【感想・ネタバレ】仕事にしばられない生き方(小学館新書)のレビュー

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Posted by ブクログ

大笑いしたというか、泣き笑いしたというか、傑作でした。

ヤマザキ マリ なぜ、カナなのかなとおもいましたが、けっこう雰囲気ありましたね。
「今回、私なりに試行錯誤してきた仕事遍歴を、あらためて振り返ってみました。」
本人はかなりきてたんでしょうけれども、外野から見ていると、大笑いしてしまう、失礼な気持ちになりました。
本人が貧乏と思い切りよい猛者であるなら、母は、さらにその上をいく猛者なのです。
さらにマリは、人の考えもしないようなすさまじい、仕事をくりかえしていきます。

気になったのは、以下です。

・仕事とは何か、本気でやりたいことなら、思う存分やればいい。ただ、誰にも認めらえず、貧しいまま、野垂れ死んでしまうかもしれない。「マリ、あなたにその覚悟あるの?」という母の問いかけは、私の心の中でずっと残りました。
・音楽で生きていけるのなら、音楽を続けていけるであれば、どこにでも行く。そう覚悟は決めたものの、母にしたら、それこそ最果ての地に来たくらいの気持ちです。

・「現代の日本には、食べることに困っている家庭などない」と公言してはばからない政治家がいますが、いったいどこを見ているのかとあきれてしまいます。
・「自己責任」という言葉ほど、都合よく使われている言葉はない気がします。

・うちの母にとっては、「みんなと同じ」というのは、まったく魅力的な価値観ではなかったようで、私によくこういっていました。「周りと違うからって、別に気にすることはないのよ。誰かを自分の鏡にして、そこに映る自分を、自分だと思う必要なんてないの。私は私。それでいいのよ」
・情報をうのみにするのではなく、とことん疑うことも必要
・いずれにせよ「欲しい」という気持ちに一度火がついたら、鎮火するのは大人でも難しい。「大人買い」という言葉があるくらいですから。
・母の場合、止めたって無駄なのです。「買いたい」と言い出した時には、たいてい、これぞというものの目星はすでについている。普段はあれほど、慎重な母が、どうして身の程知らずの買い物を繰り返すのか。娘の私にも、さっぱり理解できませんでした。

・世の中には、どうしてそれでお金が稼げるのか、よくわからないものもありますね。そういうのは、なんかもやもやするというか、気持ちが悪い。
・FXや仮想通貨みたいなハイリスク、ハイリターンの投資なんて、ほとんどばくちみたいな感じで、自分でやっているようで、自分ではコントロールできない感じがする

・生命の危機を感じると普段の自分から考えられない力を発揮することがあるんですね。
・「頼むよ自分」今、ここでたよりにできるのは、他の誰でもない、自分しかいない。
・「助けてよ、自分」人には、神さま!と祈る代わりに、そう祈るしかない時があるのかもしれない。
・何があろうと、どこかで私のことをじっとみている、もう一人の自分がいる。自分は自分を見放さない

・人はいつどうなるかわからないのです。昨日はありあまるほどの富を手にしていた人が、明日は路頭に迷うかもしれない。そのことを、そこにいるみんながよくわかっていました。
・10足のわらじを履く
・人と人との出会いというものは、本当に不思議なものです。まずは、なんの先入観もなく、相手と向き合って、腹を割って話をすること。そこから芽がでることもあれば、出ないこともあるけど、それはもう、そういうものだと思うのです。
・あんなにも、集中して、たくさんの漫画を読みふけったことは、あとにも、先にも、あの時期しかないと思います。
・今も昔も、人類は、知性でなんとかしようとして、それに行き詰まると、今度は力によってそれを破壊して、その先に行くことを選んできた。
・母の楽天性も、生来の気質もありますが、「あの時、一度死んだと思えば、怖いものなんか何もありゃしない」と思っていたからに違いないのです。
・転ばないと人間って学ばないですから。要するに失敗して何がいちばんよかったかって、単に自分自身の経験値が上がるというだけじゃなくて、痛い思いをしたぶん、自分以外の人間のことを、簡単に見くびったり、バカにしたリ馬鹿できなくなるってことだと思うんです

