澁澤龍彦のレビュー一覧

  • 美徳の不幸

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    ネタバレ

    姉のジュリエットは悪徳に溺れ、妹のジュスティーヌは美徳を貫くという物語。
    この本は妹のジュスティーヌの物語部分だけで最初に書かれた中編を翻訳したものらしい。

    実は先に姉のジュリエットの物語『悪徳の栄え』を少しだけ読んだ後に、妹の『美徳の不幸』に変えた。というのも『悪徳の栄え』を先に手にしていたけど読み切る前に『美徳の不幸』を買ったので、そちらをやはり先に読もうという気になったから。

    美徳を貫くとは……一体何?と思ったけど、処女を守る事と『困った人を助けようとすること』のようだった。
    処女については男どもがキモイ……としか感想はない。

    困った人を助けるについては、知恵と経験ががなさすぎる…

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    2024年03月11日
  • ドラコニアの夢 アニメカバー版

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    タイトルの「ドラコニア」って澁澤「龍」彦のことかよ!
    ちょっとかっこいいタイトルだけにツッコミたくなった。たくさん本を読んでいて解説をまとめて載せているようだった。これから読む予定の『黒死館殺人事件』のネタバレをするな!真犯人をいうな!
    「デカダンス再生の「毒」」の章。
    文章がよく読み取れなくて、『パプリカ』の精神汚染された人の支離滅裂な喋り方みたいだと思った。
    メルヴィルから「換骨奪胎」したらしい「避雷針屋」は面白かった。澁澤龍彦さんの作品は読んだことがないからまずはお話から読みたいな、と思った。

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    2023年12月16日
  • 黄金時代

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    澁澤龍彦展が、彼が幼少期を過ごした埼玉県の文学館(桶川市)でやっていたので(2023年秋)、見に行きがてら本棚から引き出してカバンに突っ込み電車で読む。

    読みどころは、サド裁判の顛末についての回顧調ではないリアルタイムの文章と、タイムリー!!!な「大阪万博への嫌悪」と、三島との最後の日々。

    これは60年代後半から70年代初頭あたりに書かれたエッセイをまとめたもので、空中庭園、ユートピアや幻想文学、バタイユなどファンおなじみのモチーフが登場。ボルヘスとの親和性への言及も見受けられて良い。あとがきにあるが、それらのモチーフへの興味はこのあと薄まるので、後年の著作より熱がこもって、やや難解な書き

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    2023年12月11日
  • 高丘親王航海記

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    読売文学賞を受賞した澁澤龍彦の遺作。

    平城帝を父に持ち、空海の十大弟子のひとりである高丘親王を主人公にした伝奇幻想冒険小説。老齢で入唐し、貞観七(865)年正月、唐の広州から海路天竺へ向い、消息を絶ったという史実をベースに、恐ろしい想像力で占城、真臘、魔海を経て天竺へ向かう顛末が描かれます。

    鳥の下半身をした女、良い夢を食すると芳香を放つ糞をたれる獏、塔ほど高い蟻塚、万病を治す薬になるという蜜人、陰茎に鈴を付けさせられる犬頭人の国など、描かれるのは「ガリバー旅行記」すら凌駕する幻想の世界。しかも、その過半数が夢の世界という論理を超えた不思議な小説。

    高丘親王を始め、登場人物が魅力的。秋丸

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    2023年11月03日
  • 快楽主義の哲学

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     1965年に発刊された単行本の文庫版。1996年にやっと文庫化されたというのは、この本が当時の日本に与えた衝撃がかなり大きかったということなのかな?こんなの読んじゃいけません!みたいな、保守的な偉い人とか知識人たちもたくさんいただろうなぁと想像する。本文中に、こんな箇所がある。

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    p.47
     個人的な快楽はすべて軽蔑すべきものであり、不健全なものだ、と頭からきめこんでいる人たちがいます。「きのうは映画、きょうはボーリング。」などというと、不愉快そうな顔をし、「昨夜はおばあさんのお通夜に行ってきました。」などというと、いかにも満足そうな顔をする人たちがいます。
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     そういう人た

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    2023年10月16日
  • 快楽主義の哲学

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    第一章 幸福より快楽を
    から始まり、刺激的だが、荒唐無稽ではなく、むしろ生活そのものであるようなエッセイ。
    快楽 とある以上、五感のリアルである事よ。

    確かに、現代、概念的理性的に寄りすぎているかもしれない。
    なんなら労働ですら遊んで仕舞おうか。

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    2023年08月28日
  • ドラコニアの夢 アニメカバー版

