あらすじ
『国富論』も『資本論』もそうだったのか! 狭義の学問としてではなく、スミス、ケインズらの問題解決力に焦点を当てる。政策を知る著者ならではの、いま役に立つ読み方。
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Posted by ブクログ
アダム・スミス、マルサス、リカード、マルクス、ケインズ、シュンペーター、ハイエク、フリードマン、ブキャナンの著作の考え方と当時の問題、そして彼ら自身を平易に述べている。竹中氏が主張していることは、かれらは経済思想を創始したのではなく、当時の問題の解決策を提示したのである、ということ。
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デフレ、低成長、財政赤字、少子高齢化…世界中から日本がどう課題を解決していくか注目されている。
「見えざる手」で有名なアダムスミスや、今の日本の政策の象徴、ケインズ。その問題は何なのか。ケインズ批判のシュンペーター、ハイエク、フリードマン、ブキャナンの主張も織り交ぜながら、本当ににわかりやすく解説されている。おれは元々小泉・竹中の新自由主義と呼ばれる(こう呼ぶこと自体がこの本の主旨から反するが)思想は当時も今も支持していたもののまだ理解が浅かったなと。
竹中さんは頭がいい。(以上2012年レビューやや改変)
再読。この本はリーマン後の2010年発行だが、今読んでもやはりいい。経済学に限らないが、時代と文化の背景あっての新たな知識の出現、そして積み重ねが今の世界をかたちづくっているのだな、と考えさせられる。
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経済学部出身だが今までろくに勉強をしてこなかった自分に、ちょうど良い入門書だった。アダムスミス、ケインズ、シュンペーターなど有名な経済学者の理論が、わかりやすくまとめられていて経済古典の全体像を掴むのに最適。雑学としての読み物にも良い。
経済古典は、その時代の問題解決の処方箋だったんだと、僕らが普段読んでいるビジネス書に近いものだという見方をすると、経済古典への敷居がすごく低くなった気がする。
以下はまとめ。
アダムスミス→ 自己利益追求の推進力と競争という抑制が“見えざる手”に繋がる。
マルサス→人口論が食料不足を招く。→でも結局は人は豊かになればな
るほど、子どもの数を減らすので人口増には一定の抑制がかかった。
マルクス→資本主義の崩壊を予測。→資本の高度化が進めば進むほど、労働力の価値が増し労働者は豊かに。
ケインズ→大きな政府。財政拡大政策。失業をカバーするためにGDPの大きさが不足する可能性がある。その不足を埋めるのが政府の仕事。
シュンペーター→「不況必要悪説」不況が企業を強くする。イノベーション(創造的破壊、新結合)が経済発展の原動力となる。資本主義が社会主義化を招く。
ハイエク→一貫したケインズ批判。個人が出来ないことが政府が出来るわけがない。政府ではなく市場のメカニズムに頼れ。政府を強くすることへの恐怖。政府の失敗はとてつもない犠牲を生む。
フリードマン→スタグフレーション(経済停滞+物価上昇)を説く。ケインズ政策は無意味。人間は合理的なのでマーケットも合理的と説く。
ブキャナン→政府に頼りすぎると必然的に財政赤字が発生する。
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本書は「問題解決のスキル」としてスミスやケインズなどの経済古典を取り上げている。アダム・スミスやケインズやシュムペーターも、彼らが生きた時代には常に経済問題があり、彼らはそれらの問題を解決するために経済理論を生み出したのである。よって、「当時どのような経済問題があり、その中で彼らは何を思い、どのように生きたのか」を理解することが経済古典を読み解く上で非常に重要である。
基本的な経済思想史の勉強をするのであれば、より効果的な本はいくらでもある。しかし、本書は、我々が忘れがちな、重要な考え方・視点を提示してくれるという意味で大きな価値があるのではないだろうか。
冒頭の「はじめに」で、竹中平蔵氏の本書における基本的なスタンスが明確に提示されている。興味のある方は、まずこの部分に目を通してみることをおすすめする。
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筆者の専門分野ではないが、割とわかりやすく書かれている本。
