澁澤龍彦のレビュー一覧
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東西の不思議譚を集めたもの。野暮なことは言わずに楽しむ。一番不思議なのはこういうことを考えだす人間の想像力かも知れない。タイトルに興味を惹かれた章から読める。
1 鬼神を使う魔法博士のこと
2 肉体から抜け出る魂のこと
3 ポルターガイストのこと
4 頭の二つある蛇のこと
5 銅版画を彫らせた霊のこと
6 光の加減で見える異様な顔のこと
7 未来を占う鏡のこと
8 石の上に現れた顔のこと
9 自己像幻視のこと
10 口をきく人形のこと
11 二人同夢のこと
12 天から降るゴッサマーのこと
13 屁っぴり男のこと
14 ウツボ舟の女のこと
15 天女の接吻のこと
16 幽霊好きのイギリス人 -
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人間の想像力は、古来様々な異形の存在を生み出してきた。想像上の怪物や不思議な植物だけでなく、実在の生物も超常的な性質を与えられ、神話や宗教のシンボルとして、人々の生活の隣に息づいてきた。幻想的な生物たちを古今東西の書物に訪ね、その魅力を語る。
スキタイの羊/犀の図/スキヤポデス/クラーケンとタッツェルヴルム/ドードー/蟻の伝説/スフィンクス/象/毛虫と蝶/人魚の進化/大山猫/原初の魚/ゴルゴン/フェニクス/貝/ミノタウロス/火鼠とサラマンドラ/グノーム/海胆とペンタグラムマ/バジリスクス/鳥のいろいろ/虫のいろいろ/ケンタウロス/キマイラ。
「スキタイの羊」に出て来るワクワク島の木がとても -
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善いことをすればするほどひどい目にあって、ボロボロになっていく女の人の話し。
しかしよくまぁ次から次にひどい目に合うことか。
それでも現代人のほうがおそらくはるかにもっと残忍で、いやらしい責め苦を思いつくような気がする。当時画期的であったものでもいまや古典的、刺激の足りないものとなっているような…
自然の秩序と称されて、強者による弱者の支配が語られる。作者は逆説的にそれに反発しているようなのだが強者の繁栄、弱者の衰亡が読者の脳に張り付くのではないかと憂慮される。登場人物の一人が語っていたように、人生は善か悪かの二者択一ではなくて、その場その時の身の処し方次第なのだろう。
特に力のないもの -
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「現実原則」に支配され、規格品のレジャーを供与されることで満足しきって「幸福」を感じている大衆は、今も昔も変わらない。一匹狼として、つくられた流行や価値に反抗し自ら快楽を発見することが肝要であると言った澁澤氏の思考や生活の理想が、大量消費社会や欺瞞に満ちた民主主義の中に生きる私の胸に突き刺さり、決して忘れることができないものとなりました。
しかしながら、現代の同性愛や風俗の乱れ、過剰な自己表現などの抑圧された欲求が解放された社会がスタンダードとなり、澁澤氏の主張が一匹狼的ではなくなった皮肉な情況をみて、単純に良い世の中だとは言えない気持ちになってしまいました。
終局的には、既成の道徳や価値、法 -
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ネタバレ「ソドム百二十日」
これは小説じゃない、小説なんかじゃない、カタログだ。
内面も成長もない。
さらにはキャラクターもなく、
作者の分身たる人物数名と、作者の欲望する人物数十名とともに城に閉じ込めて規則を作って、さあどうなるか、という壮大な実験に近い。
しかし私は小説なんかよりも、カタログであってもよい、「過剰なもの」を読みたいのだ。
ぜひとも完訳版を読まなければ。
・澁澤独特の隠語の面白さ。「強蔵」!(「ソドムの市」を再鑑賞するときには、あれが強蔵だ! と笑ってしまいそう。)
・「ソドムの市」が思いのほか原作に忠実な作りだったのだと驚く。
「悲惨物語」
・語り口の面白さ。この悪人を描くことで -
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ネタバレ【あらすじ】世の中いやになったのでひきこもっていろいろ連想を働かせていたら躰を壊しちゃいました。ああ、いやだなあ。
【笑えたところ】インテリアへの異様なこだわり。ひきこもりだから。
文学への衒学趣味は完璧。あ、でも忘れてた、音楽にもまずまずこだわりあるんだよーとエクスキューズ。その必死さ。
いわば趣味ブログ。私ってこんな高尚な趣味なんですよーとアピっている。
しょうもないが嫌いになれないパーソナリティ。
それは亀の甲羅へ宝石を象嵌させたり、酒の組み合わせを口中オルガンと見做したりするような、一種の諧謔による。
神経の病と腐肉への偏愛も。
想像力による現実の塗り替え。の、勝利と敗北。
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二十年以上ぶりに紐解く。まだ文庫といえば岩波か新潮くらいしか読むものはなく、だんだん文庫化が多くなった時代のころ。澁澤といえば、中学の頃は、なけなしのお小遣をためて、またあの素敵な装丁をなんだかこそこそ買っていたのを思い出す。
本に何も書かないほうなのに1989の一月の日付をスタンプしている(笑)
引っ越す度にでも古本にだしていないのは、文庫だからかしらん。
挿絵もよく、女の子だった私には馴染みの多いものでしたが、これを読んだときは、教訓が面白かったのを思い出します。 まさか刺繍を再開しはじめてまた手にとるとは思わなかったけれど…。
近々またお墓参り行こうっと。