【感想・ネタバレ】さかしまのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2019年07月07日

引きこもり貴族が世界中から宝石とか花とか香水を買い漁って部屋にぶち撒けて遊ぶ、スーパーこどおじ小説。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年03月17日

デ・ゼッサントは病弱な貴族の末裔で、パリを離れ趣向を凝らした屋敷で隠遁生活を送る。下女には修道女のようなボンネットを被らせて歩かせている。およそこの世の放蕩生活をし尽くした主人公は、ペイステギの仮面舞踏会を思わせるような葬儀のようなパーティー、喪の宴を開き、隠遁先では黄金の盾を背負わせ宝石をあしらっ...続きを読むた亀を飼い(すぐ死んでしまうが)や食虫植物や異形の熱帯植物を集め(すぐ萎れてしまうが)独自に香水を調合し、残虐な異端審問の版画やモローのサロメの絵画を眺めて暮らす。現実よりも空想を愛し、ディケンズを読んで薄汚れたどす黒いテムズ河のロンドンを訪れんとするが、パリで満足し引き返してしまう。
凡俗を忌み嫌いながら、音楽ではベートーベンやシューマンなど俗なクラッシックを愛好する。独自の偏見と歪んだ美学を貫いた生活を送るが、医師の強い勧めによりパリへ戻る。
パリ、功利主義とアメリカの商業の圧政に屈した徒場へと。
貴族の凋落と新興のブルジョワ・商業への強い嫌悪を豪奢で華麗な形容詞によって罵る。芸術的な罵り言葉。イギリスのプロテスタンティズムへの嘲笑。ローマへの憧憬。傑作。
堕天使ルシファーが天上では高位の天使であったように、全ての才能と栄華を一身に受けたはずの貴族の退廃。豪華で官能的な悪魔主義。

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Posted by ブクログ 2018年01月28日

これほど美しい世界観を持った主人公は他には、なかなかいないと思います。
この本の耽美な世界に溺れるのが大好きです。

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Posted by ブクログ 2017年07月19日

ウエルベックの「服従」の流れで読んでみた。
1884年の小説だけど、とにかく暗い。
いくらお金があっても、病気になるとネガティヴになる感じがリアルに書かれている。
そしてとにかく性格が悪い。金持ってるやつが性格悪いと最悪だっていうw

好きなのは
主人公のデ・ゼッサントが、歯医者が怖くてたまらないけ...続きを読むど、引き下がれなくなって歯を抜く場面。(こわい!)
あと芸術作品をコレクションしているけど、その割に「最近の芸術は全部ダメ」とか思っているところ。「わかる、わかるよ!」と思った。

あとはまあ、この時代にベルエポックを準備してるわけだから、そこまで悲観的にならないで!って未来から

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Posted by ブクログ 2011年06月02日

反自然主義、反小説であり、デカダンスの聖書と呼ばれ、ワイルドやブルトンに影響を与えたらしい。人工的な楽園に閉じこもり高度に洗練された収集物を前に奔放な想像力は時間や地理上の制約を受けることなく旅をする。想像力の前では現実は無力であり虚しい幻想である。没落する貴族になりかわり台頭してきたブルジョワへの...続きを読む痛烈な皮肉、カトリシズムの堕落と古き良き中世への憧れが強く感じられた。

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Posted by ブクログ 2010年10月10日

デカダンスの聖典。
特に大きな話の流れがあるわけではなく、主人公の退廃的な生活がつらつらと書かれています。どこから読んでも楽しめる感じです。
それだけだけど、とにかくそれがかっこいい。大好きな本です。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

 なんともいいがたい。デ・ゼッサントの孤独と趣味に走った日々の話。各章でそれぞれ主題が決まっていて、文学や宝石、花や酒に対する博学がかき鳴らされる。文句なく面白く、ずいずい読み進んでしまった。文句なく面白いのだが、人に薦められるかといえば、微妙。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

 自然は実際にはグロテスクで不潔で危険極まりないということから、デ・ゼッサントは人工物をこよなく愛する。小説の最後らへんで衰弱して潅腸法による栄養摂取しかできなくなった時も、これぞ人間にしかできない芸当だ、などと考えて満足するしまつ。あらゆることを可能にする空想を第一とし、現実は何とも醜いものだとし...続きを読むてフォントネエの屋敷にひきこもる彼。プロットのない小説だが、デ・ゼッサントの性格、生活が面白い。デカダンスを知りたい人にお勧めの一作。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年12月21日

【あらすじ】世の中いやになったのでひきこもっていろいろ連想を働かせていたら躰を壊しちゃいました。ああ、いやだなあ。

【笑えたところ】インテリアへの異様なこだわり。ひきこもりだから。
文学への衒学趣味は完璧。あ、でも忘れてた、音楽にもまずまずこだわりあるんだよーとエクスキューズ。その必死さ。

