関美和のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
要点
1
中国のビジネスでは、信頼が重要だ。アリババの創業者ジャック・マーは、買い手に売り手を信頼させ、ものを買わせるために、売り手の認証制度を設けた。認証を受けた売り手への問い合わせは、未認証の売り手よりも6倍多かったという。
要点
2
人は、アイデアを信頼し、プラットフォームと企業を信頼し、個人を信頼するという順に新しいビジネスへの信頼を深めていく。
要点
3
中国政府は、国民の信用力を格付けするシステムを開発中だ。すでに数百万人が登録しており、信用履歴、履行能力、個人的な特徴、行動と嗜好、人間関係の5つの要素から人間を格付けする仕組みになっている。ランクが高い人には、さまざまな特典が提供される。
人が新しいビジネスを信頼するには、必ず次の行動パターンをたどる。まずアイデアを信頼し、次にプラットフォームと企業を信頼し、最後に個人を信頼するという順番だ。ブラブラカーの例では、まずライドシェアというアイデアを信頼して試してみようと感じる。次にブラブラカー社が悪質なドライバーをあらかじめ取り除いてくれていることと、トラブルが発生したときにユーザーを助けてくれることを信じる。そして最後に、ライドシェアする相手を信頼するというプロセスを踏むことになる。アイデアとプラットフォーム・企業を信頼しなければ、個人を信頼するか否かを判断するステップにはたどりつけない。
1つ目がカリフォルニアロールの原則である。馴染みのないものを身近に感じさせるため、新しいものと馴染みのあるものを組み合わせて、「新しいのに見慣れたもの」を作るというルールだ。新しいものである「寿司」と、アメリカ人にとって馴染みのあるキュウリやカニ、アボカドを組み合わせて作られたカリフォルニアロールのように。新しいアイデアを信頼させるためには、親近感が必要なのだ。
エアビーアンドビーも、この原則を利用している。ホームページに行くと、多くの人は企業紹介ページを読まず、まず自宅のある場所を検索してみる。そして近所の「あの家」に泊まれるのだとわかってはじめてピンと来るのだという。
2つ目がメリットの原則だ。新しいアイデアを信頼するには、自分が享受できるメリットを理解できなければならないというルールである。たとえば自動運転車の場合なら、自動運転車が人間の運転を肩代わりするメリットがリスクを上回るかどうかだ。
ただし人間は、得たものより失ったもののほうがより強く心に残る傾向にある。2016年に起こったテスラの事故は、マスコミに大げさに書きたてられた。アメリカ全体でいうと約1億5000万キロに付き1件の死亡事故が起きるとされているなかで、テスラは約2億キロ走ってはじめて死亡事故を起こしたにもかかわらずだ。
3つ目が信頼のインフルエンサーの原則である。「信頼のインフルエンサー」とは、ある物事のやり方を一変させるような影響を持つ少数の人たちのことだ。必ずしも地位や名誉のある人、有名人、高名な専門家である必要はない。 -
Posted by ブクログ
英語の教材として、もともと注目していたTED。講演者のプレゼン能力は感心するが、これは生まれつきの能力ではなく、身に着けられるとしている。本書では、そのプレゼンの方法を解説してくれている。
一番驚いたのは、一般に欧米人はプレゼンが得意だと思いがちだが、本書を読むと、たっぷりの時間を割いて用意周到に準備していることがわかる。
「世界の見方を変えてくれるものはなんでも、『アイデア』だ。人の心の中に説得力のあるアイデアを植え付けられたら、奇跡を起こしたことになる。それは、お金で買えないほど価値のある贈り物になる。本当の意味で、あなたの一部が彼らの一部になったということだから。」
「演劇や映画や小説の分析に使われる言葉がある。スルーラインだ。つまり、一つひとつの物語の要素をひとつにまとめる、一貫したテーマのことだ。どんなトークにも、このスルーラインが必要になる。」
「A イントロダクション―これからなにを話すかを紹介する
B 背景―なぜこの問題が大切なのかを説明する
C 中心になるコンセプトを語る
D 実際にどんな影響が考えられるかを予想する
E 結論で締める」