・欧米人の基本は、疑うことです。どこかで信頼を裏切られる可能性がある。と推し量りながら生きていく、ということです

・自分で乗り越えるしかない。本人があとあと納得するためにも、自分で乗り越えるしかないですから。

・好き嫌いより、まずはやってみる。

・自分のやり方で精一杯生きてみる。世の中は大きなシステムで回っていて、とても太刀打ちできないような無力感に襲われることもあるけれど、だからこそ、その人がどれだけ本気かが試される。
・やりたいことをやろうとすると「好きなことをやっているのだから、報酬は安くても構わないだろう」と言われることもあります。

・人間は、欲望や孤独がもたらす深い闇を、持てる叡智を総動員して考え抜くことで、御してきた。歴史は繰り返すというのなら、人類は、困難な時代を、そうやって何度も生き延びたのです。先人達がやってのけてきたことを、私達ができないわけはありません。

目次

はじめに
序章 やりたいことで生きていく―母・量子の場合
第1章 働くこと、自立すること―ジュゼッペとの日々
第2章 持てる力をすべて使って―テルマエ前夜
第3章 風呂か、それとも戦争か―先人達が教えてくれること
第4章 私の働き方改革―トラブルから学んだこと
第5章 仕事とお金にしばられない生き方
あとがき

ISBN:9784098253241
出版社:小学館
判型:新書
ページ数:320ページ
定価:880円(本体)
発売日:2018年10月08日初版第1刷発行

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2023年10月06日

Posted by ブクログ

今の仕事を辞めようか、悩んでいた。
仕事内容は自分に合っていないと思うけれど、周りの人たちが良い人たちだから、なんとなく辞めるのは悪いんじゃないかと思っていたけれど、、、
そんな自分の背中を押すような言葉が文中にあり、「そうだよね、自分に合う場所はきっとある。」と思えた。

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2023年03月01日

Posted by ブクログ

ここしかないと思い詰めるから、
嵐が来ようが、どしゃぶりになろうが、
我慢するしか選択肢がなくなって、
つらくなるのであって、なんか違うなと思ったら
パッと離れたっていい

義理堅い人だと
お世話になった人たちを裏切るみたいで、自分だけ離れるなんて申し訳ないと思うかもしれない。でも、あなた自身が生き生きとやりたいことをやっていたら、周りも納得するはず。そうなったら、また、改めてご縁ができるかもしれない。

人間というものは、自分の価値観が全てだと思い込んでいるうちは、それ以外の価値観は間違っていると思うから、とにかく偉そうになるし、下手すると、自分が傲慢になってることさえ気づけません

人生なんて本当にあっという間ですから、
やるべきことを優先して、どんどんやっていかないと、やりたいと思った時には時間切れになってしまいます。どんなにお金持ちだろうと、人生の残りの時間は買えません。

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2023年02月19日

Posted by ブクログ

この本は「仕事にしばられない生き方」というタイトルから仕事に関する本だと思って読みましたが、マリさんのあとがきによると
「私がお金とどのようなつき合いを今までしてきたかという内容」だそうです。

マリさんの仕事遍歴ももちろん書いてありますが、内容としてはお金とのつき合い方だったようです。

仕事は十六歳でチリ紙交換のアルバイトを始め、十七歳で留学したフィレンツェでは、似顔絵描きのアルバイト露天商の売り子、観光客相手の店で日本人相手の通訳。
二十九歳で未婚でデルス君を出産されてからは日本に帰国してイタリア語の講師、イタリア料理の紹介など十足のわらじ。そして十二歳年下のベッピーノと結婚されてエジプトのシリアへ。漫画家としてデビューし『テルマエ・ロマエ』の映画が大ヒットし興行収入59億円でも、原作料は100万円のみだったとか。
それから漫画の仕事をやりすぎて倒れられたことも。


