあけられているものや、阿季子を模った人形の顔がくり抜かれているもので、阿季子はないてしまう。
第2話 由記はCAになれず、地元小樽の銀行に就職して、地元の人と結婚して年子の子供をふたり産んだ。北海道まで阿季子がやってきて、小樽のグラスで商売を始めると言う。
第3話 玲子は阿季子にクリームを送った。最初は反応が出てぶつぶつとか皮が剥がれるとかがあるけれど、最終的に肌がツルツルピカピカになるものだという。なんとお値段10万円。修学旅行でスカウトマンは玲子ではなく阿季子をスカウトした。玲子は阿季子が整形に興味がわくように会話をたきつける。
第4話 はるなは阿季子の夫と恋に落ちていて、そのため阿季子が怖がるように顔に穴のあいたパネルや人形を送ったのだった。はるなは札幌放送のアナウンサーをしている。
第5話 阿季子の浮気がスッパ抜かれた。その頃、阿季子は美容整形の病院で手術を受けていた。朝の顔としてテレビに返り咲く話もなくなった。 -
Posted by ブクログ
かなり面白い。警察が絡まなくても十分面白いのに、スリルがマシマシである。
橋口こと松川には尾行がついている。ジュエリーデザイナーのゆかりと、キャリアウーマンの江本美和子が今のカモだ。刑事たちにはどうやって女達を見つけてくるのか、不思議である。橋口かつ松川は月40万もする賃貸マンションに住んでいた。
捜査班は盲腸の痕と、火傷痕を確認して、松川が橋口だという証拠を得る。最近の橋口はゆかりに結婚を迫られ続けてちょっと疲れていて、土地持ちの未亡人千草が情緒不安定だった。
松川の最初の結婚相手は、恋愛結婚だった。その頃は割とちゃんと働いていたけれど、勤務先でお金を盗んで刑務所に入った。次に会った時には変わり果てていた。二番目の結婚は結婚詐欺被害者。今の妻が三番目になる。それも先程離婚した。
一番新しい被害者の美和子は、捜査員の阿久津の元カノだった。悩んだ末に美和子に接触するが、逮捕状がでるのはまだ数ヶ月先だった。本当のことは言えない。だがその男との結婚はやめておけと言ってしまったことで、かえって美和子の婚約を後押ししてしまう。 -
Posted by ブクログ
私は自分は結婚詐欺になど引っかからないと思ってるし、そういう案件に当たったこともないのだけれど(詐欺という犯罪にはそういう人が引っかかるらしいのだが)なんだかとても参考になります。主人公の橋口さんは仕事ができる…こういう人達って友達いるのかなぁ…
どうでもいいけど、結婚したことがない人が、ウェディングに詳しすぎるのはやはり怪しくないですかね。
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橋口は疲れたような表情をしていた曽田に目をつけていた。今日もパーティーだと言って、ネクタイを選んでもらった。ピアジェの時計をそれとなく見せつけ、独身アピールをして、食事の約束をとりつける。
橋口は小料理屋まきのおかみ、登与子を口説き、千草には歌舞伎をキャンセルさせて、夕方に会う約束を取り付けた。名簿にわかるデータを書き込んでいく。その上には吉田とあり、電車に飛び込んで亡くなっていた。
一方、小滝橋警察署知能犯捜査係の阿久津は財産を騙し取られたという山崎という女性の相談に乗っていた。山崎はクラブでホステスをやっていた。橋口の名刺にある会社も大学非常勤講師も嘘っぱちだった。式の日取りを決めてくれないと詰めたら連絡がなくなった。両親に挨拶には来たらしい。
詐欺罪は刑法二四六 人ヲ欺罔シテ財産ヲ騙取シタル者ハ十年以下ノ懲役ニ処ス
とありその「欺罔」の証拠を掴むのが難しい。だが手口からしてプロなのではないかと印象を得た。
橋口は2回目のデートで曽田理恵にネックレスを渡す。しつこくポケベルを鳴らす登与子は叱り飛ばす。自称橋口雄一郎を被疑者とする特別捜査本部がたった。都内にもう2件被害者が存在、電車に飛び込んで死亡した郵便局員と幼稚園教諭だった。捜査班がしなくてはならないのは、橋口を名乗る人物が誰なのか、そのためには手口捜査と遺留品捜査が必要になる。ハガキから指紋と筆跡をゲットできた。
登与子が200万円ねだってきた。厨房を直したいらしい。橋口の目がまん丸になる。登与子には10万円出してもらっていたが、ビックリだ。いっそのこと全部キレイにしたらどうだと提案。橋口の知り合いなる人を紹介することになる。刑務所で一緒の臭い飯を食った仲だ。
一方で曽田理恵の貯金はどうやら尽きたようなので、シカゴに行くという電話を入れる。合計390万。
前科があったために、指紋から橋口をなのる者が、松川学42歳とわかる。犯罪歴13件。妻がいた。松川澄子。生活保護を受けている。夫のことは知らないと言った。どこに住んでるかも知らない。お金がない時だけ現れる。
ムショ仲間をあたることになったが、これがビンゴ。後をつけ、松川学こと橋口雄一郎にたどりつく。