澁澤龍彦のレビュー一覧

  • 高丘親王航海記 1

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    原作は未読なので
    この独特の世界観が原作者の味どうか
    ちょっとわからないけれど
    絵柄になじむ気がします。

    67歳!で天竺への旅を始めた
    高丘親王と弟子たちの道中記の体裁。
    仏の道を求めて異国へ分け入っていく
    …のですが、いろいろエロティック。

    途中で旅に加わる秋丸や
    ふたりの弟子たちがなんだかいい感じ。

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    2021年05月17日
  • 快楽主義の哲学

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    ”幸福とは、たんに苦痛の欠如です。 ”

    欲望を満たすことこそ人生の目標である、という考えを元に、欲望の中でも消極的な傾向にある「幸福」"ではなく"、積極的な欲望である「快楽」に焦点を当てて筆者の考えを綴った本。

    前半は、社会における「快楽」の立ち位置やその性質について書かれており「快楽主義」についての説明がなされている。

    中盤からは「快楽」の中でも、最も強いとされている性行為についての考察や「快楽主義」であったとされる歴史上の偉人についての話が続く。

    例として頻繁に上がるのが文学者や中世の時代背景だったりするのでその辺に興味が無いとあまり楽しめないかもしれない。

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    2021年05月06日
  • 高丘親王航海記

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    なんか解説に澁澤龍彦が人生のどんな時にこれを書いたのかとかずらずら書いてあったけど、そんなんなくても普通に物語がおもしろすぎる。突拍子ではあるが、まあそんなこともあるのだろう、と言いたくなるようなテンションがいい。

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    2021年04月02日
  • O嬢の物語

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    変態SM小説。傑作の名高い作品だけど、今のご時世叩かれそう。

    読み手を選ぶ、R指定モノ。

    いきなり拉致監禁に始まり、奴隷として目覚めていく主人公O。狭い世界で男たちが入り乱れて行為を楽しむわけだが、空間的な広がりが乏しいところがあまり好きではなかった。

    日々、女性に虐げられてる、男性陣はストレス発散できるかも。

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    2021年03月26日
  • 高丘親王航海記

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    高丘親王が唐の広州から天竺へ向かった航海記の体を取りながら、そのほとんどは親王の夢であり天竺への夢を吹き込んだ藤原薬子の夢が二重に語られる。鳥の下半身をした女、犬の頭を持った人の国など不可思議な国を遍歴するのだがそれも夢に過ぎない。親王は天竺の手前で落命する。仏の道を求める旅でありながらも幼少期からの憧れの女性薬子の面影を追いかける旅でもある。話の筋書きを楽しむような表面的な小説でないことは読んでいてわかるが、わかったふりをするつもりはない。何が言いたいのかわかりにくいのだ。

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    2021年01月25日
  • 世紀末画廊

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    かなり昔に購入して積んでいた澁澤龍彦の芸術エッセイ。
    ジェームズ・アンソールが冒頭に出てくるのに心惹かれて買ったんだろう。たぶん。

    最初の『世紀末画廊』は興味深く読めたんだけど、そのあとの幻想芸術、特にシュルレアリスムのあたりは、難解で読むのに苦労した。エッセイなのに……。
    面白かったし、さすがとは思うものの、読み手の私に芸術的素養が欠けているのもあり、なかなか難しかった。
    ただ、とにかく、サドの信奉者の面目躍如といった感じのセレクトではあり、知らない画家も多くて検索するたび出てくる絵にちょっとぎょっとしたりした。すごい。



    子どもの頃、親が美術館や博物館に休みの日に連れて行ってくれた。

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    2020年12月09日
  • 毒薬の手帖

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    ネタバレ

    毒をモチーフに文化史を語るエッセイ。独自の美意識がこれでもかと眼前に示され、本当に興味深かった。
    出てくる毒殺魔について、より知りたいと思ってネットで調べると、Wikipediaなどにほとんど同じことが書いてあり、出典に「毒薬の手帖」とあることがたくさんあって、さすが澁澤龍彦、と思うのと同時に、ネット上とはいえ百科事典の出典がそれなりの書物ではなく本人も堂々名乗っている「エッセイ」でよいのか?という気がした。まあ、これは、本書には全く関係ないことだけれど。

    端々の文章のフレーズ、組み立て方に『虚無への供物』を思わせるものがあり、中井英夫も澁澤龍彦も幻想文学の人であるから、文体、文のつながりに

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    2020年11月09日
  • 華やかな食物誌 新装版

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    面白かったです。澁澤さんの知識量ほんとどうなってるの。。
    美食について書かれている第一章と、それ以降の芸術についてかかれている章、どちらも興味深いところがたくさん。
    16世紀になるまでフランスではフォークが使われてなかったというのが驚きでした。
    メディチ家の美食や毒物について語りながら、最終的にアメフラシの話で終わったのは笑いました。しかしウミウサギて…アメフラシのどのへんがウサギなのか。。インドのにも毛は生えてないと思うけど。
    「ばさら」も興味津々です。江戸時代の統治術によって今の地味なあれこれになった、というのは面白いです。「かぶき」もいいけど「ばさら」もいいな。ばさらは精神の自在さ奔放さ

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    2020年10月27日
  • ソドム百二十日

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    青土社、佐藤晴夫訳を、20ページほどつまみ読み。
    驚くべき変態っぷり。食べるための、便の固さや香りの調整など。

    フランス革命前後の著とのこと。キリスト教の道徳の押し付けに辟易し、絶望し、どんなことをしたってかまわないのだ、神などいないのだと、人間の自由さや可能性をあますところなく表現したかったんだろうか?人が美しいというものを否定し、人が汚い、おぞましいとするものを賛美したかったのだろうか?

