あらすじ
【糸井重里 × ヨリス・ライエンダイク 対談収録!】
ほぼ日刊イトイ新聞「ゼロからはじめるジャーナリズム」
「毎日、法に触れることを目にするよ」
「別にいいんだ。自分のカネじゃないし、ってね」
「最も影響力のある国際ジャーナリスト」が
ロンドンの金融街で働く200人以上にインタビュー。
一面的にしか語られてこなかった金融業界の
人間模様を描いた傑作ノンフィクション!
オランダで30万部のベストセラーを記録!
Financial Times、The Atantic、GQ、Telegraphが激賞し
オランダの市民が投票する「NS Public Book of the Year 2015」受賞、
イギリスThe Evening Standardの「Best Books of 2015」選出!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
オランダのジャーナリストによる、ロンドンの金融街シティに勤める人々へのインタビューを通じて、なぜ金融危機(2008年のリーマン・ショック)は起きたのか?悪辣なヤカラが巣くったせいじゃないのか?という疑問を検証しにかかるルポ。
興味深いのは、著者が金融のプロフェッショナルではなく、この件に携わる中で徐々に知識を深めていくということ。読み手も共に詳しくなっていく、という構成の妙を感じました。
最終的に著者は、シティに巣くう人種をいくつかのタイプに分類して、最も悪者に近いタイプを挙げはするものの、「金融の世界は悪意を持って悪いことに手を染める人間の集まりじゃなくて、正しいか正しくないかを自問せずシステムに従うだけの人たちの集まりだ」と述べます。
インタビューでも、「倫理に背くような傾向がシステムに埋め込まれてる」というコメントがあって、要は現在の金融システムはリーマン・ショックから何も学んでいないということに。。
その解決策…と言うほどではないか、対策として著者が挙げたものは、まぁそうだよねぇ、と肯けなくはないものでしたが、どうにも決め手に欠ける感もありました。でもそれが、きっと現実なのでしょう。
翻訳のクオリティも高く(パッと見、あれっ?っていう訳はなし)、随分優秀な編集さんがついているのか、邦題は原題よりもむしろ本著の性質を言い当てているような印象+著者と糸井重里氏の対談まで収録されていて、これも結構面白かったです。
金融システムを理解する、という本では全くないのですが、少しずつ金融人を理解していく、というプロセスには尊敬の念を抱きました。
Posted by ブクログ
概要: たくさんの金融関係者にインタビュー; 金融業界の短期主義、高いストレス; 高給と高リスク; 売り手もリスクを理解していない; (金融システムの)空っぽのコックピット
感想: たぶんリーマン以降また変わってると思うけど金融大変そう
Posted by ブクログ
現代社会を文化人類学ぽくフィールドワークする方法を学べるかなと思って読んだのに、まあまあ普通に経済本だった。
しかも取材相手はみんな匿名でランダムに現れるから、誰の話かわからない。これは翻訳の問題なのか?
学べるところがあるとすれば、「問いをどんどん更新して立てていって、知りたいことの核心にせまっていく」という点くらいだろうか。
あとは「漠然とでもいいから何か解き明かしたいこと(今回なら「金融危機はなぜ起こったのか」)をテーマとして常に持っておく」
ことかな。