澁澤龍彦のレビュー一覧

  • ドラコニアの夢 アニメカバー版

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    軽妙な語り口なのに
    クセが強い
    という相反する性質を纏う澁澤語の
    まぁ~、相変わらず読みづらいこと(誉めてる)。
    久々に彼の言葉を読みましたが
    「やっぱ読みづれぇなぁ!笑」
    が第一の感想です。
    それもこれも、澁澤の脳内ウィキペディアリンクが次々と無尽蔵に開かれるからであって
    凡人には話についていくのがやっとでございます。

    エッセイや書評、インタビューなどから「いかにも澁澤」なパーツを寄せ集めたものなので
    澁澤初挑戦の方にピッタリです。
    あくまでもこちらは「澁澤カタログ」本であって
    彼の本来の魅力に触れるなら、やはり原本にあたるのがよろしいかと考えます。
    そんなわけで★3つ。

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    2024年01月18日
  • 貝殻と頭蓋骨

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    「澁澤龍彦のすすめ」みたいな本だった。広く浅くとりあげつつも、そこには確かに澁澤龍彦がいる。「この本が一番好き!」とはならないが彼がどのような人間かを知るには丁度よく好きだなと思ったコラムに関連する澁澤の本を読むのがいいのかなと思う。
    個人的にはサロンのお話が好き。

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    2024年01月15日
  • さかしま

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    覚悟して読み始めたが、思いの外読みやすく、スッと入ってくるものがあった。(実情は作品真意の3割程度しか解釈できていないものだろうと思うが、理解できた範囲で感想を書く)

    ストーリーは、主人公の

    社会に対する絶望

    厭世的生活(美と頽廃の「人工の小宇宙の創造」。宝石を埋め込んだ亀、口中オルガンなど)

    病魔

    大衆社会への帰還
    (ブルジョア社会•功利主義•芸術鑑賞の通俗化•宗教の商業化)
    芸術、信仰、知性による救済の滅亡

    絶望

    の流れを描いている。

    一連の流れを通じて、現実を直視する当時のヨーロッパ的自然主義に一石を投じ、芸術、女、悪魔、神を崇める反自然主義を唱えた稀有な作品であ

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    2023年09月21日
  • P+D BOOKS 魔法のランプ

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     本書元版は、おおよそ1979年から81年に書かれたエッセイをまとめたもの。
     軽いタッチの時事的なものから、かなり本格的なものまである意味雑多なテーマが取り上げられている。

     冒頭に置かれた「錬金術夜話」は力の入った評論。錬金術というと、常識的には「科学が方法論を確立するまでの、いわば未熟な段階にあった擬科学のようなものだと考えられている」が、この常識は間違いであり、錬金術には物質的(技術的)な面と精神的(哲学的)な面とがあると、澁澤は言う。以下、いろいろな錬金術師や錬金術に関連する書物や建築等が紹介される。

     一番面白いと思ったのは、「処女生殖について」。処女生殖に関するいろいろな実例

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    2023年07月11日
  • 世界悪女物語

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    澁澤龍彦の軽妙な文章で短いページで世界の有名な悪女を説明してくれる。歯切れがよく悪女を断罪するでもなく、楽しいおもちゃのように語る文章は最高だ。
    一方、半世紀以上前の本だけあって価値観も古いし、短いページだから仕方ないとは言え一面的な見方しかしてない場合もある。というか半分以上の人物について別に悪女だと思わなかった。

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    2023年01月23日
  • 女のエピソード

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    自主的澁澤龍彦月間でもう1冊。
    BOOKOFFオンラインにて購入。

    24人の古今東西の女性たちのエピソード。
    初出が資生堂のPR誌「花椿」のためか、軽く読めるスケッチ風のエッセイ。
    ライト過ぎて大分物足りない。先に読んだ「異端の肖像」の方が読み応えもあり、澁澤龍彦の本領発揮という感じか。

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    2023年01月18日
  • 毒薬の手帖

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    ネタバレ

    毒の文化史。挿絵つき。紀元前から人は毒を使ってきたのか。。挿絵、真剣なものから気が抜ける緩さのものまであって面白いです。
    大好きボルジア家に1章割かれているのが嬉しいです。内容はまぁ…こうなりますよね、と。毒関係で取り上げるとこうなるしかないです。
    有名な(?)毒殺事件の数々も興味深いです。
    …そういえば、わりに最近読んだ小説でシアン化合物を服用した人を解毒するエピソードありました。脱臭用の炭と合成甘味料と水だった気がします…配合がわからないので知ってても実行は難しそう。解毒出来ないか窒息させてしまうかどっちかになる素人は。。

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    2022年10月30日
  • 長靴をはいた猫

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    完訳ではなく、割愛されている作品もありますが、ペローの童話と言ったらこれ!というエッセンスがもうふんだんに滲み出ています。片山健さんのエロティックな挿絵も素晴らしいです。童話としては『赤頭巾ちゃん』が好きな私ですが、『親指太郎』に登場する人喰い鬼の七人の女の子が首を斬られるあのシーンも海馬にこびりついています。←このシーンの挿絵があったもんで、ちょっと感動したのはべつのおはなし。