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    秘密結社とか毒草とか屍体愛好とか、日常生活に全く役に立たなそうな膨大な異端知識に溺れそうになる。
    詰め込まれた知識の量が凄まじくて、短いエッセイを少し読んだだけでもお腹いっぱい。
    避雷針の小噺もおもしろい。

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    2023年04月07日
  • 高丘親王航海記 1

    無料版購入済み

    (⊃•̀ω•́)⊃✎⁾⁾

    澁澤龍彦はちゃんと丁寧な変態。

    画的に気になり開いた作品。

    内容が気になり読んだ作品。

    多分にきちんとした運び方で良。


     (ミ\    ヽ)ヘ、
    (\ヾヘヽ    ))ノ)
    ヾ ヾ ))   _ノノ 彳
    彳ミ //     γノ゙ 彡
    彡ミ (( ⊂⊃ノノヾ_彡
    ゙彡 `( ˘ω˘ )`ー゙
     ヾJツ/っ📖O
       しーJ
       
    いやはやおもしろいこれまた✧

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    2023年02月26日
  • 高丘親王航海記

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    『安徳天皇漂海記』を読んで、元ネタとなるこちらにも興味がわいた。本当のことを言うと前から気になってはいたものの、幻想小説という点で読むのを躊躇していた。
    が、良い機会だと思って読んでみたら、これが面白い。初澁澤龍彦なので、固めの文章を書くかと思ったらそんなことはなく、柔らかな文体でするすると小説の世界に溶け込めた。
    ほとんど夢の中で話が進んでいく。一番好きなのは獏園かな。奇妙なものへの興味とエロスが入り混じっていて不思議な気持ちになる。
    本書が長く愛される理由がよくわかる。これは面白い。

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    2023年02月14日
  • さかしま

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    貴族ニートのデ・ゼッサントの偏執的な一人趣味が延々と語られる訳のわからない一冊。登場人物は基本的に一人。特にストーリーがあるわけでもない。
    自宅の食堂の周りを水で囲んで海に行った気分になる。旅行記を読んで旅行に行った気になる。夕方に朝食を食べて夜に昼食を食べる。ラテン語文学にやたら精通している。モローやロイケンやルドンの奇怪な絵画を集める。女軽業師の男性的な逞しい体にうっとりする。女腹話術師にスフィンクスとキマイラのセリフをしゃべらせる。女性たちは愛想を尽かしていなくなる。頬はこけて髪は切らず目だけはギラギラしている。
    こんな感じの描写ばかりがずっと続く。
    共通しているのは、厭世的で、人工的で

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    2023年01月27日
  • さかしま

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    技術と人工に魅せられた主人公のほぼ独白のようなかなり変わった小説。澁澤龍彦の訳がかなり秀逸(癖はある)で、主人公の造る人工世界の悪魔的煌びやかさが過剰に展開されるべっとりとした小説。

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    2023年01月02日
  • 閨房哲学

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    「こうした偉大な思想にふれて堕落してしまうような輩には、用がない。哲学的見解の中からただ害悪しかつかみ取る事ができず、何にふれてもすぐ堕落してしまうような輩は、相手にならない!」(p.168~69)

    と、本文中にもある通り、サドの残酷趣味の幻想だけを抽出して「サドはいいぜ」と言うような輩には、本書は用がないでしょう。ある意味、本書を通して読者はサド流の篩にかけられているというわけです。そして、「閨房」よりも「哲学」をたっぷり味わえる本書こそ、サド文学の真骨頂と言えましょう。

    知恵と思想に富んだエロティシズムを! これは訳者の澁澤龍彦さんが説くところのエロスの信条にも適います。ドルマンセが様

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    2022年10月13日
  • ねむり姫

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    『うつろ舟』などにならんで、晩年の『高丘親王航海記』への過渡作品とも言える、秀逸な短篇集です。『思考の紋章学』や『ドラコニア奇譚集』などに顕著なエッセイらしさが少なくなり、物語性に重きが置かれています。『高丘親王〜』よりはまだ文章/文体は固いかもしれませんが、ちゃんと分かるしちゃんと面白いです。
    澁澤さんの模索過程が垣間見えるようで楽しいですね。『画美人』の金魚のくだりは初期の短編を彷彿とさせますし、文章の難渋さ自体は丸くなったものの、古語や漢語で飾られた豊麗な文章は典雅で気品があり、硬質な印象も受けます。どの作品のどの部分を見回してみても、洗練され高く築き挙げられているかのよう。この象牙の塔

