澁澤龍彦のレビュー一覧

  • 快楽主義の哲学

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    澁澤の人気本。
    今とは全く異なる時代背景にあって書かれたエッセイだから、ややもすると噛みつかれそうな表現があるが、さすが大先輩、古今東西の文学の豊かな土壌に培われ寛容だ。スカトロジーが研究対象だと巫山戯る私とは雲泥の差。

    澁澤本人はこの本を嫌ったらしい。かれのすすめる快楽主義とは実のところ何であるのか、お茶を濁すきらいもある。しかし、目次を追っただけで内容が読めてしまうような自己啓発書よりも、これを読んで澁澤の紹介する「韜晦」や「ダンディズム」を知るほうが、人は生きやすくなるのでは。

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    2021年03月12日
  • 長靴をはいた猫

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    子供向けじゃない童話という感じで、予想以上に楽しめた。
    赤頭巾や眠れる森の美女は有名なんだけど、私の知っている話とちょっと違った。特に眠れる森の美女は途中から「あれ、こんな話だっけ?」と展開に驚いた。私の知っている話は子供向けバージョンだったんだな……。この童話はけっこう残酷なところもある。各話の終わりにある「教訓」も大人がニヤリとできるものが多い。そして挿絵もちょっと官能的で独特な味がある。

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    2020年12月26日
  • 高丘親王航海記 1

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    淡白な表現が儚く妖しい美しさ。
    原作も、読んだような読んでないような記憶しか無かったけど、確かにこんなだったと思い出した。

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    2020年12月26日
  • 快楽主義の哲学

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    精神の貴族たれ、という時に、都合の良い解釈かもしれないけれど、本書に書かれている姿勢をそのまま実績せよとは言っていないと思うので、
    例えば本書でかなりページをさかれているエロティシズムに関しては正直なところ、共感は出来なかったが、要は偏屈だ頑固だと言われても、少なくとも精神の自由を侵されてはならないのだと言う主張だと解した。
    巻末で解説者は、次のような趣旨を述べている。
    本書での、労働の忌避や、大衆化したレジャー産業に乗せられないようにとの警鐘は既にして時代遅れで、定職につかないような若者、ますます個別多様化する趣向などはもはや当たり前になりつつある、と。
    また著者は、当時、それこそ大衆向けの

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    2020年12月22日
  • 高丘親王航海記

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    高丘親王が繰り広げる夢とも現とも定かでは無い旅行記を読んでいると、自分がトリップをして、彼らと共に大空を大海を巡る感覚になる。
    現実と夢の世界を態とボカして書かれているので、自分の置かれている世界の朧げな姿を見せられて、それに蠱惑されている感覚。

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    2020年12月02日
  • 高丘親王航海記 1

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    原作を読んでいないので、漫画の感想というべきか、原作の感想というべきか分からないが、面白いです。
    高丘親王の人物像も、飄々としていいのだが、薬子がよい。薬子の変の印象で、悪女っぽいイメージだが、この薬子のエロいと同時に現世離れした感じが良い(高丘親王の夢フィルターではあるが)。

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    2020年10月21日
  • サド侯爵の生涯 新版

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    どういう作品を出しているかは全く知らないけど、勝手な想像が独り歩き、ただ名前だけの認知で人となりについて考えたことはなかった。
    誕生から死を迎えるまでの一生。
    何がどうなったのやら文章が理解が追い付かないほどにスラスラ入ってくる、面白い。
    印象操作ほど怖いものは、ない。

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    2020年10月08日
  • 高丘親王航海記 2

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    ・ジャヤヴァルマンの陳家蘭……アナクロニズム……迦陵頻伽。
    ・秋丸の可憐さ、パタタ姫の怪しさ。ジャヤヴァルマンの下りでも思った(「籟王のテラス」)が、パタタ姫はおそらく三島由紀夫「暁の寺」への返歌。

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    2020年09月25日
  • 高丘親王航海記 1

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    ・素晴らしいコミカライズになる。
    ・薬子のエロス。
    ・みこの顔……特に目元……セルジュ・ゲンズブールに通じる目の下のクマ……知的放縦は性の手練れと似ているのだ。
    ・すかーんと抜けのよい風景描写。

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    2020年09月25日
  • 高丘親王航海記 2

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    2巻、航海記のキモ(主観的に)の幻想的な生き物がたくさん出てくるところ。ここらへんは文字のほうがファンタジーだったように感じるが、読んだのが何しろ何十年も前なので、ちょっと感受性が今の自分とは違う可能性が高い。原作再読の必要性を感じた。雲南まで。

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    2020年09月19日
  • 高丘親王航海記 1

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    学生の頃、澁澤龍彦本をレポートの素材にしたことが何度かあり、ある程度は読み込んだ。その頃を思い出して、とても懐かしい気持ちになる。特にこの高丘親王航海記は最後の作品であり、特にグロ美しさで目立つものがあり印象に残っている。今回、コミカライズドにはドキドキしていた。個人的に持っているイメージと全く同じとは言いがたいが、かなり近しい感じでギャップストレスが少なく、楽しく読めた。
    1巻は親王における薬子の影響や歴史的な背景をさくっと説明。そして旅路、カンボジアまで。