いわ...続きを読むば趣味ブログ。私ってこんな高尚な趣味なんですよーとアピっている。

しょうもないが嫌いになれないパーソナリティ。
それは亀の甲羅へ宝石を象嵌させたり、酒の組み合わせを口中オルガンと見做したりするような、一種の諧謔による。
神経の病と腐肉への偏愛も。

想像力による現実の塗り替え。の、勝利と敗北。

貴族/ブルジョア/カトリック(の堕落)

「あれはみんな梅毒なんだな」
うん。この一言に尽きる。

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Posted by ブクログ 2013年03月04日

何かを拒絶し続けた果てには、また違う世界の扉が待ち構えている。論理の構築物に完成がないのなら、逆に、どんな逆境にも、必ず、何らかの世界への扉は、静かに開いていているということだ。しかし、その次の場所が、夢の場所か、現実の場所かはわからない。

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Posted by ブクログ 2011年05月09日

主人公デ・ゼッサントの趣味嗜好が永遠と綴られる、引きこもり小説です。
そして、「デカダンスの聖書」と言われることで有名ですよね。
でもでも、デカダンスの「入門書」と勘違いしてはダメかもです。
あくまで「聖書」。
キリスト教の聖書がキリストの生き方を記した様に、デカダンな人の生き方が描かれた内容なので...続きを読むす。
当然、解説なんてありませんから、何も知らずに読む場合は御覚悟を><

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Posted by ブクログ 2010年06月26日

[ 内容 ]
「生産」を至上の価値とする社会に敢然と反旗を翻し、自らの「部屋」に小宇宙を築き上げた主人公デ・ゼッサント。
澁澤龍彦が最も愛した翻訳が今甦る。

[ 目次 ]


[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
...続きを読む☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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Posted by ブクログ 2010年05月19日

2010/5/19

退廃・デカダンス、教養のすごさ、
ギュスターヴ・モロー賛美。
一回の官吏が書いたとは信じられん。
妄想・書物・偏執・神経症。

あ、終わっちゃった、と言う感じ。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

ワイルドの「ドリアン・グレイの肖像」に出てくるヘンリー卿が主人公ドリアンに送った「悪書」はこの本だと言われています。
あわせてどうぞ。

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Posted by ブクログ 2024年04月08日

絶対最後まで読めない、と思って読み始めたら、意外な程に面白い。
貴族ゼッサントの趣味を語るだけのお話なのに。何故か引き込まれて読める。
このゼッサントの、好きな空間で自分が認めるモノだけを愛でて生きていきたい気持ちは分からなくもない。

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Posted by ブクログ 2023年01月27日

貴族ニートのデ・ゼッサントの偏執的な一人趣味が延々と語られる訳のわからない一冊。登場人物は基本的に一人。特にストーリーがあるわけでもない。
自宅の食堂の周りを水で囲んで海に行った気分になる。旅行記を読んで旅行に行った気になる。夕方に朝食を食べて夜に昼食を食べる。ラテン語文学にやたら精通している。モロ...続きを読むーやロイケンやルドンの奇怪な絵画を集める。女軽業師の男性的な逞しい体にうっとりする。女腹話術師にスフィンクスとキマイラのセリフをしゃべらせる。女性たちは愛想を尽かしていなくなる。頬はこけて髪は切らず目だけはギラギラしている。
こんな感じの描写ばかりがずっと続く。
共通しているのは、厭世的で、人工的で、自然体は退屈で、頽廃的なこと。これがデカダンスか。
なんじゃこりゃと思いながら結局読みきることができてしまって、面白かったかどうかもよく分からず、本当になんだったんだろう。
こんな本は読んだことがないのは間違いない。

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Posted by ブクログ 2023年01月02日

技術と人工に魅せられた主人公のほぼ独白のようなかなり変わった小説。澁澤龍彦の訳がかなり秀逸(癖はある)で、主人公の造る人工世界の悪魔的煌びやかさが過剰に展開されるべっとりとした小説。

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Posted by ブクログ 2023年09月21日

覚悟して読み始めたが、思いの外読みやすく、スッと入ってくるものがあった。(実情は作品真意の3割程度しか解釈できていないものだろうと思うが、理解できた範囲で感想を書く)

