乃南アサのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
何をやってもだめな主人公が下巻では故郷に帰ってやり直そうとします。でもやはりなんだか甘い、基本甘ったれで、どうにかなる、今ダメなだけといつも心に逃げ場所を作って、少しでも余裕ができるとすぐに前の苦しみを忘れてしまう。あーでもなんとなく自分の中にもある要素なんで、昔の自分も若干こんな感じあったかもしれないです。
基本的には真面目にやろうと思えば一所懸命なんだけど、少しつまずくとリセットしてゼロからやりたくなる感じなんでしょう。わかる、なんとなくわかる。
彼を追って北海道にくる前職の後輩の杏奈ちゃんが不細工で色黒で豆タンクなんですが健気でかわいいです。とても重要な役目で僕はこの子の行く末を見るため -
Posted by ブクログ
人口減少率全国一の本県は少子化もかなりの勢いで進んでいる。今日の新聞にも141年続いた郡部の小学校が閉校する、という記事が載っていた。
私が住んでいる街、以前は「鉄砲町」「笊町」「大工町」「四十軒堀町」など、土地柄を思い浮かばせる趣のある町名が付いていたが、数十年前に革新系市長が、大町何丁目だの、中通り何丁目だのという全国どこにでもある町名にかえてしまった。
行政は「趣」には関心がないようだ。
そうやって昔を偲ばせる事柄が減っていく。
台湾にはそれが残されているようだ。
著者は旅をしながら思いがけずに「心のふるさと」に触れているのだろうか。 -
Posted by ブクログ
駆け足で読み終わってしまったことを後悔している。歴史や人びとさまざまな方面から台湾を書いてあり、台湾のことをまだ深くわかっていない私のような人間にはちょうどいい台湾具合(?)。知っていることもあって勉強できるし、知らないこともでてきて興味深く最初から最後まで引き込まれるように読めた。
筆者には推理小説作家イメージがあり、エッセイのイメージがなかったのだが、違和感なくさらりと読めて私には読みやすい。また、どこが?と問われると難しいのだが本全体から女性的な優しい目線が感じられた。もう一度時間をかけて再読したい。
次回旅行のときにぜひ行ってみたいと思ったのは、筆者が推している台南の国立台湾歴史博物館 -
Posted by ブクログ
乃南アサが書く12話の犯罪短編に、法の専門家が解説を加えるという本。
ストーカー、安楽死、強姦致傷、DVなどなど、様々な犯罪について書かれています。
乃南アサのこわい所は、「本当にありそう」と思わせる能力。解説がついているので余計なのかもしれませんが、この人の書く人間は普通で怖い。
基本的には加害者目線の話が多かったのですが、DVを受けている妻が身代わりに娘を差し出して娘が殺された話では、最終的にざまあみろ的な気持に自分もさせられました。
感情移入が容易にできてしまう怖さがこの本にはあります。
ただ迷惑行為の判例なのかただの例なのか、「キャバクラに牛の臓物を持ち込んでテーブルで焼 -
Posted by ブクログ
同じ短編集でも、乃南アサさんのは濃厚。
読み応えがある。
これは、過去の作品から恋愛ミステリーを集めた短編集。
ほとんどの作品、読んでるはずなのに
「はなの便り」を読んで、初めて
あ!これ、読んだことある!!と気づく。
これは、特に印象に残ってた。
だって乃南アサさんだもの、いったい、この先に
何が起きるのか!!!
その結末のすごさったら。
だから「はなの便り」なのだ。
あとは、ほとんど覚えていなくて、あらたな印象で感動もらって読めたので
すごく良かった。
乃南アサ恋愛ミステリーは、視点が違うからね。
え~~~!!!そ、そこいくんだ!!!って感じ。