作品一覧

  • 道徳は進歩する
    -
    1巻3,520円 (税込)
    理性の力がひろげる〈利他の輪〉 倫理とはなにか? 謎を解く鍵はダーウィン進化論にある。家族や友人への思いやりは、やがて見知らぬ他人へ、さらに動物へと向かう──利他性が生物学的な起源を超えて普遍的な倫理へと拡張していくプロセスを鮮やかに描きだす進化倫理学の古典的名著。初版刊行後30年間の研究成果を踏まえた後記を付した決定版。 【目次】 二〇一一年版へのまえがき まえがき 第一章 利他性の起源 第二章 倫理の生物学的基盤 第三章 進化から倫理へ? 第四章 理性 第五章 理性と遺伝子 第六章 倫理の新しい理解 引用文献に関する注 二〇一一年版へのあとがき 訳者解説 索引
  • 新・動物の解放
    3.5
    1巻4,400円 (税込)
    動物の権利運動の理論的基盤 不滅の名著、30余年ぶりの全面改訂版を完全新訳。最新のデータと議論にもとづき本文の3分の2を書き換え、さらに気候変動や新型ウイルスなど新たなトピックを盛り込んで、21世紀の緊急課題に応える。序論=ユヴァル・ノア・ハラリ(『サピエンス全史』)。 各界識者絶賛 「すべての存在に公正な社会を目指す新世代の意欲をかきたてるだろう」──ホアキン・フェニックス 「70年代に本書を読んで以来、私は肉を食べるのをやめた。もしこの改訂版を読んでいたら、もっと早くビーガンになっていただろう」──ジェーン・グドール 「動物解放運動の原点ともいえる必読書が新たに生まれ変わった」──J・M・クッツェー 「シンガーの徹底した利他主義が我々を不快にするなら、それだけで本書を読む理由がある」──リチャード・ドーキンス 【目次】 序論 ユヴァル・ノア・ハラリ 二〇二三年版緒言 第一章 全ての動物は平等である  あるいは、人間の平等を基礎づける倫理原則が平等な配慮を動物たちにも広げるべきだと求める理由 第二章 研究のための道具  違う、これは人命を救うこととは何の関係もない 第三章 工場式畜産に抗して  あるいは、あなたの晩餐が動物だった時に起きたこと 第四章 種差別なき生活  気候変動と闘い、健康な生活を楽しみながら 第五章 人の支配  種差別小史 第六章 今日の種差別  動物解放への反論と、その克服による前進 謝辞 レシピ集 訳者解題 原注 索引
  • なぜヴィーガンか?
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    動物の苦しみ、気候危機、健康な食生活を気にかけるすべての人へ。「最も影響力のある現代の哲学者」ピーター・シンガーが動物解放論、ヴィーガニズムとベジタリアニズムについて書き継いできたエッセイと論考を精選。1973年の記念碑的論文「動物の解放」から2020年の新型コロナウイルス禍に対するコメントまで、半世紀にわたる著述活動を一冊に封じ込めたオールタイム・ベスト・コレクション。 目次 はじめに 動物の解放――1975年版の序文 動物の解放(1973年) これが鶏の倫理的な扱い方だろうか?(ジム・メイソンとの共著)(2006年) オックスフォードのベジタリアンたち――私的な回想(1982年) ベジタリアンの哲学(1998年) もしも魚が叫べたら(2010年) ヴィーガンになるべき理由(2007年) 培養肉は地球を救えるか?(2018年) COVID-19に関する二つの闇(パオラ・カバリエリとの共著)(2020年) 訳者解説
  • あなたが世界のためにできる たったひとつのこと 〈効果的な利他主義〉のすすめ
    3.5
    1巻1,760円 (税込)
    シリコンバレーも注目する、 21世紀の倫理的ライフスタイル あの時、あなたはどこに寄付をしましたか? そのお金が何に使われたかご存知ですか? あなたのおかげで、何人の命が助かりましたか?──。世界をより良い方向に一歩進めようとする、シリコンバレーや欧米の若者たちに注目される「効果的な利他主義」を、その理論的支柱でありムーブメントを牽引する世界的な哲学者が平易に紹介する。理性と共感とテクノロジーを駆使して、効果的に「もっとも多くの命を救う」、21世紀の新しい生き方を始めるための一冊。 [内容] はじめに Part1 効果的な利他主義のすすめ 第1章 効果的な利他主義とは? 第2章 ムーブメントが起きている Part2 〈いちばんたくさんのいいこと〉をする 第3章 質素に暮らす 第4章 お金を稼いで世界を変える 第5章 そのほかの倫理的なキャリア 第6章 身体の一部を提供する Part3 彼らを動かしているもの 第7章 愛がすべて? 第8章 理性の力 第9章 利他主義と幸福 Part4 チャリティを選ぶ 第10章 国内、それとも海外? 第11章 いちばん大きなインパクトを与える 第12章 比較が難しいもの 第13章 動物を救い、自然を守る 第14章 いちばん効果のあるチャリティ 第15章 人類の滅亡を防ぐ おわりに

