乃南アサのレビュー一覧
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警視庁刑事部捜査共助課に勤務する2人の女性を軸に指名手配犯を捜査する逮捕劇。
「見当たり捜査班」で4人1組のチームで動く、川東小桃。
けっして派手さはないのだが、「目元」だけで動く人の中からひとりを見つけるのは容易ではなく、集中力が必要。
見当てたときのゾクゾク感、快感なのか武者震いなのか身体中の血液がすごいスピードで巡る感覚は、たまらないんだろう。
待つ、ひたすら待つ、、、
頭の中でスーパーの鮮魚コーナーで流れている
サカナ サカナ サカナ
サカナを食べると〜
読みながら思わず口にしてしまう…
「広域捜査共助係」でペアを組み動くのは佐宗燈。
粘り強く地道な捜査で、気づかれることなく張 -
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ネタバレ全体を通して、四季がテーマの短編集でした。
こういう何かテーマに沿って書かれている小説というのが好きで、発想が面白いなーと楽しませて頂きました。
「はなの便り」
後ろのあらすじを読んでネタバレを食らってしまい、あまり楽しめなかったのが残念でした。
「はびこる思い出」
何が隠されているのかワクワクしながら読めました。強かな主人公だな…と感心しました。
「ハイビスカスの森」
ホラーチックだけど、ほっこりハッピーエンドで良かったです。
幼い頃の記憶って、印象深いところだけ残ってたり改竄されてたりしますよね。
ちゃんと真実を確かめて、トラウマ解消できて良かったです。
「水虎」
最後ゾワッとしま -
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何年かぶりに乃南アサ作品を読みました。私の中で印象に残っている本は、「凍える牙」「しゃぼん玉」「いつか陽のあたる場所で」かな。シリアス系もほんわか系もどちらも面白いですね。
相撲好きが有名です(もちろん観戦が)が蔵前国技館にも足を運んでいたようです。
「雫の街」は女性家庭調査官の庵原かのんから見た人間模様の短編集です。記憶喪失、離婚、親権、不倫、相続他、様々な問題と向き合いながら、人間の悪いところと良いところのバランスをとっていく仕事なのかな。私だとちょっとメンタルをやられてしまいそうな大変な仕事ですね。
今も平和的解決のために実際に調査官として働いている方々に心からエールを送ります! -
Posted by ブクログ
音道貴子シリーズ以来、しばらくぶりでの乃南アサさん小説。
これもシリーズということですが、警察に捕まってしまったほうが主人公の二人とは、意表を突かれます。ひとりは殺人、他は昏睡泥棒の罪!!しかも刑期を全うして社会復帰中という設定。逮捕歴を他人に秘して、谷中という古き良き時代の下町風情での生活。
ぶっちゃけ更生生活…。どうなることか、でも、そんな緊張感ある日々をさらりとまじめかつ、哀愁をこめ、ユーモアぶくみによく描けていますので、二人に感情移入バリバリです。乃南アサさん、ほんとうまいですね。
シリーズ2~3が楽しみに。こういう時、遅れて読むのは利点があります。すぐ続きを読めますから。 -
購入済み
さらっと読めました
乃南さんの新作に久しぶりに手が伸びました。
あらすじを読んでみて、内容が重そうではなかったので。
昔、音道貴子シリーズを読んで女性警察官ものに共感するようになりました。他の作家さんの女性刑事ものもいろいろ読んできました。しかしこのごろは、昭和から平成にかけての女警の覚悟みたいなものの重さに、読むのにも覚悟がいるようになってしまっていました。
でも、この作品はそうでもないらしいと読んでみました。その通りで、さらに令和のこの時代の夫婦の姿が見えてきて、興味深いものがありました。自分と似たような年取った親を抱えた夫婦、子どもたちと同じ年頃の若い夫婦、刑事ものと夫婦ものの二本立てがうまく織りな -
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『家裁調査官・庵原かのん』シリーズ第2弾。
前作でのかのんの勤務地は福岡家裁・北九州支部。
そこでは少年事件を担当していた。
シリーズ第2弾では家事事件を担当することに。
本の帯には
魑魅魍魎渦巻く人間ドラマ
嘘と誤魔化しの連鎖、調停室に響く怒号、やがてこぼれ出る「家庭の秘密」
と書かれているが
なんともはや…、ドロッドロやん!
だけど…、かのんはただひたすら『聴く』姿勢を崩すことなく
ドロドロの人間関係の中から
一筋の光をみつけ、よりよき道を切り開く努力を惜しまない。
それはもう〈忍〉の連続。
シリーズ第1弾よりさらに濃い内容に
うるっときたり、それはしんどいわぁ~と思ったり。
第3弾