澁澤龍彦のレビュー一覧

  • サド侯爵の生涯 新版

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    どういう作品を出しているかは全く知らないけど、勝手な想像が独り歩き、ただ名前だけの認知で人となりについて考えたことはなかった。
    誕生から死を迎えるまでの一生。
    何がどうなったのやら文章が理解が追い付かないほどにスラスラ入ってくる、面白い。
    印象操作ほど怖いものは、ない。

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    2020年10月08日
  • 高丘親王航海記 2

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    ・ジャヤヴァルマンの陳家蘭……アナクロニズム……迦陵頻伽。
    ・秋丸の可憐さ、パタタ姫の怪しさ。ジャヤヴァルマンの下りでも思った(「籟王のテラス」)が、パタタ姫はおそらく三島由紀夫「暁の寺」への返歌。

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    2020年09月25日
  • 高丘親王航海記 1

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    ・素晴らしいコミカライズになる。
    ・薬子のエロス。
    ・みこの顔……特に目元……セルジュ・ゲンズブールに通じる目の下のクマ……知的放縦は性の手練れと似ているのだ。
    ・すかーんと抜けのよい風景描写。

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    2020年09月25日
  • 高丘親王航海記 2

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    2巻、航海記のキモ(主観的に)の幻想的な生き物がたくさん出てくるところ。ここらへんは文字のほうがファンタジーだったように感じるが、読んだのが何しろ何十年も前なので、ちょっと感受性が今の自分とは違う可能性が高い。原作再読の必要性を感じた。雲南まで。

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    2020年09月19日
  • 高丘親王航海記 1

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    学生の頃、澁澤龍彦本をレポートの素材にしたことが何度かあり、ある程度は読み込んだ。その頃を思い出して、とても懐かしい気持ちになる。特にこの高丘親王航海記は最後の作品であり、特にグロ美しさで目立つものがあり印象に残っている。今回、コミカライズドにはドキドキしていた。個人的に持っているイメージと全く同じとは言いがたいが、かなり近しい感じでギャップストレスが少なく、楽しく読めた。
    1巻は親王における薬子の影響や歴史的な背景をさくっと説明。そして旅路、カンボジアまで。

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    2020年09月19日
  • 毒薬の手帖

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    主に中世の毒や毒殺などに関するエッセイ集です。古い本なので現代とは違う話も出てきたりしますが、そのへんは時代背景を考えて読むべきですね。

    毒物の機序についても書かれていますが、それよりも毒殺事件に至る話やその後の事件とかの話が面白いです。

    …ま、だいたい痴情のもつれですが。

    古めの本(読んだものは1993年の18刷)なので、言い回しや文字が読みにくいですね。慣れているのでまだマシですが、最近の本に慣れているときついですね。

    とりあえず面白いです。

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    2020年05月14日
  • 滞欧日記

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    故人の手帖を、巌谷氏かまとめたもの、らしい。食べ物のことをたくさん書いたり、一人称がころころ変わったりと、御大と呼んで尊敬していた碩学者にも、意外に身近な一面があるのだなとなんだかほくほくした。

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    2020年05月13日
  • 少女コレクション序説

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    澁澤さんのお誕生日な5月8日に読み始めました。
    知識量に圧倒されます…面白かったです。
    美しいものがたくさん。美しいものは罪も引き連れてくるけど。
    幻想=異端、というのは好きです。
    取り上げられている作家さんの作品に片っ端から触れたくなりました。美しいもので潤いたいです。
    マンドラゴラのところの、ワクワクとは…と思ってたら、これマカリーポンか。
    少女も一過性で危うい、短い期間にしか存在しないので永遠に時を止めてコレクションしたいとなるのでしょうか。。
    無垢と官能。堪能しました。

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    2020年05月09日
  • O嬢の物語

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    何たる一冊…………。
    結局Oは、男たちのオブジェ、蝋人形のような存在であったのか。
    フランケンシュタインのように、どんどん改造されていく恐怖、不安、嗚咽が生々しくそして痛々しい。
    奴隷制度がありましたよという訴えもあるが、その中身を抉り出してあるんだけど、性交渉の描写は実は殆どない。
    その幸福は、本物でありながら読み進めていくうちに感情論になっていき、ラストに近付くにつれ戦慄を齎される。
    これも運命なのかと考えさせられた一冊。

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    2019年06月07日
  • 東西不思議物語

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    ネタバレ

    似た話ほかにもあるよなーーみたいなのを、澁澤龍彦の趣味でテーマごとに東西たくさん集めた本。めちゃくちゃ面白かった。
    わたしは異界の入口とか、ドッペルゲンガーとか、夢の中とか、そういうのが好きなので、その辺のテーマの話はすごく興味深くて面白かった。あとはキャラクターの話も面白かった。天狗≒サタン(星からうまれた)とか。どこの土地でも人が不思議に思うものは同じだったんだろうなあと思う。
    ただ、せっかく東西て言うてるのやから、ひとつのテーマで東西ひとつずつは話が欲しかった…な…。澁澤龍彦の趣味だから、比較してあるのもないのもごちゃ混ぜでそれはそれで面白いんやけど…

