澁澤龍彦のレビュー一覧
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冒頭から「人生に目的なんかない」と言い切ってしまう所は小気味よく、目的がなければ「自分でつくりだせばよい」とカール・ブッセの「山のあなたの空遠く」から始まる詩を登場させてセンチメンタリズムを批判し、私たちを行動に駆り立てるその文章は寺山修司を彷彿とさせる。
第四章では、労働嫌悪の風潮を逆転させるために「どうすれば、労働と遊びとを一致させることができるか」という問題を取り上げ、そこから快楽主義の究極の目標を「一種のユートピア議論にはちがいありませんが」と前置きしつつ、「人間のエロス的な力の解放」であるとしている。
子どもが泣いたり、叫んだり、駆け回ったり、あるいは疲れ果てて眠ること、これら全て -
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[ 内容 ]
シュルレアリスムは今世紀最大の芸術運動といわれている。
アンドレ・ブルトンに導かれて早くからこの世界に関心を持ちつづけていた著者は、その豊かな鉱脈から心ひかれる作品を数多く発見し、みずからの気質を映し出す鏡とした。
60年代には、そのシュルレアリスム絵画をめぐって数多くのエッセイが書かれたが、本書はそれらをまとめたもので、『幻想の画廊から』につぐエッセイ集である。
[ 目次 ]
レオノール・フィニー、魔女から女祭司まで
マックス・ワルター・スワンベルク、女に憑かれて
ゾンネンシュターン、色鉛筆の預言者
ポール・デルヴォー、夢のなかの裸体
ハンス・ベルメール、肉体の迷宮
バルテュ -
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[ 内容 ]
フランスをはじめとするヨーロッパの文学や芸術作品を広く紹介してきた著者が、新たに開いた地平は、日本。
迷宮、幻鳥、大地母神などをテーマに、東西の文学作品に通底する心的パターンをめぐって、想像力が羽ばたき、美しい紋章のような形を描く。
その後フィクションへと向かう著者の創作活動を暗示する画期的エッセイ。
[ 目次 ]
ランプの廻転
夢について
幻鳥譚
姉の力
付喪神
時間のパラドックスについて
オドラデク
ウィタ・セクスアリス
悪魔の創造
黄金虫
円環の渇き
愛の植物学
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ -
- カート
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試し読み
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マルキ・ド・サドは、今から195年前の1814年12月2日、74歳で天寿を全うしたフランスの作家。
人類史上最大の淫乱放逸な性倒錯の実践者にしてその記述者。黙って密かに楽しめばよいものを、公然と大ぴらに侯爵という地位を笠に着てやったものだから、反社会的というレッテルで見られて、合計およそ30年と1か月投獄され、パン1本を盗んで19年牢獄にいれられたジャン・バルジャンより過酷な人生を実際に送った人。
でも、その監獄生活のおかげで著作を書けたというのですから、容認というか、彼を牢屋に入れてくれた人に感謝状を。
というより、サディズムという言葉を現代にまで残したというか、人間の崇高で野蛮な根源