乃南アサのレビュー一覧
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内容(「BOOK」データベースより)
白骨死体、今川老人殺害事件、父娘惨殺事件。これらの事件に関連はあるのか。音道の立てたある仮説は、深く重く沈殿しつつあった捜査を大きく動かした。一方、刑事を騙る男が捜査を撹乱する。目的は何なのか。誰が情報を漏洩しているのか。深まる謎と謎が交錯し、溶け合っていく―。...続きを読むPosted by ブクログ -
力強い物語。
舞台は、北海道知床。大正から昭和にかけての、開拓者の家の娘、とわの物語。とわ自身の意志で入植したわけでもなく、足を前に進ませる明るい夢があるわけでもなく、それでも流されるだけではない。懸命に生活を営む物語はたくましく、力強い。
NHKの朝ドラに刺激されて、久しぶりに再読。Posted by ブクログ -
戦争が終わった終戦の日からの日々を14歳の鈴子の目線で描いた戦後の物語。
読み応えがあった。知らなかったことがたくさんあった。戦争中の悲惨な話は見聞きすることがあったけど、戦後の混乱期にこんなことがあったとは。
もちろん戦時中の鈴子の体験は凄まじく、戦争で母と二人生き残るも焼け野原となった東京同様に...続きを読むPosted by ブクログ -
ヴァンサンカン(25歳)までに。
心情描写がリアルなところが面白くて、ドロドロしていたけど読み進めてしまった。
翠は性格悪いな〜と思いつつも、読み進めていくとその背景には育った家庭環境での苦い経験があることが分かって同情した。恋愛の渦中にいる間はボロボロになっていても気付かないものだと痛感させられた...続きを読むPosted by ブクログ -
Rさまオススメ本の下巻。
ようやくちゃんと働くようになったかと思ったら、なぜそのような女に?と思うような女性に入れ込み。
果ては飲酒運転で事故とは。
もうほんと読んでて情けない、歯がゆい思いをさせられるのだけど、思いの外、芯は優しく人に対しても誠実な良い人間なのだと思う。だからなおさら歯がゆいのか。...続きを読むPosted by ブクログ -
タイトルにもなっている音道貴子とは、『凍える牙』以来、久しぶりの再会となる。滝沢とのコンビもどうやら健在のようである。
本編は上下巻に分割されているから、上巻だけでは事件の全貌はまだつかめない。むしろ滝沢と音道が、互いに相方をどう感じているのかという描写を楽しませてもらった。互いが相手を評する言葉は...続きを読むPosted by ブクログ -
6月-2。4.0点。
戦後直後。母以外の兄弟が死に、二人きりに。
英語の話せる母が、強く戦後を生き抜いていく。
主人公の娘は、翻弄されながら生きていく。
面白い。さすが乃南アサ。
強い女性と、その娘。後半、友との再開に感涙。
そこから一気読み。主人公の成長がとてもよく分かる。Posted by ブクログ -
1945/8/15終戦の日は水曜日。その日が14歳の誕生日の少女・鈴子の目線で、戦争末期から戦後の混乱期を乗り越える生き様を描く。内田百閒『東京焼盡』では兵隊にもとられず、山の手に住む老境の実体験を読んだが、東京市井の人々はもっと悲惨な体験をしただろう。思春期の女の子が抱く嫌悪感、真っ直ぐな正義感が...続きを読むPosted by ブクログ
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R様オススメ本。音道刑事シリーズの短編集。
なかなかにしんどい事件の数々に読みながら眉をひそめてしまうこともしばしば。
また、機捜ということもあって、事件解決まではいたらないという話も多く、もやもやして終わる話も多い。
それなのにすごく面白かったと思えるのは、音道さんの人間性みたいなもののおかげ?と...続きを読むPosted by ブクログ