中野信子のレビュー一覧
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消費行動における脳科学をハックする。
民主主義がアルゴリズムにならなくても、もっと短絡的なものとして政治家さえも脳科学的に消費されるという、至近のデータ利活用論へのアンチテーゼのようだ。統計学で解析しなくても、脳科学的な原理から行動を見抜く。表題で損をしているが、面白い本だ。
都民ファーストの会の躍進と、希望の党の失速は、政策や党運営の観点からも分析はできるが、脳科学的には小池ブランドに対する消費行動と捉えられる。脳科学の知見を政治に生かす試みは、ニューロポリティクスと呼ばれ、比較的新しい研究領域。同様に、ニューロマーケティングとは脳内の変化を調べることで無意識下にある意思決定や行動のプロ -
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いじめ(サンクション)は、人間の本能であり、また青年期の子どもたちは自分自身で制御出来ないことが分かった。
「裏切り者モジュール」と「サンクション」という2つの本能が取り上げられているが、これはつまり、裏切り者をpick upして排除する機能である。
この本能構造以外に、妬み感情が発生しいじめに発展する構造もある。妬みを強める要素は「類似性」と「獲得可能性」の2つがあり、学校では獲得可能性が重要になる。
いじめの対象となりやすいのは、少し手を伸ばせば届く人達、つまり獲得可能性が高い人。
政府は、いじめを減らそう!としているが、そうすると現場ではいじめ認知しないでおこうとする。つまり -
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■高学歴であったり有名な企業に勤めていたり役職についていると聞くと、よく知らない人でも信用してしまうということがある。これは「ハロー効果」と言われるもの。人は物事を判断するときに、見た目や肩書など、一つ目立ったよい特徴を持っていると、その人全体の評価に大きな影響を与えてしまうという心理。「ハロー(Halo)」とは、聖母マリア像やキリスト像などの後ろに描かれたりしている光の輪のこと。日本語では光背効果とも呼ばれる。
■自分に都合のよい方向に事実を歪めて認知することを「認知バイアス」という。ユーモア度を測るテストで成績が下位だった4分の1の人達に「自分の成績はどのレベルだったと思うか」と質問したと -
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一気に読めた。
いじめは本能であり、無くなることはないのではないかと、ずっと漠然と思っていたことが脳科学的に解説してあり、なおかつ読みやすかった。
小学生も高学年になれば、「いじめは良くない」「みんな仲良く」「クラスは仲間」などというフレーズに首をかしげたくなる意識が芽生える。
道徳や人権週間で、いくら「人の気持ちを考える」などと学んでも、いじめは同時進行で起こっている。矛盾を感じ、苛立たしくなるだろう。
ここで、この著書に書いてあったように、「人は不完全。妬みも攻撃性も消せない」「大事なのはそんな自分をコントロールすること」と学校で教えてもらえたら、どれだけ救われるだろう。
家庭でも教えるこ -
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日本人が他人と比べて劣等感や妬みを持つ理由を、古代ローマと比較して解き明かしていきます。日本と古代ローマ、国民性が似ているという点が以外で面白く読んだ。日本人の真面目さや親切さは、実は他と差を生まないための仮面で、本当は差ができたときの村八分や魔女狩りを恐れているという洞察はなるほどと思った。コロナ禍の中で生まれた自粛警察も、その一例。差を生まなくさせる行き過ぎた正義だという。行き過ぎた正義については、ソ連のヤロビ農法まで例に出されており、幅広い知識に脱帽です。多様性と言われる時代にも提言。ただ多様があっても関心を持たないと意味がない、他は違うのだと認識したうえで、それを受け入れたり、さらには
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糸井重里さんがかつて書かれた
>しかし、思えば「あら探し」だらけの世の中で、あらを探される側になっているということは、ものすごいことだよ、と言えるよ。がんばれ、「あら探されてる」やつら。
ということばが、こころのすみっこで「お守り」になってくれてます。
本書を手にとったのは、それに似た救いを求めていたのかもしれません。
同調圧力が強いコロナ禍、出る杭は打たれる日本社会、
なかなか生きるのがしんどく感じることがあります。
「ヒトは放っておけば生贄を探してしまう生き物なのです。」ということがわかったのが、収穫でした。
最近の論壇でよく見るお2人の対談も含めた、世相分析です。
【本文より】 -
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ネタバレ同世代のお二人による対談。内田也哉子さんも中野信子さんもどちらも大好きなので、飛びついた。
ただ読んでみたい理由はそこだけではなく
"家族"について語っている所にもある。
内田也哉子さん、最近はビールの大人エレベーターのCMで注目してした。
お母さんの樹木希林さんの雰囲気もあるけれど、独特の存在感が魅力。本木雅弘さんと19歳のときに結婚されたという報道もインパクト強くて羨ましい限りであった。
中野信子さん、私の中では『英雄たちの選択』でよくお見かけする脳科学者で、ゆっくりと噛み砕くように話されるその姿が神々しくて見惚れてしまう(話はちゃんと聞いているつもりです)。
お -