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    2019年06月01日
  • 唐草物語

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    久しぶりに読んで、実に面白かった。
    こういうふうにかける作家はもういない。繰り広げられる澁澤ワールドが異常でも奇異でもない。美しい文学的想像力のたまものである。

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    2019年05月13日
  • 新ジュスティーヌ

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    マルキ・ド サドの代表作。エログロの代名詞のように言われがちですが、訳者の文体が上品でさらりとしているせいか、案外と爽やかな読み心地でした。カトリック的価値観に対する風刺と、ある種のブラックユーモアを感じさせるところが何ともお洒落です。流石は「おフランス」の文学ですね。過激なエログロをお求めの方には、渋澤訳のマルキ・ド サド作品よりもバタイユの『眼球譚』(目玉の話)や山口椿氏の著作をお薦めします。

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    2019年02月15日
  • 快楽主義の哲学

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    あっさりした読みごごち。わかりやすい文章。

    幸福: 受動的
    快楽: 能動的

    周りに流されることなく自分を貫く

    先延ばしではなく現在の快楽、自然のままに感情を楽しむこと、を極大化させる。

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    2018年06月25日
  • ドラコニアの夢 アニメカバー版

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    エッセイ集。編集のテーマが「文スト縛り」って!(笑) よくぞここまで、というほどに見事なセレクトですが。特別文ストファンじゃなくても面白く読めるのではないでしょうか。さすがの博覧強記っぷりにはひたすら舌を巻くばかりです。
    お気に入りは「ランプの廻転」。怪談・幻想小説好きにはたまりません。「草迷宮」は読んでいないのだけれど、これでかなり気になりました。
    「パノラマ島奇談」と「黒死館殺人事件」は読んでいるので、それぞれの解説にはなるほどなあ、と感銘を受けました。そしてまた読み返したくなること請け合いなのですが。黒死館……もう一回読むのは根気がいりそうかもしれません(苦笑)。それとも再読ならよりよく

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    2018年04月21日
  • うつろ舟

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    コレクターが災難に逢ふのは、澁澤フィクションのお約束である。
     『髑髏盃』の、アルハラ受けたお姉さんがひっくり返ると女性のナニから這子(わからなかったらサルボボみたいなのでいいです)みたいなのが出てきて、と言ふのは不気味でよい。
     『うつろ舟』多分映像化不可能。なんかよい。
     他大変よろしい。

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    2018年03月31日
  • P+D BOOKS マルジナリア

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    昭和56-58年にかけて新聞や雑誌などに発表された文章を収録したもので、昭和58年出版された書籍の復刊。「マルジナリア」とは書物の欄外への書き込み、傍注のことらしい。エドガー・ポーは余白の多い本を買って、余白に読みながら思い付いたことを書き込むのを楽しみにしたとのこと。そのひそみに倣い、短めの文章を思いつくままに書き留めた「マルジナリア」を中心としたエッセイ集。

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    2018年03月21日
  • 唐草物語

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    2008年10月14日~16日。
    はずれ無し。
    エッセイ風(エッセイか?)の作品も面白い。
    ということは、大量に出版されている作者のエッセイも面白いということだろう。
    いずれ揃えてしまうだろうな。

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    2018年01月06日
  • 澁澤龍彦 初期小説集

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    2008年10月22日~24日。
    面白い!
    既によんでいた「高丘親王」「ねむり姫」「唐草物語」とは少し違う世界だが、やはりはずれなし!

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    2018年01月06日
  • うつろ舟

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    2008年11月3日~4日。
    この人の小説にははずれがない。
    少し曖昧な終わり方が多いが、それも味。

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    2018年01月06日
  • うつろ舟

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    Tasso再読祭継続。
    『ねむり姫』同様、様々な典籍に材を取った幻想時代劇、
    全8編。
    『ねむり姫』が「陽」なら、こちらは「陰」。
    凄惨な怪談の気配が濃厚だが、表題作は
    キーワードの「多幸感」が示すとおり、妙に朗らか。

    以下、特に印象深い作品について。

    ■「魚鱗記」
     江戸時代の長崎で流行したという「ヘシスペル」なる
     水槽の魚を使った賭け事、
     それにまつわる悲劇、そして怪異。
     ラストは小泉八雲の怪談のように、しんみりと物悲しいが、
     事件の鍵を握る不気味な少年の素性は謎のまま。

    ■「花妖記」
     鞆の浦に着いた商人が出会った、
     地元の分限者の次男坊は、昼から飲んだくれ、
     奇妙な話

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    2017年11月30日