乃南アサのレビュー一覧
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購入済み
さすが乃南アサさん!
とても面白かった。上下巻一気に読めました。文章力が素晴らしいのでしょうか、飽きることが全くなく、テレビドラマか映画を観ているかのようでした。読み終わってしまったのが残念です^ - ^
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Posted by ブクログ
ネタバレ全体的な感想は上巻で書いたので、こっちでは無駄話w
この小説の面白さは、とにかく地味な事件に、地味なキャラ二人(中年オヤジ&中年にさしかかった女性)のやりとりがのっかることで、人と人のちぐはぐなコミュニケーションを巧く描き出していることにあると思う。
唯一、難癖付けるwならば、音道のキャラクター設定にちょっと違和感があった。
こういうタイプの女性って、こういう時にそういう風に言うかなぁ?という場面が時々ある気がする。
そういう意味では、著者にとって、この話での音道は、実はあくまで形式的な主人公に過ぎなかったりするのかな?なんて思った。
とはいえ、この音道&滝沢のコンビの妙はすごくいいので。 -
Posted by ブクログ
再読。
14歳の多感な時期の女の子鈴子の目線で描かれる戦後の日本。
負けた国の女達のそれぞれの生き方に、複雑な思いを感じながらも、大変興味深く読み直しました。
鈴子が嫌悪感を感じてしまう母つたゑの生き方も、この時代にはやむを得ないもので、ある意味逞しく、羨ましくすら感じました。
勝子ちゃんとの再会のシーンには、涙が止まりませんでした。
勝子ちゃんと鈴子の会話、これこそが戦争で失われてしまっていた大切なものだったと思います。
慰安所をテーマにしている部分で、語られることの少ない作品かもしれませんが、素晴らしい作品。
またいつか手に取りたいと思います。 -
Posted by ブクログ
長編に疲れたので、暑気払いのつもりで短編を読んだ。
話が終わるたびに、クーラーの風にゆっくり当たれるので猛暑向きかも。
きっと知る人ぞ知る名編なのだろう、すぐに読み終わってしまった。
「氷雨心中」平成16年(2004年刊)
日本工芸を材にした完成度の高い面白い短編が6つ。
特に「青い手」は事件は表に現れないまま終わるが、読後にあ~~と思い当たる、
そんな風に生活の裏から(物語の裏から)
滲み出す暗い部分が、ミステリアスな香りを漂わせる。
お線香はこうして作るのか、お香も。
でも話はじっとり恐ろしい。
「泥眼」日本舞踊の名手に泥眼の面を頼まれた能面作家のはなし。
女の一途な想いが、面を作 -
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【私が出会った八十代になる男性は,植民地の子として暮らさなければならなかった少年時代を振り返って,「懐かしくて懐かしくて,悔しくて悔しくて」と遠くを見る表情で瞳を潤ませた】(文中より引用)
その美しさから,美麗島とも称された台湾。その島と人々,そして歴史の魅力に惹かれた筆者による紀行文です。著者は,『幸福な朝食』や『凍える牙』等で知られる作家の乃南アサ。
ほとんど何も知らないところから台湾を訪れ,そこで筆者が受けた衝撃や気づきを記録しているため,台湾を考える上での第一歩としても特にオススメできる作品。作家による紀行文ということも影響してでしょうか,流麗な文体とあいまって台湾にまつわる魅力が -
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戦時中の従軍慰安婦問題については、韓国の執拗な追及で、しばしばマスコミに取り上げられる。
しかし、敗戦直後の日本で、占領軍のために同じような目的のものが、政府によって組織されていたとは、寡聞にして知らなかった。
著者は、戦後裏面史のこの事実を、14歳の少女鈴子の眼を通して鮮やかに描き出した。悲惨な現実ではあるが、彼女の眼を通すことによって、微妙なバランスを保っている。
しかも、ここに登場する女性たちは、時代に翻弄され、国家にさらに男たちにも裏切られながらも、絶望を突き抜けたところに立って爽快でさえある。
題名『凱歌』に象徴されるように、心地よい読後感となっている。
登場人物の一人ミドリは鈴子に -
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ネタバレ「ニサッタニサッタ」の前日譚。エエ味出してたあのとわさんが主人公。
大正から戦前戦中戦後といえば、戦争で悲惨なことになったとはいえ、文明国家だと思っていたの本。俺らの祖父祖母の時代だから地続きの世界と思っていたが、北海道開拓史においてはl、こうまで俺の知らない過酷な世界だったとは。
それにしても、主人公とわ、そしてその母親のたくましさ、しぶとさが素晴らしい。物語の中で何度も何度もしつこいくらいに悲惨な目にあう、とわさんや母親。それでも彼女らは生き延びること、子供や家族をなんとしてでも養うこと、それだけを念頭に「今日を生き延びる、今日をやり過ごす」ことに集中する。そして何度も何度も地べたを這 -
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やっぱり乃南アサさんの長編大作は素晴らしい。
本当に読んでる時間が楽しくて、終わってしまうのが
悲しくて寂しくて。
なのに、先を読まないといられない。
殺人事件の被害者と加害者の家族たち。
その7年後が描かれている「晩鐘」
最後の下巻です。
被害者側の真裕子が新しい家族ともうまくいきだし、
「風紋」のときに出会ってた新聞記者の建部が
どうにか真裕子の支えになってくれないだろうか。と
風紋のときから思っていただけに、
こちらの展開は、もう、待ってました!とばかりに
拍手。
けれど、やっぱり加害者側の息子。
小学6年になった大輔の日々が
もう、なんとも悲しくて。
なんとも重たくて。
なんとも -
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三部作の完結編。下町での二人の再生と人とのふれあいをもう少し見続けていたかったな。居心地が良くてもずっと同じ場所にとどまってはいられないのかな。芭子と綾香の家族も大変な思いをして、たくさん傷ついて、大切な家族を失ってしまったんだとわかってはいても、過去と向き合いながら健気に生きる二人の姿に幸せになってと思わずにはいられなかった。被災地にボランティアに行き過酷な現実を見た綾香の、みんな人間だからすべての人たちが善良なわけではないけれど、だからってあんな死に方をしなきゃいけないなんていうことはなかった。この言葉に綾香の取り返しのつかない過去や失ってしまったものの大きさをおもって苦しくもなった。過去
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Posted by ブクログ
殺人事件の被害者、加害者の家族の7年後が描かれている。
長崎の祖父母に預けられていた大輔が
東京の、「伯母ちゃん」のところで住むことになり。
24才になった真裕子は、好きでもなかった会社の同僚と、不倫に陥り。
間で、東京に戻った記者の建部が
二人を再び追っていく。
なぜか、加害者と被害者の家族は、何かで繋がれているのか。
偶然が重なる。
そのキッカケが、わりと建部。
けれど、その建部によって事件後からのことを吐き出すことで救われ、俯瞰した見方を出来るようになれた真裕子。
相変わらず、殺人者の息子であることは知らない大輔だけれど、どこか計算高い中に
どこか小学生にしては、ませすぎている女好きに