関美和のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は現在シェアリングエコノミーと呼ばれている仕組みについて早い時期(日本語版は2010年)に解説を加えた本になります。私は2017年になりようやくペーパーバック版で本書を手に取りました。本書の中ではシェアリングエコノミーではなく「協働型消費」という用語で解説がされており、それを「プロダクト=サービス・システム」「再分配市場」「協働型ライフスタイル」という3つのカテゴリーに分けて解説をされています。
本書を読んだ全体的な感想ですが、正直この3つのカテゴリー分けはあまり良い分け方ではないとは思ったのですが、全体的に思ったよりも深い本だと思い感銘を受けました。この手の本ですと、事例中心の紹介本になっていることが多く、ビジネス雑誌のボリュームが大きい版、という感じの本が多いのですが(つまり、内容は浅い)、本書はシェアの背後で起こっていること、過去から現在そして将来へと何がこれから起きそうか、本質的な変化は何か、についても適宜記述されていて、興味深く拝読しました。ただ1点、これは著者自身がシェアリングエコノミー信奉者ということでバイアスがかかっているから仕方がないのですが、本書で登場するいくつかの新ビジネスモデルについては、これはそこまで経済の主流にはならないのでは?と醒めた見方をしたくなるものも多々あり、総合評価は難しいのですが、予想以上に深い議論が展開されていたので星4つとさせていただきます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ営業の名著。
新卒社員や営業のメンバークラスの人は読むと良いと思う。
ただ、自分で言うのもなんだけど、そこそこ営業経験や、営業実績出せてる人からすると真新しさはあまりないとは思う。
日常的なシーンを題材に、あるある〜という営業の重要なことについて書かれているので、営業に携わる人であれば一度読んでおくべきだろう。
面白かった部分についていくつか以下で記載。
振る舞いの悪い顧客に対してのアプローチ
→好きの反対は無関心というように、悪態をついてくる人は全然顧客になりようがある例。
何より重要なのは信頼の貯蓄。この人はすごいな、この人の言うことは聞いておいて損ないな、と思わせたら勝ち。
> 以前、うちの店に入ってきていろいろと物色し始めたアメリカ人の男がいてね。銀食器を見てこれは銀かと聞いた。そうですと答えると、『モロッコの銀か』ってさらに聞いてくるんだよ。要するに混ぜ物が入ってるんじゃないかって意味さ。今度は別のものを見て、アンティークかと聞いてきた。そうだと答えると『お前が裏庭でつくったんだろう』なんて言う。妻は、キレそうになってたよ。でもこれは魚釣りみたいなもんなんだ。食いついた魚を無理に引っ張ると糸が切れるだろう。だから放したり、引っ張ったり、また放したり引っ張ったりして、疲れさせる。そこで糸を巻き上げればいい。その男は琥珀を見て、プラスチックかと聞いてきた。俺は違うと答えた。『琥珀です』。『香港製か?』。男はずっと俺をやり込めようとしてたんで、好きにさせておいた。反撃できるタイミングを待ったんだ。最後に男は美しい象牙のおわんを手にとった。職人が何世代もかけて彫り上げた作品を、男が振り回し始めたんだ。だから、俺はヤツの手首を摑んでおわんを取り上げ、光にかざした。『お客さん、大切に扱ってくれませんかね』。それから、そのおわんの歴史を説明すると、男は自分がバカだったと気付いたらしい。すみませんと謝まったから、構わないと答えた。何も知らなかったんだな。恥ずかしそうにしていたよ。その晩、そいつはいっしょに食事をしたタンジールの誰かから、俺の評判を聞いたらしい。翌日またやってきた。前の日はあばれ馬みたいだったが、この日は乗ってほしそうだったから乗っかった。もう俺の言うことならなんでも聞いたね。男は見事な銀のブレスレットを何本か買っていった。もし俺が我慢していなかったら、おいしい魚を逃していただろう。力ずくじゃなくて頭を使ったんだよ」。
結婚式の前の買い物での事例。
→予算の合わない顧客に対して蔑ろにする店員が描かれている。
これはむしろ逆とも言うべきで、予算が潤沢な人は他社(他のお店)でも同じようなアプローチを受けているはずで、こういう難しいお題、予算的に厳しい顧客に対して、何を得たいか、優先したいかを確認し、それに対して適切なアプローチ(他の店を紹介する、分割払いを提案する、1番安い指輪になるけど提案してみるなど)をすることで、他との差になり顧客からの信頼を得られる。
> 最初に訪れたのは、五番街の超高級デパート、バーグドーフ・グッドマンの一階にある宝石店のヴァン クリーフ&アーペルだ。入った瞬間に後悔した。ガラスの陳列ケースに入った輝く宝石に値札はなく、店の人たちは、いまにも僕を取って食いそうな目つきをしていた
