澁澤龍彦のレビュー一覧
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ネタバレ似た話ほかにもあるよなーーみたいなのを、澁澤龍彦の趣味でテーマごとに東西たくさん集めた本。めちゃくちゃ面白かった。
わたしは異界の入口とか、ドッペルゲンガーとか、夢の中とか、そういうのが好きなので、その辺のテーマの話はすごく興味深くて面白かった。あとはキャラクターの話も面白かった。天狗≒サタン(星からうまれた)とか。どこの土地でも人が不思議に思うものは同じだったんだろうなあと思う。
ただ、せっかく東西て言うてるのやから、ひとつのテーマで東西ひとつずつは話が欲しかった…な…。澁澤龍彦の趣味だから、比較してあるのもないのもごちゃ混ぜでそれはそれで面白いんやけど… -
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エッセイ集。編集のテーマが「文スト縛り」って!(笑) よくぞここまで、というほどに見事なセレクトですが。特別文ストファンじゃなくても面白く読めるのではないでしょうか。さすがの博覧強記っぷりにはひたすら舌を巻くばかりです。
お気に入りは「ランプの廻転」。怪談・幻想小説好きにはたまりません。「草迷宮」は読んでいないのだけれど、これでかなり気になりました。
「パノラマ島奇談」と「黒死館殺人事件」は読んでいるので、それぞれの解説にはなるほどなあ、と感銘を受けました。そしてまた読み返したくなること請け合いなのですが。黒死館……もう一回読むのは根気がいりそうかもしれません(苦笑)。それとも再読ならよりよく -
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Tasso再読祭継続。
『ねむり姫』同様、様々な典籍に材を取った幻想時代劇、
全8編。
『ねむり姫』が「陽」なら、こちらは「陰」。
凄惨な怪談の気配が濃厚だが、表題作は
キーワードの「多幸感」が示すとおり、妙に朗らか。
以下、特に印象深い作品について。
■「魚鱗記」
江戸時代の長崎で流行したという「ヘシスペル」なる
水槽の魚を使った賭け事、
それにまつわる悲劇、そして怪異。
ラストは小泉八雲の怪談のように、しんみりと物悲しいが、
事件の鍵を握る不気味な少年の素性は謎のまま。
■「花妖記」
鞆の浦に着いた商人が出会った、
地元の分限者の次男坊は、昼から飲んだくれ、
奇妙な話