竹中平蔵のレビュー一覧
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竹中さん、南條さん、そして伊藤穰一さんの対談形式で、都市の未来を考えるという企画。
実際に、アートのダボスを東京で開催しようという企画を実現してきた彼らが、どうやってイニシアチブを作ってきたか語ってくれる。残念ながら、現時点で大きなうねりにならないということは、非常に難しいということでもあっただろうが、日本の賢者が考える思考プロセスは非常に勉強になる。
まず、産業は、AIによって圧倒的に生産性が上がるだろうと予測する。その空いた時間が、多くできるはずだと。その上で、大事になるのはアート思考であり、クリエイティビティだと。時間持ち、こそがアートを生む。この循環を東京に作りたいというのが発起人たちの夢であった。
働きたい街の1位はニューヨーク、次は東京。でも、ナイトライフが充実していない、演劇をみた後のレストランがない。地下鉄が走っていない。そういう観光フレンドリーな作りに変えることがチャンスにつながる。
ついで、ベイエリアの開発が急務。屋形船しかないベイエリアのスポット力を、シンガポールの例で説明する。確かに、人の動きを完全に計算した、ガーデンバイザベイと噴水ショーの間を人が行き来する。そしてお金を落とす仕組みの中心としてマリーナベイサンズがどっしりと構える。
シンガポールのサイエンスミュージアムからも登壇している。チームラボを誘致して、自然を表現したシンガポールは、デジタルの将来性を模索している。人間とは何か、自然とは何か、を問い続けるシンガポールは、国家として抜きん出た圧倒的な安全性を担保した社会を作っているが、足りないのはおそらくアートだ。戦争に勝ったわけでもなく、美術骨董品を元来持たない国だからこそ経済発展で勝負に出た。まるで日本のように。
日本では引き続き六本木ヒルズが文化の中心だろうか。昔は、ライブラリーで勉強したり、本を読んだり、そこで交流があったり、時として自分と向き合う時間だった。ため息と共に席でぼーっとしていたこともあるし、やる気に満ち溢れた時もある。人生で、本当に幸せな時間だったんだろう。ものすごく勉強して、刺激を受けた。アートの刺激こそが、発想の転換点になる。その意味で、六本木ヒルズの存在は大きい。東京を変えることで、日本を変える。大きなうねりに自分も貢献したい。 -
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本書のタイトルの通り、ビジネスマンとしての考え方の基礎を各業界の先人から重要ポイントを抜き出して教えてもらう形の本。
本田直之氏の著作は本作以前のものや本作以降のものもほぼ全部読んでいたため真新しい情報は特になし。
「子供は時間割があるからあれだけ多くのことを密度高く行動できる。大人も自分の時間割を作れば効率的に動ける。」という主張は参考になる。
一見、自分の行動を決めて行動することは窮屈なように感じるが、自分で選び、自分で決めたことであれば嫌なことなどないはずだ。
それに当然生活の上での優先順位は変わっていくので、時間割は適宜ブラッシュアップしていく必要がある。
なので、自分で決めた予定が窮屈になるまいかと考えることは杞憂だろう。
もちろん、「やれること」と「やらなければならないこと」の間には大きなモチベーションの差異がある。
しかしもし自分がやりたいことが「やらなければならないこと」に変わった途端にやる気がなくなるようならば、おそらくそれは本当にやりたいことでないか、あるいは強制されたことに対してはなんでもかんでも反抗してしまう悪い癖がついているかのどちらかだろう。
いずれにしても、自分の欠点を洗い出すいい機会なので、時間割を作るのはメリットが大きいように思う。
竹中平蔵氏に関しては、新自由主義を擁護・推進し日本の経済をめちゃくちゃにした経済学者、という印象を持っていた。
この人の単著は読んだことがない。
事前情報通りの主張ではあったが、本書で主張されている主題としては「経済古典を読むべし」であり、それに関しては異論なし。
自分は経済学については疎いため、改めて国富論をはじめ、きちんと読もうと決心した。
また村上憲郎氏も英語と経済学と宗教を学ぶべしと主張しており、経済学を学ぶ上では『マンキュー経済学』のミクロ編とマクロ編を読むように勧めている。
知らなかったの本なので参考にしたい。 -
Posted by ブクログ
日本の宿題 竹中平蔵 原英史
網羅的で「規制改革」メインだが、幾つかのテーマには光るものがあった
