澁澤龍彦のレビュー一覧

  • ドラコニア綺譚集

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    自分の知識不足のためわからない箇所も多少あったが、作者が非常に楽しそうに書いているのがわかる良エッセイ。

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    2013年08月21日
  • 快楽主義の哲学

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    古今東西の快楽主義者の著作に関する博識を駆使し、快楽主義とは何かを説いていく。

    内容に少し時代を感じるものの、読んでいて納得する部分が多々あり面白かった。

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    2013年08月19日
  • ソドム百二十日

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    ネタバレ

    「ソドム百二十日」
    これは小説じゃない、小説なんかじゃない、カタログだ。
    内面も成長もない。
    さらにはキャラクターもなく、
    作者の分身たる人物数名と、作者の欲望する人物数十名とともに城に閉じ込めて規則を作って、さあどうなるか、という壮大な実験に近い。
    しかし私は小説なんかよりも、カタログであってもよい、「過剰なもの」を読みたいのだ。
    ぜひとも完訳版を読まなければ。
    ・澁澤独特の隠語の面白さ。「強蔵」!(「ソドムの市」を再鑑賞するときには、あれが強蔵だ! と笑ってしまいそう。)
    ・「ソドムの市」が思いのほか原作に忠実な作りだったのだと驚く。

    「悲惨物語」
    ・語り口の面白さ。この悪人を描くことで

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    2013年07月08日
  • 世紀末画廊

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    全体的に読みやすかったが、中盤のシュルレアリスムの考察の辺りは私の知識不足でさっぱり分からず…。後半のベスト18を選ぶくだりは作者の好みがマニアックで「やっぱりな」という感じが出ていて面白かった。

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    2013年06月30日
  • 快楽主義の哲学

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    日々の労働や将来への不安だけでなく、性愛の自制さえも優しくいなしてくれる一冊。人間的であれ、文化的であれ、そう洗脳されてきた私たちが、今更「動物的に生きる」なんてことはできそうもない。しかし、幸福・道徳・健全を是とする現代社会を、これほどバッサリ切ってくれる文章は痛快この上なく、まさに快楽である。

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    2013年04月10日
  • さかしま

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    ネタバレ

    【あらすじ】世の中いやになったのでひきこもっていろいろ連想を働かせていたら躰を壊しちゃいました。ああ、いやだなあ。

    【笑えたところ】インテリアへの異様なこだわり。ひきこもりだから。
    文学への衒学趣味は完璧。あ、でも忘れてた、音楽にもまずまずこだわりあるんだよーとエクスキューズ。その必死さ。

    いわば趣味ブログ。私ってこんな高尚な趣味なんですよーとアピっている。

    しょうもないが嫌いになれないパーソナリティ。
    それは亀の甲羅へ宝石を象嵌させたり、酒の組み合わせを口中オルガンと見做したりするような、一種の諧謔による。
    神経の病と腐肉への偏愛も。

    想像力による現実の塗り替え。の、勝利と敗北。

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    2014年12月21日
  • 長靴をはいた猫

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    教訓、もうひとつの教訓、なんてのが載ってるのが面白い。

    ペローの童話集は他にも読みましたが、これは、挿絵がすごいね。

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    2012年12月30日
  • ドラコニア綺譚集

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    美術史かぶれだった大学生のころの愛読書を、再び読み返しました。妖しくも魅力ある澁澤ワールド。大人になってからまた読むと、若い頃と異なった感覚を楽しめますね。

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    2012年11月29日
  • ねむり姫

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    中世日本のあやかしの短編集。
    何と言っても面白かったのは表題作のねむり姫。
    夢と現の間にとらわれるねむり姫とつむじ丸の想いの交差は何とも言えない

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    2012年11月08日
  • 長靴をはいた猫

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    二十年以上ぶりに紐解く。まだ文庫といえば岩波か新潮くらいしか読むものはなく、だんだん文庫化が多くなった時代のころ。澁澤といえば、中学の頃は、なけなしのお小遣をためて、またあの素敵な装丁をなんだかこそこそ買っていたのを思い出す。
    本に何も書かないほうなのに1989の一月の日付をスタンプしている(笑)
    引っ越す度にでも古本にだしていないのは、文庫だからかしらん。

    挿絵もよく、女の子だった私には馴染みの多いものでしたが、これを読んだときは、教訓が面白かったのを思い出します。 まさか刺繍を再開しはじめてまた手にとるとは思わなかったけれど…。
    近々またお墓参り行こうっと。

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    2012年10月20日
  • うつろ舟

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    ネタバレ

    最近知り合った文学部の方に澁澤龍彦の『うつろ舟』を勧められ早速手に取った。現代版、今昔物語といったところだろうか。婆さんが明瞭に朗読するのを脳内再生させながら読んだ。
    女の性器にあてがうと物凄い官能が到来するという珍物を売る商人がいた。その珍物の効果が本当か賭けをしようとある男が言い、その男の連れの女の性器にあてがうも全く反応しない。実はその女はすでに死んでおり、男が賭けに勝つという話が特にゾクッとして面白かった。
    個人的には澁澤龍彦より夢野久作の方が肝を冷やした。

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    2012年08月16日
  • 世界悪女物語

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    トイレ本にしているのでなかなか進まないなぁ


    古今東西の悪女 ―現代の法に当てはめるときちがい沙汰の凶悪犯罪― が、とてもわかりやすく紹介されている。
    人物ごとに章分けされており、短編集として読み方ができるのでお勧め!

