澁澤龍彦のレビュー一覧

  • 悪徳の栄え 上

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    革命後フランスで発禁になった、著者サド自身が投獄されてまで貫きたかった哲学の、代表作。
    発禁になった理由は「猥褻だから」だったらしいけど、
    エロじゃなくてグロです。これ。まぁエロもグロの一部といえなくもないから何ともいえんけど・・・グロイのダメな人はきっと一章目でギブ。
    いかに社会の中で悪徳を成すことが、正しいのか。胃がもたれるほど強調してきます。今私たちが善徳と信じてるものを完膚なきまでに破壊してるから、常識を一回離れないと困惑が溶けない。

    正義や美徳みたいに、広範に認められる価値観をpraiseするのは比較的簡単だけど、悪徳や犯罪を論理的に支持した作品が、その後何世紀も評価されることって

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    2009年11月01日
  • ねむり姫

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    澁澤龍彦ならではの耽美な世界〜後白河法皇の時代に眠り続けるうつくしい姫の話など、日本の時代物を揃えた短編集。教養に裏打ちされた流麗な文章で読ませます。所々わざと肩すかしがある粋な作りなので、ストーリーは??だが、耽美は論理的じゃないのね〜役には立たないのよねと何やら納得。

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    2009年10月07日
  • ソドム百二十日

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    ソドム百二十日だけ再読。
    このやりたい放題っぷりが非常に好きです。

    09.09.04 再読


    バスティーユ内で執筆された未完の大作。思ったよりもずっと真面目な小説やった。これが完成されてたら・・・。
    07.10.19

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    2009年10月04日
  • 記憶の遠近法

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    2部構成によるエッセイ集
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    ? サラマンドラよ、燃えよ/一角獣について/タロッコの謎/宝石の伝説/『狩猟の書』について/盗みのエロティシズム/態位について/目の散歩

    ? ツェッぺリン幻想/私の昆虫記/ハーゲンベックの思い出/カフス・ボタンのこと/「コドモノクニ」のこと/ドラゴン雑感/少年冒険小説と私/玩物抄/アポロとウェヌス/蠅とエメラルド/思い出と現在と/エメラルド、五月の露/花火、七月の夜/ガラス幻想行/糸車から燭台まで

    あとがき
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    エッセイ集として最初に手にした作品なのですが、他のエッセイ集とは色が異なるようです。それにして

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    2009年10月04日
  • 閨房哲学

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    澁澤龍彦訳。この1976年角川文庫の版や底本については、訳者によるあとがきに詳しい。……うーん、なんだかすごいぞ!!?サドがすごいのか(もちろんそうだが)澁澤龍彦がすごいのか、よくわからなくなってきた。(どっちも、なんだけれど)。

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    2011年07月19日
  • 世紀末画廊

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    久しぶりに澁澤の評論を読んだ。
    なぜだか少し心が離れて入り込めなかった。
    どうしてかしら。
    美術は人の目を通してみるものではないということかしら。
    自分の目でみてみなくては。

    ゴヤとサドの同時代性、意外でした。
    ゴヤの記述はなかなか楽しめます。

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    2009年10月07日
  • 黒魔術の手帖

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    なぜか家にあった本。
    今は真鍮の本立ての中に収蔵されています。
    たまに読み返してみては異文化に浸ります。

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    2009年10月04日
  • 毒薬の手帖

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    毒薬というものの見方がかわります。
    イタリアの歴史の中の毒薬。
    それは人間の業の現れ。
    ひたむきであればあるほど、人は深みにはまって行くのだと思います。

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    2009年10月07日
  • 女のエピソード

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    古今東西の可憐な女性、傲慢な女性。聖女、悪女 大集合!

