乃南アサのレビュー一覧

  • 水曜日の凱歌(新潮文庫)

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    8月15日
    戦争に負けたその日からすべてが変わってしまった。

    戦後を懸命に生き抜く女たちの生活が
    14歳の鈴子を通して描かれる

    英語力を生かして進駐軍相手の通訳として働く母。
    男を利用しながら「力」を求める母に
    反発しながらも「しかたない」と無気力になる主人公

    今の80代、90代ってこんな思いをして生き抜いてきたんだなぁと改めて実感・・・

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    2019年10月17日
  • 結婚詐欺師(下)

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    ネタバレ

    どうやって終わるのか楽しみな1冊でした。
    元カノの美和子さんが登場したことによって
    とても面白くなりました。
    夫婦の会話で、仕事でイラつくダンナと家庭を顧みない
    ダンナにイラつく妻、のやりとりがリアルに感じられた。
    橋口はどうしようもない男だけど
    こういうタイプの人っているんだろうな。
    千草さんも、だまされてたのは分かってたと言ってたし
    でも止められないって、そんな風になるんだろうか。

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    2019年10月04日
  • 結婚詐欺師(上)

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    ネタバレ

    初めての作者の本。
    ホントにこんな手口でだまされるのか?って
    思ったけれど、思いつめたらこうなるんだろうか。
    カツラと眼鏡で見た目の年齢が10歳ぐらい変えれるって
    いうのも面白い。
    自分がだまされた男が冴えない禿げ頭だったら
    余計に落ち込むというのも分かる気がする。
    詐欺師って単に見つけただけじゃ捕まえられないのかな?
    どうやって捕まるのか、楽しみ。

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    2019年09月21日
  • 美麗島紀行

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    【私が出会った八十代になる男性は,植民地の子として暮らさなければならなかった少年時代を振り返って,「懐かしくて懐かしくて,悔しくて悔しくて」と遠くを見る表情で瞳を潤ませた】(文中より引用)

    その美しさから,美麗島とも称された台湾。その島と人々,そして歴史の魅力に惹かれた筆者による紀行文です。著者は,『幸福な朝食』や『凍える牙』等で知られる作家の乃南アサ。

    ほとんど何も知らないところから台湾を訪れ,そこで筆者が受けた衝撃や気づきを記録しているため,台湾を考える上での第一歩としても特にオススメできる作品。作家による紀行文ということも影響してでしょうか,流麗な文体とあいまって台湾にまつわる魅力が一層引き立てられていた気がしました。

    また訪れたいものです☆5つ

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    2019年09月20日
  • 涙(上)

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    結婚式を間近に控えていた恋人が殺人容疑をかけられ、いなくなってしまった。
    テレビに映ったよく似た人を探してドヤ街に出かけるが、、、
    わずかな手かがりを頼りにお嬢様だった主人公が必死に恋人を探す物語。
    乃南アサのテンポのいい作風が進展が少ない恋人探しの旅を読みやすくさせてくれる。

    面白い。

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    2019年08月24日
  • 晩鐘〈上〉 新装版

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    「風紋」では被害者の家族。こちらは加害者の家族に焦点を向けた作品。主人公は加害者の息子、当時幼稚園位だった子が小学校高学年になっている。私学の教師の妻だった加害者の妻はやはり落ちるところまで落ちてしまって、子供を実家に預けっぱなし。この息子は自分の父親については知らない。化粧が厚い時々くる“おばさん”が母親とも知らない。ひょんなことから自分の父親が人殺しと知ってしまう。その後、自分の妹を圧迫死させる。蛙の子は蛙なのか…連行される時、影で父親が涙を流すが、犯した摘みは計り知れない。浅はかな行動で全てが狂う

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    2019年04月20日
  • 幸福な朝食

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    私は乃南アサの作品はかなり読んでる方だと思うが、処女作のこの作品が一番の傑作だと思う。なんというか、キモさがいい。ちょっと不思議な魅力のある作品。

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    2018年11月19日
  • ボクの町

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    インサイド警察、というよりも、主人公の高木聖大が悩みながら、もがきながら、素敵なおまわりさんに近づいていく風景が見えるような、そんな作品でした。続編を先に読んでしまっていたので、聖大がちゃんとしたおまわりさんになっていくことはわかっていたけれど、どんなふうに変わっていくのか?というところがとても面白読めました。

    乃南アサさんももうすっかり僕のお気に入りの作家さんです。読みたいものが続々と出てきて楽しい読書の日々です。

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    2018年10月24日
  • 地のはてから(下)

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    ネタバレ

    「ニサッタニサッタ」の前日譚。エエ味出してたあのとわさんが主人公。

    大正から戦前戦中戦後といえば、戦争で悲惨なことになったとはいえ、文明国家だと思っていたの本。俺らの祖父祖母の時代だから地続きの世界と思っていたが、北海道開拓史においてはl、こうまで俺の知らない過酷な世界だったとは。

