ヤマザキマリのレビュー一覧
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ネタバレ人間の負の側面、社会の負の側面に、きちんと目を向けられているのか。
これを知っている人と、知らないでいる人とでは、思考や選択のベクトルが全く変わってくるのではないかと思う。
ヤマザキさんの人間・社会を見る目は鋭いな、と思うがフィレンツェでの極貧期に安部公房に出会いどっぷりと浸かったことが、表層的なことだけでなくその裏にあることに思考を巡らせることに繋がったのではないかと思う。
現実を生きる力をくれる文学が好きだ。
私自身は青春期には安部公房には出会わなかったのだけれど、人間の弱さや社会の厳しさを突き付けてくる文学に出会い、自分を省みることができた。青春期の良き文学との出会いは大切だなと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレヤマザキマリさんのエッセイ。漫画「テルマエ・ロマエ」の作者。
「老い」と「死」について。死生観。
「老害」という言葉が示すように、歳をとることが悪であるかのように捉える日本人に、一石を投じる。
一石といっても、綿雪のような包み込む柔らかさで…
ヤマザキマリさんの人生をこの本ですこし知れたが、一般的な日本人とはかけ離れている。
シングルマザーの母はヴィオラ奏者。なにより音楽が最優先、エネルギッシュな人。子供時代のマリさん姉妹は知人や教会に預けられたりしていた。母とは親子の愛情はあるがつかず離れずの関係。
そして彼女は画家をめざしイタリア留学、現地で結婚し暮らして10数年。そのほか海外での暮らしも多く経験している。
イタリアでは親、祖父母、子どもという3世帯での同居は一般的。なので、祖父母の物忘れや好き勝手な言動も、お年寄りはそういうもんという諦観があるそう。
彼女は昆虫や動物が好きで、それらは生存競争に残ることはあっても、老いに争うことはしないという。
ただ生まれ、食べ、子孫を残し、死ぬ。
そのままを受け入れ、次の生へ繋ぐ。
日本人のもつ、死を「穢れ」とする感覚は彼女の中にはないという。
死は当たり前にやってきて、当たり前に受け入れる。
歳をとればできないことが多くなり忘れることが増えていく、それも受け入れて死ぬまで生きていく。
この本の最初一文にあるように、
「あたかもよくすごした1日が安らかな眠りを与えるように、
よく用いられた一生は、安らかな死を与える」
と、レオナルド・ダ・ヴィンチの言葉を引用している。
人生を自分で納得して生きてきた人には、死の時を迎えることができる、そんな意味にとれた。それをマリさんの母ショウコさんが実践されたのを見てきたからだろう。
穏やかに語られる話に心が動かされもするが、そんな簡単に人は変われない。
死は怖いし、老いも恐ろしい。
それでももう少し素直に受け止める心の余裕をもっていきたい、そう思えた。 -
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ネタバレ温泉街の芸者さんの娘で屈強な任侠精神と針や指圧のゴッドフィンガーを持つ祖父の元で育った才色兼備なヒロインが、晴れてルシウスと古代ローマで結ばれる最終巻。
お子ちゃまもできてハッピー・エンドでした。
古代ローマの入浴習慣と現代日本の温泉文化を比較するとうい新鮮な視点をマンガという老若男女がとっつきやすい形式で表現されたのが良かったと思います。
世界は広い。
我が家の面々も世界を見てみたいし、そのためには屈強なカラダと語学力が必要だと痛感いたしました。
そして比較するための日本の知識もね。
知識欲を刺激するためになるマンガでした。 -
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伊豆の伊東をモデルにした「伊藤」なる温泉街で長期滞在中のルシウス。才色兼備のヒロインまで出てきたけれど、以前とは違うテイストの展開が続きます。
これはこれで面白いのだけど、スピード感が「ぬるま湯」になったことは否めない。
ルシウスとヒロインが惹かれあう理由も「ラテン語が話せる奥ゆかしいゲイシャ美人だから」と「ずっと憧れていた古代ローマ人だから」の域を超える部分がなく、ちょっとユルいかな~。
まぁお風呂は熱すぎないお湯に休憩も挟んでゆるゆると浸るという楽しみ方もあるので、今までが江戸っ子の銭湯的楽しみ方だったのが地方の湯治場で長期滞在的な楽しみ方に変わったということですかね。
ちなみに我が家はカタツムリは食べたことがありませんが、ウツボのから揚げは高知で食べたことがあります。
エスカルゴ=カタツムリってわけではないよね?
