乃南アサのレビュー一覧

  • ヴァンサンカンまでに

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    バブル時代の女性社員の恋愛模様が、小説の素材。不倫、ブランド品、そして安パイな保険彼氏。
    巻末にある解説、エッセイストと斉藤由香さんの文章は、その視点や分析が鋭い。

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    2017年09月05日
  • 自白 刑事・土門功太朗

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    戦後から高度経済成長期の日本が舞台。戦後昭和史、出来事が作品内に散りばめられている。まさに昭和の刑事・土門功太郎の事件簿。短編集して4作品が所収。事件ごと、短編ごとに、土門の年齢も違い、土門の家族情景も描かれている。

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    2017年09月03日
  • ウツボカズラの夢

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    展開が180度変わるシーンが多くてなかなか面白かった。何も知らない田舎娘の未芙由がまさかあんな大胆なことを。ここが一番衝撃だったかな。夢の話をしているのかと思ったし。そしてここから彼女の躍進が始まる。我儘女子高生美緒なんて目じゃない男へのパラサイト能力。尚子よりも仁美よりも誰よりも上手。やっぱ天性のものなの?天晴だな。ホテルアルバイト時の隆平のチャラさにもびっくりだが、それよりもいきなりあの二人が結婚!にもびっくりさせられた。考えてみたらずっとびっくりし通しの小説じゃないの。でもなんか幸せそうだからOK!

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    2017年08月22日
  • 夜離れ

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    黒くて怖い女性たちの短編集。

    ぞっとする主人公たちばかりではありますが、非現実的というほどではない。
    理性で抑えられないと、人はこうなる。
    そんな怖さを感じました。

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    2017年06月22日
  • 涙(上)

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    年末に近いある日、突然、嫁いだ娘が実家にふらっと帰ってくる。そして、夫の浮気で離婚し、実家に舞い戻る。この出来事がきっかけで、母親がまだ若かりし頃に遭遇した出来事にフラッシュバックされいく。時は、昭和39年、あの東京オリンピックで日本獣が沸き立っていた頃へと。
    ストーリーのなかに時折散りばめられる日本の出来事が、当時の時代背景を想起させる。

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    2017年06月11日
  • 晩鐘〈中〉 新装版

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    真裕子の実家では、父は子連れの女性と再婚。その義母となる女性と父との間には、真裕子にとっては年の離れた妹がやどる。長姉は、すでに結婚し、2人目の子供が同じくお腹にやどった。一方、真裕子はといえば、母の殺害から立ち直れず、母が殺害された当時の父や長姉を許せず、しかし淋しさを埋めるだけの生活に身をやつしている。
    他方、殺人者の子供の大輔は、長崎を離れ、叔母と称する実母と東京で暮らし始めた。

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    2017年06月10日
  • いちばん長い夜に

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    あやかと、はこの付き合いが微妙に変わって行く様が切ない
    一度犯してしまった罪の重さ、その本当の重さは、あやかのように未曾有の出来事が自分の身にふりかからないと気づかないものなのだろうか。あやかが、決して人を殺してはいけない、逃げればよかったという言葉・・現実にあやかの様な状況にいる人はどう受け止めるのだろうか。罪をとりあげた小説は数あるが、リアルに感じた一冊

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    2017年06月06日
  • 晩鐘〈上〉 新装版

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    『風紋』から7年が経過。加害者家族、被害者家族、事件報道の新聞記者にも同様に7年の月日が経ち、身辺それなりに変化している。そうした中で、中学生男子が撲殺される事件が起こる。この事件がきっかけで、何かが動き出す。

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    2017年06月06日
  • 風紋 下 新装版

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    知能犯の容疑者、妻も弁護士も、そして検察官も警察官も翻弄される。三回忌を迎え、加害者妻と被害者の娘との遭遇と話した場面が、何とも虚しいが、『晩鐘』への予兆か?

