澁澤龍彦のレビュー一覧
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お伽噺、というものは、そもそもちょっと怪しげなものなのだけれど、「あやし」の境界線をのぞき込むのではなくうろつける感じになると、大人用ってことなのだな、と個人的には思うのです。というわけで、これは大人用のお伽噺。読んで損なし。
単行本の装丁について付け加えると、「ショッキングピンクとルミナスっぽいグリーン」という、目がおかしくなりそうなデザインで、忘れたくても忘れられない、壮絶なインパクトのあるものでした。ちょっと普通では思いつかないような色遣いが、あやしさを確かに増していたけれど、この本についてはこの文庫版の装丁のほうが、感じいい、というか良い感じであると思います。
*追記*なんとなく確認し -
Posted by ブクログ
『快楽主義の哲学』という一見過激なタイトルですが、卑近な表現に換言すれば、自己達成のために行動してきましょうよ、という内容で、非道徳的な内容であったり社会的頽廃を推し進めようとしたりするものではありません。
マスコミや余暇産業によって提供される規格化されたムードを無批判に享受したり、きびしい現実に適応するために本能的欲求を抑制し苦痛を回避するという消極的な幸福に甘んじたりすることは、一見すれば従順、真面目というふうに他者の目には映るでしょうが、その実は牙を抜かれて無気力で、認識を捻じ曲げて自己の欲求をごまかすようなことに他ならないということです。
ごまかしのための認識に陥るのではなく、無目 -
Posted by ブクログ
序文の「奴隷状態の幸福」が気になって読んでみる。ただのドMの話かと思ったら違ってました。とは言っても超弩級Sと超弩級Mが絡むとんでもない話ではあるのですが・・・傷つけたり傷つけられたりすることが快感に繋がるという単純なことではなかった。責めてるほうはただただ相手の一切の自由を奪って自分のために奉仕させるのが楽しい。自由を奪われた方は痛みを喜ぶわけではなくとてつもなく苦しむのだけど、抵抗も許されなく奉仕する状態を抜け出すわけではなく、耐えている自分は相手のことを本当に愛しているのだとか誇りにすら思い始める。異星人並みに理解不能と思うけれど、19世紀に実際にあったバルバドス犯行がこの心理状況を表し