あらすじ
少年少女たちは、なぜ罪を犯してしまったのか? その真の原因を探るのが「家裁調査官」である。福岡家裁北九州支部の調査官・庵原かのんは、自転車窃盗JKビジネス、バイク暴走、女性暴行など数多くの事件に直面していた。当事者である子どもたちの声に耳を傾けるうちに、彼女はそれぞれの事件の〝深い根〟に気が付き、そして……。心理描写の名手が満を持して放つ、待望の新シリーズ。 (解説・藤川洋子)
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Posted by ブクログ
好きな作家さんなので
もう面白いしかないです。
警官とか犯罪に接する役が
上手いですね。
さすがです。
あの女性刑事さん、
また帰って来てくれないかな。
と思います。
Posted by ブクログ
我が子のことも、仕事で接する少年たちのことも、私はちゃんと理解できているだろうか。子どもは、良くも悪くも家庭や大人の影響をまっすぐに受けるんだよな。世の中捨てたもんじゃないよってことを教えてあげられる大人でいたいものだ。
Posted by ブクログ
調査官という仕事を通して、少年少女の非行・犯罪とそれを取り巻く問題を見据えた作品。
一つ一つの問題がドラマティックでありながら演出過剰になりすぎない、絶妙な塩梅。
調査官という立場で関われることの線引きもしっかりしており、そこがリアルなのかも。
毎回スッキリ解決、とはいかないながらも希望や祈りを抱かずにはいられない。
次回作もあるようで、読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
家庭調査官とは、"少年たちの声を聴く"仕事である。
具体的にどのようなことをしているのかを初めて知った。
事件を起こす少年少女たちには、様々なバックグラウンドがあることを知りました。その上で何故、事件を起こしてしまったのかをミステリーを読んでるかのように考えながら、読み進めました。
貧困、発達障害、家庭問題など現代の社会問題に直結していて、とても考えさせられるトピックが多かったように思える。
1つ1つの問題に対して、自分の意見をしっかり持ちつつ、自分ならどのように考えるのかを考えながら、時間をかけて読んだ1冊。
社会問題について考えたい人には、是非オススメの1冊です。
続編も出てるそうなので、是非読んでみたいです。
Posted by ブクログ
学生の頃に少年鑑別所の法務技官の心理さんのお話を聞いたときを思い出した。悪いことして強がってても、まだ未熟なところがあるって。誰かに話を聞いてもらって、心配されているって感じる経験が必要なんだろうな。本当にここが人生の岐路。限られた期間しか関係をもてないけれど、かのんが出会ってきた人たちのその後も読んでみたいな。パパスの祈りとアスパラガスが特に良かった。
Posted by ブクログ
家裁調査官の仕事について詳しく書かれていて、家裁に興味のある人にはピッタリの本だと思う。調査官の職業に興味を持つ人が増えるきっかけになると良いのではないか。
一人ひとりそれぞれにストーリーがあり、家庭の背景があり、どの章も面白かった。この職業をしている方には尊敬しかないです。
Posted by ブクログ
家庭裁判所の調査官 として少年の行動の原因を探る仕事をする庵原かのん
様々な事情を抱えた本人や家族、周りの人から聞き取りながら問題点を掴もうとする
するするとほどけない仕事は辛いこともあるんだろうなと思う
何とかしてほどけた時はやりがいを感じるのかな
仕事以外のことも描かれている場面は少しホッとした
Posted by ブクログ
著者の小説は、久々。
再読で女刑事音道貴子シリーズを読んでいるが、新作では6年前の『水曜日の凱歌』以来。
主人公は、家裁調査官の庵原かのん。彼女が担当する、自転車窃盗、JKビジネス、女性暴行などの罪を犯した少年や少女たちの真の原因を探る連作7短編。
これまでも心理描写の鋭い小説を残している著者らしい読み応えのある作品。
音道貴子シリーズのようにシリーズ化されることを期待したい。
Posted by ブクログ
久しぶりに乃南さんの作品を読みました。
会社帰りに立ち寄った書店で新刊を。
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少年たちの
声を聴く
それが
私の仕事
自転車窃盗、暴行、
JKビジネス……。
事件を調べるため
かのんは今日も走る!
乃南ミステリー
新シリーズ開幕!
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福岡県で家庭調査官をしている、庵原かのん。
「ケーキを切れない非行少年たち」を思い出しました。
家庭や貧困、
誰かの理解や支援があれば、
違う未来があったかもしれない。
ルーツや核心的な部分に迫ろうとすることは、
ミステリー要素もありますが、
こんなに若くて幼い少年少女たちが…という思いが。
そして、完全に解決するわけでもなく、
家裁調査官としてできる範囲があるため、
物語の結末には限界があり、
この先はどうなるんだろうという気持ちになるし、
やるせない気持ちにもなります。
でもそれがリアルです。物語なのに。
年齢的に私はかのん寄りで、
保護者のような目線で読み進めてましたが、
もし自分が若い時に読んでたら
どんな感想をもっていてかな、と思った一冊でした。