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    2022年08月24日
  • 唐草物語

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    好きです(唐突)
    こんなにすばらしい、読んでいくうちにどんどん楽しくなって微笑ましくなる澁澤文学はやはり偉大です。『鳥と少女』からもうずっと澁澤さんの独壇場。私たちは彼の魔手によって翻弄されながらも、ときおり覗かせるほっこりエピソードでばっちり心を鷲掴み、読むのをとめることができません(笑)。

    個人的には、澁澤さんのいささか突飛な考察から、エロティックな展開へと飛躍する『女体消滅』や、去勢の動機を考察しつつ、どこか崇高な趣さえ感じる『閹人あるいは無実のあかし』がお気に入りです。

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    2022年08月14日
  • 夢の宇宙誌

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    澁澤さんご本人もお気に入りの本書に収録されている主要なエッセイのテーマは、ズバリ「玩具」「天使」「アンドロギュヌス」「世界の終わり」…なるほど私が好きな、澁澤さんの独壇場と言った趣の錚々たるテーマでございます。贅沢ですねぇ。
    個人的にはやはり「玩具について」を大変興味深く読みました。デーモニッシュな玩具の歴史を辿り、最終的にはベルメールで締めるのが、これぞ澁澤龍彦のエッセイといった感じがします。「アンドロギュヌスについて」では様々な学問体系を通してアンドロギュヌスを考察していく感じが読んでて楽しかったなぁ。

    「芸術か猥褻か」といったような二律背反的な問題提起は、芸術の本質的にふくむ危険な

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    2022年08月13日
  • 悪徳の栄え 上

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    殺人、近親相姦、スカトロジー、カニバリズムなどありとあらゆる禁忌が盛り込まれたヤバい本。やっていることは滅茶苦茶だけど、悪人たちの語る哲学は面白い。かつて裁判になったのだとか。さもありなん。

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    2022年07月14日
  • 東西不思議物語

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    古今東西のうち今のない古の東西から集めたちょっと不思議な奇譚・異譚の伝聞集。著者の、日本、東洋、西洋の文献への博識にまず驚かされるのと、庶民の雑話がこうして記録として残っている、残そうとする文化がかなり古代からあったのだなぁと感心。こういった不思議話には英雄や為政者たちの語る政治史からは知ることができない、庶民たちの生き生きとした生活史がうかがえて楽しい。

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    2022年06月23日
  • 世界悪女物語

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    初めて読んだ澁澤龍彦の著作がこれだったような気が……します。世界史の教科書でも登場するような女性たちの悪女たらんエピソードに舌を巻きつつ、エリザベート・バートリーやフレデゴンドの悪女極まる壮絶なエピソードに、戦慄しながら惹かれていったのを覚えています。
    陰惨さはともかく、ここで取り上げられる女性たちには、各々の思想があり、野心があり、強さがあるのです。臆病で、それこそ妻の言いなりになってしまう皇帝のように、阿諛迎合することしか出来ない自分を見た時に、これらの悪女たちは、燦然と私に一つの生き方を教えてくれたのかもしれないのです。

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    2022年06月22日
  • ドラコニア綺譚集

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    さすが円熟期のエッセイ集、です。該博な知識に魅了されていると、小説のような不思議で幻想的なエピソードが織り込まれて、虚実皮膜、綺譚と称すに相応しい澁澤の世界が──まさしく「ドラコニア」なる幻想世界が現れてきます。ここから『高丘親王航海記』等の晩年の小説へと、ドラコニアの世界は広がっていくのです。そのような意味では澁澤龍彦を語る上ではやはり避けては通れない、印象深い一冊でした。個人的にはやっぱり澁澤さんのエッセイが一番好きなので、エッセイであり小説のようでもある本作は好きでした。お気に入りは「飛ぶ頭について」「桃鳩図について」です。「文字食う虫について」もいいなぁ

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    2022年06月15日
  • 夢のある部屋

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    澁澤はともすれば女性を敵に回しそうな発言もするのに、女性読者にも根強い人気があるのは、なぜなのでしょう。本作のエッセイは女性誌に掲載された、ゆったりとしたものが多い印象です。でも気を抜いているとその博識の波に呑まれてしまうので、やはり油断は出来ません。
    発展する建築や技術に対して嘆いている場面も多く、澁澤が自然や古典を愛し、好奇心のおもむくままに生きた素敵なひとであったと再認識しますね。

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    2022年06月06日