澁澤龍彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
軽妙な語り口なのに
クセが強い
という相反する性質を纏う澁澤語の
まぁ~、相変わらず読みづらいこと(誉めてる)。
久々に彼の言葉を読みましたが
「やっぱ読みづれぇなぁ!笑」
が第一の感想です。
それもこれも、澁澤の脳内ウィキペディアリンクが次々と無尽蔵に開かれるからであって
凡人には話についていくのがやっとでございます。
エッセイや書評、インタビューなどから「いかにも澁澤」なパーツを寄せ集めたものなので
澁澤初挑戦の方にピッタリです。
あくまでもこちらは「澁澤カタログ」本であって
彼の本来の魅力に触れるなら、やはり原本にあたるのがよろしいかと考えます。
そんなわけで★3つ。 -
Posted by ブクログ
覚悟して読み始めたが、思いの外読みやすく、スッと入ってくるものがあった。(実情は作品真意の3割程度しか解釈できていないものだろうと思うが、理解できた範囲で感想を書く)
ストーリーは、主人公の
社会に対する絶望
↓
厭世的生活(美と頽廃の「人工の小宇宙の創造」。宝石を埋め込んだ亀、口中オルガンなど)
↓
病魔
↓
大衆社会への帰還
(ブルジョア社会•功利主義•芸術鑑賞の通俗化•宗教の商業化)
芸術、信仰、知性による救済の滅亡
↓
絶望
の流れを描いている。
一連の流れを通じて、現実を直視する当時のヨーロッパ的自然主義に一石を投じ、芸術、女、悪魔、神を崇める反自然主義を唱えた稀有な作品であ -
Posted by ブクログ
本書元版は、おおよそ1979年から81年に書かれたエッセイをまとめたもの。
軽いタッチの時事的なものから、かなり本格的なものまである意味雑多なテーマが取り上げられている。
冒頭に置かれた「錬金術夜話」は力の入った評論。錬金術というと、常識的には「科学が方法論を確立するまでの、いわば未熟な段階にあった擬科学のようなものだと考えられている」が、この常識は間違いであり、錬金術には物質的(技術的)な面と精神的(哲学的)な面とがあると、澁澤は言う。以下、いろいろな錬金術師や錬金術に関連する書物や建築等が紹介される。
一番面白いと思ったのは、「処女生殖について」。処女生殖に関するいろいろな実例 -
Posted by ブクログ
ネタバレ毒の文化史。挿絵つき。紀元前から人は毒を使ってきたのか。。挿絵、真剣なものから気が抜ける緩さのものまであって面白いです。
大好きボルジア家に1章割かれているのが嬉しいです。内容はまぁ…こうなりますよね、と。毒関係で取り上げるとこうなるしかないです。
有名な(?)毒殺事件の数々も興味深いです。
…そういえば、わりに最近読んだ小説でシアン化合物を服用した人を解毒するエピソードありました。脱臭用の炭と合成甘味料と水だった気がします…配合がわからないので知ってても実行は難しそう。解毒出来ないか窒息させてしまうかどっちかになる素人は。。 -
Posted by ブクログ
2018年、角川の文ストコラボカバーで発売された『澁澤龍彦×文豪』縛りで編集されたエッセイ、対談集です。
『ドラコニア』=澁澤龍彦の世界
であり、その世界を覗くにはちと物足りない。
ですが、文豪たちとのエピソードやエッセイを読むと、魅力的な作品が多々紹介されています。
夢野久作『ドグラマグラ』
小栗虫太郎『黒死館殺人事件』
についても語られており、特に黒死館殺人事件については独自で魔術やら心理学の専門書の参考文献をあたっていたりなど、愛を感じます。
個人的には『毒草園』のエッセイが面白くて、1906年フランスでの毒殺事件の件数などを上げていたりする。
マルキ・ド・サドの翻訳をされているの