筆者に関しては好き嫌いが分かれるとは思うが、わりと客観的に経済古典についてまとめられているため、誰にでも親しみやすく読める本ではないかと思う。
Posted by ブクログ
良い悪い好き嫌いをひとまず置いておいて冷静に見れば現代日本の経済政策に大きな影響力を持つ竹中平蔵とはどういう人物なのか経済古典が書かれた背景と援用のされ方実際に使える所、使えない所などを経済政策のフロントマンでもあったスタンスから話しているので経済学の歴史の読み解きとしては面白いと思う。言い方次第で逆の相も見える。それらを通して竹中氏自身の考えも見えてくる。
Posted by ブクログ
経済古典の背景、各経済人の時代背景、環境、経緯含めてわかりやすくしょうかいされていて非常におもしろい。
アダムスミスにはじまり、マルサス、リカード、マルクスを経て、ケインズに至るまで非常にわかりやすい流れの解説だった。シュンペーターも論理からの仮説構築力、将来予見力、インサイトが素晴らしかった。ある意味日本の現状をいいあてている。
ハイエクが一番心にささった。シンプルな論理ながらわかりやすく、政府に対する批判の論理がすごく納得感があった。
<メモ>
・経済古典の問題提起や解決策が私たちの今にどういう意味を持っているかを考える。今日的意義を考え、もんだ解決のスキルとしての経済古典を勉強する意義を探った本。
・変化や革新に対する社会的な拒絶反応があると社会主義に近いものに落ち着いてしまう。
・アダムスミス国富論では、社会秩序の問題、財政赤字の問題、アメリカという植民地の問題、重商主義政策がよいのか悪いのか、についての問題。
・利己心と道徳心の両立が経済的な秩序につながる。競争が利己心の調整力として働く とアダムスミスは考えていた。
・昔の経済学者はみなイギリスを舞台にして活躍していた。
・シュンペーターのいう「知識人による資本主義への敵対化」人の批判をする評論家がメディアに露出し、必要以上に格差を強調する。その論調が主流になり、政治の流れが創られる。それが資本主義のダイナミズムを減退させていく。
・シュンペーターは資本主義はその成功ゆえに崩壊し、世界は必然的に社会主義化すると考えた。シュンペーターが資本主義のダイナミズムが失われる要因としてあげている項目に日本はあてはまっているのではないだろか。
・ハイエクのケインズ批判。ミクロの議論なしにマクロを表すことはできない。また、個人ができないことを政府ができるはずがない。個人が合理的に行動することはないし、個人が完全な情報を持つこともあり得ない。個人が不完全な知識しか持たないがゆえに、不確実性がともなう個人の行動をコーディネートする仕組みとして唯一機能するとするとそれは政府ではなく市場である。局所判断を個人が行うことにより、全体としての調和が自律分散的に市場の中で形成される。これが市場メカニズム。
・フリードマンは積極的に自由をつくることに重きが置かれている。
・ハイエクにとっての問題は「集産主義」だった。ヒトラーやスターリン。政府が大きくなり個人主義を否定して集産主義になることに対する批判
・フリードマンにとっての問題は「スタグフレーション」メカニズムを解明し、ケインズ政策の効果がないことを証明した。教育バウチャーや負の所得税という攻めの自由主義政策を提案した。
・低成長、デフレ、財政赤字など世界の経済問題を全て背負い込んだ日本のかじ取りに世界は注目している。
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具体的な経済政策の本ではなく、古典経済学者の考え方や思想の紹介をする本。各経済学者の考え方について、その時代の問題点や背景なども踏まえて書かれているので、非常にわかりやすい。
アダムスミス、マルサス、リカード、マルクス、ケインズ、シュムペーター、ハイエク、フリードマンという、私ですら全員名前は聞いたことあるくらいメジャーな人物たちについて書かれた内容。
とりあえずどの人物も神的な能力の持ち主だった(笑)やっぱり経済と言えど、思想が必要だということがよくわかる。
中でもシュムペーターの「不況があるからこそ世の中から非効率なものが排除されていく」という考え方は、すごく共感した。
経済学の本ってすごい読みたいんだけど、どれも分厚いハードカバーの本な気がしてイマイチ読む気になれないんだよなぁ。
