澁澤龍彦のレビュー一覧

  • 世界悪女物語

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    読んだのは昭和54年発行のニ刷の単行本
    装幀は金子國義
    黒の表紙に背表紙の文字は
    鮮やかな深いブルー
    いかにも悪女物語らしい姿にまず感動
    内容も読みやすく
    それぞれの悪女ぶりが
    たっぷり表現されている
    さすがです
    事実がどうかは多分賛否両論だと思うが
    なんだかこれが全てのような
    気がしてくる

    中でも東洋の悪女
    唐の高宗の妃 「則天武后」
    は強烈すぎた
    それまで読んできた誰よりも悪女だった
    これを後半に持ってくるあたりが
    なんともやられた感あり

    こんな物語を古書で読むと
    よりのめり込める気がする
    なんともいえない古書の香りとともに
    何度もくしゃみと鼻水が
    出てくるのは
    悪くない

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    2026年05月10日
  • 黒魔術の手帖

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    唐突にオカルト雑学の垂れ流しが始まるので、どう楽しめればよいか最初わからないだろう。
    要するに60年代作者がオカルティズムにはまり、ある程度体系・連結させた情報を紹介する本である。
    オカルトと聞くと、自分は未確認生命体・UFO・幽霊・スピリチュアル的なものを想像するが、この本の中では宗教や錬金術・悪魔崇拝など特に中世のものに偏っている。
    ジル・ド・レェやパラケルススのような実在していた、あるいは可能性の高い人物を中心にその内面を探りながら紹介しているため、リアリズムに富んでおり、昨今エンタメとして昇華されきっているオカルト本とは一線を画す。

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    2026年05月09日
  • 貝殻と頭蓋骨

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    BOOKOFFオンラインにて購入、写真入りのムック本だと思って買ったらエッセイ集だった。表紙に四谷シモンの人形の写真、澁澤龍彦の書斎の写真と思われる。

    花田清輝、日夏耿之介などについてのエッセイがあって「やったね!」と思う。花田清輝は大学時代に一通り読んで小林秀雄より花田清輝の方が好みだな、と思っていたことあり。日夏耿之介はやはり大学時代に一時期凝っていたから。

    短いエッセイや中東への旅行記など河出書房新社から出ている一連のエッセイ集にはない雑多な構成が面白い。思いがけず良い本を手に入れた。

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    2026年04月19日
  • 東西不思議物語

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    澁澤龍彦さんのエッセイ
    日本、海外さまざまな不思議物語
    怪談や、妖怪、ポルターガイスト
    アレクサンダー大王の海底探検 
    キツネと妖術、悪魔と修道士
    百鬼夜行などなど
    ここに書ききれないものも
    きっとまだまだ出てきそう
    面白く読めた
    ますます澁澤龍彦にのめり込みそう

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    2026年04月06日
  • 澁澤龍彦 初期小説集

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    澁澤龍彦さんの短編集
    どれも興味深い
    『エピクロスの肋骨』の中で
    主人公が海の碧いろの部分を
    ペンに浸して紙に書く
    コンデンスミルクのような濃い夜の霧の中に
    ペンを浸して紙に書く
    なんて素敵な‥とおもったり
    ますます
    澁澤龍彦さんにのめり込んでしまいそうな
    麻薬のような
    危ない魅力が溢れている

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    2026年03月31日
  • 高丘親王航海記

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    物語自体はかなり壮大だが、連作短編なので割と気負いせずに読み進められる。アニメ化や映画化などのメディアミックスも向いてるのではと思う。ただ、澁澤龍彦の妖艶で蠱惑的な文体で紡がれるからこその物語で、映像化するとその魅力が損なわれてしまうかも。

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    2026年03月21日
  • 高丘親王航海記

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    天竺への旅の途中
    さまざまな世界を見ながら
    幻想の中を漂う高丘親王
    幻覚か夢か
    なんとも妖艶な世界
    気持ちがどんどん入り込んで
    一緒に旅をしていました

    なんとも素敵な世界でしょう
    とろけるような
    空を飛んでいるような
    それでいて少し怖い

    川上弘美さんの
    「三度目の恋」と合わせて読むと
    また、違った世界が広がる


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    2026年03月01日
  • 快楽主義の哲学

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    【要約】
    ・幸福と快楽がある。幸福は「現実原則」があり、ルールの中での満足、また持続性で主観的なもの。一方快楽は一時的で客観的なもの。快楽をより求めるべき。
    ・快楽主義とは、エロに寛容、権力や常識にとられない、自分のやりたさを貫く、自分を生きる、今を生きる。
    ・労働や勤勉さを尊重する考えから、遊びや消費、瞑想などへ尊重する価値観へ切り替えるべき。また与えられたレジャーに目をくらませてはならない。
    ・快楽は発見である。自分で見つけなけらば意味がない。