    処女性は大事なものかもしれないが、また同時に、捨てなければその価値を実現することができない、
    とうのが、処女性の本質的なパラドックスであろう。 
        〜エリザベス女王より

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    2009年10月04日
  • 黒魔術の手帖

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    評価4.0
    100年戦争終結時は「救国の英雄」と言われて男、ジル・ド・レイ。 青髭のモデル。

    オカルトわーーーぃ! ってメッチャ面白いんですけど

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    2009年10月04日
  • 東西不思議物語

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    昭和50年12月7日から、47回に渡って毎日新聞の日曜版の連載されたものをまとめたもの。澁澤の本なので、内容については特に言うこともないです。好きな人は、かなり好きでしょうね。藤本蒼猪氏が中の挿絵を描いているんだけど、これがかなりはまってて良いです。

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    2009年10月04日
  • ねむり姫

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    サドの本を日本に紹介したことで知られる澁澤龍彦。
    この本はエロティシズムにあふれているというわけではないが
    独特の言い回しで昔話を更に味わいのあるものにしている。

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    2009年10月07日
  • 胡桃の中の世界

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    特に興味深かったのが、『宇宙卵について』という章。
    これを読んでから、卵型のものが何となく神秘的に思えてしまう。

    図版がどれもオカルトチックでイカス。

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    2009年10月04日
  • 幸福は永遠に女だけのものだ

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    澁澤龍彦ならではのエッセイが盛りだくさん。
    彼の文章なので内容や文体は癖がありますが、さくさくと読めます。

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    2009年10月04日
  • O嬢の物語

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    ええ、ついに読みましたとも。
    そう、性的描写は多くともエロティックではない。
    体をめちゃめちゃにされ、
    それでも肉体的苦痛を悦びに感じるほどに変化していくOの心情はしかし、とても慎ましやかで。
    怖いもの見たさだろうか。
    主人公のOが痛めつけられればられるほど、
    読みすすめることを躊躇しつつも
    どんどんのめり込んでいったのは、
    私もある種快感を覚えていたのではないかという・・・。
    ちょいと怖くなったり。エヘ。笑
    個人的には金子國義が挿絵を描いてる本が欲しかったが仕方がない。

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    2009年10月04日
  • 世界悪女物語

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    めちゃくちゃ面白い!
    歴史上の名前しか知らなかった人が、現実感をもって自分に迫ってくる感じ。
    悪女って響きがいいよね。
    自分の持てる限りの武器を使ってのし上がっていったり、人を殺したりって凄みがあるわ〜びっくり。

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    2009年10月07日
  • 世界悪女物語

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    著者も言っているように、世界の悪女に比べて日本の悪女のスケールが少し小さいってのは、いいことなのかもしれないけど、どうせなら世界に名だたる名悪女(?)が一人くらいいてもいい気がします。

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    2009年10月04日
  • 世界悪女物語

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    悪女には2種類いる。誘惑系と、残虐系。たまにどちらも持ち合わせている女もあり。想像を絶する彼女たちの行動とその魂胆は、見ていてただただ圧倒される。バートリ最強。澁澤龍彦が、ほとんどの女性に何かしらシンパシーを感じているところが伝わってきていい。

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    2009年10月04日
  • ソドム百二十日

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    「ソドム百二十日」は序章で終わっている。フランス革命が勃発して、著者が原稿を失ったからだ。あぁ、でも、続きが読みたい。120日間に渡って、このいたいけな少年少女たちに何が行われたのか、気になって気になって仕方が無い。序章が憎い。こんなにも人の気持ちを盛り上げて、高ぶらせておいて、放置プレイなんだもの。ひどいわ。本当にサディスティックなお人。

    だと思っていたら、この澁澤龍彦訳は、「サド裁判」の影響で完訳が出来なかったみたい。佐藤晴夫訳だと完訳版が出版されているみたい。

    しかし、澁澤龍彦訳の方が甘美で美しいらしい。澁澤ファンとしては彼に完訳してほしかった・・・。

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    2009年10月04日
  • 幸福は永遠に女だけのものだ

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    渋澤さんは書いた。

    「生きることを受け入れる前に、まず、この無意味な人生が、生きる価値に値するものであるかどうか」と。

    衝撃だった。人生を、死を、人はこんなに冷静に客観的に見つめることができるなんて。恋愛や自殺、と、すぐのぼせ上がる乙女(私)にとって、いい気付け薬になった。

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    2009年10月04日