ストーリーは、主人公の

社会に対する絶望

厭世的生活(美と頽廃の「人工の小宇宙の創造」。宝石を埋め込んだ亀、口中オルガンなど...続きを読む

病魔

大衆社会への帰還
(ブルジョア社会•功利主義•芸術鑑賞の通俗化•宗教の商業化)
芸術、信仰、知性による救済の滅亡

絶望

の流れを描いている。

一連の流れを通じて、現実を直視する当時のヨーロッパ的自然主義に一石を投じ、芸術、女、悪魔、神を崇める反自然主義を唱えた稀有な作品である。

科学万能主義とブルジョア道徳の19世紀にあって、中世紀特有の神秘的象徴主義を作品全体に再現したと言う点で秀逸。

教育は可能性を提示するものではなく、絶望を示すものである。無益な生殖による生存競争の辛辣さ。など、最近考えてる事がまさしく言語化されていて、やはり自分は、ゼッサントのようにどこか捻くれた頽廃的な人間なのかもしれない、と思った。

とはいえ彼も、聖職崇拝に想いを寄せたり、特殊でありつつも芸術に対する高い関心を示していたりと、何かに縋り、無意識のうちに自分を捉えるこの世にある嘔吐すべき事実から救われたいと願っていたに違いない。
それでいて、これらの救済措置がブルジョアによる功利主義によって完全に断たれた時、そこに絶望しかないのは当然だ。。

「信じようと欲して信じられない信仰者」を憐れみたまえ!

「たった1人で、夜の中に舟出していく人生の罪囚」を憐れみたまえ!

社会を批判し、ひねくれてるように見えても、実は誰よりも社会と繋がって、救われたいと願ったのがゼッサントだったのかもしれない。

•あらゆる不幸には、一種の曖昧な補償作用があって、不幸の均衡を取り戻している。(人生における幸不幸の総量→=?)

•魂は思案する時、己を苦しめるもの以外には何も見ようとしない。(自分を優しく見つめるものの存在を無視してしまう)

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Posted by ブクログ 2022年05月03日

それこそ澁澤龍彦などの頽廃的・耽美的な世界観にはまっていた時分に買い、積読し、数年が過ぎ、そういう関心の薄らいだいまになってようやく読んだので、そうか……としか思えず、半分ほど読んで辞めてしまった。

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Posted by ブクログ 2021年12月15日

退廃的、厭世的。自分で作り上げた孤独の世界。薄暗さの中に翳った金属や宝石などの鈍い輝きが見えてくるような描写だった。
文学的な知識はなかったのでよくわからないところは多かったが、ルドンやギュスターブ・モローなどの画家の作品は知っていたので、その部分は世界観が映像でイメージできた。
亀の話は嫌な記憶と...続きを読むして残りそう。なんとも不思議な読後感。 

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Posted by ブクログ 2017年06月01日

ひょ、評価に困るなあー!
作品としては、数十年後にまた読みたいような面白さがあるのだけど、個人的な好みからは少し離れているので。

ブルジョワが徹底的に引きこもり、徹底的に自分の好きなものだけ摂取して生きていこうとする話。
文學、音楽、絵画など、それはもう偏愛に次ぐ偏愛を綴ってゆく。それらの作品が分...続きを読むかればこのアイロニーも分かっただろうに、と少し残念。知らないからこそ、偏屈なおっさんが延々と文句や皮肉をひりだしているようにしか見えないからね。
ここに出てくるものを全て知ってからまた読みたいような気がした。
ドリアン・グレイに出てきたので余計にそう思うのかもしれない。彼が影響を受けた世界観として。

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Posted by ブクログ 2012年01月28日

デ・ゼッサント!デカダンスの聖書らしいけど。ある程度素養がないと理解できないんだろうな。比喩とか、修飾が冗長に感じる。ここがいい所なのかもしれないけど。自分には難しい。でも、引きこもりたい気持ちはわかる。引きこもったら、部屋を快適にしたいよね、やっぱり。

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Posted by ブクログ 2017年09月03日

990夜

ここには、デカダンスの光学、装飾学、精神病理学などに関する百科全書的な網羅があり、生活を期待せぬ生活、不安に自足した魂、想像力と幻覚のあいだを往復運動する精神が不思議な夜の花の開花のごとくに見いだされる、(埴谷雄高)

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

デカダンスの聖書ということだが、要するに元祖ひきこもり小説という趣き。
確かにデカダンを感じさせるんだけど、ヨーロッパのキリスト教事情に明るくないと完全にその思想を理解するのは難しいと思う。
だから少し置き去りにされた部分があるかも。
何だか小説というよりも文芸評論的な章もいくつかあったし(そ...続きを読むれらの作品に興味を湧かせるところは流石だが)。
でもこういう内省的に沈んでいくタイプの小説は基本的に好きだ。
それは自分がそういう人間だから(笑)。
固い文体なんだけどサクサクと読める。
澁澤龍彦が一番気に入ってる翻訳らしいが、その通りだと思った。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

澁澤龍彦!わかんねぇーけどスゴイ!僕の所有している書籍は昭和59年光風社出版発行のモノ。装丁もすばらしい。この写真とは異ります。

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