> 予算を口にすると、女性が引くのがわかった。それは僕がこの日のために貯めてきたお金で、僕にとっては大金だった。だが、そのセールスの女性は、いかにもがっかりした様子を見せた
> それでおしまい。僕の財力は、彼女の世界ではこれくらいの価値しかなかった。おもちゃの指輪程度というわけだ。別の指輪を見せてくれるわけでもなく、分割払いの提案もない。ほかの店を教えてくれるわけでもない。僕は自分の経済的価値を自覚した。それは彼女が鼻にもかけないほど低かった。
オークションで指輪を買い、プレゼント用の箱を探している時の話。
→これも先ほどの例と同様で、顧客に伴走する姿勢が弱すぎる。
結果的に箱を提供出来なくても、上司に掛け合ってみる、箱だけ無料で渡すのは難しいのでこの商品を買ってくれたら渡せる、みたいな“努力”を見せることが重要。
この差は本当に大きい。
> アンティーク宝石店のフレッド・レイトンにたどり着いた。
> 「何かご用でしょうか」とその女性が訊ねた。僕はビニール袋に入った指輪を掲げてみせた。 「さっきオークションでこの指輪を買ったんですが、箱がいるんです」。すると、「ありません」と、バッサリ。店のなかは箱だらけだったのに。一つくらい売ってくれてもよさそうなものだ。そこで僕はこう言った。「もちろん、お支払いします」。無料の箱はない、という意味かと思ったのだ。すると「うちでは、そういうことはいたしませんので」と彼女は言い、ほかの客のほうに向き直った。結構じゃないか。通りに出て歩きながらそう思った。クソくらえ。
次いで、スーツを買う時の話。
→この場合は、「ぶっちゃけそこまでこだわりないから場違いじゃなければok」という顧客ニーズを理解して、適切にアプローチして結果信頼を得られた好例。
これは本当にコスパが良い。その場で仮にもっと高い商品を提案して売れたとしても、感動にはならないから次が無い。
この人の言うことは信頼出来る、と言う状態を築ければ、ここでも描かれているように次にも同じケースが出てきたらすぐに思い出してくれる。
> それにくらべて、マンハッタンのミッドタウンにあるポール・スチュアートでの体験は対照的だった。
> ほんの一瞬で、彼は僕を正確に見抜いていた。僕はほとんどスーツを着ない。洋服にもあまり興味がない。ただ、場にふさわしくて仕立てのよいスーツならそれでよかった。この日のために一応の努力をしたことを見せたかっただけだ。上着が二つボタンだろうが三つボタンだろうが、切り込みがシングルだろうがダブルだろうが、袖口のボタンが三つでも四つでも、まったくどうでもよかった。場違いじゃなければ、それでよかったのだ。彼はそれを察して、手を貸してくれた。それまで結婚式の準備中に出会った人たちは、みんな例外なく一生に一度のことだから出し惜しみする場合じゃないと、もっと高いものを買わせようとしたが、彼は違っていた。結婚式を利用して僕から金をむしり取ろうとしなかったのは彼だけだった。
> スーツを選ぶと、その男性は僕を試着室に連れて行き、イタリア人の仕立て職人がズボンの長さを測って折り返しをつけたほうがいいと言ってくれた。僕はまたその言葉に従った。彼を信用していた。それ以来、洗礼式のワイシャツや、結婚式のネクタイ、何かきちんとした場に着ていく洋服が必要になると、僕はいつもポール・スチュアートに行くことにしている。
これも非常に重要。
顧客が金になる人だと分かってから良いように立ち振る舞うのは誰でも出来るわけで、先ほども書いたように差にならない。
重要なのは、最初からまずこちらから尽くすこと。
返報性の法則だ。
> 本当に優秀なセールスマンは、どんな顧客をも愛するところから始めます。お客様をいつも正しく判断するのは不可能です。きれいに着飾って買い物をする人がいちばんの上客とは限りません。とくに、昨今のお金持ちは目立つことを好みませんから
>ブロードウェイの名女優、メアリー・マーティンは、舞台が始まる前に毎回舞台袖から観客席をのぞき見し、目に入る観客全員に「愛してる、愛してる」と呟いていた。幕が上がるころには、彼女は本当に観客を好きになり、最高の演技を見せたいと心から思うようになっていたという。
ウェットスーツの事例も重要。
相手が何を(モノ)ではなくて“どんな状態”を求めているか、を推察して適切に提案する必要性を説いている。
ここで言えば顧客が欲しいのはウェットスーツというモノではなく、熱心なダイバーからこの店はイケてる最先端の商品が常に置いてあると思われる状態、そのためのウェットスーツ。ここが理解できてるかどうかの差は大きい。
> ウェットスーツの事例とは、次のようなものだ。あなたはダイバーズ・デライトというウェットスーツの製造会社の社員で、ダイビング用品のチェーン小売店に製品を売り込む仕事をしている。
