乃南アサのレビュー一覧
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乃南アサさん著『鎖(上)』の概要と感想です。音道貴子シリーズ文庫本3作目は上下巻という長編。
概要です。
音道貴子は、かつてないほどの怒りを感じていた。占い師を名乗っていた夫婦と信者らしき夫婦の四人が殺害された事件を機に組んだ相方は、一作目の滝沢と比べようもない程に音道貴子を困らせ、挙げ句に鎖の道へ追いやった。果たして音道貴子は無事に鎖を解かれる道を歩めるのだろうか。
感想です。
音道貴子シリーズは警察社会の格差に留まらず、年齢、性別、身なりや生い立ちなど、あらゆる観点で日常的に人々が抱いてしまう差別的な意識を事件という媒体で強調している作品だと改めて感じました。
という冷静なレビューで一旦は区切りまして、
☆野、舐めてんのかぁ、ごらぁ〜〜!!
この✕✕野郎が、◯◯湾に沈めてやろうかぁ?!
下巻で貴子に何かあったら△△したるけ、覚悟しときよ!!(怒)
こほんっ、下巻の感想もお楽しみに^_^ -
Posted by ブクログ
ネタバレ乃南アサだからなあ。
ハッピーエンドでもバッドエンドでもいけるんだよなあ。
どっちに落とすつもりなのだろう。
三浪して五流大学にやっと入ったものの、そこに居場所はなく、かといって家族はとうの昔に崩壊していて、することもしたいこともない伊豆見翔人は、行き当たりばったりにひったくりやコンビニ強盗をしながら西へ西へと流れていった。
ヒッチハイクしたトラックで運転手を脅しもっと遠くまで乗せてもらおうとしたが、つい居眠りをしてしまい、見知らぬ山道に落とされてしまう。
そこで、怪我をした老婆と出会い、金か物を奪おうと助けたことから翔人の運命が変わる。
父親からは物理的に、母親からは言葉の暴力を浴びせられて育った翔人は、自己肯定感など皆無に等しく、刹那的で利己的で、要は最悪の若者として作品に登場する。
しかし、下心ありとはいえ助けることになった老婆・スマの、ちんまりとした体からは信じがたいくらいのタフな暮らしぶりが愉快。
そこで翔人は、スマばあちゃんの孫と間違われ、世話を焼かれたり仕事を手伝わされたりしながら10日ほどを過ごす。
久しぶりに食べる、ちゃんと食器を使って食べる食事。
初めてかけられる「ぼうは、いいこ」という言葉。
山仕事に連れまわすシゲ爺もまた、仕事に容赦はないが、慣れぬことに悪戦苦闘する翔人を温かく見守ってくれる。
本当に強い人と言うのは、どういう人なのか、道を踏み外してもやり直すためにはどうすればいいのか。
翔人の疑問に、自分の経験と言葉で答えてくれる。
今まで翔人のまわりにはいなかった、こうなりたいと思えるおとな。
スマばあちゃんにも秘密は、あった。
弱い部分もあった。
それを知った日、翔人はスマばあちゃんにすべてを話す。
「――死なねえで、いてくれねえかな。あの――俺が、戻ってくるまで(中略)俺――婆ちゃんの飯、また食いたいんだからさ。絶対」
ここで涙腺崩壊。
「死なねえで」と言われても、婆ちゃんもう90歳だからな。
なんならシゲ爺だって70歳過ぎだ。
それでも、もうしゃぼん玉のような、ふらふらと中身のない人生は嫌だ、と翔人は自分で決心した一歩を踏み出す。
よい小説を読みました。 -
Posted by ブクログ
音道貴子と滝沢保のコンビが捜査活動を行い、最終的に検挙に至る物語だが、男社会の刑事組織の中で葛藤する貴子の感情的な様子が巧みに描写されており、非常に楽しめた.原照夫が「発火ベルト」で焼け死に、堀川一樹、吉井知永子、水谷拓が喉を食いちぎられて死ぬという事件が起こり、それぞれの事件の関連性を捜査する過程で、オオカミ犬が登場する.知能の優れたこの犬を訓練していた人物を洗い出したが、大火傷に瀕死の状態.貴子らの努力で高木から動機を聞き出し、次の殺害者を守るべく貴子がオオカミ犬を追跡.手に汗握る迫力ある場面が面白かった.娘の復讐を企てた高木の執念は結果的に殺人を引き起こすことになったが、親として理解できないものではないと感じた.貴子のプライベートな動きも適宜出てくる構成が秀逸だ.
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ネタバレ全体を通して、四季がテーマの短編集でした。
こういう何かテーマに沿って書かれている小説というのが好きで、発想が面白いなーと楽しませて頂きました。
「はなの便り」
後ろのあらすじを読んでネタバレを食らってしまい、あまり楽しめなかったのが残念でした。
「はびこる思い出」
何が隠されているのかワクワクしながら読めました。強かな主人公だな…と感心しました。
「ハイビスカスの森」
ホラーチックだけど、ほっこりハッピーエンドで良かったです。
幼い頃の記憶って、印象深いところだけ残ってたり改竄されてたりしますよね。
ちゃんと真実を確かめて、トラウマ解消できて良かったです。
「水虎」
最後ゾワッとしました。
痛い目見ても全然懲りてない友人、怖すぎます。
「秋旱」
この短編集の中で一番好きでした。
想いが急激に冷めるときの描写が上手くて、思わず実体験と重ねてしまいました。
しかも、衝撃のラスト。
「悪魔の羽根」
私も冬が一番苦手なので、ちょっと気持ちわかります。
冬季うつ病なのかな?とも思いました。
旦那さんが「ゴロゴロしてばっかり」などと批判的なのはどうなのかな?もっと心配してあげて〜!と思いました。
「指定席」
火事の原因おまえかー!!と衝撃でした。
とても扱いにくくて面倒臭い人だな、と思いました。 -
Posted by ブクログ
音道貴子シリーズ以来、しばらくぶりでの乃南アサさん小説。
これもシリーズということですが、警察に捕まってしまったほうが主人公の二人とは、意表を突かれます。ひとりは殺人、他は昏睡泥棒の罪!!しかも刑期を全うして社会復帰中という設定。逮捕歴を他人に秘して、谷中という古き良き時代の下町風情での生活。
ぶっちゃけ更生生活…。どうなることか、でも、そんな緊張感ある日々をさらりとまじめかつ、哀愁をこめ、ユーモアぶくみによく描けていますので、二人に感情移入バリバリです。乃南アサさん、ほんとうまいですね。
シリーズ2~3が楽しみに。こういう時、遅れて読むのは利点があります。すぐ続きを読めますから。 -
Posted by ブクログ
「六月の雪』という題名
南の国「台湾」で、降るはずのない「六月」に、目にすることのできない「雪」
それだけで、ドラマが鳴り響く。
主人公の成長物語に、あまり教育の場に出てこない「昭和における日本とアジア」のこと。
太平洋戦争が終わるまで「日本」であった地域「台湾」
最近話題になった、同時期の朝鮮半島を描いた『パチンコ』とこの本を比べてしまうと、日本人作者のせいか、どことなく日本人の身勝手な“甘さ”が、目についてしまう。
ひとつ、間違えてはいけないこと。
中国にも、韓国にも、ロシアにも、マレーシア、インドネシアにも、親日家がいて、嫌日家がいる。
そしてどちらでもない「無関心」が、本当は大多数であること。
物語はとても面白い。
甘っちょろい成長物語ではなく、同時期の女性たちの生き様が強烈にぶつかってきて、旅先の味わいだけでなく、後味にピリッと何か残る物語でした。