これでは、普通の人がやろうと思ってもなかなか難しいことばかりで、体験談としてはすごく面白いけど、全然参考にはならないと思いましたが、最終章の「仕事とお金にしばられない生き方」にはわかりやすく参考になる言葉がいくつかありました。



・好き嫌いよりまずはやってみる。

・必要なのは、潮目を読む力。「自分にはこれしかない」とあまり思いすぎると、せっかくいい波が来ているのに見逃してしまうこともある。

・やってみたけど「あ、違うよ」「これじゃなかったな」ってことだってあるかもしれない。そうなったら我慢ばっかりするんじゃなくて、また次に行けばいい。「きっとどこかに自分に合っている場所がある」って諦めないで、手足を動かしていればなんとかなるもの。

・病気になることもあれば、突然事故に遭うことだってあるかもしれない。本人の意志とか頑張りでは、どうにもならないことがあるのが生きていくということ。

・大きなものに飲み込まれてしまいそうな時は、あらゆる電源をいったんオフにすることをお勧めします。携帯を置いて、SNSを忘れて、パソコンからも離れましょう。仕事や人間関係からも一切離れて、自分を見つめ直す時間を取り戻すこと。時間に追われていると、人は短絡的な思考から離れることができません。物事を大きく俯瞰して見つめ直すためには、周りに左右されず、自分でプロデュースできる時間が必要なのだと思います。その時間があれば、仕事やお金とのつき合い方もきっと変わってくるはず。

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2023年02月10日

Posted by ブクログ

後半になるにつれ、ヤマザキさんの思いや文章が熱くなってきます。
胸にグッとくる内容が何度もあって、新書でこんなに勇気が貰える本は初めてです。

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2022年06月28日

Posted by ブクログ

面白かった。
前半の漫画家になる前の話に関しては、あまりにも子ライオン教育で驚いた。こうして育ったマリさんの話は読んでいて息苦しささえ感じるほどに怒濤の苦労の連続であった。
私も大人になってからお金には非常につらい思いをしたことがあるため、その辛さをより過去の我が身の経験として思い出してしまったのかもしれない。
漫画家になってからは、また違う意味での驚きの連続であった。この時の漫画業界ってそんなに適当だったのか、と。以前私自身が趣味で描いた漫画に何度か原稿料をもらったことがあるがその際は「1枚いくらで原稿料を支払わせていただきます」と記載されていたがそれは単行本だったからなのかもしれないし、多少業界は改善されたのかもしれない…。(そしてコンビニで働いた方が稼げる額ではあった。もちろん好きでやっていたから良いと思えるのだが…だが…)
自分が、誰かがお金関連でつらいとき(資本主義にやられそうになった時)やこの先どうなるかわからないと思った時に是非読んで欲しい1冊だと思った。そしてこの本を書いたあとでもヤマザキマリさん、いろんなところでお見かけしますので本当にアクティブな御方!!
ウマ子なところは変わらずも、あの頃とは違い良いバランスで働いているんだろうなと思います。

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2021年10月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「自分の価値観がすべて」では自滅する
自分が生きてきた世界でしか通用しない価値観を、振り回し、押し付け、それで他人を不用意に傷つけていることさえ気づけずにいるとしたら、せっかくこの世に生まれてきたのに、卵の中でふんぞり返っているようなもの

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2021年08月08日

Posted by ブクログ

まず、この本を読んで、筆者のようにどんな場所でも生きていける人間になりたいと思った。
そして、もう一度「他人は他人、自分は自分」という考え方を自分の中で持ちたいと思った。
なぜなら、周りに何と言われようと、自分がやりたいことに本気で取り組んだ結果、周りから"そういうものだ"と勝手に思われるくらいの方がかっこいいと思ったから。

簡単にまとめると、「自分がやりたいことは何でもやってみる。周りに何と言われようが、他人の意見でしかないのだから、自分の気持ちに正直に今を楽しんで生きていこう」といった内容。

