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サイコパスからいじめ、不倫まで、人間社会のさまざまな事象を読み解いてきた脳科学者・中野信子が次に選んだテーマ。それはヘヴィメタルです。重く激しいサウンドとダークな世界観で熱狂的なファンを生む一方、その音楽性やスタイルゆえに世間から疎まれがちなヘヴィメタル。しかし様々な研究によって、このサウンドが持つ効能やファンの特性が明らかになった結果、世界中の科学者からポジティブな評価を得るに至っています。「ヘヴィメタル」その特徴を本誌解釈で端的に表すと「天才が好み、天才を育む音楽」であるということ。良識的な人々が眉をひそめるヘヴィメタルには、認知機能や知的好奇心、ストレス耐性の向上など、知育に欠かせない数々の効果が認められるのです。自らも幼少の頃からヘヴィメタルに親しんできた中野が、これらのユニークな先行研究を紹介すると共に自身の経験も織り交ぜつつ「天才のための音楽」のメカニズムを解説します。脳科学・心理学的な縦横無尽のアプローチを重ねた末、中野の考察はヘヴィメタルが果たすであろう社会的役割にも到達します。世の欺瞞や偽善を鋭く訴える一方、怒りや絶望といったネガティブな感情を緩和させ、正義の感覚を醸成させるこの音楽は、現代社会における自立した個人のあり方を促すのではないか。それは、単なる反骨とも反社会とも異なる「非社会」というスタンスです。各国でポピュリズムが台頭し、民主主義の行く末も危ぶまれている昨今、閉塞した世界を変える「強い個」を生み出すのがヘヴィメタルやヘヴィメタル的スタンスなのかもしれません。予言にも似た中野の指摘は、既成概念を打ち崩す驚きを与えてくれることでしょう。次代を担う若者へ、そして彼らを育てる大人たちへ、今こそ声を大にして伝えたい。
「モーツァルトよりメタリカを聴け!」
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Posted by ブクログ
テレビでもよく見る脳科学者・中野信子先生が、自身も好きなメタルが好きな人達を脳科学的に分析した本。2019年作品。
まず最初に、孤独感を感じていた少女時代の先生がメタルに出逢う、という自分語りから始まっています。それがあまりにも感動的で、1ページ目から泣きそうになりましたよ。第1章は、こうした中野先生の中高生時代の音楽体験が書かれていて、偏差値高め少女のメタル話はボンクラ男子のメタル好きしか知らない自分には、非常に新鮮で興味深く読みました。
第2章以降では、メタル好きな人達に特有の気質を見事に言語化してくれていて、所々で脳科学の専門用語が使われる難しさはありましたが、色々と納得する事が多く楽しめました。
中野先生の冷静に分析した文章も良かったですが、それ以上に感動したのはメタル好きだという中野先生の知人の言葉。
ミュージシャンとファンの絆を「メタルミュージシャンたちは、デビューアルバムを出したときにすでにファンと“盃”を交わしているんだ」と言い、自分が好きになったバンドを誰かに勧めて気に入ってもらいたくなる衝動を「まるで離れ離れになった家族を捜しているような気持ちになる」と言う熱さ。
こうしたメタル好きの熱さが不思議に思う人は、是非この本を読んでいただきたいですね。
Posted by ブクログ
元メタラー(今コンスタントに聴いているのはアイアン・メイデンとメタリカくらい)なので、タイトルに興味を持って読んでみた。
本書は音楽本というよりも、脳科学と心理学(特にパーソナリティ理論)の解説本。したがって、メタルという音楽とアーティストを脳科学の観点から掘り下げる本だと期待して読むと、期待外れと思う可能性が高い。
つまり本書に対して何を求めるかによって、評価が全く変わるということである。メタルという音楽についての深い洞察を求めるのであれば、伊藤政則氏の本を読んだ方がはるかに満足できるだろう。
読んで思ったのは、脳科学と心理学には非常に密接な関係があること。おおよそメタルとは関係ないことを本書から感じ取ってしまった。
ただ著者のメタル愛は強く感じるし、メタルという音楽に対するステレオタイプを打破しようという意気込みも感じる。
一つ「なるほど」と思ったのは、落ち着こうと思って静かな音楽を聴くとかえって落ち着けないというくだり。たしかに落ち着こうと思ってバラードを聴くとかえって落ち着かなくなる一方で、ハードな音楽、バンドで言えばアーチ・エネミーや、メタルではないがラモーンズなどを聴くと気分が落ち着くということは多々ある。
おそらく、パーソナリティ理論でいう「最適刺激」が関係しているのだろう。
Posted by ブクログ
「ヘヴィーメタル(メタル)好きに悪人はいない」という考えは何年も前から自分の中では謂わば「常識」となっています。
しかしながらメタルは、「血、死、暴力、呪い、嫉妬、裏切り、破壊、怪物、悪魔 といった言葉が頻出する、どう贔屓目に見ても危ない音楽」で、メタル好きはクラスの中で「あいつ、近いうちになんかやるかもよ……」と思われた浮いた存在だったりしました。
この文脈で「メタルは『反社会的』ではなく『非社会的』」で「非社会的であることが強い『個』を育む」という見解が中野博士から出されてます。さらに非社会的なつながりがある「メタルファンは『裏切り』に敏感な人たち」で、結果、「メタルは『正義』の感覚を醸成する」そうです。
なるほど!と思いました。
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ビジネス・実用
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