澁澤龍彦のレビュー一覧
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「現実原則」に支配され、規格品のレジャーを供与されることで満足しきって「幸福」を感じている大衆は、今も昔も変わらない。一匹狼として、つくられた流行や価値に反抗し自ら快楽を発見することが肝要であると言った澁澤氏の思考や生活の理想が、大量消費社会や欺瞞に満ちた民主主義の中に生きる私の胸に突き刺さり、決して忘れることができないものとなりました。
しかしながら、現代の同性愛や風俗の乱れ、過剰な自己表現などの抑圧された欲求が解放された社会がスタンダードとなり、澁澤氏の主張が一匹狼的ではなくなった皮肉な情況をみて、単純に良い世の中だとは言えない気持ちになってしまいました。
終局的には、既成の道徳や価値、法 -
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ネタバレ「ソドム百二十日」
これは小説じゃない、小説なんかじゃない、カタログだ。
内面も成長もない。
さらにはキャラクターもなく、
作者の分身たる人物数名と、作者の欲望する人物数十名とともに城に閉じ込めて規則を作って、さあどうなるか、という壮大な実験に近い。
しかし私は小説なんかよりも、カタログであってもよい、「過剰なもの」を読みたいのだ。
ぜひとも完訳版を読まなければ。
・澁澤独特の隠語の面白さ。「強蔵」!(「ソドムの市」を再鑑賞するときには、あれが強蔵だ! と笑ってしまいそう。)
・「ソドムの市」が思いのほか原作に忠実な作りだったのだと驚く。
「悲惨物語」
・語り口の面白さ。この悪人を描くことで -
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ネタバレ【あらすじ】世の中いやになったのでひきこもっていろいろ連想を働かせていたら躰を壊しちゃいました。ああ、いやだなあ。
【笑えたところ】インテリアへの異様なこだわり。ひきこもりだから。
文学への衒学趣味は完璧。あ、でも忘れてた、音楽にもまずまずこだわりあるんだよーとエクスキューズ。その必死さ。
いわば趣味ブログ。私ってこんな高尚な趣味なんですよーとアピっている。
しょうもないが嫌いになれないパーソナリティ。
それは亀の甲羅へ宝石を象嵌させたり、酒の組み合わせを口中オルガンと見做したりするような、一種の諧謔による。
神経の病と腐肉への偏愛も。
想像力による現実の塗り替え。の、勝利と敗北。
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二十年以上ぶりに紐解く。まだ文庫といえば岩波か新潮くらいしか読むものはなく、だんだん文庫化が多くなった時代のころ。澁澤といえば、中学の頃は、なけなしのお小遣をためて、またあの素敵な装丁をなんだかこそこそ買っていたのを思い出す。
本に何も書かないほうなのに1989の一月の日付をスタンプしている(笑)
引っ越す度にでも古本にだしていないのは、文庫だからかしらん。
挿絵もよく、女の子だった私には馴染みの多いものでしたが、これを読んだときは、教訓が面白かったのを思い出します。 まさか刺繍を再開しはじめてまた手にとるとは思わなかったけれど…。
近々またお墓参り行こうっと。 -
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読んだー!読んだどー!!!
ああ、嬉しや・・・世界の名著、そのエロさで有名な「O嬢の物語」!
そういう世間の“おすすめ本”を読んだってだけで嬉しくなる。
でもこの本は、そういうの抜きに、わたしからもおすすめします!
エロさでゆうと「エマニュエル夫人」も有名だけど、どこかで「O嬢」も聞いたことがあって、本屋で見かけた時に文庫サイズでそこまで分厚くないのを見て「挑戦できるかな?」と買ったものの“ツンドク”こと約1年・・・
あれって駄目ね。前書きがやたらと難しすぎて、飛ばし読みすることが出来ないタイプの人は、なんかもうそこで躓いちゃうんだもん。
で、長らく読み進めなかったことを後悔したのはよ -
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ルクレチア・ボルジア、エリザベト・バートリなど、史上名高い悪女たちの魔性にみいられた悪虐非道の生涯を物語りながら、女の本性、悪の本質を浮き彫りにするベストセラー・エッセイ集。
とのこと。
ていうか1982年か・・・、古い!w
残虐な行為の数々と肉欲と狂気の所業に読んでて想像しすぎて気持ち悪くなりますが、時代を問わず人間の残酷さが出ていて面白い。
中世ヨーロッパが多いが、当時の退廃的な風俗も知ることができてとても興味深い。
あとローマ人の物語で読んだアグリッピナとクレオパトラが、本書で描かれているものと結構違う部分もある。
それは執筆された時代や資料や解釈や著者によるものであり、歴史学の