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ルイ十四世治下の末期、殺人と汚職によって莫大な私財を築きあげたブランジ公爵と三人の仲間は、「黒い森」の人里離れた城館で、四十二人の男女とともに、百二十日間に及ぶ大饗宴をもよおす。ここで物語られる奇怪な話、くりひろげられる乱行、虐殺の数々を物語るサドの異色作「ソドム百二十日」は、さながら性倒錯現象の百科ともいえる傑作である。他に二篇収録。
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「ソドム百二十日」は序章で終わっている。フランス革命が勃発して、著者が原稿を失ったからだ。あぁ、でも、続きが読みたい。120日間に渡って、このいたいけな少年少女たちに何が行われたのか、気になって気になって仕方が無い。序章が憎い。こんなにも人の気持ちを盛り上げて、高ぶらせておいて、放置プレイなんだもの。ひどいわ。本当にサディスティックなお人。
だと思っていたら、この澁澤龍彦訳は、「サド裁判」の影響で完訳が出来なかったみたい。佐藤晴夫訳だと完訳版が出版されているみたい。
しかし、澁澤龍彦訳の方が甘美で美しいらしい。澁澤ファンとしては彼に完訳してほしかった・・・。
Posted by ブクログ
まず気をつけるべきなのは、この本に収録されているソドム百二十日は、初めの導入部分(主人公であるブランジ公爵とその弟である司教、キュルヴァル法院長、公爵の学友であるデュルセの4人の道楽者とその妻達の人物描写と、物語のメインである4ヶ月の放蕩に耽るまでの下準備の様子と、放蕩の加担者や犠牲者の人物描写まで)までであるということである。
主人公の道楽者達はどいつもマジキチであり、悪徳を愛し美徳を憎み、無神論者であり、犯罪を犯してはそれをオカズにハァハァするという始末である。
しかし、公爵の言う悪に対する見識(要約すると、「俺みたいな悪だって自然界、ひいては神様が生んだものなんだから、それに背いて悪いことしないってのは神様に逆らうのも同じ。だから俺は悪いことするお!」って感じ)には、なんだか納得させられてしまう。まあこの公爵の見識はそのままサドの思想に基づいたものらしいのだが。
ソドムの百二十日は未完のまま、サドは死を遂げてしまったそうだが、本当にそれが悔やまれる。澁澤氏の訳で完全版が読みたいところである。
悲惨物語も、ソドム百二十日の主人公達のように無神論者のサイコ野郎が主人公である。
彼は源氏物語よろしく、実の娘のユージェニーを見た目や思想までをも自分好みの女に育て上げ、自らの愛人へと仕立ててしまった。彼は自分や娘を心から愛している美しい奥さんを疎ましく思い、色々と酷いことをして奥さんを苦しめ続ける。しかし、奥さんの変わらない愛を受けて最後の最後には改心するのだが、結局救われない最期であった。
個人的に好きな部分は、「奥さんに悪いところがあったとしたら、それは夫や娘を愛していたということである」というとこ。奥さんカワイソス。あと、神父様が生きてて良かった。
Posted by ブクログ
青土社、佐藤晴夫訳を、20ページほどつまみ読み。
驚くべき変態っぷり。食べるための、便の固さや香りの調整など。
フランス革命前後の著とのこと。キリスト教の道徳の押し付けに辟易し、絶望し、どんなことをしたってかまわないのだ、神などいないのだと、人間の自由さや可能性をあますところなく表現したかったんだろうか?人が美しいというものを否定し、人が汚い、おぞましいとするものを賛美したかったのだろうか?
こんなの、日本にもあったのだろうか?
元はと言えば、日中戦争において、日本兵士がなぜ現地女性に猟奇的な強姦をしたのか、あるいは、東大生たちの裸の女子学生を馬乗りにして遊んだ挙句の輪姦、のような犯罪がなぜ起こるか、その原因を性的嗜好にさかのぼって知りたかったのであった。
人間における自由と束縛をめぐる心理複合の所産
背景として
・心理的な補償
・カタルシスの効果
・発達課程におけるインプリンティング、学習
・文化的・社会的な自己の存在主張(現存在の意味充足)
実存的なプロセス。
サディズム+共感性の欠如(パーソナリティ障害やサイコパス)などの条件を揃えた人物がおり、そこから同調圧力によって波及したのかもしれない。
Posted by ブクログ
桃源社から1966年に出た『新サド選集第8巻』のなかの「ソドム百二十日」を底本にして1991年に河出書房から出されたもの。
サドによってフランス革命間近の1785年にバスティーユ牢獄で書かれた作品。それが発見され保存され紆余曲折を経て1904年、ドイツで初めて出版された。その後、原稿はフランスに渡り、色々な形で出版される。現代版として読みやすく改められた1953年版が翻訳本の底本になっている。
作品の序章にあたる部分の全訳。作品全体からするとほぼ6分の1の分量。
(あとがきより)
この河出文庫版にはほかに「悲惨物語」と「ゾロエと二人の侍女」も収録されている。
サドだったら、『食人国紀行』とか『閨房哲学』とかのが好きだな。
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