ヤマザキマリのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ヤマザキマリの母親論。
著者自身はすごくインテリです。たくさん本を読んで色んな経験をしている教養人ですね。
資本主義社会や日本式の学歴社会を否定的に捉えていて、人間は自然の中で生きる事、心からやりたいと思う事を人に流されずにやる事、親の役目は子にそれを伝える事。
子供に東大に行かせたい、医者になってほしいと思うなら自分がなればいい。親の出来なかった事を子供に叶えてもらうのは間違いだ。
子供は親の背中を見て育つから親がまず自分を持つこと、自分の人生を生きる事が大切。世間体を気にしてたら本当にやりたい事もできなくなってしまう、世間なんか気にせず親も子もやりたい様に生きていいよというところでしょうか -
Posted by ブクログ
表紙に惹かれて、内容確かめずに購入。外国に住む日本人から見た日本、がテーマのエッセイだった。
イタリア、というと塩野七生さんを思い出すけど、ヤマモトさんは比べると随分庶民的。イタリアとは!って大壇上からふりかざす感じじゃなくて、身の回りの日常から見たイタリアと日本の対比みたいなことを柔らかく書いてる。
内容の善し悪しではないんだけど、でも最近は日本人と外国の人の文化の違いみたいなものについて書かれた書にあまり興味がなくなってしまったなと実感。
結局「自分が体感したことが自分にとっての認識になる」に落ち着いたからかな。
筆者が何をどんな風に体感したのかという記述はからはその人 -
Posted by ブクログ
・世代の分断
イタリア→3世代同居が多い。「楽ではない人生をこんなにたくさん生きてきたのだから、後はもう親切にしてあげないと」
日本→「長生きしたら若いもんに申し訳ない」
文化が世代間で共有されていない。
世代が違う人と、いっしょに飲んだりしない。
・「はりぼて」の民主主義
自分たちの頭で考え、意見を言い、反論することができて、受け入れることができるのが民主主義のフォーマット
西洋→弁償や演説が要
日本→忖度、階級、ごまかし笑い
世間が戒律
映画「はりぼて」の政治家たちは、論理的に考える、語ることができない。「行間を読んで」「答える立場にない」「あんたも分かるやろうへらへら」思考停止。
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Posted by ブクログ
ヤマザキマリさんは、やっぱり面白い。子供が受験生なんだけど、楽な気持ちになれる。
「おもてなし」は単なる有償サービスであって、「いたわりあい」が望ましい、という考えは(ヤマザキマリさんではなく、小島慶子さんの発言)、なるほどなと思った。
「英語はできたほうが良い」、というのは、お二人とも共通のようだけど、日本の輸出額の対GDP比は15%前後で、せいぜいドイツの1/3位だし、多くの人は英語無しでも多分問題なく生きていけるだろうとは思う。
それでも外国語を勉強するといいことは、思考回路から語彙まで含めて、世界は多様性に満ちていることを嫌と言うほど実感出来るからではないかと思う。 -
Posted by ブクログ
軽妙で笑いもふんだんなストーリー展開の中に、世の中の違和感を冷静に見つめる作者の眼差しを感じた。ことオリンピックに関しては、円谷選手の悲劇から何も学んでいないかのようなメダルに対する期待は未だにあると思う。参加することに意義があると言いながら、いざ始まったらメダル、メダルのオンパレード。メダル至上主義が選手をどれだけ追い込んでいることか。
日頃国など関係ないとばかりの国民さえ日本!日本!と叫ぶことへの違和感。オリンピックに興味も思い入れもない私はその熱狂を冷静に見るだけだが、人生をかけて戦う選手たちのことは、例えメダルなど取れなくても尊敬します。
ところでこのコミック、4月に映像化されてたん -
Posted by ブクログ
読後、女性ならでは、と思いかけて、いやそうじゃないだろうと反省。これが養老孟司と内田樹あたりの対談なら、男性ならでは、はもちろん、年配の人なんていうラベリングもしなかったことだろう。そういうのも偏見だよなぁ、と反省する。特にヤマザキマリさんの方は何冊か読んでいて好きなんだけど、それぞれが持ち味を出して、楽しませてくれたと思う。自分にはそおゆう語り口が期待されているんだ、と言っちゃうあたりも含めてね。
コロナだけではなく、現代社会を生きる人間として、いろいろ考えさせられる部分があったんじゃないだろうか。まぁトンデモな話も断ったうえで乗っけたりしてたし、それほど大上段に構えた本でもないんだけどね