乃南アサのレビュー一覧

  • 涙(上)

    Posted by ブクログ

    年末に近いある日、突然、嫁いだ娘が実家にふらっと帰ってくる。そして、夫の浮気で離婚し、実家に舞い戻る。この出来事がきっかけで、母親がまだ若かりし頃に遭遇した出来事にフラッシュバックされいく。時は、昭和39年、あの東京オリンピックで日本獣が沸き立っていた頃へと。
    ストーリーのなかに時折散りばめられる日本の出来事が、当時の時代背景を想起させる。

    0
    2017年06月11日
  • 晩鐘〈中〉 新装版

    Posted by ブクログ

    真裕子の実家では、父は子連れの女性と再婚。その義母となる女性と父との間には、真裕子にとっては年の離れた妹がやどる。長姉は、すでに結婚し、2人目の子供が同じくお腹にやどった。一方、真裕子はといえば、母の殺害から立ち直れず、母が殺害された当時の父や長姉を許せず、しかし淋しさを埋めるだけの生活に身をやつしている。
    他方、殺人者の子供の大輔は、長崎を離れ、叔母と称する実母と東京で暮らし始めた。

    0
    2017年06月10日
  • いちばん長い夜に

    Posted by ブクログ

    あやかと、はこの付き合いが微妙に変わって行く様が切ない
    一度犯してしまった罪の重さ、その本当の重さは、あやかのように未曾有の出来事が自分の身にふりかからないと気づかないものなのだろうか。あやかが、決して人を殺してはいけない、逃げればよかったという言葉・・現実にあやかの様な状況にいる人はどう受け止めるのだろうか。罪をとりあげた小説は数あるが、リアルに感じた一冊

    0
    2017年06月06日
  • 晩鐘〈上〉 新装版

    Posted by ブクログ

    『風紋』から7年が経過。加害者家族、被害者家族、事件報道の新聞記者にも同様に7年の月日が経ち、身辺それなりに変化している。そうした中で、中学生男子が撲殺される事件が起こる。この事件がきっかけで、何かが動き出す。

    0
    2017年06月06日
  • 風紋 下 新装版

    Posted by ブクログ

    知能犯の容疑者、妻も弁護士も、そして検察官も警察官も翻弄される。三回忌を迎え、加害者妻と被害者の娘との遭遇と話した場面が、何とも虚しいが、『晩鐘』への予兆か?

    0
    2017年06月04日
  • 風紋 上 新装版

    Posted by ブクログ

    普通の家庭、浪人生を抱える家庭、女子高校生、不倫、被害者家族と親類縁者、加害者家族と子ども・親類縁者、そしてマスコミ。それぞれの事情や状況、心境が描写。そのため、ゆっくりとじっくり話は進む。

    0
    2017年06月02日
  • 結婚詐欺師(下)

    Posted by ブクログ

    担当刑事の元恋人もターゲットに。ここでも、元恋人だった男女の心情の違いの描かれ方も興味深い。
    上下巻の2冊通して、一気に読めてしまう。

    0
    2017年05月08日
  • 結婚詐欺師(上)

    Posted by ブクログ

    季節や場面の描写はもとより、心揺れ動く様子、詐欺師の巧みな言葉の選び方なども、素晴らしい。
    引き込まれ、一気に上巻完読。

    0
    2017年05月08日
  • 岬にて―乃南アサ短編傑作選―

    Posted by ブクログ

    14の短編が収録。しかし、すべてがミステリー作品ではない。ホッコリするものあり、旅ものあり、ゾッとするものあり、一編一編の雰囲気がガラッと変わり、ついつい次々と読み進んでしまう1冊。
    長編とはまた違った魅力を感じる乃南アサ短編。

    0
    2017年02月07日
  • 地のはてから(上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    アイヌ語でシリエトク。「地の果て」知床にやってきた作四郎、つね、直人、とわの一家。大正時代、北海道開拓が政府によって奨励された。農家の次男坊、三男坊が自分の土地を求め、親戚に見送られて希望と金を持ってやって来るものも居たが、作四郎一家のように、借金から逃れるため夜逃げしてきたり、犯罪に手を染めたものも少なくなかったという。
    福島から数日かけて、ようやくイワウベツの入植地にたどりつく。森林の大木を伐採してひらき、一家は屋根と四本の柱を板で囲い、むしろを下げただけの家で、互いの体温であたため合って氷点下三〇度にもなる冬を越えなければならなかった。しかし、ほんとうの試練はこれからだった。

    つくづく

    0
    2018年07月29日
  • 女刑事音道貴子 風の墓碑銘(下)

    Posted by ブクログ

    上下巻とも、一気に読破できるストーリー展開。白骨化した死体と痴呆症老人の殺人の因果関係とは。メインストーリーとは別に、ニセ警官、警察内女性人間関係模様も、ここに来てひとつの読み物。音道の私生活面も。まだまだ続いて欲しいシリーズ。

    0
    2017年01月08日
  • 女刑事音道貴子 嗤う闇

    Posted by ブクログ

    女刑事音道貴子シリーズ。
    長編の音道貴子作品も読み応えがあるが、短編もなかなかに良い。全4編の短編集。
    時の経過とともに、音道刑事の勤務先も職位も変わり、コンビを組む仲間も、そのキャラクターたちも多種に拡がる。そして、かつてコンビを組んだ中年オヤジも登場。今回の舞台は、音道が子供の頃から過ごした隅田川は下町界隈。