そのウェットスーツは宇宙飛行に使われる素材でできていて、競合製品よりも体温を五度高く保つことができる。だが、値段も高く、通常製品が二五〇ドルのところ、あなたの製品は四〇〇ドルもする。あなたはこれから売り込みに行くところだ。相手のダイビング用品店には数々のベンチャー企業がやってきて、約束を交わしては、守れずに去っていく。だが、その店は、つねに先端を走ることを使命としている。大手量販店もウェットスーツを販売しているため、その店が生き残るためには差別化が必要なのだ。
あなたの仕事は、その店に合計一二着のウェットスーツを買ってもらうことだ。しかも、男性用と女性用にそれぞれ三サイズを二着ずつ買ってもらわなければならない。
ウェットスーツを売るためには、顧客がほんとうに恐れているのは何か、ほんとうに必要なものは何かを発見しなければならないことが、二時間の授業のなかで次第に明らかになっていく。顧客が恐れているのは、安売り量販店との価格戦争に巻き込まれることで、それを避けるには、熱心なダイバーを対象にした商売を安定的に維持することが必要になる。ウェットスーツの機能的な優位性については、買い手が評価してくれる。あなたの仕事は、安定的に商品が供給できること、店に十分な利益をもたらすこと、ダイバーたちが競ってこの商品をこの店で買うと相手に信じさせるこ
とだ。あなたの商品は、ダイバーの体温を暖かく保ってくれる高価なウェットスーツではない。そのダイビング用品店が業界の先端に立ち続けて利益を増やし、それを維持するための手段が、あなたの商品なのである。 -
Posted by ブクログ
これから「エルダー」に足を踏み入れる自分にとっては、希望と絶望の隣り合わせをつきつけるような一冊だ。
(いや、自分が属するソフトウェア業界ではとっくにエルダー側かもしれない)
かつてブティックホテルチェーンを立ち上げた、血気盛んな若者だった筆者。そのホテル業界の破壊者であるAirbnbに50を過ぎて参画したという物語、そして知識ではなく知恵で若い組織に貢献していった道程はFOMOに怯えるエルダー候補生たちに一縷の希望を示してくれる。
一方で、その知恵はどこからくるのか?人脈は?「エルダー」になるその前に、きたるべき日に備えた準備がなければ、ドロップアウトしてしまうのではないか?そんな絶望にも似た焦燥感が駆り立てられる。 -
Posted by ブクログ
長い、長いけど、読み始めたら止まらない。思っていた内容とは全然違うコンゲーム、スパイ合戦。でも最後にそのスパイに好感を持ってしまう。NBCが報道を潰したことで結果的にこの本がベストセラーになっているから皮肉だ。本当にこんなことがあるんだな、事実は小説より奇なりだななどと感心している場合ではない。ボーイズクラブによって現実世界が捻じ曲げられているのは日本も同じ。むしろ、こうして証拠の握り潰しがちゃんとスキャンダルになったアメリカの方がまだ正常な方向に向かっていると思う。女性が声を上げ歪みをなくしていこうとするときに立ちはだかるバイアスやレッテルや抑圧を、これほどまでかと痛感させられる。アレンの息子でスーパーエリート男性というローナンだからこそここまで捨て身の報道ができたというのは間違いないので、やはり力というのはこういう風に使わないといけないと思う。日本もたとえば望月衣朔子さんがやっているのと同じことをエリート男性がやれば全然風当たりが違うはず。あとアメリカでは弁護士が報道の細部までチェックしていて(それが握り潰しの一端を担うこともあるが)、こういう活用の仕方があるよなと思った。
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Posted by ブクログ
子供を信頼して、尊重し、他者への思いやりを教え、親が生き方の手本を見せること。それが子育てにおいて究極的に大事なのだと実感させられます。
とにかく自分で選び、責任を負う経験を重ねることは、将来自分で考えられる人になるのに重要なプロセス。
書いてある事やTRICKの教えは普遍的で、そこまで目から鱗!な内容ではないのですが、人が生きていくにあたり心に刻むべきエッセンスが散りばめられており、子育てだけでなく、職場やパートナーとの関係性においても活かすことが出来ます。
早速日常生活に意識的に他人への優しさ、気持ちの理解、許しを取り入れる様、まずは夫に対してTRICKの教えを実践中。。。 -
Posted by ブクログ
若者の思考を学んだ後は、中高年の思考をば。AirB&Bが大きく成長した時期に、経営者や社員のメンターとして大活躍したチップ・コンリー氏の経験をもとに、中高年に対して、知識や経験を活かして若者をサポートし、社会課題を解決しようという呼びかけ。氏はこれをモダン・エルダーと命名し、立派なモダン・エルダーになるための心掛け、失敗事例等を解説してくれている。重要な項目としてあげているのが、「変化を恐れない」「新人の気持ちになる」「仲間と知恵を交換する」「アドバイスの能力を磨く」の4つ。当たり前のようで、おじさんになるとできてないことばかり。肝に銘じます。