    【思ったこと】
    ・自分は凄く我慢しているんだなと理解。もっと自分の快楽に素直になっていい。特に快楽に沿って動いた次の日に後悔することがある。これは改めて快楽を自己肯定すべき。
    ・人生に意味はないのだから、もっとエロチズムに素直になってよし。
    ・何が自分にとっての快楽かはやらないと分からない。だから色々動いてみるべし。
    ・自分の考えを素直に受け止めて他人にも意見を通していく。
    ・単純労働は避けていく。人からの指示になるから。仕事にも遊び部分を入れていき楽しむ。

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    2026年02月19日
  • 閨房哲学

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    劃一主義と教権主義に対する嫌悪がこれほど激烈にぶちまけられた例はなく、このパンフレットが、一八四八年の二月革命の際、匿名のプロパガンダとして再販されたのも故なしとしない。
    ──澁澤龍彦

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    2026年02月15日
  • 悪徳の栄え 下

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    この小説をそのまま丸飲みすると、二度と社会復帰できなくなる。残虐非道を尽くす登場人物に最初の方は、読み進めるのに時間はかかったが、中盤になると喜劇にしか感じなくなる。自然はいつだって不条理で情け容赦ない。自然を模倣するのだ。民は無知蒙昧であるゆえに、宗教が必要。騙されるよりも騙せるようになれ。大概甘い話は嘘。金持ちであれ、貧乏人であれ、暇を持て余す人に近づく勿れ。本音を語ること勿れ。

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    2025年12月11日
  • さかしま

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    ルドン展で、河出文庫から出ている本書のことも書かれていたので、読みたい本に入れた作品である。

    要再読

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    2025年11月09日
  • 快楽主義の哲学

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    ブク友さんが読んでいて「そういえば私も持っていたかなぁ」と本棚から出してきて読んだ。再読。
    とはいえ内容はまるで覚えていなかったのでほぼ初読。

    他の作品とちょっと毛色が違って、世俗的なことや現代的なことに関しても色々言及しているので興味深く読む。私の中ではなんとなく「西洋の昔の人やもののことを書く人」というイメージなので。まぁ現代に生きていれば世俗的なことだってその人なりに思うところはあるわけで。

    巻末の解説でこの本の初版がカッパブックスから出たことを知る。なるほど、と思う。だから雰囲気がちょっと違ったのかー、と。普段なかなか聞けない話を聞けて儲けた、と思う。

    小説の「高岡親王航海記」が20代の頃にさっぱりわかっていなかったように、この本も若い頃にはなんとなく読み飛ばしたんだろうな。

    追伸:樽のディオゲネスが出てきたので嬉しかった。

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    2025年09月01日
  • 世界悪女物語

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    初版は昭和39年、桃源社という出版社かららしい。
    私が持っているのは河出文庫の1995年9月発行の48刷のもの。

    知ってる人物が半分くらい。エリザベート・バートリやマリー・アントワネットなどは知ってる範疇。ブランヴェリエ侯爵夫人やアグリッピナなどは知らない人物。

    昭和30年代に書かれたものが今何の違和感もなく読める(文体も内容も)ということにまず驚かされる。戦後の作品だから旧仮名遣いだったりはしないが、例えば先日読んだ80年代の橋本治のエッセイを古臭く感じるのに澁澤龍彦は古臭く感じないのはどういうことか…。

    とても楽しい読書だった。

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    2025年08月18日
  • 妖人奇人館

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    ノストラダムスやカリオストロ等の占い師や詐欺師、殺し屋達の奇妙で過激な、いかがわしさを端的にサクッと読めちゃう人物紹介?エッセイ集。
    過激でいかがわしいのって、読むスピード早くなる。

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    2025年04月07日
  • エロティシズム

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    エロティシズムという題名に相応しく、性と愛に関する澁澤龍彦の視点がふんだんに語られた書籍となっていました。性は芸術などの創造的な活動、そして、破壊などの暴力的な活動という人間の根幹を司る活動に通底する情動であり、また、社会から逸脱している場合にこそ、エロティシズムの魅力が発揮されるという、様々な両極性を有しているということを、澁澤の文章に読み解きました。大変に興味深い話や引用も多かったです。

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    2024年12月22日
  • 高丘親王航海記

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    おもしろい!
    好きだわ〜゚+.゚(´▽`人)゚+.゚

    澁澤龍彦の「小説」は、犬狼都市の短編を読みました。長編は初めて。
    高岳親王が天竺を目指す航海記。
    道中出会う人々や親王の夢が入り混じって、神話みたいなお話。
    おもしろかった!

