【感想・ネタバレ】美徳の不幸のレビュー

あらすじ

サドの代表的著作、ジュリエットの物語『悪徳の栄え』と対をなす妹ジュスティーヌの物語には三つのバージョンが残存している。本書はその最初の版である「原ジュスティーヌ」とでも称すべき中篇。バスティーユ牢獄中にて書かれ、革命のどさくさに粉れて紛失され、100年ののちに陽の目をみた本書はサドの思索のエッセンスが凝縮された異色作である。

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Posted by ブクログ

「悪徳の栄え」ジュリエットの妹、ジュスティーヌの物語になっている。
信心深いのもいいが。見えない何かに縋る意味とは?と、一つ聞いてみたくなりました。
神を信じて救われるのならば、それも良いだろう。
ジュスティーヌの場合、どんなに善行を尽くし、神を信じて「きっと神さまが…!」と、全く運命に嫌われているのではないか?という不幸の雨嵐にも、彼女はこれを曲げようとはしなかった。
行き過ぎた信仰心ではないが、美徳(善行)の意味、また逆に続く不幸の意味を考えると、きっとキリがないのだけれど、割と読みやすくて、まあ、サドだしな…という内容でした。
「ジェローム神父の物語」も、「悪徳の栄え」寄りで良かったです。

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2021年07月08日

Posted by ブクログ

この作品に、もっと早く出会いたかった。
悪徳と美徳の境界を突き詰めた文学の歴史が、
その輪郭がようやく一つの線で繋がり始めた。
サド、バルザック、ドストエフスキー、ゾラ、
フォークナー、ガルシアマルケス、大江健三郎。

2012-05-13 06:01:00 Twitterより

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2013年06月15日

Posted by ブクログ

 妹ジュスティーヌの物語。美徳に生きると決心したジュスティーヌがその美徳のためにさまざまな不幸に見舞われる。自然そのものが悪であるので、美徳に生きることは自然にそむいて生きていくことである。自然にそむいて生きていくので、さまざまな不幸に見舞われるのであると。

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2009年10月04日

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ネタバレ

姉のジュリエットは悪徳に溺れ、妹のジュスティーヌは美徳を貫くという物語。
この本は妹のジュスティーヌの物語部分だけで最初に書かれた中編を翻訳したものらしい。

実は先に姉のジュリエットの物語『悪徳の栄え』を少しだけ読んだ後に、妹の『美徳の不幸』に変えた。というのも『悪徳の栄え』を先に手にしていたけど読み切る前に『美徳の不幸』を買ったので、そちらをやはり先に読もうという気になったから。

美徳を貫くとは……一体何?と思ったけど、処女を守る事と『困った人を助けようとすること』のようだった。
処女については男どもがキモイ……としか感想はない。

困った人を助けるについては、知恵と経験ががなさすぎる……というだけ。

系統はかなり違うけど、あれこれ御託を並べ立てるのはカミュの『ペスト』にも似てるなと思った。
エログロ色が強いので万人にはあまりお勧めできない。

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2024年03月11日

Posted by ブクログ

善いことをすればするほどひどい目にあって、ボロボロになっていく女の人の話し。

しかしよくまぁ次から次にひどい目に合うことか。
それでも現代人のほうがおそらくはるかにもっと残忍で、いやらしい責め苦を思いつくような気がする。当時画期的であったものでもいまや古典的、刺激の足りないものとなっているような…

自然の秩序と称されて、強者による弱者の支配が語られる。作者は逆説的にそれに反発しているようなのだが強者の繁栄、弱者の衰亡が読者の脳に張り付くのではないかと憂慮される。登場人物の一人が語っていたように、人生は善か悪かの二者択一ではなくて、その場その時の身の処し方次第なのだろう。

特に力のないものは曲がりくねった細い細い崖っぷちの道を歩くような注意が必要なんだと思った。ボケ~としてたらヤバイんだろうな。

Mahalo

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2013年12月12日

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[ 内容 ]
サドの代表的著作、ジュリエットの物語『悪徳の栄え』と対をなす妹ジュスティーヌの物語には三つのバージョンが残存している。
本書はその最初の版である「原ジュスティーヌ」とでも称すべき中篇である。
バスティーユ牢獄中にて書かれ、革命のどさくさに粉れて紛失され、100年ののちに陽の目をみた本書はサドの思索のエッセンスが凝縮された異色作である。

[ 目次 ]


[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2010年08月03日

Posted by ブクログ

『悪徳の栄え』がジュリエットの物語なら、こちらはその妹のジュスティーヌの物語。悪魔のような心を持った姉と天使のような心根の妹ですが、果たしてその運命はいかなるものか… 対で読むべき作品ですが、私には『悪徳の栄え』の方がはるかに面白く読めました。

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2009年10月04日

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サドの代表的著作、ジュリエットの物語『悪徳の栄え』と対をなす妹ジュスティーヌの物語には三つのバージョンが残存している。本書はその最初の版である「原ジュスティーヌ」とでも称すべき中篇である。バスティーユ牢獄中にて書かれ、革命のどさくさに粉れて紛失され、100年ののちに陽の目をみた本書はサドの思索のエッセンスが凝縮された異色作である。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

おそらく、日本語訳になってるからでしょうが、想像していたよりも、読みやすかった。ひたすら可哀想な主人公だけども、今のところ絶望的な気分じゃないのはなぜでしょうか。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

澁澤とサドって本当に良いカップルだ。
彼以外にサドの作品をここまで理解して訳せる日本人はいないだろう。
この本を読んで心底思った。

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2009年10月04日

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