「だれかのトークを聞くのと、だれかの作文を読むのとでは、まったく違う体験だ。トークは言葉だけじゃない。全然違う。言葉を伝える『人』も大事なんだ。人同士がつながらなかったら、インパクトは与えられない。これ以上ないほど明快な説明と鋭い論理で、だれよりも素晴らしいトークをしても、はじめに観客とつながれなければ、メッセージは伝わらない。内容を理解してもらえても、そのアイデアは活用されず、頭の片隅に追いやられて、すぐに忘れられてしまうだろう。」
「ストーリーを語るときには、次の4つのことが大切だ。
・観客が共感できるような登場人物を主人公にすること
・好奇心、社会的な関心、実際の危険を通して緊張を盛り上げること
・適度な量のディテールを盛り込むこと。少なすぎるとストーリーが生き生きとしない。多すぎるともたついてしまう
・最後に笑いや感動や驚きできちんと締めくくること」
「説明の達人のワザ
ステップ1 聞き手のいる場所からはじめた。…
ステップ2 好奇心に火をつけた。…
ステップ3 ひとつずつコンセプトを持ち出していった。…
ステップ4 たとえを使った。…
ステップ5 例を挙げた。…」
「・説得とは、だれかの世界観をよりよいものに差し替える行為だ。
・その核になるのは、長期的なインパクトを与えられる論理の力だ。
・論理を、直感ポンプ、探偵物語、ビジュアル、その他の下地づくりのツールによって補うと、もっとも効果が出る。」
「観客を引き込む4つの方法をここで紹介しよう。
1 ドラマの一片を伝える
2 好奇心に火をつける
3 パンチのあるスライド、ビデオ、物を見せる
4 チラ見させて全部は出さない」
「僕がTEDにここまで惹かれた理由のひとつは、トークが印刷物にはないなにかを与えてくれると知ったからだ。でもそれは当たり前じゃないし、いつもそうとは限らない。そのおまけのなにかは、熟考し、時間をかけ、育むことではじめて手に入る。努力によって得られるものなのだ。
ではその『おまけ』ってなんだろう?それは情報をインスピレーションに変える人間という媒介だ。
トークを、並行に流れる2つの情報の潮流だと考えてみよう。言葉は脳の言語中枢で処理される。聞いた言葉も読んだ言葉も同じように処理される。でもその上の層にはメタデータの流れが存在し、(無意識に)聞いた言葉を評価し、どう扱うかを決め、優先順位をつけている。文章を読む場合には、それはない。話し手を見てその声を聞いているときにだけ、これが起きる。
その追加の層が、なにをもたらすかを紹介しよう。
・つながる:『この人、信用できる』
・夢中になる:『なにもかも、すごく面白い!』
・好奇心を持つ:『声の中にも、表情にも、なにかを感じる』
・理解する:『ジェスチャーでその言葉を強調してるんだ―やっとわかった』
・共感する:『どんなにつらかった感じられた』
・興奮する:『わぉ!情熱が乗り移りそう』
・確信する:『目に信念が現れてる!』
・行動する:『チームに入れてほしい。参加したい』
これをまとめると、インスピレーションということになる。…
ひとが特定の講演者に強く反応するのはなぜなのか、どのような仕組みでそうなるのかについては、謎が多い。それは人間の中に深く刷り込まれ、何十万年もかけて進化してきた能力だ。…そうしたアルゴリズムの詳細はわかってないけれど、それを動かすカギになるものについては意見が一致している。それは大きく2つに分かれる。
声を使うものと身体を使うものだ。」
「…オンラインの動画は生で見るほど強いインパクトはないだろうと僕たちは思っていた。オンラインではほかにも気が散ることがたくさんあるので、小さなスクリーンで見る動画にそれほど集中を保てるはずがない。でも視聴者からの熱烈なコメントに僕らは驚き、喜んだ。…
…2007年3月、僕たちはサイトを立ち上げ直し、100本のトークを公開した。それ以来、TEDは年次カンファレンスというよりも、『価値あるアイデアを広める』ことに力を注ぐメディア組織になっている。
それから、コンテンツを無料で拡散したらカンファレンスにお金を払う人がいなくなってしまうかもしれないという心配はどうなったかって?実際には反対のことが起きた。カンファレンスの参加者は、素晴らしいトークを友達や仲間と共有できることを喜び、トークが拡散するにつれカンファレンスへの申込みも増えていった。」
「なにを追いかけるにしろ、本当になにかをとことん追求すると、次の2つのことが起きる。
・意味のある幸せの形を見つける。
・本で読むよりはるかに重要ななにかを見つける。語る価値のあるなにかを。」 -
Posted by ブクログ
子どもの年齢を6つに分けて、それぞれに必要なお金について書かれている。
