唐草物語

唐草物語

649円 (税込)

3pt

4.0

「あらゆる模様のうちでアラベスクはもっとも観念的なものだ」とボードレールが『火箭』のなかに書いている。いうまでもなくアラベスクとは、唐草のことにほかならぬ。コント・アラベスク、すなわち唐草物語という総題名を思いついたとき、このボードレールの言葉を私が意識していなかったとはいえない。(著者「あとがき」より)

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唐草物語 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2017年05月07日

    あとがき、ことに、引用されたボードレールのことば、「あらゆる模様のうちでアラベスクはもっとも観念的なものだ」という一節が、テーマにも似て十二篇の物語を貫いているように思う。しかし、どの物語も、性行為との縁・無縁はおいて非常にエロティックであるように、私には感じられた。また、『遠隔操作』では、自分との...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    胸がキュッとなる。どうしようもなく惹きつけられる。端整な文章はもとより澁澤龍彦本人に。彼の数ある著書の中でもとくに好きな一冊。気に入りのページを繰り返し読んでます。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    読み応えバッチリですが、短いお話ばかりなので、文庫版になったことだし、鞄に入れて電車で読んだりできますな。
    幻想譚でもありながら、蘊蓄エッセイにもすり替わる、硬くて軽妙な、極上の逸品でしょう。
    氏の作品は、単行本時の装丁に秀逸・美麗なものが多いのですが、本書もまたそうで、函入り布張りの唐草物語は、込...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年08月14日

    好きです(唐突)
    こんなにすばらしい、読んでいくうちにどんどん楽しくなって微笑ましくなる澁澤文学はやはり偉大です。『鳥と少女』からもうずっと澁澤さんの独壇場。私たちは彼の魔手によって翻弄されながらも、ときおり覗かせるほっこりエピソードでばっちり心を鷲掴み、読むのをとめることができません(笑)。

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    Posted by ブクログ 2019年05月13日

    久しぶりに読んで、実に面白かった。
    こういうふうにかける作家はもういない。繰り広げられる澁澤ワールドが異常でも奇異でもない。美しい文学的想像力のたまものである。

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    Posted by ブクログ 2018年01月06日

    2008年10月14日~16日。
    はずれ無し。
    エッセイ風(エッセイか?)の作品も面白い。
    ということは、大量に出版されている作者のエッセイも面白いということだろう。
    いずれ揃えてしまうだろうな。

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    Posted by ブクログ 2010年09月06日

     短編集。
     フィレンツェの変わり者の絵描き、ペルシアを征服するティムールと詩人の会話、鬼の使わした美女に惑わされる中納言、火山に魅せられて命を落としたローマの火山学者プリニウス……等々、歴史上の人物について遺されたエピソードをもとに、想像の翼を広げてつづられた一冊。

     興味深く、幻惑されるような...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    全編、再編集の賜物である。故事、書物、国を問わず、時代を問わず、盛り込まれた様々な物語を再編集し、ひとつの形にする。
    考えてみれば、その手法が現代においては加速しつつ、形骸化に向かっている。澁澤龍彦の場合はしっかり物語の根っこ、背景までも判った上での引用であるのに対し、昨今見かける引用は浅薄なものの...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    短編集。
    実在した歴史上の人物や、故事などを作者なりにリメイクしてお話にしたものである。
    物語に起伏は少ないが、読みやすい文字の量と神秘的な雰囲気がお気に入りである。

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