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2021年03月13日

ヤマザキマリ先生の本にはハッとさせられる事が多いです。
波乱万丈な人生を歩みながら、考え方が自由で縛られていない。
凝り固まった世間の常識では無い、個人の生き方を見れてとても面白いです。

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2019年11月25日

Posted by ブクログ

 再読であるが、新鮮な気分で楽しめた。

 内容を忘れていたわけではなく、むしろ他の本でも読んだ記憶のあるエピソードもあったくらいだ。ただ、それを踏まえても読んでいて楽しかったんだよね。たまに読み返したくなるのは、だからだと思う。

 テルマエ・ロマエで売れて、マンガの注文が来るようになり、必死でそれにこたえていく中で体調を崩したり、家族との関係がぎくしゃくしたりという時期が出てくる。そのあたり、今の、コロナ禍以降の停滞、変化の激しい日本のきしみを、先取されているような気がした。

 今まで、そういうものじゃない?で終わっていたことが、世界では通用しない。あるいは、それはどこででも通用しないものだったのだ。ただ強いもの、言い換えれば世間とか慣習と呼ばれるものに、個が押しつぶされて、がまんして成立していたシステムだったんだろうね。

 日本の、というとおおげさだけど、自分の仕事まわりですら感じられるキシミが感じられるような気がして考えさせられる。ただ、そこで刺激された思考というのは、決してネガティブなものじゃなくてさ。相手は巨大な世間という思い込みのかたまりなんだけど、そこに対しても、なにかやっていく道はあるんだよ、と元気をもらえた気がするんだよね。そこがヤマザキ氏の本を読む魅力だと思う。

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2024年04月06日

Posted by ブクログ

ヤマザキマリの肝の据わり具合の理由が伺える一冊。
俯瞰という言葉がキーワードかと思う。
今の彼女(この本は2018年初版だが)にたどりつくまでに経験したいろんなことの質と量に、ただ圧倒される。それはとても「もし自分だったら」とかいうありがちな仮定すらさせないほどの人生。そういう道を通ってきた人の言葉は、本当に信頼できる気がする。
勝手に正解を決めるな。道を外れることを恐れるな。

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2024年02月20日

Posted by ブクログ

よく聴いているラジオに著者がゲストで出ていて、話の内容も話し方も面白かったので、読んでみた。

自分の人生を綴りながら、お金や仕事について書いている。

一見、破天荒な人生である。14歳で1ヶ月も海外1人旅とか、17歳で絵画を学びに渡伊とかは、普通の親の元に生まれていたらできなかったことだろう。そこで多様な価値観を受け入れる人生観ができて、語学が身について人生の幅が広がって現在に至るのだから、良くも悪くも親ガチャはある。
組織に雇われて働いたことしかない者からしたら、働き方の考え方についてはそのまま同意できる訳でもないが、広い視野を持つことは必要である。

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2024年01月18日

Posted by ブクログ

ヤマザキマリ氏による、お金と仕事にまつわるエッセイ。
ヴィオラ奏者である母のこと、貧しかったこども時代、イタリア留学、恋人の借金返済地獄、鬱、妊娠と出産、別れと再婚、タレント的な活動、漫画家デビュー、テルマエロマエの大ヒット、映画化原作料と炎上、過労による休止、最新作プリニウスのこと、夫と息子のこと、などなど。
もともとパンクが好きだったという著者。人と同じが嫌だという考えもあり、とにかく波瀾万丈の生き方である。それだけで、まずおもしろく読める。
また、どん底を経験したからこそ言える力強い励ましと、俯瞰的で楽観的な見方。恥ずかしい思いや惨めな思いをしなければ人は学ばないという話も、実感がこもっていて読ませる。
3時間くらいで読める文量。