それぞれの時期に、もう一度読み返したい。
(就学前以外はざっと流し読み)
・ちいさなあかいめんどりを読んでみる、
・現金を使っているところを見せる、
(買い物はカードでするものではない)
・子どもの年齢に共通することだが、お手伝いしたら
お金を渡すということはしない、
以前、何かの本で、お手伝いでお金を得るようにしたほうがお金の感覚が身に付くという内容のものを読んだが、それがしっくりこなかったので、この本にあるように、お手伝いとお小遣いは分けて考えるというほうが腑に落ちた。 -
Posted by ブクログ
よくある起業ストーリー本だが、9年で3兆円企業に至る圧倒的な疾走感が軽快に描かれており、面白い。
中盤以降は行政等々との闘争や折衝がメインに記されるが、この辺が若干たるい。
個人的には、僅かな間に大企業のCEOとして必要な素養を獲得していくチェスキーという人物について非常に興味を持った。
"チェスキーは常にノートを取っている。「新しいアイデアを初めて聞いたときにはなにも言わないかもしれないが、ブライアンはかならずエバーノートを取り出して、興味を持ったことを書き留めるんだ。次に会うときまでに、かならず前回のノートを見直し、考え、そのトピックについていろんな人と話して彼なりの意見をまとめている」" -
Posted by ブクログ
アイデアの「発想法」ではなく、
アイデアを何か思いついたとき、それをどう実現するか? に重点をおいて書かれた本なので、
クリエイティブ系の職業以外の人にも十分役立つ本だと思います。
何か新しいことを始めよう、というときに、それを 「今すぐできる次の行動」 に落とし込めなければ、一生実現できない。
だからアイデアを思いついたら、まずは、 「次の行動」 をリストアップすること。
あと、人を巻き込むこと。
人を巻き込んで、 「次の行動」 をどんどん書き出して共有して、実行して・・・ というプロセスの中で、アイデアは実現されていくのだー!
・・・ということを、もっと詳細な具体例を交えて論じた本です。
打ち合わせのときは、ちゃんと 「誰がいつまでに何をやってくるか」 を決めるまでやろう(※)、とか、
そういう発想をこの本から学びました。
※そういうやり方になかなか巻き込まれてくれない「場の雰囲気」というものもあったりするので、難しい部分もありますが^^; -
Posted by ブクログ
プリンストン大学教授の哲学者、倫理学者による「寄付」についての本。端的に言えば「同じ寄付をするなら、そのお金が一番人や動物の苦痛を減らし、幸福を増やす施策に寄付すべき」ということでしょうか。
読み終わって思ったことは3点。
1. 寄付というマーケットのアメリカでの大きさと、寄付って何なんだろうということ
2. ベジタリアニズムを選ぶ理由は「動物の苦痛を減らすため」ってどうなの?ということ
3. 何でも定量化して、比較できるようにしようというチャレンジは大事だなぁということ
1.については、「寄付のやりかた」が議論されるくらい、アメリカでは寄付というものが一般的だということ。訳者あとがきでは、日本における寄付も決して少ないわけではないということが触れられていましたが、アメリカとは寄付への考え方が違うような印象を受けました。
昔読んだマンガで、「良い大人が、本当に人を助けたかったら自分で働け」なんてセリフがあったのですが、本著の例は自分で高給の仕事に就いて寄付を増やしている訳で。ただ、理想の形は働くことのその内容が社会貢献になっていることでしょうか。
2.については、本著ではそんな主張があったのですが、だったら動物を苦痛なく殺せるのなら食肉は問題ないということ?そもそも食事だけが環境負荷を与えているわけではないでしょうに、肉は食べないけど豪華なバスルームの家に…とか。あるいは、肉を全く食べなくなったら家畜は絶対量が激減したり、廃墟となった農場周辺の環境が変わるだろうし、種も無くなるかもしれない。結局は、環境に与える負荷の罪深さを認識しながら生きていくことが大事なのでは。
3.については、本著で取り上げたような寄付の施策の比較は物理的にかなり難しいことで、どうやるの?って話になるのですが、それを実際にやり遂げた例が挙がっていて、最初から諦めるのではなくて、まずは取り組んでみることは大事だな、と感じました。
個人的には、本著の主張に全面的に賛成!という感じではないのですが、それでも色々なことを考えるきっかけになる本でした。