    0
    2016年12月27日
  • 女刑事音道貴子 未練

    Posted by ブクログ

    6つの短編集からなる本書。
    未解決のままで終わる、続く(?)事件や、些細な酔っ払い事件もあり、凄惨な事件もあり、諸々。
    章末の解説にもある通り、サスペンス・推理小説の短編ということだけを狙ったわけではない作者の意図を、ここまで連作を読んできて感じる。
    しかし、「聖夜まで」は衝撃的なストーリーだった・・・。

    0
    2016年12月12日
  • すずの爪あと―乃南アサ短編傑作選―

    Posted by ブクログ

    乃南アサさん「すずの爪あと」(2016.9)、短編傑作11話が収録されています。短編だけど読み応えがあります。さすが乃南さん。揺れる男と女の心理、なぜか幸せに着地できないすれ違い、そしていつも死の影が隣り合わせになっています。大地震で家族と別れてしまった雄猫のすずが、10年の放浪の末に再び家族に会えた「すずの爪あと」は思わず手を叩いてしまいましたw。学生時代の恋人と20年ぶりにメールで交信、癌に侵された男性の優しさを描いた「Eメール」秀逸です!「氷雨心中」は以前も読んでましたが、2度目に読んでも怖ろしい世界です。匂いを感じない男性と匂いに超過敏な女性の辿る道はどうなるのでしょうか「向日葵」です

    0
    2016年11月19日
  • ライン

    Posted by ブクログ

    当時はネットによる犯罪小説は珍しかった気がする。
    チャット内での人間関係が交差していくのが面白かった。

    0
    2016年10月08日
  • すずの爪あと―乃南アサ短編傑作選―

    Posted by ブクログ

    乃南アサの第三弾短編集。表題の「すずの爪あと」は捨てネコが主人公。それ以外の短編は、人間が主人公。どこにでもいそうな、しかし問題を抱えた人たちが主人公。どの短編も、ラストに驚かされたり、ゾッとするような結末!?

    0
    2016年10月02日
  • すれ違う背中を

    Posted by ブクログ

    「マエ持ち女二人組」シリーズ第2作

    ホストに入れあげたあげく昏睡強盗に走った芭子
    夫の暴力に耐えかねて殺人を犯した綾香

    刑務所で出会ったふたりが、下町でひっそりと
    生きてゆくお話し

    前作より光が見えてきた感じ。
    芭子も天職がみつかったし、綾香はパン職人への道へと努力し続けているし。
    着実に前へ進み始めたふたりのこの先は・・・

    次作も楽しみ

    0
    2016年09月10日
  • 涙(下)

    Posted by ブクログ

     年の瀬、萄子(とうこ)の家に、結婚して家を出た娘の真希がひょっこり帰って来ます。軽い調子で話していますが、夫に浮気され、実は相当傷ついているようです。結局、真希は3ヶ月後に離婚しますが、友達に誘われていった沖縄から、立ち直りを示唆する明るい便りが届き、萄子はほっとします。
     ただ、安堵する一方で、萄子は昔のことを思い出してしまいます。人との別れ、沖縄、これらは萄子には、できれば封印しておきたい凄絶な経験と結びついていました。

     「ごめん、もう、会えない」

     東京オリンピックの前日、婚約者であり、刑事の奥田勝は電話でそう告げて失踪。その後、奥田の先輩刑事の娘が惨殺死体で発見されます。萄子は

    0
    2016年08月19日
  • いちばん長い夜に

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    震災のことが書かれていることは事前にネタバレしていたが、ここまでリアルとは思わなかった。
    それは、作者自身が2011年の3月11日、取材のために仙台に足を運んでいたことからくるもので、あそこで芭子が経験したことは、ほぼ作者の体験談だという。
    あの日、東京で地震に遭った自分ですらそれなりには大変な目に遭い、辛い思いや多少のトラウマもあったが、仙台で被災して、でも向こうに生活の拠点があるわけではない作者と、そして芭子はどれほどのものを抱えているのだろうか。
    あの地震が、全ての人々の人生を大きく変えてしまったと書かれていたが、人生だけではなく、この小説の結末さえもあの地震が変えてしまったような気がし

    0
    2016年07月02日
  • いちばん長い夜に

    Posted by ブクログ

    前作とは雰囲気が打って変わって、今まで通りだと思って読んでいたらびっくり。かなり衝撃のラスト。
    やっぱりわたしは、ふたりにはずっとこの距離感を保って、お互いに足りないところを補い合って生きていってほしかった。けど、今までもチラホラと芭子の綾香に対する意識と、綾香の芭子に対する意識の違いっていうものが見え隠れしてきたし、その違いがついにここまで来てしまったのも不思議じゃない。このラストを迎えるための伏線はあったんだよなあ。
    芭子が東日本大震災を被災するシーンが生々しく、被災経験のないわたしが言うのもおかしいが、なんというか本物の、3.11の空気感があったように思えた。目の前で起きてるのになんだか

    0
    2016年04月29日