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    2012年05月24日
  • 東西不思議物語

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    遠く朧な記憶を繙くと……
    高校生のときに初めて買った澁澤本がこれだったかも。
    古今東西の摩訶不思議な事物を取り上げた、
    新聞連載のコラムを纏めたもので、
    一話一話が短くて読みやすい、不気味でユーモラスな奇譚集。
    「天から降るゴッサマーのこと」の、
    ゴッサマー(gossamer)という奇妙な響きの単語が頭から離れない……。
    「ウツボ舟の女のこと」のお題は、
    後年「うつろ舟」として小説に結晶しましたね。
    それにしても、挿絵も凄いインパクトがあったなぁ。

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    2012年04月20日
  • ドラコニア綺譚集

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    最近、吸血鬼関連の本を読んでいて、
    ドラキュラ……ドラクル……ドラコニアという具合に、
    この本を思い出したのでレビュー。
    ドラコニアとはドラゴンの国、
    すなわち(ポオ風に言えば)「澁澤龍彦の地所」。
    古今東西の不思議なオブジェ、アイコンについて、
    自由気儘に連想の翼を広げて書かれた随筆集。

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    2012年04月20日
  • さかしま

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    何かを拒絶し続けた果てには、また違う世界の扉が待ち構えている。論理の構築物に完成がないのなら、逆に、どんな逆境にも、必ず、何らかの世界への扉は、静かに開いていているということだ。しかし、その次の場所が、夢の場所か、現実の場所かはわからない。

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    2013年03月04日
  • O嬢の物語

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    読んだー!読んだどー!!!

    ああ、嬉しや・・・世界の名著、そのエロさで有名な「O嬢の物語」!
    そういう世間の“おすすめ本”を読んだってだけで嬉しくなる。
    でもこの本は、そういうの抜きに、わたしからもおすすめします!

    エロさでゆうと「エマニュエル夫人」も有名だけど、どこかで「O嬢」も聞いたことがあって、本屋で見かけた時に文庫サイズでそこまで分厚くないのを見て「挑戦できるかな?」と買ったものの“ツンドク”こと約1年・・・

    あれって駄目ね。前書きがやたらと難しすぎて、飛ばし読みすることが出来ないタイプの人は、なんかもうそこで躓いちゃうんだもん。

    で、長らく読み進めなかったことを後悔したのはよ

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    2012年01月28日
  • 閨房哲学

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    途中から長ったらしい文章に辟易してくるけれど、サドの思想を簡単に知りたいならこれを読むのが一番よかろう。

    母親に対する仕置きにて、前門と後門を糸で縫う描写はなかなか。

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    2012年01月26日
  • 世界悪女物語

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    ルクレチア・ボルジア、エリザベト・バートリなど、史上名高い悪女たちの魔性にみいられた悪虐非道の生涯を物語りながら、女の本性、悪の本質を浮き彫りにするベストセラー・エッセイ集。


    とのこと。
    ていうか1982年か・・・、古い!w
    残虐な行為の数々と肉欲と狂気の所業に読んでて想像しすぎて気持ち悪くなりますが、時代を問わず人間の残酷さが出ていて面白い。
    中世ヨーロッパが多いが、当時の退廃的な風俗も知ることができてとても興味深い。

    あとローマ人の物語で読んだアグリッピナとクレオパトラが、本書で描かれているものと結構違う部分もある。
    それは執筆された時代や資料や解釈や著者によるものであり、歴史学の

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    2012年01月19日
  • 恋の罪

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    初サド。

    あんまり興味がないからよく分からないけど、こういうのを『幻想的』というのかな?
    二人の女性を品定めしてるかと思いきや、途中から巨人と戦ったり、妖精や仙女が出てきたり…
    でもなんて言うか凄く面白かった『二つの試練』。

    どの話もオチがピシッと、あるいはピリッと決まってるのが魅力的。
    (あるいは、って言いたい笑)
    若干説教くさいトコもあるけど。

    これが18~9世紀の作品ってのがまあ驚き。

    個人的には『哲学者の先生』とか面白かったなぁ。

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    2012年01月14日
  • 澁澤龍彦 西欧文芸批評集成

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    今や西欧という言葉も文芸という言葉も死語でしょう。
    加えて批評という言葉には昨今、「作品を創ることが出来ない人間の無責任な言動」という、悪い印象がついてしまった。
    そんな死語と悪印象の単語を並べた1冊ですが、この本は今こそ読まれるべき1冊となっています。

    西欧文芸の批評集成と題されていますが、澁澤さんの趣味通り、語られるのは文学の本流というより、幻想、暗黒、怪奇の文学と悪魔、異端、デカダン、黒いエロスについてです。

    でもあらゆる芸術とは結局、「一つのスキャンダルであり裂け目であって、耐えがたい異常なものの現実世界への侵入である@ロジェ・カイヨウ」
    ということです。
    そこに感じるのは戦慄であ

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    2011年12月14日