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当然の話だが古典は書かれた当初から古典だったわけではない。今は有名な経済学者たちも当時はそれぞれ目の前の問題解決のために書いていたのである。
面白かったのは古典として残っている予言がことごとく外れていることだ。更に当時の問題だったことが今現在も問題として残っていること。もしろ、それぞれの時代に生じた問題が積み重なって現在に残されたように感じる。
問題は政府が解決する、というケインズの政策を活用した日本が不況に陥っている。これからやるべきことは決まっているのではないだろうか。
シュムペーターの、イノベーションは消費者ではなく生産者から生まれるという理論は印象的だった。つまり欲しいよりも作りたい、売りたいが先んじるということだ。これから仕事をする上で大いに参考にしたい。
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頭の整理ができた。学者が一般人向けにきちんと書いたものには良書が多い。
古典は時代背景を念頭において読むべきであると痛感。特に、ハイエクの育った時代とハプスブルク家の衰退とにさらりとふれている箇所に感心する一方で自分の不勉強を実感する。
Posted by ブクログ
元々は全5回で行われた講義を、5章にわけて書籍にしたものであり、①アダム・スミス、②ケインズにつながるマルサス、リカード、マルクス、③ケインズ、④シュンペーター、⑤ハイエク、フリードマンと経済史の大きな流れをわかりやすく記した本。全くの初心者にお勧めだと思う。
本書の特徴として、その人の理論だけではなく、性格などの人となり、また直面した当時の課題等を明らかにしていることだと思う。
経済史も多くの人が関わっているので、誰を選び、どのように経済史の流れを描くかが問題だとは思うが、元々講義のためだろうか非常にわかりやすい。そして、経済史の幹ができると思うので、ほかの本で枝葉については学べばよいと思う。
個人的には、あの小泉さんの竹中大臣と思ったが、中身は非常にオーソドックスだった。どの学問や領域もそうだが、1つだけの意見を聞かず、体系だって学び、意見などの立ち位置を学ぶことが大切だと改めて感じた。
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高校のときの授業で名前がでた人たちの理論を背景から紹介している。読みやすいしわかりやすい。どの理論も時代の影響を受けているから100%正しいものではなく、99%の正解と1%の誤りがあるという指摘は重要。
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とても分かりやすい本で、経済が苦手な方がまず最初に読んでみるといいかもと思いました。
よくマネタリストはケインズ派を批判して、ケインズ派はマネタリストを批判すると言われます。どちらか一方しか勉強していないなら、そのように考えがちですが、それは違うことが確認出来ました。どちらが正しいのかではなく、あくまでそれぞれの時代の中で起こった経済問題を解決するために必死に考え出した方法論であるということでした。
それぞれの人物の人となりであったり、時代背景が分かりやすく書かれており経済の一連の流れをつかむのにも最適の本であると思いました。
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竹中先生の著作。
アダムスミスから始まり、リカード、マルサス、マルクス、ケインズ、シュンペーター、ハイエク、フリードマン...と経済古典のエッセンスを簡単に紹介。難しい数式なども特になく、入門書としては最適。具体的なエピソードもあり、それぞれの人物がなぜそう考えたのかもイメイジしやすい。
古典と呼ばれるものは、それぞれの時代が抱える難問に挑んできた。批判もあったであろうが、それに耐え、「古典」と呼ばれるまでに達した。
○○派にこだわることなく、「時代が要求しているものは何か?」を意識し、考えること。そしてそれは経済古典が示唆してくれる。
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アダム・スミス→マルサス、リカード、マルクス→ケインズ→シュムペーター→ハイエク、フリードマンという経済学の大きな流れを解説。
偉大な経済学者たちが、どのような問題に直面し、どのような解決策を考えたのか?