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2024年01月11日

Posted by ブクログ

力強い物語?エッセイです。
疲れたとき、ヤマザキマリさんのエッセイを読むと、自分ってまだまだだな、と勇気を与えられます。

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2023年11月13日

Posted by ブクログ

漫画家として身を立てるまで、イタリアで絵の修行をしたり、札幌でTVのレポーター含め何でも屋をしていたり、こんな波乱万丈の人生を送られていたとは。夢を追い続けたくても、生きるためにはお金が必要で、他の仕事をすると夢のための時間が奪われて…という芸術家として生きていくことの難しさ、ジレンマみたいなものを垣間見た気がする。作品に人気が出たら出たで、難しさはあって、私の好きなテルマエ・ロマエのヒットの裏にもたくさんの苦悩があったのだな…。
ヤマザキさんの様に、経済的な安定だけじゃなく、自分の人生で大切にしたいものを守って図太く生きていきたいと思った。

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2023年10月22日

Posted by ブクログ

ヤマザキマリさんの仕事やお金に対する考え方があふれていて、勉強になった。疲れたら風呂に入ってゆっくり休もうという呼びかけがいいなと思い、ヤマザキマリさんの代表作「テルマエ・ロマエ」を読んでみたくなった。

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2023年10月18日

Posted by ブクログ

ヤマザキマリさんの著書は4冊目。
「働くこと」「働き方」について読みながら改めて考えました。

著者の生き方や考え方に気づきや刺激をもらえたし、共感することも多かった。
かなりハードな働き方をしてきた実体験をもとに語られる文章が響いてくる。

「テルマエ・ロマエ」が生まれた裏話、作品が大ヒットしてマリさんに何が起こっていたか…。
自身のこと、家族のこと、その苦悩や異常な状況についても綴られています。

いつものことだけどマリさんの本を読むと付箋だらけになってしまう。
本作でもいっぱい刺激をもらいました。


『もっと俯瞰して、考えよう。人生にはこういう時代もある。そしてそれはきっと無駄にならない』

『人生なんて本当にあっという間ですから、やるべきことを優先して、どんどんやっていかないと、やりたいと思った時には、時間切れになってしまいます』

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2023年09月02日

Posted by ブクログ

自分を俯瞰して見る。誰もがお金持ちになりたくて生きているわけじゃなく、それぞれの人に、自分が望んでいる幸せのかたちがある。

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2023年02月19日

Posted by ブクログ

ヤマザキさんのエッセイ漫画では、詩人の彼氏とのことはさらっとしか描かれてなかったけど、文章にして詳しく見ると結構大変だったんだなと。
「仕事」に関する話というよりは、ヤマザキマリさんの人生についての本かな。

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2022年10月16日

Posted by ブクログ

ヤマザキマリさんのエッセイが好きで、たまに読みます。
生き方についてのエッセイです。お金や仕事とどう付き合っていくかの本。
やりたい仕事に幻想を抱くのではなく、今いる場所でまずは生きる為に仕事をする(もちろん、身体を壊してまで仕事をしてはいけない。駄目な時はしがみつかずにパッと転がる。それから契約内容はきちんと確認すること。プライドをもって仕事するならお金のことをしっかり口にして良い)
がむしゃらに仕事をしていたらどこかに流れ着く。
そんな風に著者は紆余曲折の人生で、漫画家になり世界を転々としながらテルマエロマエを大ヒットさせた方。良い意味で泥臭い人生観が良い。

私はヤマザキマリさんのように芸術的な才能はないけど、今の仕事を頑張りつつ人生をいかに楽しむかを考えさせられました。


著者のお母さんが周りと同じを良しとしない方で、著者が幼い頃に言われた言葉
「周りと違うからって、別に気にすることはないのよ。誰かを自分の鏡にして、そこに映る自分を、自分だと思う必要なんてないの。私は私、それでいいのよ」
素敵なお母さんだな、と思いました。

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2021年10月16日

Posted by ブクログ

テルマエロマエの作者で、様々な国での生活を経験されているヤマザキマリさん。
波乱万丈な日々の中でも、力強く一歩一歩歩んでいく姿に、仕事やお金に縛られないだけではなく、まさに人生。人の一生はもっともっと様々で豊かであってよいのだと目を開かされた思いです。Girls be ambitious !

