乃南アサのレビュー一覧
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ふと友達の話だったかな。
と、思ってしまいそうになるほどに身近に感じるこの2人。あれ?昨日電話で話たんだっけ?とか、あーあそこに住んでるはこちゃんね。
と、つい近所の人の話のような気分にさせられるほどに、何とも言えずやたら身近なんだ。この2人。
どうしてなんだろう。
小説として楽しむんじゃなくて、久々に会った友達の近況を聞いてるような、いやいやそうじゃなくて、股聞きなんだけどやたらよく知ってる人ーみたいな感じ?
昨日もすれ違ったんだけど元気なかったなーとか。
ホントそのくらいに身近に感じてしまう。この筆者。どうしてかな。なんでかな。不思議なんだ。まるで近所の出来事くらい視点が一緒にな -
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面白い。
ハコ29歳と、綾香41歳。刑務所からでてからの2人の暮らし。
後ろ暗い過去がある2人が刑務所で知り合いその後を懸命に生きていく2人。
暖かいような冷たいような近所や世間にもまれつつ、なんとか普通の生活に戻ろうとする中で、刑務所の生活を思い出したり、やっぱりわたしは幸せになんてなれないと思ったり。
家族との葛藤だったり、隣近所に知られまいとするのに必死だったり、仕方なかった犯罪だったのかもしれないし、誰でも起こしうる犯罪だったんだけど、捕まってしまった2人のその後。
性格も正反対で持ちつ持たれつの2人の生活がよんでいて、まるで私もその仲間に入れたような、隣の家の人を覗き見るよ -
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戦後の女性たちを描いた小説。
実際にあったとされる、進駐軍に向けた特殊慰安施設で働かざるをえなかった女性たち。
他に働く当てもなく、食べていく、生きていくためには仕方なかった。
そんな慰安施設での通訳の仕事を紹介してもらった鈴子の母は、英語が話せたことが幸いした。
ただ、そんな母を鈴子は受け入れられなくなる。
14才の鈴子にとって、戦争に負けたからといってアメリカ人と仲良くしたり、愛想を振り撒く母を信じられなくなる。
鈴子にとっては、自分たちの家族や友達を殺した憎き敵でしかない。
そんな鈴子の気持ちも、生きていくために娘を守るために強くならざるをえなかった母の気持ちもわかるだけに、辛くなる。
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14歳の夏に終戦を迎えた。
父親を事故で亡くし、長兄は戦死。
姉は嫁ぎ先の空襲で亡くなり、出征した次兄は帰らない。
空襲から逃げる中で妹は行方知れずになった。
母親と二人だけになった二宮鈴子。
戦時中に教えられてきた価値観が180度変わる渦の中で、
日本の防波堤となった数千人の女性たち。
「新日本女性に告ぐ。戦後処理の国家的緊急施設の一端として、
進駐軍慰安の大事業に参加する新日本女性の率先協力を求む」
RAA(特殊慰安施設協会)を設立して、敗戦国の日本は、
進駐軍兵士からの性の防波堤として女たちを差し出すことを決めた。
勝手に無理な戦争を始めて、そして負けた男たち。
今度は、女たちの戦いが -
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犯人の潜伏先(音道の監禁先)特定から事件解決までを描く下巻。
タイトル「鎖」には、音道刑事自身が鎖に繋がれて監禁されていたという意味合いがまず読み取れる。しかし、それとは別に、本作では人と人との切っても切れない関係というか、相互依存の関係というか、そのような人間模様が浮き彫りになって描かれているので、その有様がまるで鎖に繋がれているようと思わせる構成になっていると感じる。
人は誰かに必要とされることで存在価値を認めることができ、生きる希望を見出すことができるということがよくわかる作品である。警察ミステリーではあるが、ミステリー要素よりも、そういった人間模様を如実に表現している印象が強く残 -
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女刑事音道貴子シリーズ第3弾。「凍える牙」で音道の相棒として活躍した滝沢刑事も登場する、上下巻合わせて800ページを超えるシリーズ最大長編。
担当部署は全く異なるのだが、今回は捜査中に音道自身が拉致されるという事件が発生。その結果、滝沢刑事も事件に加わるという設定。
刑事事件が起きた場合、1組2人で捜査陣は組まれるが、その相方次第で捜査の良し悪しは大きく変わるということがよく分かる。事件解決を優先すべきなのだが、やはり手柄を得て出世するということも組織の中では大切な要素になる。そのためには全ての情報を公開することも憚られる。そこの狭間で揺れる刑事の思いも描かれており、そこも本作の見どころ