    それにしても、主人公とわ、そしてその母親のたくましさ、しぶとさが素晴らしい。物語の中で何度も何度もしつこいくらいに悲惨な目にあう、とわさんや母親。それでも彼女らは生き延びること、子供や家族をなんとしてでも養うこと、それだけを念頭に「今日を生き延びる、今日をやり過ごす」ことに集中する。そして何度も何度も地べたを這い、泥水をすするような事態にあっても、生き延びてゆく。その描写のすさまじさに眉間にしわが寄るのを止められない。そしてなぜか、とても大きな勇気をもらえる。

    彼女らの境遇からすれば、俺なんてまだまだ生きていけるし食えてるし眠れてるし逃げ場もたんまりあるじゃないか。もっともっとあがけるじゃないか。

    できれば、お国を運営している連中に読んでもらいたい。連中の舵の取り方、羅針盤の見方一つで、どれだけの尊い命が無駄にされていくか。しかと心に焼き付けてほしい。
    とわさんのお兄さんはじめ戦争で散っていった命一つ一つをないがしろにするつもりは一切ない、だが国の舵を握った連中が間違った航路を進めば尊い命が無駄死と化すのだということを、俺たちもしかと覚えておきたい。

    「お国のいうことは信じちゃなんめえ」
    パヨクるつもりはないが、作中に出てくるこの言葉の重み、きっちり感じておこう。

    それにしても、男連中の情けなさ…父親、義父、亭主、孫(これはニサッタニサッタの方)、まさかの三吉までもが実になさけないダメ人間。
    俺もその仲間かもしれないなぁ。老い先も短い人生とはいえ、もうちょっと生きるしたたかさを持つようにしたい

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    2018年08月30日
  • 晩鐘〈下〉 新装版

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    やっぱり乃南アサさんの長編大作は素晴らしい。
    本当に読んでる時間が楽しくて、終わってしまうのが
    悲しくて寂しくて。
    なのに、先を読まないといられない。

    殺人事件の被害者と加害者の家族たち。
    その7年後が描かれている「晩鐘」
    最後の下巻です。

    被害者側の真裕子が新しい家族ともうまくいきだし、
    「風紋」のときに出会ってた新聞記者の建部が
    どうにか真裕子の支えになってくれないだろうか。と
    風紋のときから思っていただけに、
    こちらの展開は、もう、待ってました!とばかりに
    拍手。

    けれど、やっぱり加害者側の息子。
    小学6年になった大輔の日々が
    もう、なんとも悲しくて。
    なんとも重たくて。
    なんとも灰色すぎて。

    どうにか、誰かこの子を救ってくれないだろうか。
    と思わずにいられない。

    被害者遺族へのそれから。も大事だけれど
    加害者家族への、残された子どもたちに対しての
    何らかのアフターケアっていうのは、本当に必要だと思った。
    この小説の中からは、ケースワーカーやカウンセリングといったものが、まったく出てこなかったけれど
    どちらの家族に対しても、通り一遍でなく
    本気で対策していくのが、
    次の事件につながらいんじゃないかとも思うし
    どちらも未来に向かって生きていけるようにしなくてはいけないんじゃないかと本気で思った。


    最後は、本当に悲しすぎる結末。

    頭の良すぎる大輔が選んだ結論。
    頭の良すぎる大輔が、「真実」を知って出した結論。

    それさえも、誰か本気で話しを聞いてくれるオトナが一人。たった一人でもいれば、違う生き方が出来たんじゃないかと思うのに。

    もしかしたら、大輔がやったことは
    大輔の父がやったことの「動機」と、同じなのかもしれない。とも考えさせられた。

    真裕子の母の気持ち。
    大輔の父の気持ち。
    それだけは、最後まで語られることがなかっただけに
    根底にある「殺人事件」の背景は分からないままだけど・・。

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    2018年04月18日
  • いちばん長い夜に

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    三部作の完結編。下町での二人の再生と人とのふれあいをもう少し見続けていたかったな。居心地が良くてもずっと同じ場所にとどまってはいられないのかな。芭子と綾香の家族も大変な思いをして、たくさん傷ついて、大切な家族を失ってしまったんだとわかってはいても、過去と向き合いながら健気に生きる二人の姿に幸せになってと思わずにはいられなかった。被災地にボランティアに行き過酷な現実を見た綾香の、みんな人間だからすべての人たちが善良なわけではないけれど、だからってあんな死に方をしなきゃいけないなんていうことはなかった。この言葉に綾香の取り返しのつかない過去や失ってしまったものの大きさをおもって苦しくもなった。過去を変えることはできないけれど、小さくても希望を見つけて歩き続ける二人には、いつかきっと幸せになってほしい。

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    2018年04月08日
  • 晩鐘〈中〉 新装版