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2021年09月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

マリさんはすごいお母さんに育てられたんだな、と思った。お嬢様育ちだったが、何よりも大切と思える音楽と出会い、勘当同然でヴィオラ奏者になった、たくましいシングルマザー。
何よりも好きと思えることに出会えて、そのために強くなれるっていいなぁ。本当に羨ましい!

イタリアでマリさんが体験して考えたこと。「アリとキリギリス」、本当は「アリとセミ」のお話。芸術が生き方、人生、働くこと、つまり生活ととても近いところにある感じがした。好きなことをやり尽くすことの幸せってあると思う。

軽快な語り口だけど、ドン底を知ってる筆者の考え方は経験から来てるからとても素直に入ってくる。
やれることをやる。どうせやるならやりたいようにやる。やるだけやってダメなら場所をかえる。自分に限界を付けず、柔軟にやれることを、たくさんの仕事をやってたから、回り道に思えていても切り札に変わるときがくるんだな。

「当たり前だと思ってた価値観の外に出ること」
ただ漫然と生きてるだけだと気付かないもの。旅をしてカルチャーショックをうける。転職、病気、環境が変わること、不測の事態に見舞われた時でさえも、知らず知らず縛られてきたことから自分をとか放って見つめ直すチャンスをつかむことがある。

長いものに巻かれない。ジョブズの話。はみ出したからこそ見えてくるものがある。ヘンテコでも構わないから自分なりのやり方で歩くと自分にしか見えないおもしろい景色が見えてくる。
実際はなかなか出来ないことかなと思った。まあまあ恵まれてて、ぬるま湯的な生き方してきたから。
道を切り開きたいわけじゃないけど、自分も何かコレと言えるものを得たい欲求はあるんだろうな。
「与えられなかったことを嘆くだけなら、そこで終わりだけれど、それをじゃで面白がることごできたら、また、その先に道は続いていく」
笑い飛ばすっていう気持ちになれたらいいのかな。

「テルマエロマエ」のヒットとその裏にあった家族の危機的な話。
忙しすぎて病気になるのは1番いけない。お金だけの問題でもないとは思うけど。
縛られてはいけないねとは思う。
でも、もし無理がきく年ごろで、自由がきく身であったら、一時そういうのもありかなと思う。
その経験をしたことで、「お金ではえられないものがある」と気付くのかもしれないし。
お金というハリガネムシに侵略されない生き方をしたいと思うようになるかもしれないし。

お金をウイルスと例えるところがあるけど、新型コロナウイルスが蔓延している現在、とても実感をもって納得した。ここまで蔓延してしまった以上、人類全体がうまくつきあっていくしかないのかもしれませんと。とはいえ、思いがない特効薬で治ることもある。そうなったらまた次の価値観に行くことになるでしょうと。


最終章の言葉、覚えておきたいからメモ。
「この際だから、私達は何と何を置き換えて、等価交換しようとしているのか。あらためて見つめ直してみたらいいんじゃないでしょうか。間違っても、仕事と引き換えに、命を差し出すなんてことにならないように。物の値段が不当に下がり続ける時、あるいは、働き手の賃金が低いまま押さえつけられている時に、買い叩かれているのは、なんなのか、見つめ直すべきなのです。」
「大きなものに飲み込まれてしまいそうな時は、あらゆる電源をいったんオフにすることをお勧めします。、携帯を置いて、SNSを忘れて、パソコンからも離れましょう。仕事や人間関係からも一切離れて、自分を見つめ直す時間を取り戻すこと。時間に追われていると、人は短絡的な思考から離れることができません。物事を大きく俯瞰して見つめ直すためには、周りに左右されず、自分でプロデュースできる時間が必要なのだと思います。その時間があれば、仕事やお金とのつきあい方もきっと変わってくるはずです。」
「人間の孤独に、つけ込んでくるものの正体って、なんなのでしょうか。自己責任という言葉みたいに、私達を、もっともらしい言い分で孤立させ、切り離そうとするものがある。アメリカだ、中東だ、右だ、左だって言い争っているけれど、本当は、そんなことは関係なくて、人間が、人間であることをやめないために、総力戦で立ち向かわなければいけないことがあるんじゃないか。」
歴史をひもとけば、欲望や、孤独があれくるい、暴走の果てに、戦争に行き着く。
繰り返す歴史から、人類が困難な時代を何度も生き延びてきたことから教えてもらう。
最後は古代ローマ人から教えてもらった大切なこと。こんな時だからこそ私たちには風呂がある。ゆっくり休んで、またそれぞれの持ち場で頑張りましょう。