エスカルゴなら食べたことがあるような気もしてきたけれど、カタツムリは古代ローマ人の食卓に上がっていた歴史を持つものなのですね。 -
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何やらこの巻から「大人の事情」が感じられる。
予定よりも連載を伸ばすためのエピソード(恋愛ネタ)が出てきて、話の進行が以前とか確実に違うテンポになっていました。
元々古代ローマ人と日本人のお風呂に対する情熱の共通項といった比較文化をコメディにした着眼点が面白いけれど、マンガとしての体裁にはやや稚拙さを感じる作品だったので、ムダな引き伸ばしは興ざめな感がありました。
むしろハドリアヌス帝など五賢帝時代のローマのお話を別の作品でもっとシリアスにやって欲しいところだったので、ルシウスと現代日本の芸者さんとの中途半端な恋愛話は蛇足だったと思います。 -
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ヤマザキマリさんが男性という異性に対して求めてしまうもの…
「力強さ」や「頼りがい」…みたいな答えでは当然ない(笑)
~一見、何の合理性も必然性もないことについて考え込んでおり、空気の読めない行動をとってしまう、それが実は男性の最も魅力的な姿なのではないか~
なるほど
何かに夢中になってしまう少年がそのまま大人になっちゃったね…のようなイメージだろうか
皆さんはいかがですか?
私は「マニアックさ」かなぁ…
さて本書は身近な男性から有名人、はたまた二次元の世界まで幅広い男性をご紹介してくださる
そして鋭い観察力と個性あふれる分析が面白い
ちなみに身近なところではお祖父様や編集長
有名どころではスティーブ・ジョブズ、水木しげる、山下達郎、ボッティチェリなど
ちょっとご紹介
■ノッポさん
~このようになくても、誰も困らないものであろうものを、いかなる素材からも素晴らしい造形物を作り上げる
こういう人がいてくれたら、毎日が楽しくなるだろうな。
どうでもいいことに一生懸命になっている変だけど、かわいい中年男~
さらに
~すばらしい創作物をゴン太が意味不明な動機でつぶし破壊しても、結局寛大に許してしまう白い器の持ち主~
ということで母性をくすぐられるようだ
しかしノッポさんなんて思いつきます?
そりゃみんなノッポさんもゴン太くんも大好きだけど…
■トム(トムとジェリーのトムです)
~人間でいうと、日常の使命感や義務に疲れたダメなおっさん
しかし金儲けの手段に結びつかないすぐれたエンジニアである
マニアックさと頭の良さがなくてはこうはいかない
またクラッシックピアノの名手(そういえば指揮者もやっていた)
アヒルの赤ちゃんにママと間違えられたときのトム
愛情の深さと母性を感じた(うんうん)~
まさかのトムですよ
もう目の付けどころが違う!
トムをこんな目でみて分析したことなんてなかったわ
言われてみれば納得
ちなみにトムを演じてもらいたい俳優ニコラスケイジとのことなのだが、
トムに見立てたニコラスケイジの絵がかなりキモい
(ファンの方すみません)
いえ、決してニコラスケイジが嫌いではないが、あれはトムとニコラスケイジが嫌いになっちゃいそうだよぉ…
というわけで気軽に読めるエッセイで楽しめた
チェ・ゲバラの漫画をいつか描いてみたいとあったので実に楽しみである
空海のことも気になるなあ…