経済学の古典を「問題解決のスキル」として読む姿勢が秀逸。
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マクロ経済学本を読む前に読んでおいてよかった。|o|
マクロ経済学の立ち位置とか、なんについての学説なのか、何を解決できて何の課題があるのか、とか色々まるわかりです。
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小泉内閣の経済財政政策担当大臣による経済古典についての入門書。
経済学の歴史を学ぶにあたってとてもわかりやすいと思います。
経済学史の変な授業よりもよっぽど良いですw
シュンペーターの知見は素晴らしいですね。
まさに今の日本を表しているかのようです。個人主義的功利主義とか。
あと、フリードマンの教育バウチャーや負の所得税といった考えもすごく面白いですね。
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アダム・スミス、マルサス、リカード、マルクス、ケインズ、シュンペーター、ハイエク、フリードマンと経済の基礎を築いてきた経済学者の考えをわかりやすく記した一冊。
最大の主張は、経済思想はそのときどきの問題を解決する為に考えられたという所。偉大な先人達は経済思想が先にあり、それを使って問題を解決しようとしたのではなく、彼らが提示した問題解決のスキルが蓄積されて、結果として思想になったという。経済古典を学ぶ意味はその先人達がいかに目の前の問題を解決したかを知る所にあると主張している。
Posted by ブクログ
本書は、小泉新自由主義構造改革のブレーンとして「悪名高き?」竹中平蔵氏によるものであるが、内容はおもしろい。
まず、経済学の歴史と基本をわかりやすく紹介している。「アダム・スミス」「カール・マルクス」「ケインズ」「シュムペーター」「ハイエク」「フリードマン」「ブキャナン」等の経歴やエピソード、理論のエッセンスの紹介は、実にわかりやすい。おそらく難解な経済学の理論を竹中氏なりに噛み砕いているのだろうが、それぞれの理論の違いを良くわかった気にさせてくれる良書であると感じた。
竹中平蔵氏の現在の経済状況に対する認識も興味深い。「われわれは、アダム・スミス以降200年以上の議論を、ここ数年で振り返らざるをえないような体験をしたのである」。
本書には、未来についての考察はほとんどないが、本書の「おわりに」のニュアンスからは、竹中氏は、過去の新自由主義的主張から大きく転向しているのではないのかと感じたがどうだろうか。
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本当は学生時代に勉強しないといけないんだろうけど、当時は全く興味無かったから。こういうことを知る人と知らない人では、全く違う。金融の分野で生きていくなら必読の一冊!!
