あらすじ
これからは「シナリオを思い描ける人」の時代だ。
――神田昌典
明日のことは、だれもわからない。だからこそ、未来を大胆に想像しよう!
戦略立案、グランドデザイン設計、ビジョン共有、商品開発……
60年以上にわたって企業や組織、個人で使われてきた「イノベーション創造」の技法を
トレンド予測、ビジネス展望のスペシャリストが豊富な事例をもとに解説。
自分の人生を考える上でたくさんのストーリーや世界観に触れ、
「こんな人生もあるかも」と複数のシナリオを想定し、今の自分の行動を変えていく。
それが、シナリオ・プランニングの考え方です。
そして本書の最大の活用法は、ここで示された手法にもとづき、
あなたのチーム、組織、地域の仲間と一緒に未来シナリオを作ることです。
――野村恭彦(「監訳者まえがき」より)
問題は、未来が現在と違うことだ。
もし、これまでと違う考え方ができなければ、かならず未来に驚かされるだろう。
――ゲイリー・ハメル(本文より)
シナリオ・プランニング。
その歴史は古く、第2次世界大戦後のアメリカ空軍にはじまり、大企業、政府系組織などでも戦略立案の手法として使われてきました。
ロイヤル・ダッチ・シェル社、アパルトヘイト後の南アフリカがシナリオ・プランニングの代表例ですが、何も大企業や国家機関だけに有効な手法というわけではありません。まわりにいる同僚やコミュニティの人たちを集めてやってみるのもいいですし、今後のキャリアや人生を考えるうえでは、自分ひとりでやることも可能です。
たとえばこの本では、著者ウッディーと息子マルコム君が『ハリー・ポッター』の初版本を「できるだけ高く売る」ために、シナリオ・プランニングを使って見事に89倍の値段で売ったケースなど、いろいろなフィールドでの活用法が紹介されています。事業計画から商品開発、地域活性まで、「未来に関わる」すべての人のための手法。――それが、シナリオ・プランニングなのです。
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Posted by ブクログ
■シナリオプランニング
A.未来は予測せず、想像しよう!多くの企業は、現在の延長線上に未来があると仮定した予測のもとに、戦略を策定している。だが、未来への道は直線ではなく、曲がりくねった道だ。現在の延長線上に未来を予測するのは、夜に後ろを見て車を運転するようなもの。私たちは目の前の道がどこにつながっているのかを考える方法を探すべきである。その1 つの方法が「シナリオ・プランニング」だ。
B.シナリオ・プランニングは、通常、次の6 つのステップに従って進める。
①課題を設定する:それぞれの組織、状況に応じて、課題を設定する。
②情報を収集する:課題についての情報を集め、今起きている重要なトレンドを理解する。
③未来を動かす「ドライビング・フォース(原動力)」を特定する:未来に大きな変化をもたらす可能性のある要素を特定する。
④未来を左右する「分かれ道」になるような要因を見つける:③で挙がったドライビング・フォースの中から、未来を最も左右する「分かれ道」となるような要因を2 つ特定する。
⑤シナリオを考える:④で選んだ2 つの要因を軸とする、2 × 2 のマトリクスを作る。このマトリクスの4 象限が、それぞれ異なる未来のシナリオの輪郭を表す。
⑥骨組みに肉付けし、ストーリーを描く:⑤で考えた4 つのシナリオを基に、できる限り具体的な描写で、ストーリーを描く。
Posted by ブクログ
このところシナリオプランニングに非常に興味を持ち、読んだ1冊。BCGの本と手法はやや異なるが、メガトレンドをピックアップして、2軸で4つのシナリオを作成する点に使いやすさを感じた。
Posted by ブクログ
未来を左右する分かれ道になるような要因を2つ見つけてマトリクスにし、それぞれの基本シナリオに関するストーリーを作る。それを人に伝わりやすいように表現し、必要な対応を講じる。こういうことがシナリオ・プランニングということだろう。
