関美和のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この20年開で大きく市場規模が縮小した産業を1つ挙げるとすれば、それは音楽産業を置いて他にない。その要因は当然、mp3とファイル共有サービスの登場にあるわけだが、本書ではその歴史を「mp3という極めて優れたファイル圧縮フォーマットの開発」、「1990年代後半から2000年代のヒップホップの台頭を独占したユニバーサル・ミュージック」、「ありとあらゆる音楽をリークし続けたインターネット海賊集団」の3つの軸から紐解くノンフィクションである。
mp3の開発を巡っては、巨大レコード会社がバックにつきmp3よりも明らかに劣った技術規格であったmp2との熾烈な規格競争をいかにmp3が勝ち抜いたかが描かれる -
Posted by ブクログ
・とにかくエモい。Airbnbがどう立ち上がったかが解像度高くわかる。巷にあふれてるエピソードが立ち上げにどう意味を持ったか(シリアルを作ってでも生き延びたことと、そのシリアルをYconの面接に他の2人の創業者は反対したがこっそり持っていって最後にポールグレアムにみせたことが効いた、とか)
・創業者のうちの一人が、完璧主義がゆえその部下たちが悪い話を相談できなくなったときにコーチから言われたこと
→「象、死んだ魚、嘔吐」が言ってもらえるように、自分が完璧主義になってしまうこととそれを直したいとおもっていることを伝えなさいとアドバイス
象:誰もが知っているが口に出さない真実
死んだ魚: -
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Posted by ブクログ
実に面白かった。90年代半ばから現在に至るまでの音楽業界を俯瞰する視点に、他に類を見ない圧倒的な説得力がある。ここまで徹底した取材ができるものかと驚くと同時に、さぞ語らせるのに苦労したであろう相手についても、ネガティブなことも含めて遠慮せずに書いていることに唸ってしまう。
最初の章はmp3が世に出る前の裏話で、技術的なことはちっともわからないシロートにはちょっとつらい。次の章では田舎のCD工場に勤める若者、その次は大手レコード会社の幹部が登場する。この三つの話がかわりばんこに語られていくのだが、途中まではなかなか全体像が見えなくて、読み進めるのに苦労した。よくわからない用語がしばしば出てくる -
Posted by ブクログ
ネタバレ経済や経営と同じように、営業にも理論があるのだろうか?
タイトルを見た時に、ふとそんなことが頭に浮かんだ。
結果からすると「なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?」というタイトル通り、営業のノウハウは形式ばった理論などはなく、実践を通して学んでいく要素が強いということが分かる。営業に関する本を100冊読むより、誰かに何かを売るという行為を1度してみた方が多くを学べるという点では、スポーツとかゲームに近いのだと思う。
で、本書は、営業という行為をマスターする為に必要な要素は何なのか?という内容が中心に書かれているのだけれど、この本が決定的に他の営業ノウハウ本と異なる点は、 -
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原題はThe Art of the Sale
邦題の問い掛け答えが 本文中に明確に在るわけではないものの、様々な職種の一線で活躍する セールスの哲学の触りが散りばめられていて 読み物としてはおもしろい。
「営業にもいろいろな種類があって、一般化は出来ない 。 ~学んで身につく技術もあれば、生まれつきのものもある。遺伝子や身体の構造に長年の成功体験が加わって、その人が できる。そういう意味では、確かにセールスマンはつくられるものだ。営業スキルも学ぶことができる。」p310
「セールスの真髄は~、大多数の セールスマンが実践しているいい習慣と気持ちのいい振る舞いの日々の積み重ねの中にある。 -
Posted by ブクログ
タイトルからして、ビジネス書かなと思ったけど中身は実録ITポリティカルサスペンスでした。
前半のmo3開発秘話の当たりや、モリスが上り詰めていく様は非常にスリリングで、当時を知るだけにおもしろかった。
学生の時、研究室のネットを使って、鯖たてて、串通して、交換レート決めて、w@rezサイトで交換してたなあーと感慨深く思い、ああいったことの裏にはグローバーのような連中が跋扈してた訳ね。bit trentつかってmp3とかダウンロードしまくってたから、シーンのファイルとか持ってたかもね。怪しいサイトいっぱいあったもんな、確かに。
ストリーミングのために必死で研究した技術が、CDを「音」と「円盤」を