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経済学とは何か。経済学が対象にするのは、なにか一貫した経済一般についての問題、ではなく、その時々の経済問題である。経済学者たちが何をいかに論じてきたかをまとめる。竹中さんの文章、わかりやすい。この人の本はもうちょっと読んでみよう。
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アダムスミスから始まり、ケインズ、シュムペーター、マルクス、ハイエク、フリードマンやブキャナン等様様な経済学者の思想や特徴を捉えることができ、経済古典が役立つことを説いた新書である。
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アタマのいい人と喋っていると自分までアタマがよくなったような気がするけど、それと似た感覚を味わいながら読んだ。
それはまず、冒頭にあるように、アダム・スミス、ケインズ、シュンペーターからブキャナンに至る経済学の泰斗を各章に配置した上、その時代背景と人物像を紹介し、研究の特徴を説き、その論の限界を明らかにするという本の構成そのものの明快さや、大学での講義を基にして書かれたという筆運びのわかりやすさである。
もう一つ、同じく冒頭に「経済学史や経済思想の専門家がたくさんいる中でこうした本を書くことは、私の任には負えない仕事だと思った」とある。だがこの本には、実際に大臣として日本国の経済政策に携わり、その問題意識の中で経済思想のあれだこれだを肌で実感した著者ならではのリアリティがある。
同時代の、全体を見渡せすことができる日本人による、日本語で書かれた啓蒙書、それがわかりやすさの理由だと思うし、これほど得難い教材はない。
さて、「経済古典」と言えばしかつめらしい経済学の原理法則が書かれているのかと思ってしまうが、いずれの泰斗の経済理論も、実は各時代に持ち上がっていた社会問題に対する処方箋として書かれたものである、という基本テーゼがまず興味深い。
たとえばアダム・スミスは市場経済の萌芽を、ケインズは20世紀初頭の大恐慌を、シュンペーターは「大きな政府」の弊害をそれぞれ目の当たりにして、各時代を乗り切るための論を展開した。それらは先人の“限界”に対するアンチテーゼでもあった。こうして概観すると、誰が正しいのかという話ではなく、経済学があっちへぶつかり、こっちでつまづきしながらなお動き続けているのだということがよくわかる。
もっとも、後半のシュンペーターやハイエク、フリードマンらに関しては、“限界”までの記述はない。まだ結論が出ていないまさに現代の問題が扱われているからであり、「小さな政府」を指向する著者の主張が今なお彼らの思想のライン上にあり、またあるべきだと考えているからだろう。
経済学徒ではないし、読書家でもないのでスミスもケインズも知らないが、近ごろの閉塞感の中で語られるいろいろな論客のブログなり批評なりをせめて理解しようと思ったら、これら経済社会のスタンダードが何を言っているかくらいは知っておいた方がいいと思う。そのポイントを適切につまんでくれる本書は、格好の手引き書なのである。
Posted by ブクログ
著者の竹中さんは言わずと知れた、元大臣。
はじめにの中で、学者として、そして政治家として、思想を湾曲して「○○派」というレッテルを付けたがり、現在の経済問題を、経済論理と誤って結びつけて議論をする人々や、how toモノで安易に経済や経済政策を語る人を批判している。
それは、今や古典となっている、アダムスミスやケインズの理論も、当時は、当時の経済問題に対してどのように解決すれば良いかという最新の理論であり、当時は批判の的にされた論理だった。
今はその論理は様々な経済政策の基となり、その上にさらに新しい考えが積み重なり古典と呼ばれる地位になっているが、表面の字面だけを丸暗記して、まるごと妄信的に信じることの危険性も指摘している。
国富論など本の名前は知っていたが、実際に読もうと思ったことはない。しかし、今回当時の時代背景等の予備知識が入ったので、今度機会があったら読んでみたいと思った。
自分も大学生の頃、マクロとミクロの経済モデルを木と葉っぱに例えて説明する軽薄な同級生を見て、コイツそれで理解できているのか?と冷めた目で見ていたので、how toものを安易に語る人を批判するのはよくわかる。
Posted by ブクログ
経済入門として、読みやすそうでいいかなと思って買ってみたのですが、さすがにちょっと内容が薄かったかな。
読みやすいのは読みやすかったですし、現在の日本の状況についての辛口のコメント満載なので、それなりにおもしろかったですが。
経済についてあまり詳しくない人向け。
Posted by ブクログ
経済学の祖アダム・スミス
世界恐慌時に登場したケインズなど
現在の経済学に多大な影響を及ぼした理論ができた背景、
理論の内容、さらには人物像までも書かれている本。
内容としては、各理論ができた当時の経済状況に対して、どのような問題解決方法を提示したかの説明があり、その良い点、悪い点を記載している。
現在の政治の政策が本当にいいのか?それともだめなのか?
政策を自分自身の考えを持とうとするときに、判断基準として多いに役立つ。
理論の説明などのところでは専門的な記述の仕方になっており、経済の勉強をした事がない人にとっては理解しづらいかなと思う。