中野信子のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
合成の誤謬
一部ご紹介します。
・かつて、出産は命がけだった。産後のある時期、分娩時の傷からの細菌感染により、二日以上母親の熱が続く。場合によっては死ぬ。
産褥熱である。これは医師の手洗いによって、防ぐことができる。
19世紀の産婦人科医センメルヴェイスは「消毒」の重要性を明らかにした。が彼は、当時の名だたる医師から集中砲火を浴び、排斥された。
最後は、頭がおかしいと病院に閉じ込められて、そこで暴行を受けて死んだ。
人間は、理性で言い訳をしながら、感情が暴走するままに異質な主張をする者を排斥し、追い詰めるものなのだということがよくわかる。
学者や医師という科学の徒でさえそうなのだ。
・お湯に -
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笑うセールスマンの喪黒福造を題材として、脳科学で分析した人間の本質のひとつに迫った一冊。
読んでこの地獄をセールスする喪黒の恐ろしさは、相手に強制をするわけでなくもちろん脅しでもなく、無償で快楽を提供することで目的を達成すること。いわゆる騙しの要素もない。あくまでターゲットになった「被害者」が選択している。しかしこれは心理学では約束を交わしたら最後、守れないのは必然の約束であることが脳科学・心理学的解説で示される。
シンプルなだけにゲーテ「ファウスト」のメフィストフェレス以上に悪魔的で、恐ろしい。
いわゆる「脳科学者」というブランドをツールにタレント活動する人もいるが、中野氏はいつも脳科学的根 -
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ネタバレ以前から気になってたので、買って読んでみました。
心から幸せを祈る時、幸せホルモンであるオキシトシンが出る。オキシトシンは幸福感につながり、自己肯定感が高まる。
人のことを自分のことのように考える力が人間にはある。そのため人のことを祈り、その人が良い方へ向かったときには自分も幸せに満たされる。
祈りは自分のとこだけではなく、人のことを祈れるようになるとその祈りの力が発揮されると思いました。
すごいと思ったことは、夫の浮気相手のことを祈れるようになったとき、夫が浮気相手と別れたということ。祈ることで魅力的な女性自身となった。
最初は憎しみしかないが、ずっと呪いのように祈り続けるよりも少しずつ -
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「心の師とはなるとも心を師とせざれ」
800年前の日本の宗教家が信徒宛の手紙にこう残している。
「自分自身を上手にしつけなさい。そうすればより素晴らしい未来が開けるよ」と言っているのだろうと著者は語る。
脳科学者の視点から、その研究成果を8つのパートで分かりやすくまとめられている。
①集中力のしつけ方
・そもそも集中しにくいように脳はできている。
・それでも集中したいなら、まずインターネットを切る。
・キリの悪いところであえて作業をやめる。
・お風呂、ウォーキング、甘いものも効果的。
②記憶力のしつけ方
・大人になっても記憶力の向上は可能!
・エピソードに引っ掛けて覚えていく。
・感 -
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脳科学者とマーケティング学者が、既存のマーケティングのフレームでは語られることない、説明の難しい現象、悪のマーケティングを解明します。
「ステマ」「ホストクラブ狂い」「後妻ビジネス」「振り込め詐欺」など。
なぜこうも簡単に脳がハマってしまうのかを解き明かします。
すごく面白いです!
おそらくマーケティングは、それまで学問の対象になりにくかった「商売」の領域について、学問の対象とするために「怪しくないこと」を無意識のうちに選択している。現実には、悪のマーケティング、 つまり「ブラックマーケティング」が厳然と存在しているにもかかわらず――。結果的に、マーケティングは「正しいこと」だけを述べる、” -
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「科学者として、人々の幸福に貢献したい」
「本当に幸福な生き方とはどのような生き方か?」
テレビにも度々出演し、著書も多数ある日本を代表する脳科学者の一人でもある著者は、この二つの問題意識を持って本書を出版した。
「よい祈り」を続けると、人生はよい方向に変わるのだと。
「祈り」と言っても宗教的なものだけに限らない。
親が子を慈しむ。
先輩が後輩を育てていく。
たくさんの人と関わりを持っていく。
その「利他的な行動」のなかで、「脳内快感物質」のドーパミンやベータ-エンドルフィンが分泌され、恋愛感情すら上回る「幸福感」が得られるのだという。
人からほめられる、よい評価をされるだけ -
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テレビでもよく見る脳科学者・中野信子先生が、自身も好きなメタルが好きな人達を脳科学的に分析した本。2019年作品。
まず最初に、孤独感を感じていた少女時代の先生がメタルに出逢う、という自分語りから始まっています。それがあまりにも感動的で、1ページ目から泣きそうになりましたよ。第1章は、こうした中野先生の中高生時代の音楽体験が書かれていて、偏差値高め少女のメタル話はボンクラ男子のメタル好きしか知らない自分には、非常に新鮮で興味深く読みました。
第2章以降では、メタル好きな人達に特有の気質を見事に言語化してくれていて、所々で脳科学の専門用語が使われる難しさはありましたが、色々と納得する事が多く楽し -
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■気の遠くなるような進化を潜り抜けてきた不倫遺伝子。
・研究結果からわかることは生まれつき「一夫一婦制の結婚には向かない人」がいるという厳然たる科学的事実。
・ある人の振る舞いが一夫一婦制に合致するかどうかは本人の意思や努力ではなく,遺伝子や脳の仕組みによって決まっている部分も大いにある。
・遺伝子の塩基配列は数世代で急速に変化することはなく長い時間をかけてゆっくりと変わっていくのが基本。また遺伝的多型があるとき,どちらかの遺伝子が適応的であったとして,その方が広まっていく速度=適応度は,数理社会では「1世代で1%の変化が起こる速度に相当する」と仮定する場合が多い。
・たとえばセロトニンという