一般的に、未来予測というと起こり得る中央値を見つけに行ってしまいがちだが、そうではなく、ブレ幅を把握し、何をすべきかを考えることの方が有用である。
実際に私も取り組んでみたい手法である。業界なのか、自分の仕事なのか、もしくは自分自身の人生か。
Posted by ブクログ
読んですぐ実践できるはずはないけれど、訓練が大事。想定外だったと人は言うけれど、滅多なブラックスワンではない限り、どんなことにも最初のさざ波はある。9.11にも、リーマンショックにも、3.11にも予兆はある。何が起こった後でただ指を加えて破滅に向かう受身のスタイルではこの先生き残れない。高く広くアンテナを張って生きていきたい。
Posted by ブクログ
お洒落なデザインと事例の面白さ。
未来は作るものであり、その絵姿を具体化するだけでも価値のあることだろう。仕事のみならず自分の人生にも適用可能かも。トライしてみたい。
Posted by ブクログ
シナリオプランニングの要諦を知るため、読みました。本書の内容を一言でいうと「それなりに起きる可能性がありそうないくつかの未来を描き、その未来がやってきた時に、柔軟に対応するための準備をすること」です。今必要な思考法だと思います。
Posted by ブクログ
シナリオ・マトリクスを中心に、さまざまな例を挙げて、ストーリー検討について教えてくれる。
少しとっつきにくい事例も多いが、それくらい大きな物事を考えるメソッドなのだろう。
Posted by ブクログ
未来をより可能性の高いものとして浮かび上がらせる
市場と環境要因を組み合わせた未来の全体像
未来がもたらすチャンスと脅威に対応
未来がどうなりうるか?を理解すること
未来を動かすドライビング・フォース(未来に大きな変化をもたらす可能性)を特定する
未来を左右する分かれ道になるような要因を見つける(潜在的な影響度が大きい且つ不確かさも大きい)
時間軸を定める
Posted by ブクログ
はじめてシナリオ・プランニングに触れる方向け。
シナリオ・プランニングを経験し、自ら実践したり教える方は物足りない。
シナリオプランニングの事例が豊富なので参考にはなりますが。
Posted by ブクログ
未来を正しく予測しようとするのはやめて、未来に起こりうることを理解できるようにしよう。
なるほど、これは強く賛同できる。しかし…期待に反して、シンプルなフレームワークがあるだけで、効果を期待するにはファシリテーションしだいかなぁ。
本書の残りの半分は、たっぷりとケーススタディで埋められていて、個人的には面白くはあったが、問題はそれごとに背景が全く異なるものなので、参考になるのかビミョウな気がする。
Posted by ブクログ
未来には無限の可能性があるなぁとは思っていましたが、そうか。
その無限の中でも、点を決めてそこにキーワードを並べることで立てられる“起こりうる仮想の現実”があるんですね。
考え始めると気が遠くなりますが、予測することで見えること・備えることがあります。
これを読んで、ようやく学園長の視点が理解できました。たてついてごめんなさい☆
Posted by ブクログ
- 「本当のプランニング」とは、未来がどうなるかと当てようと必死に努力するのをやめて、未来がどうなりうるかと理解するために力を注ぐことだ
- シナリオプランニングのプロセス
①課題を設定する
②情報を収集する
③未来を動かす「ドライビング・フォース(原動力)」を特定する
④未来を左右する「分かれ道」になるような要因を見つける
⑤シナリオを考える
⑥骨組みに肉付けし、ストーリーを描く
⑦シナリオを検証し、追加の調査項目を特定する
⑧シナリオの意味をくみ取り、取りうる対応を決める
⑨目印を探す
⑩シナリオを観察し、更新する
- シナリオ全てについて、「なにを見たら、このシナリオが実現しそうだとわかるか?」と問わなければならない。できるだけ多くの目印を書き止め、将来の参考としているも考えておくことが必要だ