    こんなの、日本にもあったのだろうか?

    元はと言えば、日中戦争において、日本兵士がなぜ現地女性に猟奇的な強姦をしたのか、あるいは、東大生たちの裸の女子学生を馬乗りにして遊んだ挙句の輪姦、のような犯罪が

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    2020年09月21日
  • O嬢の物語

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    3.8官能小説と呼んでもいいのか?見たことない世界に一気読み。まあ理解されないやろな。ドキドキする。

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    2020年08月14日
  • 東西不思議物語

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    新聞に連載していた古今東西の不思議なエピソードを五十篇収録。

    本人が解説で言っている通り書き流した感はあるが、二人同夢やうつろ舟、飛鉢や人造人間など、その後創作のモチーフになるものがたくさん紹介されている。藤本蒼猪の挿画が良い。

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    2020年05月09日
  • 悪徳の栄え 下

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    悪徳の哲学小説。

    悪徳=自然の第1法則
    美徳=利己主義
    美徳=悪徳
    よって、人間における一切は悪徳。

    言わんとすることは分からんでもないが、
    余りにも頭のネジが飛び過ぎてる。

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    2019年09月16日
  • O嬢の物語

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    スーザンソンタグの「ラディカルな意志のスタイルズ」のなかで書かれていたことが全て、なような。あれを読んでから読んだことで、小説全体を覆う死の香り、崇高な文章表現がスッと入ってきてただただ過激な物語ではなく読めたと思う。

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    2019年04月22日
  • 悪徳の栄え 上

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    どのような人がどのような背景をもって、こんな話を思いついたのかが気になります。グロいしエグい。時代のせいなのか、個人的な特質なのか。
    同じ人間とは思えない、世界観にとにかくびっくりです。

    もちろん、フィクションですが、何かしら話を思いつく根拠としてこれに近しい話があったのかが気になります。

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    2019年04月02日
  • 新ジュスティーヌ

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    想像して、想像して、うわぁ。。ってなって一旦本閉じて休憩して、の繰り返しだった笑 疲れる。でも、宗教性と(時に性的な)暴力性を共存させた皮肉が好きなので、教会のとんでもない実情あたりは結構好きでした。一難去ってまた一難が果てしなく続く。次はどんなのがくるの〜〜って感じ。。大体想像超えてくる。当時なら私は多分ジュリエット派。

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    2019年03月03日
  • 秘密結社の手帖

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     ヨーロッパを中心として、様々な秘密結社を紹介しまくる本。学術的な感じは一切なく、読者に地図を示す前書きも無いからどこに連れていかれるのか分からないし、2012年に刷られてるのに文字が小さく掠れてるし、「土人」など今じゃ見かけない言葉もガンガン出てくるし。「一説によると」「と言われる」「という」「らしい」「に違いない」など、Wikipediaに書いたら[要出典][要検証]だらけになりそうな怪しすぎる記述。書きっぷりも書かれている内容もメチャクチャ怪しい。奇書と言ってもいいかも。
     自分で自分のちんちんを切り落とすとか、それすら生ぬるいあれこれが一定の集団の中で行われていたのが俄かには信じ難い。

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    2019年02月23日
  • ドラコニアの夢 アニメカバー版

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    目次
    編者序言

    三つの髑髏
    髑髏
    夢のコレクション
    豪華な白
    林檎
    秘密結社の輪廓
    犯罪的結社 その他
    横浜で見つけた鏡
       
    ランプの廻転
    地震と病気 谷崎文学の本質
    『亂菊物語』と室津のこと
    江戸川乱歩『パノラマ島奇談』解説
    『夢野久作全集』第一巻
    小栗虫太郎『黒死館殺人事件』解説
    『銀河鉄道の夜』宮澤賢治著
    石川淳と坂口安吾 あるいは道化の宿命について
    三島由紀夫とデカダンス 個人的な思い出を中心に
    『変身のロマン』編集後記
    潜在意識の虎 『動物の謝肉祭』序
    毒草園から近代化学へ
    デカダンス再生の“毒” サドの現代性
    優雅な屍体について
    恐怖の詩 ラヴクラフト傑作集『暗黒の秘儀』 

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    2018年11月19日
  • 澁澤龍彦 映画論集成

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    取り上げられている映画が古いせいで、観たことがあるものがほとんど無いのですが、読んだ限りではどれも澁澤らしいものばかり。
    映像を知らなくても、文章で十分楽しめました。
    もう少し、怪奇ものが多ければ知っている映画も多くなるんだろうけどなぁ。

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    2018年11月12日
  • 澁澤龍彦 書評集成

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    やはりというか、耽美/幻想系の書物に強い感じですね。
    幻想系が好みのものとしては、大変に参考になります。
    ちょっと入手が困難そうな書物が多いのが残念ではありますが。
    しかし、澁澤ってその著作物からの印象から比べると以外に昔の人なんだよなぁ、と紹介されている書物を見て思いましたね。

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    2018年11月12日
  • 東西不思議物語

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    世界の不思議な話をまとめた本。著者が渋沢栄一の親戚で、SMの概念を日本に持ち込んだとかいう人らしく読んでみる。
    著者の膨大な知識が窺い知れた。
    北アルプスの双六谷は四五六谷として、顔がぐにゃりと曲がる不思議現象として登場する。

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    2018年06月06日