乃南アサのレビュー一覧

  • ニサッタ、ニサッタ(下)

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    何をやってもだめな主人公が下巻では故郷に帰ってやり直そうとします。でもやはりなんだか甘い、基本甘ったれで、どうにかなる、今ダメなだけといつも心に逃げ場所を作って、少しでも余裕ができるとすぐに前の苦しみを忘れてしまう。あーでもなんとなく自分の中にもある要素なんで、昔の自分も若干こんな感じあったかもしれないです。
    基本的には真面目にやろうと思えば一所懸命なんだけど、少しつまずくとリセットしてゼロからやりたくなる感じなんでしょう。わかる、なんとなくわかる。
    彼を追って北海道にくる前職の後輩の杏奈ちゃんが不細工で色黒で豆タンクなんですが健気でかわいいです。とても重要な役目で僕はこの子の行く末を見るため

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    2016年04月08日
  • 岬にて―乃南アサ短編傑作選―

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    表題作の「岬にて」。自分に置き換えて読む人は多々いるだろう。乃南作品、久々に読んだが、やはりうまい。

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    2016年04月05日
  • ニサッタ、ニサッタ(上)

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    いわゆる真面目系クズと言われる、コツコツ安定を望みながらも辛さからは逃げ、すぐ向いてい無いと転職を繰り返して次第に転落していく姿を見せつけられて、非常に身につまされて辛かったです。やはり人が転落していく話は辛くてなかなか読み進みません。ギャンブルで借金をして首が回らなくなるのですが、なんとかがんばって借金返し切るあたり、で頑張りを応援したくなってきました。次第に上向いて来ているのでだんだんと楽しくなってきました。下巻が楽しみです。

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    2016年04月04日
  • 岬にて―乃南アサ短編傑作選―

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    乃南アサさんの「岬にて」、2016.3発行、14の短編が収録されています。「岬にて」以外は、過去に刊行された短編だそうです。乃南さんお馴染みの旅もの、職人もの、家庭ものが乃南さんらしく静かに、楽しく、そして怖く、たまにハッピーエンドで進行しています(^-^) 私としては、家庭ものの「ママは何でも知っている」と「愛情弁当」が強烈にインパクトを受けた作品でした! 

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    2016年03月27日
  • 最後の花束―乃南アサ短編傑作選―

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    ゾクゾクゾク・・・久々の乃南アサ。
    女の妬み・情年を描かせたらやはり天下一品だ。様々な女性の「復讐」を見る。この短編集で唯一幕切れが明るいのは『ハイビスカスの森』か。あとの作品は怖い。

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    2016年03月09日
  • 美麗島紀行

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    人口減少率全国一の本県は少子化もかなりの勢いで進んでいる。今日の新聞にも141年続いた郡部の小学校が閉校する、という記事が載っていた。
    私が住んでいる街、以前は「鉄砲町」「笊町」「大工町」「四十軒堀町」など、土地柄を思い浮かばせる趣のある町名が付いていたが、数十年前に革新系市長が、大町何丁目だの、中通り何丁目だのという全国どこにでもある町名にかえてしまった。
    行政は「趣」には関心がないようだ。
    そうやって昔を偲ばせる事柄が減っていく。
    台湾にはそれが残されているようだ。
    著者は旅をしながら思いがけずに「心のふるさと」に触れているのだろうか。

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    2016年03月07日
  • ボクの町

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    交番で実務研修を受ける新人警察官、高木聖大が主人公。よくできた成長物語になっている。交番のおまわりさんの日常もよくわかる。ただ、主人公の高木聖大の性格はちょっとちょけすぎているのではないかとは思った(まあ、だからこそリアリティがあるのだが)。

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    2016年03月03日
  • ライン

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    ステイション。そこは実在の人間が楽しむ架空の世界。
    パソコン通信を介して起こる殺人事件。
    主人公の薫は幼なじみのまことに疑われてしまうが、真相は…
    電話料金が高額になるとか、時代を感じる作品。

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    2016年03月01日
  • 新装版 窓

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    普通科の高校に通う聴覚に障害のある麻里子。聞こえないことで感じる疎外感は想像することしかできない。何とか折り合いをつけて暮らしている少女にエールを送ろう。
    年を取って補聴器を付けてもあまり聞こえなさそうな父への想いも込めて。

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    2016年02月14日
  • 最後の花束―乃南アサ短編傑作選―

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    短編傑作集だったので、読んだことがあったものもありましたが、それでもやっぱりゾっとする結末揃いで楽しめました。
    集められた作品の流れから、だいたいの話の結末は予想がつくのですが、女性の恐ろしさがとてもうまく描かれていると思います。
    短編集なのに、もっと次の話も読みたい!と、結局一晩で一気に読んでしまいました。

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    2016年01月31日
  • 最後の花束―乃南アサ短編傑作選―