日本は変革が苦手 自民党総務会は全会一致 官僚と族議員が反対すると潰れる
1.やはり「道州制」の実現 都道府県のフルセット主義から脱却を、
既得権益のかたまリ 国立大学 新聞社 銀行 テレビ局 各省の出先
ここが最後の勝負所 敗戦まで出来ないかも知れない
戦時中の国家統制体制「1県1機関主義」=1940年体制野口悠紀雄
2.国税庁+社会保険庁+地方税徴収機関=歳入庁 Digitalで統合すべき
総人口 1990年123百万人 2008年128百万人 2050年97百万人
生産年齢 1995年 87百万人 2015年 76百万人 2050年50百万人
移民の受入・高度人材のリクルート 高い税金最高55% 香港17%
3.原発の処理
これが最大の契機となる 原発の処理機構を作って一括国有化で集中処理
かっての不良債権処理の預金保険機構と同じ
そして敗戦処理を日本改革とするしかない
4.教育改革 ここも岩盤
郵貯民営化は賛成でも、東大民営化には反対か・・・ -
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令和の時代に避けて通れない17の重要政策課題を取り上げ、その背景にある構造と具体的な対応策を論じる。
主な課題は、道州制導入、令和の農地改革、ベーシックインカム導入、コンセッション導入、シェアリングエコノミー推進、デジタルガバメント推進、移民法制定、東大民営化など。
いずれもスケールの大きい話であるが、根底には、やはり、竹中氏らしい規制緩和や民営化へのこだわりが感じられる。
あまり新鮮味を感じない項目もあったが、共感や興味を感じた事項のみ以下にピックアップしておく。
・日本政府の典型的な政策である「モデル事業」は通常2~3年程度。それが終わると地方負担でということになり、持続しない。
・ベーシックインカムは、特定のグループの要望に応えるため政治的にさまざまな補助金を出す不合理性から脱出し、コストを削減する観点から導入検討すべき
・コンセッションの成功事例を交通インフラ、学校の耐震化、防災インフラの強化・増設などマクロに拡大し、財政再建の重要な手段として位置づける。
・民間企業に成功報酬を渡すペイフォー・サクセスの考え方で公共的なサービスの効率性や質の向上を図る
・ライドシェアに関して安全を守るといったごまかしの建前論ではなく、ドバイのように既得権益の保護を素直に認めたうえで必要な調整を行う。(シェアリングエコノミーの推進)
・事前規制型ではなく、競争に敗れた企業が退出をするためのルールをつくる事後チェック型の行政が世界的な潮流になっている。
・スマートテクノロジーを自由に活用できる規制緩和と個人情報の保護を両立させる新たな仕組みとしてのスーパーシティ構想は国家戦略特区を強化して住民合意を前提に大胆な規制改革を可能にする取組
・養子と実親との関係が解消される特別養子縁組をしやすくするよう、その家族の生活を適宜ケアする義務を法律に盛り込むなどして、それが少子化対策に繋がるようにする。
・閉鎖的に情報が提供される官公庁の記者クラブを廃止し、切磋琢磨を通じて質の高いジャーナリストを育成する。
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大学教授であり、小泉内閣で大臣経験もある竹中平蔵氏がリーダーについて自身の経験と識者との対談からその本質に迫った一冊。
小泉進次郎氏との対談や自身が近い位置で接したことのある小泉純一郎氏や織田信長、王貞治氏といった歴史上の人物や著名人のリーダーとしての姿を深掘りしており、非常に読んでいて興味深い箇所が多くありました。
手を挙げないことや断り方など報道では見えない裏側から政界での立ち居振る舞いや純一郎氏の著者との関係性や敵や味方をうまく見抜き緩急を上手く使った手腕などは政治に深く関わった著者や小泉氏からしか聞けないエピソードで非常に印象に残りました。
あとの部分も歴史、スポーツ、経営との3つのカテゴリーから織田信長、王貞治氏、スティーブ・ジョブズと主に3名をピックアップして識者とリーダーとしての側面に迫っていく部分は非常に勉強になりました。
その中でも野村克也氏のポイントを見抜く力や川淵氏の前例を打ち破る発想力は印象に残りました。
孤独に耐えること、思い切りを持つこと、ポイントを見極める、突出した才能を認める柔軟さことなどリーダーとして突出した方々の振る舞いを本書を通じて知るとともにリーダーの立場になった時の心構えを知ることのできた一冊でした。 -
