あらすじ
昭和は「激動の時代」であり、平成は「激変の時代」だった。
著者は、令和は「激震の時代」と予測する。世界ではポピュリズムが蔓延し、自由な世界秩序をリードしてきたアメリカはルールメーカーとしての役割を放棄した。さらに第四次産業革命の中で中国が台頭し、中東、朝鮮半島では平和が脅かされ、欧州は政治混乱の状況にある。令和は今までにない世界秩序の混乱状態から始動したのである。
本書では、令和時代にどのような政権が生まれ、誰が総理大臣になっても、避けては通れない特に重要な17の政策問題を取り上げ、それぞれの問題の背景にある構造と、具体的な対応策を示した。これらの17の課題の改革に早急に取り組まなければ、日本の将来は極めて厳しいものになる。逆に、日本の潜在力を信じてこれらの課題に果敢に挑戦すれば、日本の将来は決して暗いものではない。改革を通して、日本は世界に対し、重要なベストプラクティスを示すことができる。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて読みました。
色んな面から見て、日本が遅れているんだなっていうことを再認識できました
コロナ禍になり、日本が隠して来た問題が少しずつ表面にで出しているなと自分みたいな田舎の一般人でも気付きます
答えはシンプルなはずで
解決策もあると思うので、一個ずつでも前に進んで行って欲しいと願います
Posted by ブクログ
日本の宿題 竹中平蔵 原英史
網羅的で「規制改革」メインだが、幾つかのテーマには光るものがあった
日本は変革が苦手 自民党総務会は全会一致 官僚と族議員が反対すると潰れる
1.やはり「道州制」の実現 都道府県のフルセット主義から脱却を、
既得権益のかたまリ 国立大学 新聞社 銀行 テレビ局 各省の出先
ここが最後の勝負所 敗戦まで出来ないかも知れない
戦時中の国家統制体制「1県1機関主義」=1940年体制野口悠紀雄
2.国税庁+社会保険庁+地方税徴収機関=歳入庁 Digitalで統合すべき
総人口 1990年123百万人 2008年128百万人 2050年97百万人
生産年齢 1995年 87百万人 2015年 76百万人 2050年50百万人
移民の受入・高度人材のリクルート 高い税金最高55% 香港17%
3.原発の処理
これが最大の契機となる 原発の処理機構を作って一括国有化で集中処理
かっての不良債権処理の預金保険機構と同じ
そして敗戦処理を日本改革とするしかない
4.教育改革 ここも岩盤
郵貯民営化は賛成でも、東大民営化には反対か・・・
Posted by ブクログ
令和の時代に避けて通れない17の重要政策課題を取り上げ、その背景にある構造と具体的な対応策を論じる。
主な課題は、道州制導入、令和の農地改革、ベーシックインカム導入、コンセッション導入、シェアリングエコノミー推進、デジタルガバメント推進、移民法制定、東大民営化など。
いずれもスケールの大きい話であるが、根底には、やはり、竹中氏らしい規制緩和や民営化へのこだわりが感じられる。
あまり新鮮味を感じない項目もあったが、共感や興味を感じた事項のみ以下にピックアップしておく。
・日本政府の典型的な政策である「モデル事業」は通常2~3年程度。それが終わると地方負担でということになり、持続しない。
・ベーシックインカムは、特定のグループの要望に応えるため政治的にさまざまな補助金を出す不合理性から脱出し、コストを削減する観点から導入検討すべき
・コンセッションの成功事例を交通インフラ、学校の耐震化、防災インフラの強化・増設などマクロに拡大し、財政再建の重要な手段として位置づける。
・民間企業に成功報酬を渡すペイフォー・サクセスの考え方で公共的なサービスの効率性や質の向上を図る
・ライドシェアに関して安全を守るといったごまかしの建前論ではなく、ドバイのように既得権益の保護を素直に認めたうえで必要な調整を行う。(シェアリングエコノミーの推進)
・事前規制型ではなく、競争に敗れた企業が退出をするためのルールをつくる事後チェック型の行政が世界的な潮流になっている。
・スマートテクノロジーを自由に活用できる規制緩和と個人情報の保護を両立させる新たな仕組みとしてのスーパーシティ構想は国家戦略特区を強化して住民合意を前提に大胆な規制改革を可能にする取組
・養子と実親との関係が解消される特別養子縁組をしやすくするよう、その家族の生活を適宜ケアする義務を法律に盛り込むなどして、それが少子化対策に繋がるようにする。
・閉鎖的に情報が提供される官公庁の記者クラブを廃止し、切磋琢磨を通じて質の高いジャーナリストを育成する。