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    2020年09月19日
  • 毒薬の手帖

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    主に中世の毒や毒殺などに関するエッセイ集です。古い本なので現代とは違う話も出てきたりしますが、そのへんは時代背景を考えて読むべきですね。

    毒物の機序についても書かれていますが、それよりも毒殺事件に至る話やその後の事件とかの話が面白いです。

    …ま、だいたい痴情のもつれですが。

    古めの本(読んだものは1993年の18刷)なので、言い回しや文字が読みにくいですね。慣れているのでまだマシですが、最近の本に慣れているときついですね。

    とりあえず面白いです。

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    2020年05月14日
  • 滞欧日記

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    故人の手帖を、巌谷氏かまとめたもの、らしい。食べ物のことをたくさん書いたり、一人称がころころ変わったりと、御大と呼んで尊敬していた碩学者にも、意外に身近な一面があるのだなとなんだかほくほくした。

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    2020年05月13日
  • 少女コレクション序説

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    澁澤さんのお誕生日な5月8日に読み始めました。
    知識量に圧倒されます…面白かったです。
    美しいものがたくさん。美しいものは罪も引き連れてくるけど。
    幻想=異端、というのは好きです。
    取り上げられている作家さんの作品に片っ端から触れたくなりました。美しいもので潤いたいです。
    マンドラゴラのところの、ワクワクとは…と思ってたら、これマカリーポンか。
    少女も一過性で危うい、短い期間にしか存在しないので永遠に時を止めてコレクションしたいとなるのでしょうか。。
    無垢と官能。堪能しました。

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    2020年05月09日
  • O嬢の物語

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    何たる一冊…………。
    結局Oは、男たちのオブジェ、蝋人形のような存在であったのか。
    フランケンシュタインのように、どんどん改造されていく恐怖、不安、嗚咽が生々しくそして痛々しい。
    奴隷制度がありましたよという訴えもあるが、その中身を抉り出してあるんだけど、性交渉の描写は実は殆どない。
    その幸福は、本物でありながら読み進めていくうちに感情論になっていき、ラストに近付くにつれ戦慄を齎される。
    これも運命なのかと考えさせられた一冊。

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    2019年06月07日
  • 東西不思議物語

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    ネタバレ

    似た話ほかにもあるよなーーみたいなのを、澁澤龍彦の趣味でテーマごとに東西たくさん集めた本。めちゃくちゃ面白かった。
    わたしは異界の入口とか、ドッペルゲンガーとか、夢の中とか、そういうのが好きなので、その辺のテーマの話はすごく興味深くて面白かった。あとはキャラクターの話も面白かった。天狗≒サタン(星からうまれた)とか。どこの土地でも人が不思議に思うものは同じだったんだろうなあと思う。
    ただ、せっかく東西て言うてるのやから、ひとつのテーマで東西ひとつずつは話が欲しかった…な…。澁澤龍彦の趣味だから、比較してあるのもないのもごちゃ混ぜでそれはそれで面白いんやけど…

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    2019年06月01日
  • 唐草物語

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    久しぶりに読んで、実に面白かった。
    こういうふうにかける作家はもういない。繰り広げられる澁澤ワールドが異常でも奇異でもない。美しい文学的想像力のたまものである。

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    2019年05月13日
  • 新ジュスティーヌ

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    マルキ・ド サドの代表作。エログロの代名詞のように言われがちですが、訳者の文体が上品でさらりとしているせいか、案外と爽やかな読み心地でした。カトリック的価値観に対する風刺と、ある種のブラックユーモアを感じさせるところが何ともお洒落です。流石は「おフランス」の文学ですね。過激なエログロをお求めの方には、渋澤訳のマルキ・ド サド作品よりもバタイユの『眼球譚』(目玉の話)や山口椿氏の著作をお薦めします。

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    2019年02月15日
  • 快楽主義の哲学

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    あっさりした読みごごち。わかりやすい文章。

    幸福: 受動的
    快楽: 能動的

    周りに流されることなく自分を貫く

    先延ばしではなく現在の快楽、自然のままに感情を楽しむこと、を極大化させる。

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    2018年06月25日
  • ドラコニアの夢 アニメカバー版

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    エッセイ集。編集のテーマが「文スト縛り」って!(笑) よくぞここまで、というほどに見事なセレクトですが。特別文ストファンじゃなくても面白く読めるのではないでしょうか。さすがの博覧強記っぷりにはひたすら舌を巻くばかりです。
    お気に入りは「ランプの廻転」。怪談・幻想小説好きにはたまりません。「草迷宮」は読んでいないのだけれど、これでかなり気になりました。
    「パノラマ島奇談」と「黒死館殺人事件」は読んでいるので、それぞれの解説にはなるほどなあ、と感銘を受けました。そしてまた読み返したくなること請け合いなのですが。黒死館……もう一回読むのは根気がいりそうかもしれません(苦笑)。それとも再読ならよりよく

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    2018年04月21日