感情タグBEST3
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主に中世の毒や毒殺などに関するエッセイ集です。古い本なので現代とは違う話も出てきたりしますが、そのへんは時代背景を考えて読むべきですね。
毒物の機序についても書かれていますが、それよりも毒殺事件に至る話やその後の事件とかの話が面白いです。
…ま、だいたい痴情のもつれですが。
古めの本(読んだものは1993年の18刷)なので、言い回しや文字が読みにくいですね。慣れているのでまだマシですが、最近の本に慣れているときついですね。
とりあえず面白いです。
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作者が言うように「毒」は不思議な魅力を持っていると感じる本。
こうして読んでいると西洋の歴史には、こんなにも毒殺や毒についての研究が古くから行われていたことに驚きました。
また、有名な毒殺事件も紹介されていて、興味深いです。
ただ、生活では役に立ちません。
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[ 内容 ]
不吉な運命の神――毒薬をめぐる様々なエピソードを収集した本書は、“いわば毒のモチーフを縦糸として織り出した、一枚の文化史的タペストリー”であり、また、犯罪の芸術・毒殺を集成した異色エッセイ集である。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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毒薬というものの見方がかわります。
イタリアの歴史の中の毒薬。
それは人間の業の現れ。
ひたむきであればあるほど、人は深みにはまって行くのだと思います。
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毒の文化史。挿絵つき。紀元前から人は毒を使ってきたのか。。挿絵、真剣なものから気が抜ける緩さのものまであって面白いです。
大好きボルジア家に1章割かれているのが嬉しいです。内容はまぁ…こうなりますよね、と。毒関係で取り上げるとこうなるしかないです。
有名な(?)毒殺事件の数々も興味深いです。
…そういえば、わりに最近読んだ小説でシアン化合物を服用した人を解毒するエピソードありました。脱臭用の炭と合成甘味料と水だった気がします…配合がわからないので知ってても実行は難しそう。解毒出来ないか窒息させてしまうかどっちかになる素人は。。
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毒をモチーフに文化史を語るエッセイ。独自の美意識がこれでもかと眼前に示され、本当に興味深かった。
出てくる毒殺魔について、より知りたいと思ってネットで調べると、Wikipediaなどにほとんど同じことが書いてあり、出典に「毒薬の手帖」とあることがたくさんあって、さすが澁澤龍彦、と思うのと同時に、ネット上とはいえ百科事典の出典がそれなりの書物ではなく本人も堂々名乗っている「エッセイ」でよいのか?という気がした。まあ、これは、本書には全く関係ないことだけれど。
端々の文章のフレーズ、組み立て方に『虚無への供物』を思わせるものがあり、中井英夫も澁澤龍彦も幻想文学の人であるから、文体、文のつながりにそういう特徴があるのかしらと思ったりした。どうかしら。
序文にあるように、毒殺は女の手段というのはよく聞く言葉だけど、実際どうなのかわからんし、男尊女卑的というか、固定観念的な決めつけなのでは、と思ってた。
でも、このエッセイを読み進めるにつれ、まあ、偏執狂的、殺人のために殺人を行うような人はともかく、そうでない限りは妖術師や黒魔術や黒ミサに頼って夫を殺そうとした中世や近世ヨーロッパの貴婦人たちは、それ以外に夫・男性から逃れるすべがなかった人もいたのではと思ったりした。
離婚を認めないカトリックで別れたくても別れられず、または別れたらたちまち生活が立ちゆかないなど。あと、それこそルイ14世のフランス宮廷のような、夫が出世のために妻を公娼として差し出すようなことが当然の習わしになってしまったら、もしかしたらそういう非常手段に訴えることも、あるのかも。
殺すのはどうかと思うけど、まあ、そういう人たちにとって、解剖もろくに行われないような当時であれば、毒殺は他の方法と違って自然死と思わせ、自然と未亡人なり、恋人に死に別れた人になれるという点で、女性にとっては便利な殺人方法だったんだろうな。
澁澤龍彦はそんなこと考えてないし、恐るべき女殺人者、みたいな書き方してるけど、女が毒殺を選ぶ歴史的背景みたいなものはすごくありそうだよなー。実際男を殺そうと思ったら、刃物やらの凶器を使うより、そっちが確実だものね。
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毒薬についてのエッセイ。
毒薬の用い方はどうしてもバラエティに欠け、文も単調になりがちだが、毒薬という視点から大量殺人犯の心を覗くのは面白い。
言葉に表しにくい、毒薬の魅力は十分に伝わってきた。
Posted by ブクログ
初めて読んだのは高校生の時、部室の本棚にあったのを手に取ったのが澁澤龍彦との出会いでした。しかし当時は著者には全然興味が湧かず、数年後『快楽主義の哲学』を購入するまで著者のことをすっかり忘れとりました。『快楽主義の〜』を読んで以来、澁澤龍彦がとても好きになりました。
『毒薬の手帖』は、主に西欧を舞台にした華々しい毒殺事件を記した本。毒殺に至るまでの利害怨恨欲望絡む人間模様が描かれているので、何となくワイドショー的な匂いがしないでもないです。ちょっと、いけない覗き見をしているような気になるのは気のせいでしょうか。人目を忍んでこっそり読むのスタイルがいいかもしれません。
日本で平穏に暮らしていくには(多分)必要のない、毒薬に関する余計な知識がちょっぴり増えた…そんな感じです。余計な知識が好きな方にはオススメでしょうか。ちなみにわたしは余計な知識が大好きです。