乃南アサのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一つの家族のサスペンス。
東京・小金井の大家族の志藤家に嫁いだ法子。
夫である和人をはじめ、父・武雄、母・公恵、知的障害の弟・健治、妹・綾乃、祖父・松造、祖母・ふみ江、そして98歳になる曾祖母・エイの9人家族の一員となる。
法子は手厚いほど歓待され、順調に新婚生活が2ヶ月が過ぎた頃、志藤家の借家に住む本庄屋家が心中してしまう。
身寄りのなかった本庄屋にかわって、葬儀を取り仕切る志藤家であったが、深夜に法子以外の家族が密談の場に遭遇し、家族が事件に関わっているかもしれないと疑心暗鬼になる。
濃密な接触をする弟妹、不気味な曾祖母、花壇に生える怪しい植物・・・
徐々に狂気な家族に飲み込まれていく法子の運命は?
家族という形をこんなにミステリアス、グロテスクに描けるのは流石乃南アサ!という感じ。
一気読みでした。 -
Posted by ブクログ
R様オススメ本。乃南さんのブラックな短編集。
とにかく最後がうわあと暗澹とした感じのする話が多い。というかそういう話を集めた本か?
読み始めながら、もしかしたらそうかな?と読めてしまうあたりも多かったけど、それにも増して文章が面白いので読み進めてしまう。
愛情弁当などは、クール便を見つけた瞬間にそうだろうと思ってしまったけど、心の内はとうなんだろうとかいろいろ考えてしまって、ページを捲らずにはいられなかった。
留守番電話も、そんなことしてると危ないよと思いながら読み進め、最後はああああ~思った通りだよと思いつつ面白く読んいるという、やっぱり乃南さんすごいなと思わせる本でした。
しかし、この次はちょっと幸せそうな本を読みたいかな。 -
Posted by ブクログ
ジワジワとくる。途中から止まらなくなり一気に読んだ。
読者に謎解きさせる推理小説ではなく、大きな感動を与えるわけでもない。でも、人の顔をしっかり描き、いたずらに感動エピソードを詰め込まない、最後まで安定感のある小説だった。
今までの音道貴子シリーズは、この長編小説のフィナーレを盛り上るための前座であり、その前座でさえもクオリティーが高かった。待ちに待った貴子と滝沢のコンビは、息はあっても仲は良くならない。最後の最後に恋人と再会するが、感動のシーンはない。こんなに盛り上げておいて、なんともあっさりと現実的に事が片付いていく。読者は全部を知り得ない。だから余計にできることなら知りたいと思う。もう少しだけ書いて欲しいと切実に願う。 -
Posted by ブクログ
面白かった!途中から感情が溢れてくるのが止められなかった。感動と爽快感。
加恵子の肉親の反応がとても現実的で、それ以上の情報がないところが自然で良かった。そこで無理矢理に感動的なクライマックスに持ち込むことができたが、読者に情報を与えすぎないところが現実的で安定感がある。また、星野への報復も意外とあっさりしていて、その後の星野や加恵子と肉親、加恵子の判決、井川が息子に言いたかった事など、どうなったのかもっと知りたいと思ってしまうところが、著者乃南アサの凄さだろう。
貴子は毎回、困難と悲しみと苦しみに立ち向き、つい重く暗くなりそうなストーリーなのだが、そこには必ず小さな希望や幸せや喜びが探せばある。それはわたしたちの日常がどんなに満足のいかないものでも、探せばそこには小さな幸せがあるものなのだろうと思わせてくれる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ*「あいつから逃げなきゃ!」執拗に追ってくる男の影に脅えつつ、逃亡を続ける花屋の店員、三田村夏季。同じ頃、神奈川県下では不可解な連続女性殺人事件が起こり、刑事部長・小田垣の苦悩の日々が始まった…。追う者と追われる者の心理が複雑に絡み合い、やがて衝撃のクライマックスへ。傑作長篇ミステリー*
十ン年ぶりの再読。いやー、今読んでもその巧妙で緻密なストーリー展開には脱帽です。あれこれと想像を巡らせながら読み進めると、一層楽しめます。
ただ、改めて読むと、それまでは丁寧かつ周到な運びだったわりに、運を天に任せたような夏希の罠はやや雑な気が…初読時は、その劇的な展開に胸を躍らせたものですが。エピローグの、少々浮足立った二人のやり取りもなんだか…
とは言え、ラストの≪ニュース≫で一気に締める手法はさすが。