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    ネタバレ

    短編傑作集なのに濃い。普通の人とはなんと恐ろしいものかと繰り返し思わせといて、ホンワカする話を挟んでくる絶妙さ。楽しませていただきました。

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    2016年01月30日
  • 風紋 下 新装版

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    あらゆる立場から犯罪に関わってしまった人たちの物語。犯人もそうそうに逮捕され、遅々とした展開の上巻に比べダイナミックに読み進めることができた下巻。細かい心情描写は乃南アサの真髄。つらい思いをした人とそうでない傍観者において時間は平等に流れるのか、と疑問を沸かせる。

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    2016年01月29日
  • 女刑事音道貴子 風の墓碑銘(上)

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    乃南アサにハズレないな〜しみじみ面白い。主人公の恋話がいらん気がするけど。椅子職人がちらちら登場。滝沢刑事との息があってるようなあってないようなコンビ。事件は哀しく、犯人は無茶苦茶悪いやつだ。

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    2016年01月23日
  • 美麗島紀行

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    駆け足で読み終わってしまったことを後悔している。歴史や人びとさまざまな方面から台湾を書いてあり、台湾のことをまだ深くわかっていない私のような人間にはちょうどいい台湾具合(?)。知っていることもあって勉強できるし、知らないこともでてきて興味深く最初から最後まで引き込まれるように読めた。
    筆者には推理小説作家イメージがあり、エッセイのイメージがなかったのだが、違和感なくさらりと読めて私には読みやすい。また、どこが?と問われると難しいのだが本全体から女性的な優しい目線が感じられた。もう一度時間をかけて再読したい。
    次回旅行のときにぜひ行ってみたいと思ったのは、筆者が推している台南の国立台湾歴史博物館

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    2016年01月18日
  • 犯意

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    乃南アサが書く12話の犯罪短編に、法の専門家が解説を加えるという本。
    ストーカー、安楽死、強姦致傷、DVなどなど、様々な犯罪について書かれています。
    乃南アサのこわい所は、「本当にありそう」と思わせる能力。解説がついているので余計なのかもしれませんが、この人の書く人間は普通で怖い。

    基本的には加害者目線の話が多かったのですが、DVを受けている妻が身代わりに娘を差し出して娘が殺された話では、最終的にざまあみろ的な気持に自分もさせられました。
    感情移入が容易にできてしまう怖さがこの本にはあります。

    ただ迷惑行為の判例なのかただの例なのか、「キャバクラに牛の臓物を持ち込んでテーブルで焼

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    2015年12月11日
  • 最後の花束―乃南アサ短編傑作選―

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    同じ短編集でも、乃南アサさんのは濃厚。
    読み応えがある。
    これは、過去の作品から恋愛ミステリーを集めた短編集。
    ほとんどの作品、読んでるはずなのに
    「はなの便り」を読んで、初めて
    あ!これ、読んだことある!!と気づく。
    これは、特に印象に残ってた。
    だって乃南アサさんだもの、いったい、この先に
    何が起きるのか!!!
    その結末のすごさったら。
    だから「はなの便り」なのだ。

    あとは、ほとんど覚えていなくて、あらたな印象で感動もらって読めたので
    すごく良かった。

    乃南アサ恋愛ミステリーは、視点が違うからね。
    え~~~!!!そ、そこいくんだ!!!って感じ。

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    2015年12月10日
  • 最後の花束―乃南アサ短編傑作選―

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    読み終わりがゾクゾクするお話ばかりなので、ひとつだけホンワカするお話にも実は続きがあってホントはゾクゾクする事態が起きるんじゃないかと…… いえいえ素直にホッと息継ぎしときます。

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    2015年11月09日
  • 最後の花束―乃南アサ短編傑作選―

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    くらわんか / 祝辞 / 留守番電話 / 青空 / はなの便り / 薬缶 / 髪 / おし津提灯 / 枕香 / ハイビスカスの森 / 最後の花束

    「くわらんか」は文庫初収録、他の既読。
    今風に言えば、いやミス短編集。
    「祝辞」のラストが爽快、「髪」もなかなか凄い。
    面白かった。

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    2015年11月08日
  • 女刑事音道貴子 鎖(上)

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    ネタバレ

     「凍える牙」で音道貴子に愛着を持っていたので、最初からぐいぐい引き込まれました。
    死と隣り合わせの状態で拘束されているのが心配で、下巻が気になってたまりません。
    一気読みしてしまいそうです。

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    2015年11月07日
  • 晩鐘〈中〉 新装版

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    変わらず暗い世界が続くが、ほんの僅かだが変化のきざしも。それでもそれはかなり危なっかしいもの。そしてもしそれが壊れたら、より深い闇へ落ちていきそう。嫌な子どもは怖ろしさが増していく。

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    2015年10月18日