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    2024年05月13日
  • 快楽主義の哲学

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    似た考え方の人いたわ~。
    というかそりゃいるよな。80億人もいれば。いや、もうなくなった方を含めれば、何人の人間がいるんだろう。

    ここではっきり申しますが、オルガスムの美学の最高の理想は、情死だろうと思います。
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    密室から広場へ一歩踏み出すためには、まず羞恥心を捨て、嫉妬心を捨て、独占欲を捨てなければなりますまい。2人だけの密室の恋愛になれたわたしたちには、これはなかなか難しいことです。
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    まず、第一に注目すべきは、サドが男性のペニス、女性のヴァギナのみを性器と考えているのではない、ということです。
    人間の体には、男でも女でも、いろんな孔が開いていますが、サドは肛門であれ口腔であれ、あるいはその他の肉体の凹所であれ、全ての孔をヴァギナと同格なものとみなしているのです。
    また、その孔に挿入すべき突起物にも、たんに、男性のペニスだけでなく、口の中の舌、指、あるいは発達した女性のクリトリスなどが使われます。
    つまり、肉体のありとあらゆる孔とよび突起物を用いて楽しむわけで、エロチックな快楽には性器だけが利用されうると信じている世の中の通常人には、到底考えられない複雑な態位による乱行も、こうして可能となるのです。

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    社会の組織と同じく、人間の肉体の組織にも、階級制度があり、分業が行われているようです。
    では仕事をするための器官、舌は味をみるための器官、肛門は糞を排泄するための器官、そして、性器は快楽のための器官、と言うことになってしまいます。
    これではあまりに不公平だ。あくせく働いてばかりでちっとも楽しい思いをしない器官があるではないか。
    サドはそう考えてら手も舌も肛門も、分け隔てなく、エロスの快楽に参加させてやったわけなのでしょう。

    これまで性器だけが、まるで専制君主制のように特権的な地位を占め、あらゆる快楽を独占している現状です。


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    快楽主義の巨人
    高い知性と、洗練された美意識と、きっぱりとした決断力と、エネルギッシュな行動力
    この4つの条件が揃って、初めて人間は翼を得たように、快楽主義的な宇宙の高みに舞い上がることができる。

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    2024年05月11日
  • さかしま

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    ネタバレ

    世俗を厭い、人里離れた一軒家に自分の趣味を詰め込んだ理想郷を夢見た青年の話だった。
    無邪気さを持っていたはずの少年が世の中を知るにつれ、いつしか偏屈な大人になっていた。資産はあるが孤独であったことが少なからず影響していると思う。
    孤独で静かな部屋で語られているのに、その内容は何よりも刺激的で歪んだ情熱がある。文学や芸術分野において独自の講釈を垂れているけれど、終始人間味が感じられて好ましい目で見ていた。知らない作品の評価でも、その熱意によって読まされてしまう。
    旅行に出ようとして、目的地に行かずに外食だけして帰ってきたときはちょっと面白かった。憎めないところがあるのだ。
    次第に神経症が悪化して生きるか死ぬかという状態になり、健康的な生活のために街に戻るときになってやっと本心が見えるところが良かった。デ・ゼッサントは堕落した人間や組織が嫌いなだけであって、信仰心自体はあるのではないかと思わされた。
    途中、サディズムについて語っているのが印象的だったが、デ・ゼッサントがこれまでやってきたことも、根底に信仰あってこそ神を汚す行為だったのではないかと思うのだった。

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    2024年04月25日
  • 世界悪女物語

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    私が高校生の時に、澁澤龍彦にハマるきっかけになった作品であり、この手のほの暗い作品を読むようになったきっかけの作品。
    淡々としていて、ユーモアのある書き方で面白かった。

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    2024年01月05日
  • 高丘親王航海記

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    この小説で卒論を書きます。小説の最後があまりにあっさりしていて親王らしく、読むたびにうっかり泣きそうになる。薬子、鳥、卵や石などの丸いオブジェ、鏡、アンチポデス。動物も植物もたくさん出てくる。混沌とした夢と現実、めくるめく不思議の旅。澁澤龍彦を知ることになった特別な本であると同時に、最高にファンタジーな小説。

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    2023年07月04日