ユーザーレビュー

  • 新・動物の解放

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     動物の苦しみに配慮すべきだ、という。それは、人間の平等を基礎づける理論が、動物にも拡大されるべきだという主張でもある。
    様々な角度から論証がなされているが、特に印象に残ったのは冒頭の功利主義的論証だ。苦しむ能力を唯一の基準とし、それを有する主体に平等に配慮すべきであり、動物も苦しむからだという。

     なぜ苦しむ能力の有無で線を引くのか?それ以外の基準で、万人の平等と衝突しないものを探すのは難しい。例えば、もし認知能力の差を理由に差別を認めるなら、幼児や障がいを負った人への差別をも許容してしまう。人種や性別による線引きも論外だ。(何が最善の基準かは、演繹的には証明されないのかもしれない。そうだ

    0
    2025年05月31日
  • 新・動物の解放

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    著者は反種差別理論の基礎に功利主義や平等のモラルの思想を自明的に置いているが、僕はそれらは自明ではなく丁寧な論証を要する部分ではないかなと思った。一方で細かいところを抜きにすれば、この本には読者を菜食主義に傾かせる十分な啓蒙の力があると感じた。
    ユダヤ教の人間は動物を支配する立場にあるという信仰とギリシアで育まれた人間中心観の思想とが合わさり、ローマの自分の共同体に属さない者を害する風習を経て、キリスト教の人間が動物に優越し動物は人間に利用されることを目的とするという教義が普及し、現代の種差別的な価値観へと繋がっている。
    現代では、動物擁護の価値観は徐々に広まってきているものの、動物を過剰に傷

    0
    2025年07月05日
  • 新・動物の解放

    Posted by ブクログ

    シンガーがどのような議論で動物権利論を提起したのかを知りたいなと思っていたところ、都合よく改訂訳が出たので読んでみた。
    功利主義的な基盤に基づく「なぜ動物の苦しみを減ずるべきか」といった議論と、その推進を妨げるイデオロギーとしての種差別を論ずるパートに始まり、実験動物や畜産動物において非合理的な苦しみを与えられる動物たちの実例を紹介し、再度種差別イデオロギーの構築の史的分析に入る。
    多角的に種差別に基づく動物虐待行為を論じており、その筆致も明快である(分析哲学的な明快さ)。だが、その明快さに少し違和感を感じる側面もある。
    色々な意味で難しい古典だと感じた

    0
    2025年05月25日
  • なぜヴィーガンか?

    Posted by ブクログ

    神経系がある生物に対して苦しみを与えないという倫理に基づきヴィーガンとなった哲学者の論考集。人種差別と同様の主差別という言葉を使い、声を上げられない動物たちを尊重しないという理由はない、という反論の使用はない議論を述べる。

    0
    2023年11月25日
  • なぜヴィーガンか?

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    人々が動物性食品を止めるべき主な理由は動物への配慮、気候変動対策、自分の健康への問題、生鮮市場における感染症の4点が挙げられる。
    動物に苦しみをもたらす慣行を支持したくないからベジタリアンになるのであれば、中枢神経系がないハマグリやホタテ、良い生の鶏の卵を食べるフレキシブルなヴィーがんは問題にならない。
    動物の解放運動は他の解放運動と異なり、搾取される側である動物が組織的な抗議をしないこと、抑圧する側に属する集団の構成員のほぼ全てが抑圧に直接加担している受益者であることなどから、不利である。
    畜産を止めれば、浮いた飼料生産により、地球から飢餓と栄養失調はなくなる。すなわち、動物の解放は人間の解

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    2023年09月23日

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