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    殺人事件の被害者、加害者の家族の7年後が描かれている。
    長崎の祖父母に預けられていた大輔が
    東京の、「伯母ちゃん」のところで住むことになり。
    24才になった真裕子は、好きでもなかった会社の同僚と、不倫に陥り。

    間で、東京に戻った記者の建部が
    二人を再び追っていく。
    なぜか、加害者と被害者の家族は、何かで繋がれているのか。
    偶然が重なる。
    そのキッカケが、わりと建部。
    けれど、その建部によって事件後からのことを吐き出すことで救われ、俯瞰した見方を出来るようになれた真裕子。
    相変わらず、殺人者の息子であることは知らない大輔だけれど、どこか計算高い中に
    どこか小学生にしては、ませすぎている女好きに
    父親の血?と思わせる描写が恐ろしい。
    この子は、どんな大人になっちゃうんだろう。
    誰から本当のことを知らされるんだろう。
    真裕子の家族との関係にも新たな変化が起きて
    真裕子は今までにない感情と愛情を知ることになる。
    さあ、いよいよ最後の下巻。
    終わってしまうのが悲しいくらいに、夢中。

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    2018年04月02日
  • 女刑事音道貴子 鎖(下)

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    後半、音道が限界に達しようとしている。滝沢がいい味見せます。テレビドラマでは高橋克実だったんだ。確かに。最低野郎は阿部力か。緊迫の籠城戦。読んでてもしんどいわ。

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    2018年03月25日
  • 火のみち(上)

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    父や長兄は戦死し、戦後満州から引き揚げ、広島県は呉に辿り着き、母を支えながら生きていく兄弟姉妹4人。長姉は、家族を支えるために身を落とし、主人公の次男・次郎は、小学校にも通えず、家族を支え、妹を助けるために殺人事件を引き起こしてしまう。一家離散となった南部家。次郎は、岡山刑務所で偶然にも備前焼・陶芸と出会う。一方、妹は、施設に預けられ、そののち上京、女優への道を歩むことになる。

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    2018年01月01日
  • 晩鐘〈下〉 新装版

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    Rさまオススメ本最終巻
    こんなに哀しい話があるかという感じでした。

    真裕子を中心に読み進めていたので、最後の方は少し嬉しい気持ちになっていたのですが、
    やはり大輔を忘れてはいけないのだなと。
    あまりに悲しかった。
    こういう風にしかなれなかったのかなぁと。

    ほんとにものすごく読みごたえのある作品でした。

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    2017年12月22日
  • 結婚詐欺師(上)

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    ネタバレ

    評価は5.

    内容(BOOKデーターベース)
    橋口雄一郎は40代のプロの結婚詐欺師。カツラ・洋服・職業・車を使い分けて変身、女性の心理を逆手に取る巧みな話術で誘惑し、金をだまし取っていた。東京・小滝橋署の刑事、阿久津は偶然かかわった結婚詐欺の被害届から、プロの匂いを感じ取り捜査を始めた。やがて松川学という前科者が浮上、身元の確認に追われる。一方、橋口はゴルフ練習場で見つけた女性に次の狙いを定めた―。

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    2019年04月15日
  • 地のはてから(下)

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    小樽への子守奉公、奉公先の破綻で知床に戻り、切ないアイヌの成年との恋、そして結婚。主人公のとわは、懸命に家計を支え、子供たちも育てていく。そのさなかにも、悲しい出来事は次から次へのとわを襲う。生きること、生き抜くことの辛さ、政府主導の北海道開拓の現実、そして戦争。
    主人公とわと乃南アサ作品『ニサッタ、ニサッタ』が連続性があることを、巻末の「解説」を読んで知った。

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    2017年11月22日
  • 地のはてから(上)

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    今までのサスペンス中心の小説とは異にする乃南アサさんの小説。舞台は、大正期から昭和期の北海道。なかでも非常に厳しい自然環境にある知床の開拓移住した家族のお話。
    冒頭から、読み進めるのが苦しくなるような過酷な環境に置かれた家族、放蕩父親の様子。しかし、次第にのめり込んでしまう。主人公の少女とは、そしてアイヌの少年との出会いの意味とは。

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    2017年11月17日
  • いちばん長い夜に

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    「マエ持ち女二人組」シリーズ最終作=三作目。仙台にて東日本大震災に遭遇する芭子。この出来事が、芭子と綾香の生き方にも大きな影響を及ぼす。

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    2017年11月12日
  • すれ違う背中を

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    「マエ持ち女二人組」シリーズ第2作目。刑期を終えて社会復帰した芭子と綾香。身内からも断絶された2人は、ヒッソリと目立たぬように、お互い支えながら、節約し質素な生活を送り、それぞれ金銭的にも自立できる生活の確立に向けて日々過ごしている。綾香はパン職人への道、芭子はペットショップのアルバイトしながら。そんな2人の周囲では、いろんな事件が起こる。

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    2017年11月11日