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    2017年06月04日
  • 風紋 上 新装版

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    普通の家庭、浪人生を抱える家庭、女子高校生、不倫、被害者家族と親類縁者、加害者家族と子ども・親類縁者、そしてマスコミ。それぞれの事情や状況、心境が描写。そのため、ゆっくりとじっくり話は進む。

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    2017年06月02日
  • 結婚詐欺師(下)

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    担当刑事の元恋人もターゲットに。ここでも、元恋人だった男女の心情の違いの描かれ方も興味深い。
    上下巻の2冊通して、一気に読めてしまう。

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    2017年05月08日
  • 結婚詐欺師(上)

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    季節や場面の描写はもとより、心揺れ動く様子、詐欺師の巧みな言葉の選び方なども、素晴らしい。
    引き込まれ、一気に上巻完読。

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    2017年05月08日
  • 岬にて―乃南アサ短編傑作選―

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    14の短編が収録。しかし、すべてがミステリー作品ではない。ホッコリするものあり、旅ものあり、ゾッとするものあり、一編一編の雰囲気がガラッと変わり、ついつい次々と読み進んでしまう1冊。
    長編とはまた違った魅力を感じる乃南アサ短編。

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    2017年02月07日
  • 地のはてから(上)

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    ネタバレ

    アイヌ語でシリエトク。「地の果て」知床にやってきた作四郎、つね、直人、とわの一家。大正時代、北海道開拓が政府によって奨励された。農家の次男坊、三男坊が自分の土地を求め、親戚に見送られて希望と金を持ってやって来るものも居たが、作四郎一家のように、借金から逃れるため夜逃げしてきたり、犯罪に手を染めたものも少なくなかったという。
    福島から数日かけて、ようやくイワウベツの入植地にたどりつく。森林の大木を伐採してひらき、一家は屋根と四本の柱を板で囲い、むしろを下げただけの家で、互いの体温であたため合って氷点下三〇度にもなる冬を越えなければならなかった。しかし、ほんとうの試練はこれからだった。

    つくづく

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    2018年07月29日
  • 女刑事音道貴子 風の墓碑銘(下)

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    上下巻とも、一気に読破できるストーリー展開。白骨化した死体と痴呆症老人の殺人の因果関係とは。メインストーリーとは別に、ニセ警官、警察内女性人間関係模様も、ここに来てひとつの読み物。音道の私生活面も。まだまだ続いて欲しいシリーズ。

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    2017年01月08日
  • 女刑事音道貴子 嗤う闇

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    女刑事音道貴子シリーズ。
    長編の音道貴子作品も読み応えがあるが、短編もなかなかに良い。全4編の短編集。
    時の経過とともに、音道刑事の勤務先も職位も変わり、コンビを組む仲間も、そのキャラクターたちも多種に拡がる。そして、かつてコンビを組んだ中年オヤジも登場。今回の舞台は、音道が子供の頃から過ごした隅田川は下町界隈。

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    2016年12月27日
  • 女刑事音道貴子 未練

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    6つの短編集からなる本書。
    未解決のままで終わる、続く(?)事件や、些細な酔っ払い事件もあり、凄惨な事件もあり、諸々。
    章末の解説にもある通り、サスペンス・推理小説の短編ということだけを狙ったわけではない作者の意図を、ここまで連作を読んできて感じる。
    しかし、「聖夜まで」は衝撃的なストーリーだった・・・。

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    2016年12月12日
  • すずの爪あと―乃南アサ短編傑作選―

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    乃南アサさん「すずの爪あと」(2016.9)、短編傑作11話が収録されています。短編だけど読み応えがあります。さすが乃南さん。揺れる男と女の心理、なぜか幸せに着地できないすれ違い、そしていつも死の影が隣り合わせになっています。大地震で家族と別れてしまった雄猫のすずが、10年の放浪の末に再び家族に会えた「すずの爪あと」は思わず手を叩いてしまいましたw。学生時代の恋人と20年ぶりにメールで交信、癌に侵された男性の優しさを描いた「Eメール」秀逸です!「氷雨心中」は以前も読んでましたが、2度目に読んでも怖ろしい世界です。匂いを感じない男性と匂いに超過敏な女性の辿る道はどうなるのでしょうか「向日葵」です

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    2016年11月19日
  • ライン

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    当時はネットによる犯罪小説は珍しかった気がする。
    チャット内での人間関係が交差していくのが面白かった。

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    2016年10月08日
  • すずの爪あと―乃南アサ短編傑作選―

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    乃南アサの第三弾短編集。表題の「すずの爪あと」は捨てネコが主人公。それ以外の短編は、人間が主人公。どこにでもいそうな、しかし問題を抱えた人たちが主人公。どの短編も、ラストに驚かされたり、ゾッとするような結末!?

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    2016年10月02日