あらすじ
フリースタイル“THE BEST MANGA 2021 このマンガを読め!”第1位
美しくも不吉なる真珠とともに、天竺を目指す親王一行、
生と死が織りなす夢幻に溢れた、遥かなる旅が今、終わる。
澁澤龍彦の遺作にして、日本文学史に屹立する傑作へ挑み、
絶賛の嵐を呼んだ完全コミカライズ、万感の最終巻。
●近藤ようこ ビームコミックス好評既刊●
『蟇の血』(原作:田中貢太郎)『死者の書』上・下巻(原作:折口信夫)『五色の舟』(原作:津原泰水)
『帰る場所』『水の蛇』『月影の御母』『美しの首』『猫の草子』『説経 小栗判官』『宝の嫁』『女神たちと』(共著:河井克夫他)
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Posted by ブクログ
澁澤の真髄は「少女コレクション序説」だと思うので、遺作を持ち上げる勢に与したくないと思っていた。
が、この漫画を読んでしまったら、屈せざるを得ない。
喉に死の真珠。
そうれ、天竺までとんでゆけ。
壮年が思い出す、少年期の追憶の、反響、反響、反響、反響で今の壮年期は成っている。
郷愁が現実認識の土台になるとき、人の認識は一段死に近くなる。
その遊離具合が本作のステキさ。
と漫画を読んで気づいた。
帯取っ払って、カバーをはがして広げてみたら、親王、薬子、少年、飲まんとする真珠、そうれ天竺まで飛んでゆけ、蓮の花、虎、脚、図像的な雲、山。
ピンクに浸されたシンプルなカバーなのに、精選された情報で満たされていて、これは描いた人も装丁した人も素晴らしいと思った。
Posted by ブクログ
これにて完結。
この巻が出たタイミングで再び1巻から通して読んでみたが文句ない傑作。
2021年度に刊行された漫画のベストであることは揺るがないだろう。
坂口安吾のコミカライズでも感じたが、読んだ印象が原作小説を読んだそれと変わらない。それ自体が驚異的なことだが、にも関わらず誰がどう読んでも近藤ようこの作品である。近藤ようこ以外、誰にも描きえない作品として成立させていることが信じられない。
Posted by ブクログ
この漫画は、原作を離れての評価は難しいと思うが、生死、時間、精神と肉体、空想と現実が一体となる感じが素晴らしい。本当の高岡親王という人はどんな人だったのだろうかと考えさせられる。