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2021年08月31日

Posted by ブクログ

 ヤマザキマリの著書を水風呂に浸かりながら読み了える気分は格別。
 高校を中退してフィレンチェに絵画留学と聞くと、えらく優雅に見えるけど、苦学に苦労を重ねたのだなぁ……。
 並の女性なら餓死か自死ではないだろうか。

 帰国してからは札幌テレビに顔を出していたという。おぉ、STV。私が札幌に残っていれば、もっと早く彼女の存在を知っていたはず。

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2019年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 お金という価値観をどう持つか、非常に考えさせられた。
 この本読んだあとに、インド映画(パッドマン)を見たら似たようなことを考えさせられた。
 これは今自分に与えられていることだ(お金という価値にとらわれるな)というメッセージなのかもしれない。啓示か?

 作者の強さに励まされた。すごいですよ、この方。自分の経験を確実に糧にしていっている。ただじゃ転ばないとはこのこと。読んでてもとても好感が持てた。ここまではっきりとした価値観を持つには、まだ自分は経験不足だな...。

 お金は生きていく上で大事だけど、一部分でしかない。そのバランスってのが難しいのよね。
 またしばらく経ったら読み返してみたい。
 

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2021年07月30日

Posted by ブクログ

「国境のない生き方」と内容が似通っているものの、後半以降で仕事に関する視点へとシフトされる。

働けない程の困窮状態から働きすぎて倒れてしまうところまでの振り幅で人生を歩んできた作家が、苦境に対して、粘り強く生きた証を書いている。

仕事に対して悩んでいる人が読む指南書ではない。ヤマザキマリさんがどんなふうに生き抜き、今だからこそ世の中をどう見ているのかが分かる本。

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2024年03月11日

Posted by ブクログ

言語化できないようなグレーゾーンが
日本にはたくさん存在していて
そのグレーゾーンにおける心情が
すごく鮮明に書かれていた。

人間味溢れる文章から、
なんでも白黒はっきりつければ
言いわけではないと感じた。

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2023年11月27日

Posted by ブクログ

マリさんの経歴は、特殊な感じするけど、それは、家系から来ている、よう

マリさんみたいな生き方したいな

楽しくいきたいね、
人生暇つぶしやから

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2023年11月24日

Posted by ブクログ

自分を俯瞰で客観視することが、何においても必要なのかなと思った。心に残ったのは、キューバの人達がお金はなくても明るく月明かりの下で踊る美しい光景の話。

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2023年01月19日

Posted by ブクログ

ヤマザキマリさんのテルマエの頃からしか知らず、色んな経験をされてきたんだな。それで仕事にしばられないってすばらしい!

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2022年10月24日

Posted by ブクログ

『テルマエ・ロマエ』で有名なヤマザキマリの半生記。

内容は前作『国境のない生き方』とほとんど変わらなかったが、改めて彼女の反省を振り返ることができた。

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2022年06月05日

Posted by ブクログ

好きな仕事をどこまで頑張るか。金にならない職業をいつまで続けるか。チリ紙交換、絵描き、大学教師、リポーター、勤め人など幾多の職業を経験してきた著者が、自由に生きるための「お金」と「働くこと」について語る。

これらの話を一般的なこととは並べて読めないけど、興味深かった。

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2021年11月17日

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