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ネタバレ個人的に竹中さんは好きな学者さん(政治家というべきか?)。なので竹中さんの著書はこまめに目を通しています。
本書は飛鳥時代から昭和まで、日本のあまねく時代を巡ってその経済政策の特徴や卓抜さを説くことを意図しています。
が、実際のことろ経済政策らしい経済政策に触れているのは江戸時代、徳川吉宗以降ではないでしょうか。それまではどちらかというと政治(軍事も含む)の話が中心だと思います。
江戸時代に入ってからようやく具体的な金融政策や市場のコントロールといった話が出てくるので、経済らしい構成となります。ただ、どこまでが政治でどこからが経済なのかと言われると明確な定義は素人の私にはないわけですが。その後の明治時代、昭和においては政治と経済がミックスされた構成がさらに強まっています。こうなるともう表裏一体なのかもしれません。
本書の、とくに江戸時代以降に特徴的なのが、取り上げられる人物たちがどれも「はじかれ者」ばかりであり、ひょんな契機で歴史の表舞台に立った苦労人たち、ということです。
徳川吉宗は紀州徳川家の生まれで本来将軍とは縁遠い血筋の人間であったし、明治の後藤新平も凡庸な出自で出世街道が約束されていたわけでなく、そして池田勇人やその経済参謀たる下村治は大蔵省では落ちこぼれの部類に属していました。そういった人間たちが、本人たちの努力は言わずもがな、それに加えて偶然ともいえるきっかけで国家運営のかじ取りを任せられ、その上これを立派に果たしていく物語。見ていて確かに気持ちが良いですね。
これは筆者の思い入れによるのでしょう。竹中さんも和歌山県の小さな履物屋の次男坊として生まれ、大学も一橋大と決してエリートとは呼べない路線を歩んできた方。上記の傑物たちの歩んだ道と被るものを感じたのでしょう。
本書では限られた紙面で飛鳥時代から昭和までをたどっているので、その解説が表面的である印象は否めません。なので経済史の深い解説を期待している方にとっては望んだ内容ではないでしょう。逆に時代ごとの経済政策の概観を得たい人にとっては有意義な書だと思います。
個人的には、竹中さんによる「狭くて深い」続編を期待したい所です。 -
Posted by ブクログ
アタマのいい人と喋っていると自分までアタマがよくなったような気がするけど、それと似た感覚を味わいながら読んだ。
それはまず、冒頭にあるように、アダム・スミス、ケインズ、シュンペーターからブキャナンに至る経済学の泰斗を各章に配置した上、その時代背景と人物像を紹介し、研究の特徴を説き、その論の限界を明らかにするという本の構成そのものの明快さや、大学での講義を基にして書かれたという筆運びのわかりやすさである。
もう一つ、同じく冒頭に「経済学史や経済思想の専門家がたくさんいる中でこうした本を書くことは、私の任には負えない仕事だと思った」とある。だがこの本には、実際に大臣として日本国の経済政策に携わり、その問題意識の中で経済思想のあれだこれだを肌で実感した著者ならではのリアリティがある。
同時代の、全体を見渡せすことができる日本人による、日本語で書かれた啓蒙書、それがわかりやすさの理由だと思うし、これほど得難い教材はない。
さて、「経済古典」と言えばしかつめらしい経済学の原理法則が書かれているのかと思ってしまうが、いずれの泰斗の経済理論も、実は各時代に持ち上がっていた社会問題に対する処方箋として書かれたものである、という基本テーゼがまず興味深い。
たとえばアダム・スミスは市場経済の萌芽を、ケインズは20世紀初頭の大恐慌を、シュンペーターは「大きな政府」の弊害をそれぞれ目の当たりにして、各時代を乗り切るための論を展開した。それらは先人の“限界”に対するアンチテーゼでもあった。こうして概観すると、誰が正しいのかという話ではなく、経済学があっちへぶつかり、こっちでつまづきしながらなお動き続けているのだということがよくわかる。
もっとも、後半のシュンペーターやハイエク、フリードマンらに関しては、“限界”までの記述はない。まだ結論が出ていないまさに現代の問題が扱われているからであり、「小さな政府」を指向する著者の主張が今なお彼らの思想のライン上にあり、またあるべきだと考えているからだろう。
経済学徒ではないし、読書家でもないのでスミスもケインズも知らないが、近ごろの閉塞感の中で語られるいろいろな論客のブログなり批評なりをせめて理解しようと思ったら、これら経済社会のスタンダードが何を言っているかくらいは知っておいた方がいいと思う。そのポイントを適切につまんでくれる本書は、格好の手引き書なのである。