ピーター・シンガーの作品一覧
「ピーター・シンガー」の「あなたが世界のためにできる たったひとつのこと 〈効果的な利他主義〉のすすめ」「新・動物の解放」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
「ピーター・シンガー」の「あなたが世界のためにできる たったひとつのこと 〈効果的な利他主義〉のすすめ」「新・動物の解放」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
動物の苦しみに配慮すべきだ、という。それは、人間の平等を基礎づける理論が、動物にも拡大されるべきだという主張でもある。
様々な角度から論証がなされているが、特に印象に残ったのは冒頭の功利主義的論証だ。苦しむ能力を唯一の基準とし、それを有する主体に平等に配慮すべきであり、動物も苦しむからだという。
なぜ苦しむ能力の有無で線を引くのか?それ以外の基準で、万人の平等と衝突しないものを探すのは難しい。例えば、もし認知能力の差を理由に差別を認めるなら、幼児や障がいを負った人への差別をも許容してしまう。人種や性別による線引きも論外だ。(何が最善の基準かは、演繹的には証明されないのかもしれない。そうだ
Posted by ブクログ
著者は反種差別理論の基礎に功利主義や平等のモラルの思想を自明的に置いているが、僕はそれらは自明ではなく丁寧な論証を要する部分ではないかなと思った。一方で細かいところを抜きにすれば、この本には読者を菜食主義に傾かせる十分な啓蒙の力があると感じた。
ユダヤ教の人間は動物を支配する立場にあるという信仰とギリシアで育まれた人間中心観の思想とが合わさり、ローマの自分の共同体に属さない者を害する風習を経て、キリスト教の人間が動物に優越し動物は人間に利用されることを目的とするという教義が普及し、現代の種差別的な価値観へと繋がっている。
現代では、動物擁護の価値観は徐々に広まってきているものの、動物を過剰に傷
Posted by ブクログ
シンガーがどのような議論で動物権利論を提起したのかを知りたいなと思っていたところ、都合よく改訂訳が出たので読んでみた。
功利主義的な基盤に基づく「なぜ動物の苦しみを減ずるべきか」といった議論と、その推進を妨げるイデオロギーとしての種差別を論ずるパートに始まり、実験動物や畜産動物において非合理的な苦しみを与えられる動物たちの実例を紹介し、再度種差別イデオロギーの構築の史的分析に入る。
多角的に種差別に基づく動物虐待行為を論じており、その筆致も明快である(分析哲学的な明快さ)。だが、その明快さに少し違和感を感じる側面もある。
色々な意味で難しい古典だと感じた
Posted by ブクログ
人々が動物性食品を止めるべき主な理由は動物への配慮、気候変動対策、自分の健康への問題、生鮮市場における感染症の4点が挙げられる。
動物に苦しみをもたらす慣行を支持したくないからベジタリアンになるのであれば、中枢神経系がないハマグリやホタテ、良い生の鶏の卵を食べるフレキシブルなヴィーがんは問題にならない。
動物の解放運動は他の解放運動と異なり、搾取される側である動物が組織的な抗議をしないこと、抑圧する側に属する集団の構成員のほぼ全てが抑圧に直接加担している受益者であることなどから、不利である。
畜産を止めれば、浮いた飼料生産により、地球から飢餓と栄養失調はなくなる。すなわち、動物の解放は人間の解