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    2022年09月23日
  • 裸婦の中の裸婦

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    巖谷國士さんとの共著の形をとる本作は、澁澤龍彦最期の美術エッセイです。バルテュスやクラナッハはもちろん、百武兼行にヘルムート・ニュートンの写真やギリシア彫刻の両性具有など、その視野の広さと「澁澤らしさ」には脱帽です。解説で巖谷さんの言うように、対話体を用い、軽く気ままな、独特の視点を持つ円熟した本書から『高丘親王航海記』への到達の過程をうかがうこともできるでしょう。
    個人的には、バルテュスの絵がやっぱりいいなぁと思ったのと、最後をアングルで締めるのは流石だなと思いました。

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    2022年09月19日
  • 妖人奇人館

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    澁澤さんの先見の明が光る本作は、切り裂きジャックにノストラダムスにパラケルススにラスプーチンと、もはやおなじみの顔ぶれが揃っております。ほかの著作にも見られるエピソードも。気楽に読むのにぴったりでしょう。当時の時事ネタを考察していたりするあたり(『古代石器殺人事件』)、やっぱり澁澤さんは上手いなぁと思ってしまったり。
    因みにこの中だったらラスネールが好きかなぁ。

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    2022年08月21日
  • 世界悪女物語

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    最も悪女だと思ったのは則天武后。彼女は出世のために自らの子供を殺し、親族を殺し、時の皇后を嵌めた。メアリー・スチュアートは恋愛に生きた女性で、別の男と一緒になるために夫を殺した。

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    2022年08月07日
  • 東西不思議物語

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    「澁澤龍彦好みの」不思議なお話が49あります。時折思い出したようにチラチラと読み進めるのが至福なのです。他の著作で聞いたことがあるエピソードもないとは言えませんが、やはり不思議は魅力を孕むものです。何度読んでも「面白いなぁ」となってしまいます(笑)。今の時代でも、そっと目をつぶって夢想に耽けること、想像力逞しく不思議を享受することって、大切です。

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    2022年07月03日
  • さかしま

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    それこそ澁澤龍彦などの頽廃的・耽美的な世界観にはまっていた時分に買い、積読し、数年が過ぎ、そういう関心の薄らいだいまになってようやく読んだので、そうか……としか思えず、半分ほど読んで辞めてしまった。

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    2022年05月03日
  • ドラコニアの夢 アニメカバー版

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    2018年、角川の文ストコラボカバーで発売された『澁澤龍彦×文豪』縛りで編集されたエッセイ、対談集です。

    『ドラコニア』=澁澤龍彦の世界
    であり、その世界を覗くにはちと物足りない。
    ですが、文豪たちとのエピソードやエッセイを読むと、魅力的な作品が多々紹介されています。

    夢野久作『ドグラマグラ』
    小栗虫太郎『黒死館殺人事件』
    についても語られており、特に黒死館殺人事件については独自で魔術やら心理学の専門書の参考文献をあたっていたりなど、愛を感じます。

    個人的には『毒草園』のエッセイが面白くて、1906年フランスでの毒殺事件の件数などを上げていたりする。
    マルキ・ド・サドの翻訳をされているの

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    2022年04月02日
  • 貝殻と頭蓋骨

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    久しぶりな澁澤龍彦のエッセイ集、というか雑文集か。脈絡はないけど、読みたいとこだけ読めばそれなりに楽しめる。女流作家についてのエッセイの中に、現代からすると女性蔑視的な発言もあり、澁澤龍彦も昭和ひと桁生まれの男なのだなと思わされるが、鼻もちならないウーマンリブ的な当時の風潮に、何かしら言ってもよかろうという澁澤なりの意図的発言だったように思える。

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    2022年01月11日
  • 快楽主義の哲学

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    情死の美学は好きだったな。去年道行ものの日本画をたくさん見たからかな。

    全体としてはサクサク読めて手頃だし、基本スタンスは自分のそれと一緒なので楽

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    2022年01月06日
  • 高丘親王航海記 IV

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    こちらも最終巻。

    パタリヤ・パタタ姫の不思議な死生観。
    少しずつ衰弱してゆく親王の死生観。

    文章では、この夢と現の物語を
    自分で消化しきれなかったと思うので
    映像化してくれて良かったです。

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    2021年12月30日
  • さかしま

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    退廃的、厭世的。自分で作り上げた孤独の世界。薄暗さの中に翳った金属や宝石などの鈍い輝きが見えてくるような描写だった。
    文学的な知識はなかったのでよくわからないところは多かったが、ルドンやギュスターブ・モローなどの画家の作品は知っていたので、その部分は世界観が映像でイメージできた。
    亀の話は嫌な記憶として残りそう。なんとも不思議な読後感。 

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    2021年12月15日
  • 高丘親王航海記 1

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    竹橋の近美で、民芸の100年展を見ました。
    「垢取り」何かにも美を見いだした。とあり
    上から目線だなぁ~と思っていたら、
    奴隷が、「淦汲みでも 何でもできる…」と
    人生初めての言葉を、1日で2回遭遇するとは!
    縁を感じてしまいました。


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    2021年11月15日
  • 高丘親王航海記 III

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    この独特の雰囲気を味わうことに
    専念するとしましょう。
    なかなか深いところは理解できない(汗)

    即身仏と出会ったあと
    祠で秋丸そっくりの妓女に会い
    それを追ってきた役人と一緒に宮廷へ。
    春丸と名づけた娘を連れて
    仲間のところに戻ると
    今度は秋丸が姿を消してしまった。
    おやおや。

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    2021年11月08日